金物問屋「十八屋」の隠居・お蕗は、定期的に野菜を売りにくるお杉の姿が、ここ七日余り見えないことを案じていた。

東京、下町の老舗古本屋「東京バンドワゴン」。営む堀田家は今は珍しき8人の大家族。

安政三年、肥前長崎。出島で働く父から英語や仏語を習う十歳のお柳。

「夢の中でおっかさんに会ったんだ」幼い頃、母親に捨てられた少年僧・珍念が橋廻り同心立花平七郎に嬉しそうに話した。

十五年前、自殺とされた女性教師の墜落死は実は殺人―。警視庁に入った一本のタレ込みで事件が息を吹き返す。

老中阿部豊後守、甲府宰相綱重、館林宰相綱吉―はからずも、次代将軍継嗣を巡る三つ巴の暗闘に巻き込まれた緋之介は、剣への覚悟もできず腕も未熟なまま、家光十三回忌のため日光へ下向する将軍家綱の警護を命ぜられた。

背中にドラゴンのタトゥーを入れた女性調査員リスベットにたたきのめされた彼女の後見人ビュルマン弁護士は、復讐を誓っていた。

リスベットは襲撃者たちを撃退した。だが、やがて驚くべきことが起きる。

理不尽な目困った目、弱り目崇り目悲しい目、出た目の数だけ損をうる、それが憂き世の倣いごと。

国家の未来に関わる重要な文書が入った“箱”を父親から託され、GHQを始め大きな敵に身を追われるはめになった、子爵の娘・咲智子。

最後の舞台は、虹北学園。亜衣・真衣・美衣の岩崎三姉妹とレーチたちにも、ついに卒業の時がせまっていた。

美濃屋の跡取り息子・信太郎の目が突然見えなくなった。

都内で猟奇的殺人事件発生。連続するいずれの事件現場にも不可解な記号が残っていた。

都内の拘置所に収容されていた怪人二十面相から新聞社に手紙が届いた。

京都の大学から、遠く離れた実験所に飛ばされた男子大学院生が一人。

将軍の実子・立石家良に、自らの家臣を殺されたことを知った鹿之介は、妖艶な女忍・るいと共に、仇討ちに乗り出す。

本所大川端、神田川縁で発生した手錬による辻斬り。金めあてと目されたが、下手人と思しき徒牢人には恐るべき狙いがあった…。

電車で遭遇した目を見張るように美しい女。電話ボックスで見かけた甘い香りを残した女。

電車で遭遇した目を見張るように

元平戸藩主、松浦静山に気に入られ、たびたび下屋敷に呼び出されるようになった雙星彦馬。

元女郎おひろから、東北訛りの侍の用心棒を頼まれた見届け人・秋月伊織は、他国に逃げる資金をはたいておひろを身請けした侍の背景に、ただならぬ事情を察する。

因果の悪戯か制式空母『駿河』に乗艦することとなったまほろ。探偵小説の神は彼を容赦しなかった。

あきらめない。

愛知・岐阜県境の奥矢作湖に他殺体が浮かんだ。身元はインテリア会社会長・瀬戸一弘と判明。

中西道場の同門・飯岡と行き会い、計画中の武芸所の師範役を乞われた藤兵衛は、時同じく「大塩党」と名乗る集団による強盗騒ぎを耳にする。

銀河帝国からの亡命者とその子孫で構成される“薔薇の騎士”連隊。

インターネットに自分の全裸写真をアップされ、ネット社会への復讐を誓った天才女性プログラマー、キャサリン。

父親の跡を継ぎ、日本橋小網町の料理茶屋で料理人を勤めるおせん。

人生というのは作物の収穫みたいなものだ。毎年、同じところ―同じ種、肥料、土壌―から出発するのに、結果は毎年ちがってくる。

密室トリック、アリバイトリック、死体隠蔽のトリックなど、ミステリー小説には、状況におうじて、様々なトリックが使われている。

柳沢吉保の遺言を果たすべく、徒目付永渕啓輔は徳川吉宗の命を狙って紀州城下に潜入。

祖母の形見の零細人形店を継ぐことになったOL澪。

世界各地で頻発する人体発火現象。判明した被害者の身元にはある衝撃の共通点があった。

東京と出雲市で発生したダーズ(致死的急性狂犬病症候群)が感染爆発、死者1800万人と推定され、政府の主要機関が札幌に移された。

仙石藩士・刑部小十郎は、藩の御長屋を出て、江戸市中の借家に居を移した。

お姉ちゃんが結婚する日の朝、お父さんの携帯に1通のメールが届いた。“お元気ですか?実は、私も今日結婚するんです。

お姉ちゃんが結婚する日の朝、お父さんの携帯に1通のメールが届いた。“お元気ですか?実は、私も今日結婚するんです。

二つの隆起と三つの穴を持つ奇妙な出土物をめぐって議論を戦わせる学者たち。

将軍家斉の御台所茂姫の輿入れから八年。

月刊誌『ミレニアム』の発行責任者ミカエルは、大物実業家ヴェンネルストレムの違法行為を暴露する記事を発表した。

ミカエルはハリエット失踪事件に関する膨大な資料を読む一方、ヘンリックの一族のいわくありげな人々の中に分け入っていく。

柴山幸太は、神戸でフレンチスタイルのビストロを営む料理人。

如月映美は、名門女子高・明智学園の二年生。

許せない。あの娘だけがのうのうと暮らしているなんて…!連続幼女殺人事件の犯人、死刑執行直後に冤罪が発覚。

四十を前に、突然会社を辞めた娘。映画とギャンブルに依存するダメな父。

日本海の北朝鮮領海付近でロシア船が爆発炎上。その動きを窺っていた米海軍原子力潜俳艦が巻き込まれ航行不能となった。

第12回大藪春彦賞 第27回日本冒険小説協会大賞 エンタテインメント文学賞をダブル受賞。

難題は半次ばかりに。人気シリーズ第7弾! 少年が川端で拾った生首を写生した絵を、瓦版にして身元探しをすることに。

十字架を嫌う様々な現象が世界中に増え広がっていた。

世界で一番醜く、孤独な男―八木剛士。剛士を唯一支えてきた少女―松浦純菜。

出合茶屋で役者が首をつった。どうやら心中らしいが、女の姿が見えない。

つらいときは、ここに帰ってくればいい。昭和37年、ヤスさん28歳の秋、長男アキラが生まれた。

荒んだ心を抱いた16歳の少女は、展望台で出会った家族に、記念写真の撮影を頼まれる。

これが格差社会の末路なのか!?貧困大国となった日本の、恐るべき高齢者排除計画―それぞれの理由を抱え、もがく人々に救いはあるのか。

加速する地球温暖化を阻止するため、都市を超高層建造物アトラスへ移して地上を森林化する東京。

ついに反政府ゲリラは政府に宣戦布告。國子はブーメランひとつで戦車部隊に立ち向かう。

自分と同姓同名の人間の死亡記事を見つけた朝、「私」こと大道寺勉の運命の歯車は回り始めた。―かつて私を捨てた母との再会。

19歳の良太はドアスコープを付けた部屋で引きこもり生活を送っていた。父親はそんな息子を「怪物」と呼んで嫌悪する。

定年退職をむかえた元・小学校の先生が、子どもたちとの日々を小さな謎をひそませながら、奥さんに語ります。

五山の送り火の二日後、菊太郎は姉小路大宮で襤褸をまとい、力なく歩く四十男を見かける。

人を殺し、育った修道院兼教護院に舞い戻った青年・朧。なおも修道女を犯し、暴力の衝動に身を任せ、冒涜の限りを尽くす。

葬儀をだしていた男が殺された。死んだはずの商家の隠居は葬儀の最中に刺し殺され、本当にあの世に送られてしまったのだ。

臆病で生真面目だけど、十一歳のごく普通の少年・田之上翔太。

自由惑星同盟との不毛な戦闘を繰り返す銀河帝国。

高校の音楽科に通う主人公・津島サトルと個性豊かな仲間たち。

十角形の奇妙な館を訪れた大学ミステリ研の七人。彼らを襲う連続殺人の謎。

近未来の日本に、鎖国状態の「江戸国」が出現。競争率三百倍の難関を潜り抜け、入国を許可された大学二年生の辰次郎。

同棲相手との金をめぐる喧嘩が悲喜劇的な表題作と、女が偏愛するぬいぐるみが悲惨な結末を迎える「焼却炉行き赤ん坊」の2篇を収録

かつて世界各地で何が起きたのか?南北アメリカ大陸を襲った大干ばつ、中国の洪水、インドの大飢饉…人類がこうむった苦難の歴史と、生きのびる術。

ミステリー小説の楽しさの一つに、「犯人当て」がある。張り巡らされた伏線を丁寧に読み解き、犯人を推理する醍醐味は格別だ。

“不惜身命”仏道のために一命を賭して西蔵(チベット)の聖地・拉薩(ラッサ)を目指した仏教者がいた。その名は能海寛。

仕事を終えて帰宅したジョージを迎えたのは、ガスの充満した台所と、そこで息絶えた妻ヒルダの姿だった。

赤坂裏伝馬町で人が死んでいるという通報を受け、稲葉七十郎は現場へ駆けつけた。

うだつの上がらない父、パチンコ依存症の母、引きこもりで高校に行っていない長男etc.―。

死霊が彷徨い、腐臭漂う岡山の寒村。

珊瑚礁王国の美少女・真鶴は性を偽り、宦官になる―。前人未踏のノンストップ人生劇場。

流刑にされた宦官・寧温は、九死に一生を得て、側室として返り咲いた。折しも内外に国難を抱える五百年王国にペリー来航。

大地震の被害を乗り越えた信太郎。しかし、美濃屋の総領として乗り越えなければならぬ大きな問題を抱えていた。

生後五ヵ月の娘の目の前で妻は殺された。だが、犯行に及んだ三人は、十三歳の少年だったため、罪に問われることはなかった。

天才数学者でありながら不遇な日日を送っていた高校教師の石神は、一人娘と暮らす隣人の靖子に秘かな想いを寄せていた。

トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。

水戸光圀の一通の書状が、葬り去られた鍋島の過去を招きよせる。

腹心の部下ヒルダを皇妃に迎え、世継ぎの誕生を待つばかりとなったラインハルト。

ペルリーヌ尼僧団を追って北部へやってきたセヴェリアンは、いつしか共和国とアスキア人との紛争地帯に奥深く入りこんでいた。

“詐欺”を生業としている、したたかな中年二人組。ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。

2008年8月8日、五輪開幕に沸く中国・北京。

閉塞感が漂い、「希望」を持つことが難しい現代。

未解決事件の再探索に当たる隠密廻り同心・萬七蔵。手荒いやり口に悪党たちからは“夜叉萬”と渾名されていた。

18歳当時、5人の女性を強姦した上で殺し、死刑判決を受けた希代の殺人鬼・穂積壱郎。

将軍家宣の寵臣だった間部詮房と新井白石が謀議?情報を得た豪商紀伊国屋文左衛門が、米相場の暴落を策す。

図らずも三十二万石大藩の後継となった鹿之介は、身を守るために妖艶なくノ一・るいとともに落葉長屋に拠って、逆意方を迎え撃つ。

カーヴィ少年の失踪は誘拐事件に変貌した。

ハロウィーンの夜、ゴミの山から少年の死体が発見されたのを手始めに、デントン市内で続発する難事件。