夫の出張で、七か月の息子と二人きりの周子の家に、強盗殺人犯の男が立て篭った。

愛しい猫、可愛いメロウ、美しい、優しい、私の天使…。

あることで気落ちしていたあなたは、自らを励まそうと、幼馴染みの真澄に誘われるまま、怪奇幻想文学作家・故鳥飼征流の住んでいたベルギーの古城で、夏休みを過ごすことにした。

あの青年の夢を砕いてしまったのは私だ。三年前の〈やらせ事件〉が、今度の殺人を招いたのか―。

伯父のへそくりを盗み出して20日間の放浪の旅で遣いはたしてしまった青山浩一には、いまさら勤め先へ帰るのも厭わしく、いまやいつ、どこで、どうやって死ぬか、ということだけが唯一残された問題だった。

新聞がバラバラ殺人事件を報じていた朝、探偵小説作家の星田は雑誌記者の津村を相手に、“完全なる犯罪”などというものはこの世に存在しないとの論陣を張って深夜に帰宅すると、「貴下の“完全なる犯罪”なしとの説に対し、人間の手により“完全なる犯罪”の計画を遂行する。

新聞がバラバラ殺人事件を報じていた朝、探偵小説作家の星田は雑誌記者の津村を相手に、“完全なる犯罪”などというものはこの世に存在しないとの論陣を張って深夜に帰宅すると、「貴下の“完全なる犯罪”なしとの説に対し、人間の手により“完全なる犯罪”の計画を遂行する。

釣部渓三郎は八丈島行の船のキャビンで魅惑的な女性と出会った時から、相次いで起きる殺人事件に巻き込まれる。

フランス・グルノーブルの世界警察官会議に、十津川警部らが招待された。

「島に行け」という祖母の遺言に従い、主人公の青年・大地は島(=青蛾島)へ渡ることにした。

幻想を愛し、奇行で知られたシュール、リアリズムの巨人―サルバドール・ダリ。

手術後、順調に回復中の患者を相次いで襲う原因不明の死。

手術後、順調に回復中の患者を相次いで襲う原因不明の死。

クリスマス休暇を得たマドックは、コンドリック一族のクリスマス・パーティに参加することになった。

三毛猫ホームズら、お馴染みの面々がパーティに招待された。由緒あるリゾートホテルの閉館記念パーティである。

〈母さん、帰らぬ、さびしいな。金魚を一匹突き殺す まだまだ、帰らぬ、くやしいな。

元警視庁の辣腕刑事室生が、こぢんまりと営むアイワ探偵社にオイシイ話が舞い込んだ。

エリート官僚で国立公園管理官の友利恵一は、湿原で遭難者が出たとの知らせを自らの結婚披露宴の会場で受け、単身釧路へ向った。

親子四代、総勢九人という現代では珍しい大家族に嫁いだ法子。

新築・格安、都心に位置するという抜群の条件の瀟洒なマンションに移り住んだ哲平一家。問題は何一つないはずだった。

日本推理文壇の重鎮、小宮山泰三が住む2階建てモルタル造りの幸福荘。

わたしは歯がわるい。手術することになったはいいが、治療費たるや莫大で、万年金欠のわたしは頭をかかえてしまった。

小説家が本当に欲しいのは、永遠に失われたXKジャギュア、決してなくならないパイプ、そして至福の時を過ごした床屋の椅子―。

吹雪のアルプス山中に小型木製機が墜落した。炎上した機は各国に問い合わせても該当がなく、国籍不明として処理された。

無関心に満ちた満員電車がホームにすべり込むその刹那、ひとつの殺意が牙をむいた。

東京郊外の都市で一刀彫りの郷土人形を作る旧家に嫁いだ女性が次々に不審な死を遂げる。

初対面の小笹、高月両夫妻はたまたまゴルフ場で一緒にプレーすることになった。

1944年、連合軍はノルマンディー上陸作戦を敢行した。

弁護士の妻に前科が。若き弁護士・花吹省吾は驚愕した。

商用でソウルに飛んだ野上は機中で美女と知り合う。彼女の助けで商談も順調に進み、有頂天の野上は地元の女性と一夜を共にする。

十六歳の時に自ら売春婦の道を選んだエイプリルが、突然姿を消した。

世界的に活躍中の天才ヴァイオリニスト・神尾八千代は、留学先で母・貴子の心中自殺の報せを受け、帰国することになった。

結婚して二十五年、規子は夢にまでみたマイホームを手に入れた。

深夜の新宿公園。デザイナー・井草麻美子が暴漢に襲われた。

夢と現実のあわいに浮び上る「迷宮」としての世界を描いて、二十世紀文学の最先端に位置するボルヘス(一八九九‐一九八六)。

横浜で起きた連続婦女暴行殺人事件は、容疑者の自殺で決着がつこうとしていた。

ナンバープレートが泥まみれの怪しい乗用車が猛スピードで突っ込んできた。

動揺するな。涙を見せるな。

降りしきる薔薇のはなびらで窒息することを夢見て、縊死した劇団員を描いた「薔薇忌」、水を汲んだ桶を覗きこむと、その人のために祈ってくれているなにものかが水に映るという「祷鬼」、現実のセックスでは不感症であるが、眠りの中で濃密な性の悦びを得られるという女を描い

石木律子は何事にも人並の商社員響介と一年前に結婚、姑の文枝と三人で暮していた。

死んだ夫はもう一つの顔があった―。次々と明らかになる事実を前に女は決心する。

関羽、張飛が非業の死をとげ、主君劉備も逝き、蜀の危急存亡のとき、丞相孔明は魏による悪しき統一を防ぐため、輿に乗り白羽扇で軍を率い、五丈原に陣を布く―。

秋田県横手市の安アパートに潜伏していた男が、密かに殺された。横浜の会社の経理係で、実は公金を横領していたらしい。

「事故?事故ですって、どんな事故なんですか?」悲報は電話でもたらされた。

カリフォルニアの草原の古びた農家で、少年は四次元空間の視覚的イメージを研究する老科学者と出会った。

クラシックを断念し、ジャズ・ピアニストに転向したジョニーは、無気力な毎日を送っていた。

ジェット旅客機のパイロットだった三井田久志はある日突然、飛ぶことに恐怖を覚え航空会社をやめる。

窃盗事件を扱う赤かぶ検事。被告人は、盗むこと自体が生き甲斐のコソ泥だった。

旅行会社の社員が相次いで死亡した。女子社員が新幹線内で変死し、さらに男性社員がホテル内で刺殺。

警視庁を懲戒免職となり、妻子とも離別した小山淳一郎の前に、西条恒夫と名のる男が現れた。

コンビニで地上研修に励む“落ちこぼれ”天使マリの所に、突然大天使様がやってきた―善人と悪人、性格が全く正反対の双子の兄弟が同時に死んで、それぞれ天国と地獄へ行くはずが、なぜか途中で入れ替わって生き返ってしまったという―。

人間の支配の手をのがれ、今日もひとり探究の旅を続けるロボット・ジャスペロダス。その彼の元を一体のロボットが訪れた。

酷くなる一方の息子の家庭内暴力に、このままでは妻が殺されると感じていた町野は、ふと頭に浮かんだ自分の発想に慄然とした。

長崎でアナウンサーになった旧友・西山百合子を訪ねた京都府警の検視官・江夏冬子は、そこで殺人事件に出くわした。

「方丈記」の研究者である宇賀神助教授が、自らの命の危険を訴える手紙を残して失跡した。

確かに殺したはずの人間が、なぜか生きていた…。その謎の陰で、ある二つの遺体の行方に不審な事実が次々と判明して…。

「保険金をかけて姉を殺した古木保男に復讐する」との手紙を残し、井関ゆきは十和田へ向かった。

誰もが悪戯だと思っていた。荒野の岩山にペンキを塗りつけることに、目的などあるはずがない。

霧につつまれて幻想的なたたずまいをみせる湯布院。この静かな盆地の町で、疑獄事件の渦中にある前文部次官の秘書が首を吊った。

一人の人間の左右の目に起きる“ボッチの残像”という現象が、兄と妹の間で起きたのか?妹が死んだ瞬間、兄修一の網膜に残像が焼きついた。

あの男にこれ以上追い回されたくないの―メラニーと名乗る女性は訴えた。

鬱の病いを持つ青年ジョー。病院から追い出された上に、里親からも見棄てられ、絶望した彼は遂に自殺をはかる。

新宿西口地下街にあるケーキ屋のガラスケースの上にすわる猿の人形。

修道院に預けられていた10歳のリチャード・ルーデルは父の死によりイートンの荘園主となった。

新聞社を辞め、作家修業中のハウエルは湖畔の町にやってきた。

悪夢だと思いたい、信じられないような出来事。特殊な能力をもった青年の巧妙なビジネス。

信濃追分で“かわいい魔女”を売る土産物店「ひいらぎ」。ある冬の夜、店の前で見知らぬ男が死んでいた。

Sビルディングの窓下の路上に、死骸となって横たわっていた西村電機商会主の西村陽吉の死因は何か。自殺か他殺か。

「おみやぁさん。見えるかね?あれだがよぉ」かみさんの押し殺したような声に、赤かぶ検事は目を転じた。

展覧会場から、はたまた侯爵邸から、まんまと目当ての品物を盗み出す怪人が出没した。

僕が5歳の時、信州の別荘で起こった惨劇―それは僕自身の記憶と両親を奪い去った。

モボ・モガを父母として生まれてきた江川蘭子は、まだ物心もつかない二歳のとき、その両親を殺人事件の被害者として突如として失い、しかもその血みどろの惨劇の現場に放置されるという異常な状況の中に置かれたことから、その精神構造への影響が心配された…。

後漢は衰微し、群雄が覇を競う乱世に、一人の青年が時を待っていた。

本格推理の奇想の冒険者たちが、ここに集結した。

芦屋のお嬢さま・醍醐玲子さんに、親友の悦子さんが恋人との駆け落ちを告白。

鮎川哲也の作品「死者を笞打て」に盗作の嫌疑がかかる。十年前に謎の女流作家が書いた作品そっくり、というのだ。

西暦二三八八年、地球から六光年離れた惑星プロキシマとシリウスが手を組み、地球軍との恒星間戦争が始まった。

華麗、緻密、そして斬新、山村美紗のミステリー世界はどうやって生み出されるのか?秘密を公開。

北海道の北浦市市長春田は、陳情上京中に失踪、数日後に武蔵野林で絞死体となって発見される。

神秘的な謎を秘めた島、バリ島。そこへ「古代裂れ」のルーツを求めて、織物業界の五人のライバルが旅立った。

萩の有名料亭『あずみ』の主人が亡くなり遺産相続会議が開かれた。

東京美術大学の助手・茂木は銀座の画廊のオープニングパーティで一枚の絵を見て衝撃を受けた。

超ビッグ企業『アルファ』の会長・西坂太一郎が失踪した。

沖縄出身を謳うアイドル歌手が殺された。遺品の名刺から、大学助教授の若杉も警察の事情聴取をうける。

英国秘密情報部工作員ジョン・レンニーは、ゲリラに誘拐された仲間を救出するため、上司の命令のままに敵の連絡員の二人の子供を誘拐し、圧力をかける。

横浜・本牧の会員制クラブのプールで、パーティ中に殺人事件が起きた。

学生時代からの友人潤木と吉沢は、外房のひとけのない磯の先端に奇妙な建物を発見した。

賭博師のボーモンは、建設会社を経営する友人のマドヴィッグから大胆な計画を打ち明けられた。

冬の北海道から「花まつりを見に行きます」という絵ハガキを遺して死んだ姉。上着のポケットには一匹の蜂の死骸が…。

旧友を訪ねるため、カサブランカ行きの飛行機に乗った片島は、機内で日本語が堪能なフランス人女性エレーヌと知りあう。

「行方不明の芸者の千代子は、隅田児童公園の隣りの空地に埋められている」―。

ロッキー山脈山岳救助隊員のゲイブは、同僚ハルの恋人を救出できなかった自責の念から、行方をくらます。それから8ヵ月。

出版社を辞めて現在、推理小説作家で素人探偵の氏家周一郎。

開戦前夜の上海。二人の若い日本人女性が連絡船から降りたった。

元新聞記者の間垣吾郎は、かつての恋人道川八重子を目撃した。