香港でわかれた女性レイニー・ラウに主人公が二十五年ぶりに再会を果たす表題作をはじめ、借金とりたてに訪れたやくざと主婦の危険な関係を描いた「花におう日曜日」、美しい背中の女性と知り合い、著者自身の小説観まで投影される「ここから遠く離れて」など、静かに心を打つ

臆病で生真面目だけど、十一歳のごく普通の少年・田之上翔太。

「このミステリーがすごい!2000年版」第10位!第16回小説推理新人賞受賞作「眠りの海」を含む処女短編集。

助言あり〼(ます)――。スーパーの駐車場で“相談屋”を営む稲垣さんの下で働くことになった浜田青年。

大学生の望月良夫は愛車のデミオ運転中に、 偶然会った女優の翠を目的地へ送り届けることに。 だが翌日、翠は事故死する。

陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、ひょんなことからハイエナ記者火尻を暴漢から救うが、その正体に気づかれてしまう。

当たり屋、強請りはお手のもの。あくどい仕事で生計を立てる岡田と溝口。

福井県西端の新興港湾都市・海市。

応化二年二月十一日未明、“救国”をかかげる佐官グループが第1空挺団と第32歩兵連隊を率いて首都を制圧。

人は時折、勇気を試される。 落下する子供を、間一髪で抱きとめた男。

応化16年、爆弾テロが激発している内戦下の首都圏で、規律ある精鋭部隊として名を馳せる孤児部隊の司令官に、佐々木海人は20歳にして任命された。

僕の小説の中では もっとも本格ミステリー度が 高い自信作です。

姫子が恋したのは破滅へと疾走する美しい男の子・翼。アーバン・リサーチの探偵・佐竹が翼を追う。

人生に敗れ、詐欺を生業として生きる中年二人組。ある日、彼らの生活に一人の少女が舞い込む。

帝政ロシア崩壊直後の、ウクライナ地方、ミハイロフカ。

人里はなれた山村で、年老いた父親の看病をしながら暮らすひとりの男。ある日、女性が訪れて自分の叔父が殺されたことを告げる。

ケラーの今回の標的はテキサスの大富豪だった。ケラーは下見のため、当の富豪が主催するガーデン・パーティにもぐりこむ。

佐竹は、数年前に退社した大手の探偵社アーバン・リサーチの元上司・寺西に頼まれ、探偵スクールのレディース一期生・中野聡子の代理教官をすることになる。

ある春の日、離婚して自由になった正幸の前に、二人の魅力的な女性が現れた。

死ぬ前にひとつ願いが叶うとしたら…。病院でバイトをする大学生の「僕」。

ひょんなことから、プロの殺し屋が集う会員制ダイナーでウェイトレスをする羽目になったオオバカナコ。

戦争孤児が見る夢を、佐々木海人も見る。

残月の郎次―昼は廻船問屋の番頭、夜は裏金融を牛耳る儀平一味の大幹部。

隅田川沿いの高層マンションでルポライターが殺された。容疑者は防犯カメラに映っていた身元不明の若い女。

史上初！ 最終候補にダブルエントリーされ、「こっちを読みたい！」という声が続出した話題作。

在日米軍基地で発生した未曾有の惨事。

ぼくは、ぼく自身の戦争をどう終わらせたらいいのだろう―戦争が残した傷跡から回復できないアフリカの少年兵の姿を生々しく描き出した表題作をはじめ、盟友である芥川賞作家・円城塔が書き継ぐことを公表した『屍者の帝国』の冒頭部分、影響を受けた小島秀夫監督にオマージュ

『死神の精度』で活躍した「千葉」が8年ぶりに帰ってきました! クールでちょっととぼけた死神を、今度は書き下ろし長編でお楽しみください。

編集者の田中聡とライター・さとうゆうは幼なじみ。聡がファンだった小説家・小川満里花との仕事をきっかけに交流が復活する。

ケラーが今回依頼されたターゲットは、メジャーリーグの野球選手。

葬儀店のひとり娘に産まれた森野、そして文房具店の息子である神田。同じ商店街で幼馴染みとしてふたりは育った。

警視庁公安部OBの鷹田は絶句した。カルマ真仙教元信者の死刑囚から、秘かに五億円もの金を預かっている男がいたのだ。

昭和39年夏。10月に開催されるオリンピックに向け、世界に冠たる大都市に変貌を遂げつつある首都・東京。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

膳所駅で轢死した老人は事故死だったのか、それとも愛しい孫娘のための覚悟の自殺だったのか。

アイオワ州の切手ディーラーの店で、ケラーは遊説中のオハイオ州知事が何者かに射殺されたとのニュースを聞く。

三度目の刑務所生活で、スリ師戸並健次は思案に暮れた。

見渡す限りの砂塵。傍らの突撃銃と残骸になった軍用ヘリ。

かつては神宮球場のヒーロー、プロ野球の世界ではノーヒットノーランを達成。

美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。

五年前に愛を交わしながらも突然姿を消した女、瞭子と偶然の再会を果たした弁護士の栖本誠次は、翌朝、彼女の死を知った。

「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。

「今朝起きたらひどく頭が痛んだ。

1975年、日本海側のN***県が突如分離独立を宣言し、街は独立を支持するソ連軍の兵で溢れた。

傭兵経験のある桧垣耀二は、除隊後の事業に失敗し、鬱々とした日々を送っていた。

十七歳の夏、高校を休学したぼくはRの家を訪れた。

少し遅れた時計を好んで使った恋人が、六年前に死んだ。

独立蜂起の火種が燻る、十九世紀ポーランド。その田舎村に赴任する新任役人のヘルマン・ゲスラーとその美しき妻・エルザ。

オーストリア軍の兵士、オットーとカールの兄弟は、膠着状態の戦線で、ロシア兵達の虐殺を目撃したことをきっかけにジェルジュと呼ばれる若者に出会う…。

1939年ナチス政権下のドイツ、ハンブルク。軍需会社経営者である父を持つ15歳の少年エディは享楽的な毎日を送っていた。

歌舞伎町の中国黒社会で生きる武基裕。彼は残留孤児二世として中国から日本へやってきた。

1809年、フランス占領下のウィーン。

僕は列車に揺られてRの家へ向かった。解き明かされてゆく母の秘密。

ある侯爵が、美しい養女を放蕩三昧の金持ちに輿入れさせようと企んだ。

児童養護施設・七海学園に勤めて三年目の保育士・北沢春菜は、仕事に追われながらも、学園の日常に起きる不可思議な事件の解明に励んでいる。