一家離散によって幸せな生活を失った女子高生の真由。義父の虐待から逃れ、街で身を売るリオナ。

妻あり子なし、39歳、開業医。趣味、ヴィンテージ・スニーカー。

薄井正明、59歳。元大手銀行勤務で、出向先ではプチ・エリート生活を謳歌している。

出版社勤務の沙羅は40歳を過ぎ、かつて妊娠中絶した相手の川島と再会。それ以来、子供が欲しくてたまらなくなってしまった。

離婚の危機を乗り越えた岩見家だったが、娘・花奈のお受験や、夫・俊平の実家のある町田への引っ越し話を巡って、夫婦仲はぎくしゃくしている。

一番近くにいるのに 誰よりも遠い。 海釣りに出たまま、二度と帰らなかった夫。

十年間堪え忍んだ夫との生活を捨て家政婦になった主婦。囚われた思いから抜け出して初めて見えた風景とは。

自分は少女誘拐監禁事件の被害者だったという驚くべき手記を残して、作家が消えた。

長老との結婚を拒んで舌を抜かれた女。武装集団によって拉致された女子高生たち。

女は男の従属物じゃない―。1972年、東京、吉祥寺。

遙か南の島、代々続く巫女の家に生まれた姉妹。大巫女となり、跡継の娘を産む使命の姉、陰を背負う宿命の妹。

こんなにいとも簡単に夫と息子を捨てられるとは。

結婚は打算から始まり、見栄の衣をまとった。憧れのタワーマンションに暮らす若い母親。

39年前、西田啓子はリンチ殺人の舞台となった連合赤軍の山岳ベースから脱走した。

前代未聞「二児同時誘拐」の真相に至る「虚実」の迷宮！真実を追求する記者、現実を描写する画家。

整形を繰り返す秘密だらけの母。 MANGA CAFEを営む謎の男。

「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です。

おまえのために死んでもいい。危険な目に逢い続ける男が最後に見たものは。

カスミは、故郷・北海道を捨てた。が、皮肉にも、北海道で幼い娘が謎の失踪を遂げる。

親友の耀子が、曰く付きの大金を持って失踪した。被害者は耀子の恋人で、暴力団ともつながる男・成瀬。

誰もが口を揃えて「人格者」だと言う、仙台市の福祉保険事務所課長・三雲忠勝が、身体を拘束された餓死死体で発見された。

雅子、43歳、主婦。弁当工場の夜勤パート。

「金がないことがこんなに心細く、息苦しいとは思わなかった」。

小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。

「朴美愛」偽造パスポートを手に入れたミロは海峡を越え韓国に渡る。

夫が突然、逝ってしまった。残された妻、敏子は59歳。

京都でテーラーを営む曽根俊也。自宅で見つけた古いカセットテープを再生すると、幼いころの自分の声が。

沙織が地元の結婚相談所で紹介された男・杉下はハンサムで真面目、収入も十分だ。

柚月裕子の13年がつまった短編集 美しい花には毒がある 献身的に母の介護を続ける娘の楽しみとは……。

児童福祉施設の保育士だった美佐江が、自宅アパートで25歳年下の夫と焼死した。その背景に、女の姿が浮かび上がる。

名門Q女子高に渦巻く女子高生たちの悪意と欺瞞。「ここは嫌らしいほどの階級社会なのよ」。

高校二年生のあの日。薔薇(ばら)が咲き乱れる自宅のベッドで、ミロの口から「義 父と寝た」という驚くべき話を聞かされた。

清子は、暴風雨により、孤島に流れついた。夫との酔狂な世界一周クルーズの最中のこと。

１９８６年春。二人の女が福岡の証券会社で出会った。

ベルリンのガイドで生計を立てる、美貌の男、カール。地方銀行に勤める平凡な会社員、昌明。

高校三年の夏休み、隣家の少年が母親を撲殺して逃走。

診察したいんです、あなたのセックスを―― 若き美貌の麻酔科医・野宮万浬のペインクリニックに現われた貴井森悟は、彼女にとって舌なめずりしたいような実験材料だった。

東京オリンピック前夜の熱気を孕んだ昭和38年9月、地下鉄爆破に遭遇した週刊誌記者・村野は連続爆弾魔・草加次郎事件を取材するうちに、女子高生殺しの容疑者に。

AVでレイプされ、失踪した一色リナの捜索依頼を受けた村野ミロは、行方を追ううちに業界の暗部に足を踏み入れた。

不倫相手と夏休み、キューバに旅立った女性教師を待ち受けていたのは非難の嵐だった。

ここではないどこかへ…。東京の日常に疲れ果てた有子は、編集者の仕事も恋人も捨てて上海留学を選ぶ。

時代に先駆けてピル解禁を訴えていた女は――突然、姿を消した。

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。

永井姉妹と森口兄弟は、姉と兄、妹と弟が同級生同士で、常に互いの消息を意識してきた。

大正時代に東北に芸術家たちが創ったユートピア「唯腕村」。 １９９７年３月、村の後継者・東一は美少女マヤと出会った。

男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子。若くも美しくもない彼女がなぜ―。

君の罪は許されない。 だがぼくはまた会いに来る。

男たちの身勝手さを、一行で打ち砕く桐野文学の極北! 夫公認のもと、元恋人と自由な時間を過ごす妻を描いた表題作「もっと悪い妻」など、計六作の短編を収録。

記憶喪失の「僕」と島を捨てた昭光の、行くあてのない逃避行。

一九七四年生まれの二人の「陽子」。

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。

新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。

ここは万両百貨店外商部。お客様のご用命とあらば、何でも(殺人以外)承るのが外商の仕事。

聖母が死んだ。 薬物や性暴力によって心的外傷を負った女性たちのシェルター「新アグネス寮」で発生した火災。

正子は75歳の元女優。

貧困と虐待の連鎖――。 母親という牢獄から脱け出した少年は、 女たちへの憎悪を加速させた。