ペスト収束に奔走する敗戦間近の英国領ビルマ・メダンサ部落。

日本兵が陥った隘路とは?戦地の法則とは?つきつけられた選択とは?一兵士が抱く感情・判断・意志を、冷静な眼差しと丹念な描写で浮き彫りにする、体験記でも戦記でもない、古処誠二の戦争小説最新作。

1944年6月、多くの民間人を抱えたままサイパン島は戦火に包まれた。

インパール作戦前年のビルマ。新聞記者の美濃部は日本軍の英印軍討伐に同行する。

祖父はビルマ戦の帰還兵で、口を開けば戦争中の自慢話だ。

昭和20年夏、本土決戦に備えて中学生たちは陣地構築に動員された。

「そうです。賀川少尉を殺したのはわたしです」第2次世界大戦中のビルマ北部。

終戦間近のフィリピン戦線。

物語の主人公・宇野辺叡古(うのべえーこ)は、東京帝国大学法科大学の教授である。

退路を断たれた北ビルマでの戦いで、独歩患者は分進隊として切り離される。

昭和二十年四月、アメリカ軍が沖縄本島に上陸したとき、安次嶺弥一は十一歳だった。

組織によって選ばれた「社会的要人」の弱みを人工的に作ること、それがユリカの仕事だった。

27歳のタクシードライバーをいまも脅かすのは、親に捨てられ、孤児として日常的に虐待された日々の記憶。

侵入不可能なはずの部屋の中に何故か盗聴器が仕掛けられた。密室の謎に挑むのは防諜のエキスパート・防衛部調査班の朝香二尉。

東海地震で倒壊したマンションの地下駐車場に閉じ込められた六人の高校生と担任教師。

「あなたには、捕虜の処刑および民間人に対する虐待の容疑がかけられています」戦後まもなく、インパール作戦の日本人指揮官にかけられた嫌疑。

東シナ海に浮かぶ伊栗島に駐屯する自衛隊の基地で、訓練中に小銃が紛失した。

人類初の火星探査に成功し、一躍英雄(ルビ:ヒーロー)となった宇宙飛行士・佐野明日人(ルビ:さのあすと)。

「死にたくなったら電話して下さい。いつでも」。

昭和二十年八月十四日、敗戦の噂がまことしやかに流れる沖縄の捕虜収容所で、血眼になって二人の人間を捜す男の姿があった。

１９４５年。B２９による空襲の翌朝、防空壕で女性の遺体が発見される。

実務に追われる日赤救護看護婦を手伝っていた現地のビルマ人看護婦が全員解雇された。

楽しさを追求したら、こういう小説になりました。

シカゴを震撼させる連続殺人犯“四猿”。

2013年から1967年にかけて名刑事クワンの警察人生を遡りながら香港社会の変化も辿っていく、珠玉の連作短編集。

逼迫した戦況を一変させるという陸軍の軍事機密「カンナカムイ」をめぐり、 軍需工場の関係者が次々と毒殺される。

ベテランの捜査一課ヒラ刑事・真行寺は、介護施設で起きた死亡事件の捜査中、自称・ハッカーの黒木と親しくなる。

世界大戦をきっかけに、人工授精が飛躍的に発達した、もう一つの日本(パラレルワールド)。

テロや民族紛争の激化に伴い発達した近接戦闘兵器・機甲兵装。

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4カ国統治下におかれたベルリン。

1938年秋。流行探偵作家の小柳逸馬は、従軍作家として北京に派遣されていた。

アメリカが敵視した、人命を軽んじ易々と玉砕するという野蛮な日本人観が、一人の米軍諜報部員の報告で覆った。

昭和十年、春。数えで二十歳、女子学習院に通う笹宮惟佐子は、遺体で見つかった親友・寿子の死の真相を追い始める。

英雄を失った島に、新たな魂が立ち上がる。固い絆で結ばれた三人の幼馴染み、グスク、レイ、ヤマコ。

刑事たちの執念の捜査×容疑者の壮絶な孤独――。犯罪小説の最高峰、ここに誕生! 東京オリンピックを翌年に控えた昭和38年。

静岡のゴミ屋敷の焼け跡から、3年前に東京で失踪した若い女性の遺体が見つかった。

1943年6月、上海。

戦後犯罪史に残る凶悪犯に降された死刑判決。

マンションで孤独死体となって発見された女性の名は、鈴木陽子。刑事の綾乃は彼女の足跡を追うほどにその壮絶な半生を知る。

平成15年に発生した一家殺人事件。最有力容疑者である次女は薬物の過剰摂取のため浴室で死亡。

「これでおまえも一人前だな」入社三年目の夏、常に最下位だった営業成績を大きく上げた修哉。

社会派ミステリー作家が放つ問題作 “ポリティカル・コレクトネス”をコンセプトにした警察小説の依頼を受けた、新人作家・ハマナコがたどり着く境地とは……!? 表題作「政治的に正しい警察小説」ほか、偶然通りかかったカレーショップで、生き別れた母の思い出の味に再

『機織る武家』血の繋がらない三人が身を寄せ合う、二十俵二人扶持の武家一家。生活のため、後妻の縫は機織りを再開する。

『孤狼の血』『盤上の向日葵』著者が放つ、社会派ミステリ! 結婚詐欺容疑で介護士の冬香が逮捕された。

日本裏面史を「貫通」する公安警察小説! 昭和・平成の日本裏面史を「貫通」する公安警察小説! かつて田中角栄邸を警備していた警察官・砂田修作は、公安へと異動し、時代を賑わす数々の事件と関わっていくことになる。

祖父と父が日々女を連れ込む、通称・たらしの家で育った庭師の雅雪は、二十歳の頃から十三年間、両親のいない少年・遼平の面倒を見続けている。

殺人も辞さない世界的な過激動物愛護団体“DOG”。

PKOに派遣された陸上自衛官七名。一人は現地で死亡、一人は帰国後自殺。

生まれてから死ぬまで、運命のすべてが記されているという「アガスティアの葉」。

新潟市内に三十数名の北朝鮮精鋭特殊部隊が潜入!拉致情報機関員の奪還を端緒として“戦争”が偶発したのだ。

だからこそ潜るのだ。誰も潜らないから、誰かが潜らなければいけないのだと信じる。

失踪した父を探して難関音楽学院を受験する脩。そこで遭遇する連鎖殺人。

一級建築士の青瀬は、信濃追分へ車を走らせていた。望まれて設計した新築の家。

「神楽坂を舞台に怪談を書きませんか」突然の依頼に、作家の〈私〉は驚愕する。

藩命により友を斬るための刀を探す武士の胸中を描く「春山入り」。

メーラーデーモンを名乗る者から「一週間後、お前は死ぬ」 というメールが届いた後、殺害される連続殺人が発生! 「お客様」を殺された上木らいちは捜査を開始。