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マッチマッチ さんのレビュー一覧
マッチマッチさんのページへレビュー数321件
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いかにも、この都合よい筋書き。
旦那に瓜二つの中国人⁈ お金持ちで認知症気味のおばあちゃん⁈ そして、いくらDV旦那って言っても、普通、殺す前に警察への相談だろ⁈ でもこれらの重要なピースが無いと、この小説の筋書きは成立しない。 だから、いくら本書がご都合主義って言っても、これらのピースは必然であり、かつ善なのである。 よって、都合よく善なるピースを組み込まれて書かれた本書は、すこぶる面白い。 特にラスト数ページのスリル感は、満点ですね。 無事逃げ切れるのか、それともラスト1行に悲劇が待ち構えているのか、このドキドキ感はこの小説の醍醐味です。 お見事です。 ではなぜにアマゾン評価の5点。当サイト評価9・10点にならないかというと、やっぱり善なるピースが、余りにも都合良すぎ、また事件が安直すぎるあるからである。 でもそこを無視して読めば、面白く一気読みでしょう。よって、アマゾン評価4点の当サイト評価8点にした。 |
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私の好きな所謂「警察ミステリー小説」。その王道のような作品。
祖父・父・子の親子三代に渡る警察官の物語。 まさに「警官の血」タイトルそのものです。 上下2巻で、読み応え十分ですね。しっかり楽しめました。 祖父清二、父民雄、子和也、それぞれに独立したストーリーが描かれているが、鍵となるのが駐在員だった祖父清二の謎の転落死。 この謎が未解決のまま物語は父、子と進んでいく。 読者は、それぞれの警官のストーリーを楽しみながら、この転落死の謎を解くための伏線を見つけるという別の楽しみを得ることが出来る。 そういう面で、この小説はダブルの相乗効果で、秀逸の面白さがあった。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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うーん、なかなかよく出来たミステリー小説ですね。
これでこのこのサイトの「国内総合ランキング」104位ですか。50位以内には十分入りそうだと思いますがね。 当方読みたい本をこのランキングから適当に見つけて、気になった物を読んでいますが、著者作は初読みでした。当たりでしたね。 こうやってこのランクから見つける方法も、宝探しみたいで良いものです。 約680ページ16章からなる長編です。 ただし、ページ数の割には、さほど多くは無い登場人物の手記と供述だけで全ページ書かれており、軽くて読み易いです。 16章のタイトルはビートルズのアルバム『ラバー・ソール』に収録された曲名と同じ名前になっています。 しかし正直なところ、内容はこの洋楽的な雰囲気とは余り合ってはいないように感じられました。※著者のこだわりですかね。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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まさに日本の高度経済成長期の頃のお話。
特に東京オリンピックが開催され、東海道新幹線開通した昭和39年は、この時代の輝かしいシンボル的な1年であったであろう。 本書は、その成長期の光と影に焦点を当てた長編社会派エンターテイメント小説という位置づけが適切だ。 原稿用紙1400枚ということだから、相当なボリュームがある。しかし単純な社会派小説ではないので全く重苦しくない。それどころか、エンタメ感満載で気楽にサクサク読める。 さらに、この時代の懐かしい世相もタップリ盛り込まれ、思わず笑いがこぼれる。この著者は、「罪の轍」でも感じたけど、この時代を非常に上手に描き切っているように思える。 調べたところ奥田氏は1959年生まれということだから、東京オリンピック開催年の1964年の時は5歳児であったわけで、結構研究されたんでしょうね。それに心理描写も上手だし、お見事ですね。 しかしこう書いてしまうと、なんだかお気軽エンタメ娯楽作品のようになってしまうけど、実際はとても哀しいお話です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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読み終わって分かったこと。
この作品、第67回江戸川乱歩賞作品らしい。うーん、なるほど。 本冊の最後に、選考経過と5名の選考委員の選評が記載されていた。 元々のタイトルは「センパーファイ …常に忠誠を…」。確かにこのタイトルではピーンと来ないし、読み終わった後に「何故、このタイトル⁈」と疑問符が付いてしまう。 刊行時の改題されたタイトルは、この「北緯43度のコールドケース」なのだが、正直当方、読後、この意味が分からなかった。 それで調べてみると、「コールドケース」というのは「未解決事件」という意味があるんですね!納得です。やっと腑に落ちました。 そして、読後にこの5名の選評を読んだのですが、共通する弱点「序盤の書き方の不親切さ、順番が不整理、体裁が整えられていない、時系列等の拙さ、読みにくい、小説が下手」との辛辣な意見が書かれていました。 しかし、それでもこの作品が受賞したということは、当然、その問題点は修正出来ることであり、その弱点を上回るほど内容が秀でていたからでしょう。 それを踏まえての当方の感想なんですが、問題点を修正されて刊行された本書、結構面白かったです。 北海道警の未解決誘拐事件を扱った警察ミステリー小説なのですが、登場人物が十分に肉付けされていて、厚みがあります。 道警内部の抗争、未解決誘拐事件、天狗岳事件、これらが絡み合って物語が進行します。 そして、主人公の女性警察官が捜査資料漏洩の生贄になりそうな辺りから、グーンと面白さアップです。 逆に言うとこの辺りがピークかもしれませんね。 この小説は、事件の真相を明らかにしていくミステリ―小説としての面白さより、登場人物の生い立ち・背景・人間関係のデティールを楽しむ小説だと思います。 事件の顛末としては、ツッコミどころ満載です。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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余り面白く無かった。
何故なのかな? 次にどうなるのだろう?という期待感・ワクワク感があまりないので、僅か300ページ弱の中編がすぐに読み終えない。 刑事も含めて登場人物の背景・心理・行動の描写が表面的で、なかなか人物の名前とキャラが覚えられない。 それで、いつの間にか終わってしまう。(最後のエピローグで出てきた「初美」って誰の関係?と、思わず頭を抱えた(笑)) ということで、こういう評価になった。 ※著者の小説は、初読みなのが原因かもしれませんが? |
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これは面白いですね!
650Pほどの厚さですが、久しぶりに寝るのを忘れて、一気読みしてしまいました。 10年前、河川敷で発見された2件の絞殺女性死体。未解決のまま、再び同じ河川敷で連続して2件の女性死体が見つかる。そして浮かび上がる3人の容疑者。 大筋はどこにでもある普通の犯罪小説なのだが、とにかくこの小説はテンポよく読ませてくれる。そして、犯罪小説にありがちな重さや陰鬱さは一切無い。 それどころか、読んでいて思わず読者を笑わせるギャグも散りばめられている。 このギャグのポイントが、刑事・容疑者以外の登場人物、すなわち10年前の被害者の父親、新人新聞記者、犯罪心理学者なんですね。 特に被害者の父親のキャラは特筆ものです。絞殺された娘を想う父親の哀しい行動ですが、その無茶で妙に滑稽な行動、そしてその妻との対比、これがギャグとして読者を笑わせてくれる。 記者と父親の関わり、また記者と犯罪神学者とのやり取り、ここにも傍から見た人間の滑稽な一面を感じさせる。この辺りの心理描写が実に面白く絶妙ですね。 まさに犯罪小説の名を冠した群像小説で、単なる「犯人探しの謎解き小説』ではありません。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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好みが別れる作品ですね。
ファンタジー小説のような設定で物語は始まりましたが、中盤までは本格的な謎解き小説です。 よって、当方には少々退屈な流れですね。読むのが少し面倒でした。 ただ、中盤以降の「毒スープ」·「囚人脱獄」.「デーン人来襲」辺りからテンポが良くなって、一気に面白くなってきます。そして、終盤はお決まりの謎解き解明。そこで驚くような真実が明らかにされる。 この終局は、かなり説得力があって納得出来ました。面白かったです。 あとは評価のポイントだけど、これは冒頭で書いたように、もう好みだけの問題ですね。 とにかくリアルに拘るなら、そもそも高評価は望めない。 ということで、当方はアマゾン評価の平均点ということで、サイト評価6点にしました。 |
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結構話題の小説なので読んでみた。
読み始めてすぐに、『これは典型的なクローズド‐サークル小説。当方があまり好みとしていない「犯人は誰なのか」という謎解き小説』であると思われた。 結局そう思って読んでいると、正直それほど面白いという感じはない。所謂どこにでもある謎解き小説のレベルである。 強いてあげれば、「犯人を見つけ、その犯人を生贄にして自分たちが生き残るという行為」が道義的に許されることなのかを、それを問う社会派小説という見方もできる。 しかしそうであるならば、登場人物たちの心情の描き方が弱い。ただ、バタバタと犯人を見つけようと思考しているだけ。なにか中途半端なままである。 そしていよいよ犯人が明かされる。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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350ページ程の中編だけどコンパクトに仕上がっており、十分に楽しめました。
これは著者のデビュー作ですか。デビュー作がこのレベルだと、当時相当期待されていたのでは? 自身の過去のレビューを調べてみると、この方の作品を結構な冊数読んでました。そして、最近読んだ「赤い砂」以外は評価も高い。8点と9点ばっかりですね。この方の作風は私の嗜好にピッタリはまっているのかもしれません。 主人公の元刑事尾木には、いずれ本物の虹を見つけそこを渡って欲しいな、と思わせるどこかホッコリするような小説でした。気軽にあっという間に読み終えます。お勧めします。 |
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この著者は初読みでした。
読後調べてみると、「法医昆虫学捜査官」のシリーズで結構有名な方なんですね。恥ずかしながら、当方知りませんでした。 されど、以前、某新聞の書評で紹介されていたので本書を手にした訳ですが、十分に楽しめました。 服飾ブローカー(仕立て屋)という設定の主人公が、その職業的知識を活かし、十年ほど前に殺害された少女の身元を追いかけ、事件の真相を明らかにするというお話です。 こうした特殊な職業を持った一般人がスーパー探偵ごとく活躍し事件を解決するというお話は、ちょっとハズレが多いんだけど、今回は当たりの部類ですね。 ※そう言えば少し前に読んだ「紙鑑定士の事件・・・」というのがちょっと大外れだったので、余計に目立ちました。 主人公がその造詣の深さで、少女の服1枚から様々な情報を得、推理する過程が、本書の読みどころですが、著者は十分な知識と裏付けでこれを書いており、説得力がありました。 まあ、しかし、説得力はあっても、当然、実際はそうは行かないだろうというのは、常にあります。 要するに余りにも都合よく行き過ぎのは、否めない。しかし、本書はそれも含めて楽しめたらいいと思います。 主人公以外の登場人物のキャラも立っていたので、何となくシリーズ化されそうな予感を感じさせる一冊でした。 |
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20年程前の作品。
今の時世、新型コロナの時代にピッタリですかね。 当時としては良く勉強されて書かれているようです。 ただ、今これを読んでみると、やや大雑把。ちょいと非科学的な場面も見られます。 未知のウイルスによるパンデミック小説の体裁ですが、さほど緊迫感もなく怖さも全く感じられません。 当方は、どちらかというと、お粗末で危機感の無い行政の職員やシステムを皮肉った一種の社会派小説という感覚で読んでいました。 ところで、本文中にはワクチンに関する記述が多数出て来ますが、このコロナ時代のワクチン推進派と反ワクチン派のドタバタを目にすると、昔も今も変わっていないのだなと思わず笑ってしまいました。 作品の評価に関しては、やはりヒリヒリするような恐怖感、未知のウイルスの怖さ、こういったものが殆ど味わえなかったので、やや渋めの評価にしました。 |
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600ページを超える小説である。
当方、この程度は全く気にならないばかりか、これくらいの分量が好みであるが、この本は少々しんどかった。 読み終わっての感想だが、やっぱり、当方この手の謎解き小説は体質に合わないのであろう。 どうしても、謎解きが目的で筋書きが組まれたようで、小説や登場人物の心情にのめり込めない。 無機的に様々な事実が羅列されて、そこから解答を見つ出す作業を行っているような感覚である。 やっぱり、ハラハラ・ドキドキ・ワクワク・ゾクゾクが無いと、私は駄目なようだ。 今後はこのサイトのランキングを参考にする際は、その辺も考慮して選択すべきと今回学んだ。 |
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あとがきを読んでみると、この著名な作家さんはすこぶる推理小説好きだったらしい。
昭和30年代の極ありふれた地味な事件を扱った裁判小説である。それは、派手な展開や驚くような結末が待っているわけではない。量的にも500ページを楽に越える肉厚である。なのに、最後まで目が離せない。 さすが大御所の作家さんだけのことはある。並の作家では、この材料をこれだけのボリュームで書き尽くし、読ませ切るのは不可能であろう。 ※確かに序盤は、ややしんどい所もあるが、これがあってこそこの小説の真価が得られる。 法廷物·裁判物が好きな読者は、必ず読んでおくべき小説だと思う。通常のこの手のミステリー小説が、いかにデフォルメされて面白、可笑しく描かれいるのかが、良く分かる。といっても、決してこれを否定するものではない。それこそエンタメ的な醍醐味であり、読後の爽快感なんだから、今後もそれはそれで楽しみたい。 それにしても、凄く勉強になりました。冒頭に「宮部みゆき」氏の紹介文が掲載されているが、A級の紹介文です。その通りでした。 |
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