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マッチマッチ さんのレビュー一覧
マッチマッチさんのページへレビュー数106件
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東京23区にまつわるいわく因縁を基にしたオカルト的ホラーミステリー小説。
とは言え、全く不気味でぞわぞわするようなお話ではない。 主人公は霊感の強いフリーライターの原田璃々子。そして、その相棒である先輩の民俗学講師島野。 両人が、23区の中で今回は5区を回り、妙な噂を取材する5話からなる連作短編集。 ご当地にお住まいの方なら、興味深くよりリアルに楽しめたのではないでしょうか。 ただ当方の様に縁もゆかりも無い者にとっては、やや薄味に感じる。 そういう意味では、評価が少々低くなってしまった。 どちらかというと、現実の人の怖さが秀でて感じられた。 第2話の「渋谷区の女」のお話。ラストの母の怨念と息子の恐怖。爆笑するくらい怖かった。まさに怖面白い。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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心理サスペンス小説ということで、期待感一杯で読んだが、なかなかしんどいお話であった。
とにかく主人公里沙子の思考にイライラする。 本文中にも「・・・そんな具合に、ネガティブな思考のループにはまりやすい自分を里沙子は自覚していて、心底面倒だと思っているのだが。・・・」 まさにこの一文に尽きる。 主人公は三歳の娘を育てている普通の主婦である。夫陽一郎もその娘を可愛がるどこにでもいるような普通のサラリーマン。 そのどこにでもあるような普通の家庭の普通の主婦が、裁判員制度の補充裁判員に選ばれ、刑事裁判に臨むことになったというお話。 刑事裁判の被告は、我が子を湯船に沈めて虐待死させた女性水穂。 当方読み始めて本書の展開は、「被告や証人の証言や主人公の発言・行動が複雑に絡み交錯しつつ、事件の真相が思わぬ展開を迎える」というエンタメ的なストーリーを予想したが、実際は全く異なっていた。 事件そのものは、この小説の本題ではない。 要するに、主人公里沙子が被告水穂に自分を重ね、自分の生い立ち・環境・家庭・家族・結婚生活・子育て・躾け・虐待・嫁姑・自立・専業・共稼ぎ等を考える社会派的家族小説である。 安直に言うと、若い男女が結婚するに当たっての指南書・啓蒙書とも言っていいかもしれない。 男性側から見ると、里沙子のような超面倒な女性は遠慮したい。 女性側から見ると、陽一郎のような一見理解があるようだが、女性の内面を知ろうとしない無理解・マザコン男はもう無理。こういうことだろう。 だから、円満な結婚生活を送るためには、この本を読んで男女の特性差を知り、些細な一言も気を配って結婚しましょう。ということではないか。 勝手ながら、当方、著者の意図をそういう風に捉えてしまった。 アマゾンの感想を読んでいると、里沙子の心情に共感するというコメントが多いことになるほどと思う。 無理解男が世に多いということの証左でもある。 まあしかし読みながら、うじうじ思考の里沙子には、もっとガツーンと言ってやれよと言いたくなった。 もしかすると、著者はダメ女性の例として里沙子を描き、世の女性たちに「もっと自立せよ!」って発破をかけているのかとも思った。 エンタメ小説では無く、ちょっと本サイトでは範疇外という印象なので、中庸点の5点とした。 |
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読み易いことはこの上もない。まるで軽いコミック本のような小説であった。
こいつが怪しいじゃんと思った人物が、まさにそのものずばりであったのは笑える。 また、何となく怪しい手術室。ということは、いかにも違法臓器移植がバレバレ。 それにラストの復讐殺人。スーパースターのようなお手並みと逃亡劇。 軽さとスピード感と雰囲気だけのお気軽小説という評価で、☆2つ(アマゾン評価) |
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なぜこの書籍を手にしたのだろうか?
かなりライトな小説です。 中高生向きって言ったら、中高生に失礼か(笑) とにかく軽く流したい方とか、ミステリー初心者にはお手頃でしょう。 いわゆる刑事コロンボ、古畑任三郎シリーズタイプの倒叙ミステリー。 もうガチガチの絵に描いたような倒叙です。捻りも何もない(笑) 読んで分かったこと。福家警部補というのはシリーズもので、全5シリーズ。本作はその4作目。 基本、すべてが短編集です。なお、本作は2編の短編から構成。 刑事コロンボ役は、福家警部補という女性刑事。 「メガネをかけたチョイとおっちょこちょいタイプの女子」という設定で描かれていますが、その実態は、スーパーマン的な運動神経を持つしつこめで有能な刑事ということです。 なお、ミステリー小説としての感想ですが、短編1作目「未完の頂上」。こちらは、Nシステムの言及無しがダメポイント。Nシステムを確認すれば、ナンバーと運転手が撮影されているので、このトリックは成立しない。 2作目「幸福の代償」。犯人を落とすポイント。犯人に冷静さを失わせて失言を待つ。これは、面白く無い。最後まで冷静に証拠を積み上げ落とし込む。これが倒叙の醍醐味。がっかり。 というところがマイナス評価であった。 |
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現在の食の問題に関して書かれた社会派小説。
社会派ミステリーとまではいかない。著者からの啓発・啓蒙小説という立ち位置か。告発までは行かないであろう。 そういう意味では、かつて大きな話題となった有吉佐和子氏の「複合汚染」に似たようなスタンス。でも、決してルポではなく娯楽小説である。 食の問題の中身については、2010年頃の作品なので、現在では、世間的にほぼ知られた内容ではある。ただし、当時著者が相当情報を収集し、取材・調査された様子がうかがえる。当時の意欲作である。 また、単なる食の問題だけに的を絞っているわけではなく、食品加工場における外国人労働者、技能実習生の問題についても、ある程度丁寧に記述されている。 500ページほどあるが、上記のようなスタンスではあっても読みにくくはなく、サラっと読んでしまう。読み易い。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「ジェンダー・クライム」直訳すると、男女にかかわる犯罪ということですか。
本書は、昨今のジェンダー問題を扱った社会派警察ミステリーである。 著者のあとがきによると、『永遠の仔』を書いた20数年前の当時では書けなかったジェンダーにまつわる様々な課題を今回本書で届けた、ということらしい。 数年前に起こった集団レイプ事件。これをベースに、さまざまな出来事が発生する。殺人・虐待・DV・家出・・・さらにはセクハラまで。どれもにジェンダーが関わっている。 また、日常生活におけるジェンダー格差。男女間の意識差。性差に関する文化の習熟度。こうした話題までも散りばめられ、まさに多種多彩である。悪く言えば総花的か。 結局それも、あとがきに書かれていたように著者が最も意図したかった事であろう。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「この作品は史実に基づくフィクションです。」
最後にこう記されていた。 その通りなんだろう。 著者が望むべき理想像として、史実に基づきつつ「ゴッホ」と「ゴーギャン」の関係を創作したのであろう。 ミステリー感は殆ど感じられなく、淡々と物語が進行した。 この本を手にしたのは、著者作の「楽園のカンヴァス」の印象が非常に強かったからである。 当時の読後評価は8ポイント。それには遠く及ばなかった。 ただ、理想の像を描いたからこそ、読後感は悪くはなかった。 それを良しとして、中庸点の5ポイントとした。 |
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「社会派ミステリー」のキーワードで上位にピックアップされた作品。
そういう理由で手にした一冊であるが、著者作は初読みとなる。 60年代前半の横浜を舞台にした作品で、二人の登場人物が、日本人女性惨殺事件の犯人を追いかけるという基本ストーリー。 その一人が、主人公の日本人でありながら見かけは全くの白人であるハーフ警官ソニー。もう一人が、副主人公で、逆に米国人でありながら見かけは全くの日本人である日系三世の横須賀基地所属のSPショーン。 ただし、単なる犯人探しがテーマではない。 主題は60年代当時の米軍基地がある街の雰囲気・空気感をモノクロ的に描きながら、混血児に対する日本人の偏見、白人の有色人種に対する差別意識、戦勝国民の敗戦国民に対する侮蔑感。こうした風潮を事細かく写出していく。 そういう意味で、本書は徹底した社会派小説であり、ミステリー要素はそれらしくどんでん返しを準備してはいるが、あくまでも付録である。 さてでは、社会派という面で本書を評価すると、二人の主人公たちを含めて、全てが良くも悪くもステレオタイプで、今さら感満載。もっと、その裏の隠された内面・意識を読みたい。 ミステリー面でも、犯人の犯行心情が画一的で面白く無く、また被害者たちの内面が全く描かれていない。そういう意味で、形式的。 また、60年代前半東京オリンピック前年の雰囲気も、いまいち、書き込み不足。物足らなかった。 ということで、評価は中庸の5点とした。 |
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第26回鮎川哲也賞受賞作とのこと。ということは、トリック物ということですか。
あまり好みではない範疇に属していそうなので、パスしても良かったのだが、サイト評価が高かったので読む事にした。 無事、読了。 思ったより喰いつきも良く、飽きることなく読めた。 動機・心理・感情、こうした物を楽しむのではなく、単純にトリックを楽しむ。そういう一冊だと思う。 2人の警察官コンビのライトさも相まって、気軽に楽しみましょう。 |
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前評判も知らず事前情報も無しに、作者名と文庫本の厚みの手頃さから手にして読んだ1冊。
読み終わった第一感想は、ちょぴり哀しい青春小説という印象。 時間軸のズレで二つの物語が進行するが、登場人物は少ないので非常に分かり易い。 そして、時間軸のズレは最後に収斂するスタイルと思われるので、当然そこには何らかの仕掛けがあることも予想される。 しかしながらその仕掛けは本冊のテーマでは無いだろう。著者のおまけ的なお遊びという程度で捉えていいのではないか。 だから、この小説をミステリー本という位置づけで評価する必要は無い。この部分は遊びの付録なんです。 さてでは、この小説のテーマであるが、若さと純粋さと正義と葛藤と死であると思う。 まさに青春その物。しかもそれは儚く哀しく切ない。 そういえば、同じ仙台を舞台にした「砂漠」という著者の作品があったが、似たようなテイストだったと思う。 あちらは後味が良かったが、こちらは少々重い。 また、琴美と椎名のちょっとした行動にイラつく。※「もう少し何とかしてよ!」と思ってしまう。 さらに、動物虐待、外国人差別、HIV偏見という社会性のあるテーマにも触れてはいるが、それぞれの深堀は無く、総花的になってしまい却ってぼやける。 そういうこともあり、「砂漠」でつけたポイントより1点下げて6点というところか。 最後に、残された二人はその後どうなるのか。 余韻は残った。 |
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かなり評価が高かったので手にした。
うーん、こんなものか。 初心者向けというか中高生向けのライトミステリーという感じ。 ところで、文庫本のP192の7行目に次の一文がある。 ・・・ 二人は警視庁を出て、タクシーを拾った。小春日和の午後であった。 ・・・ 実はこの小説、2月頃のお話なのである。 流石にこの季節に「小春日和」はないであろう。まるで素人さんがやるような誤用である。 正直、このあたりで興ざめしてしまった。 本題のミステリーの流れもやや都合良すぎて、それも含めて並評価の5点とした。 |
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なかなか難しい小説であった。
気楽には読めないし、エンタメ感も一切ないので、その向きを楽しみたい方にはお勧めできない。 山岳ミステリーのようなタイトルで、序章はまさにその通りなのだが、実際の中身は警察小説のほぼど真ん中という所だろう。 しかし、警察小説というと、ミステリーっぽい内容を期待したいところだが、それは殆ど無い。どちらかというと、人間関係とか心理描写に重きを置いている。 とにかく展開は遅く、警察関係者を中心にじっくりと話が進む。 また、この小説を難しく感じる原因の一つが、登場人物が多く、かつその人物の特徴が何故にかつかみにくく、名前とその人物がイメージできないことである。 当方、最後まで刑事の名前と特徴が頭にイメージできず、「はてこの人誰だったっけ?」と考えてしまった。 さらに、意外と一文が長いので、そういう意味でも読解力を要する。そういうしんどさもあった。 ということもあり、なかなか小説の中身についての感想を書きづらい。 さて、この小説、 「合田雄一郎刑事シリーズ」の1作目で直木賞作品である。 サイト評価はBランクであるが、3作目がAランクになっている。 警察小説というジャンルは好きなジャンルなので、この1作目の雰囲気がどのように変化したのか、近日中に読んでみたいと思う。 |
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「第68回江戸川乱歩賞受賞作、 選考委員満場一致」との触れ込みで手にした小説。
なかなか序盤のつかみは良い。小惑星「テロス」が日本に衝突。2か月後には確実に死ぬ。 そんな極限の状況で、主人公は太宰府で自動車の教習を受ける。 山道教習では、途中で落下してきた首つり死体に教習車が激突したり、行き先のダムでは生きる希望を失った人間の自殺場となっていたりと、非日常の世界を描いている。 そんな中、主人公小春は、なぜこの時期敢えて自動車学校に通うのか?そもそも自動車学校がなぜ営業されており、唯一残っていた指導教官イサガワ先生とは一体何者なのか? ここまでは、今後の展開期待大ですこぶる良かった。 しかしながら、その後の展開は、ある殺人事件の謎解き小説。 ハッキリ言って、この謎解きは陳腐である。せっかくの究極の極限状態という設定が、あまり活かされていない。 そもそもこんな状況で、殺人事件の犯人探しなんて、超非現実的。ありえない。 登場人物の生い立ち、背景、性格、心理描写、この辺りの記述が妙に軽くて表面的。 描写・文体もこなれていないというかちょっと、幼い感じ。 結局、テーマの割にはライトすぎるという感覚か。 ということで、あまり高評価は与えられなかった。 ただ、序盤が気に入ったので、中庸点の5点とした。 |
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短編集です。4編中3編がSF。1編が表題作のミステリーです。
4編の関連は全くありません。 SFの3編は、あまり面白く感じなかった。特に1作目の、「夜の記憶」はややわかりずらい。最後の「赤い雨」がある程度マシかな。 表題作の「罪人の選択」。こちらは本短編集では、一番の良品でしょう。でも短編ミステリーの醍醐味であるオチの切れ味は、さほど感じれなかった。 やっぱり、この著者は長編が向いているのではないだろうか。 「黒い家」や「天使の囀」のようなヒリヒリする小説を読みたい。 ということで、評価は辛めのアマゾン評価2点。 |
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失敗しちゃった。
Anotherの評価がえらく高いので、これは面白そうだ読み始めたのが、これ。 これ、AnotherじゃなくてAnother2001という続編。 読んでいる途中で気づいて、がっかりしちゃった。 結構楽しんで読めたが、果たしてこの後Anotherを読んで、楽しめるだろうか。 どちらかというとそっちの方が気になってしまう。 完全にホラーミステリーですね。 結局は、正体がつかめない不可解な世界。 やっぱり、この手の不可解で奇怪な出来事は、その正体が明らかになることで、物語がしっかり腑に落ち楽しめる。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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