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マッチマッチ さんのレビュー一覧
マッチマッチさんのページへレビュー数78件
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村野ミロシリーズ三作目。
と言っても、ミロは出てこない。雑誌記者だった親父さん(村野)のお話。 このシリーズは二作目の「天使に見捨てられた夜」を最近読み、読み易く面白かったので手にした。 読んで、あれっ!ミロは出てないんだと思ったが、ミロの出生の秘密が明かされ、それはそれで面白かった。 ミロシリーズのスピンオフ作品という位置づけでもいいと思う。 小説自体は、まあ、典型的なハードボイルド小説。 この手の小説が好きな方には、どんぴしゃりであろう。 昭和38年の草加次郎事件をベースに、村野が巻き込まれた少女殺人事件の真犯人を追い求める物語。 東京オリンピックが開催されたのが昭和39年のことだから、丁度その頃の話で、当時の懐かしい言葉や地名・フレーズがたびたび出て来て、当時の情景が思い起こされた。 ただ残念なことに、懐かしい言葉は多数出てくる割には、オリンピック開催前の当時のむんむんとした熱気、騒々しさはあまり感じられず、少々物足らなかった。 それが、真犯人を追いかけるストーリーに影響したのか、やや展開が淡々と進んだ印象であった。 ハードボイルド小説なのだから、もうちょい、緊張感・躍動感ある筋書きがあって良かったとも思う。 まあそれでも、卒なくまとめられており、アマゾン評価の4点としたい。 |
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お馴染みの伊達・堀内シリーズ第4弾というところですね。
文庫版が発行されるのを待って、読んでみました。 いつものごとく、安心して楽しめる定番の娯楽小説です。 元大阪府警。ヤメ刑事の2人のコンビが今回シノギとして狙うのが、密輸された行方不明の金塊。 半グレ集団やヤクザと対峙しながら、金塊を追いかける。 この間のやり取りは、もうシリーズ4冊目となってマンネリ化しているのだが、それが分かっていてもハラハラドキドキで楽しめる。 2人の会話も面白いし、旨そうな食い物の話題や伊達の鬼嫁のエピソードは、いつものように良い味だ。 事件の詳細は控えるが、数年前に福岡であった金塊強奪事件の裏事情も垣間見れる。 さて、読み終えて気になったのは、少し陰が見えてきた堀内の言動。妙に刑事時代を思い出し、懐かしむ。 当方読んでいて、最後に堀内が死んでしまうのではないかと想像しながら読んでいた。 実際は、最後はすべて一件落着。ハッピーエンドで終わったわけであるが、もし第5弾があるのなら、そちらで片方が亡くなり、このシリーズが終わりになるのではないかと想像する。 著者の黒川氏もそれなりの高齢である。解説の最後には、黒川氏は75歳の今でも執筆意欲に衰えが無いと書かれていたが、当方はシリーズを終わらせる布石を第4弾で打ったものと感じた。 恐らくノー天気なキャラの誠やんがチンピラに刺されて死ぬのであろう。そして、堀内が杖を突きながら静かに二人のコンビを懐かしむのであろう。 数年後の第5弾の発行を楽しみに待ちたい。 |
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著者作初読み。
200ページ少々の小品ではあるが、軽くはなく読みごたえがある。 「涙香岬」・「書道」というのが鍵となり、文学的な雰囲気を醸し出し、味わいがある。期待を持って読み進めることができた。 では期待の結果はどうであったかというと、思っていたよりエンタメ感も高く、ミステリー要素も多い。「裏表紙には桜木ノアールの原点ともいうべき作品」と記載されているが、ノアール感はほとんど感じない。小ぶりにまとまったサスペンス小説という所であった。 夏紀の出生の秘密などの結末は、殆ど予想された通りで、特段大きな驚きは無いが、気になったのは川田親子の最後の有り様。 特に息子川田隆一の描き方。悪に徹しきれない中途半端さが、上手く描ききれていない。年に2回50万ほどの金を30年もの間、無名で弁護士に預託する。そんな良心を持った男が、平気で人を始末しようとする。なにか、釈然としない。 どうなんだろう。もう少し、ちぐはぐにならないよう捌けなったのだろうか・・・ 前半から終盤に至るまでの雰囲気がよかったこともあり、ラストの三流サスペンスドラマのようなドタバタ感は、やや安っぽく感じてしまった。 母夏江と娘夏紀。そして、ひょんなことから彼らに絡んでしまった元校長の父徳一と息子優作。北海道釧路地方の自然と風土を背景に、この2つの親子の人間模様をもう少し掘り下げ描いていれば、より品の良い作品に仕上がったのではないだろうか。 |
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桐野夏生氏の初期作。
女性版ハードボイルド小説という触れ込みである。 読んでみたが、まあこれは面白いし、読み易い。悪くはない。 特に主人公の女性探偵村野ミロ、この娘のキャラがいい。 いいと言っても、ハードでないところがいい。固ゆででない半熟・未熟なゆで加減いい。 そういうちょっとよれよれの探偵というのが、この小説の重要ポイント。 そして、このちょっとだらしない素人っぽい女性探偵が、失踪したAV女優を追いかけるというお話。 ミステリー感もあり、なかなか失踪女優の正体がつかめないストーリーも楽しめる。 さらに90年代のアダルト業界、歌舞伎町の風俗等、が多く扱われていて、社会派的な一面も見られる。 しかし、もっとも楽しめたのは、女性の描き方。ミロだけでなく、依頼人で活動家の渡辺房江。依頼人の支援者で著名な料理研究家である八田牧子。この辺りが華を添える。 桐野氏の作品はさほど多くを呼んだわけではないが、さすが女流作家だけあって、女性を描かせたらその生態・心理の描写が妙にリアルで面白いですね。 そこそこのオチも準備されており、素直に楽しめるお話です。 ある程度、ボリュームもあり、十分にアマゾン評点4点は与えられるでしょう。 |
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当サイトSランクの未読本を読んでみようと、手にした1冊。
当サイト評価Ave8.70。アマゾン評価Ave3.55。 かなりの差が見られる。 それこそ、本書の特徴を如実に示している。 いわゆるミステリー好きが多いこのサイトでは、評価が高く、多様な趣向の読み手が多いアマゾンサイトでは、中庸点。 まさに読者層を選ぶ1冊であった。 当方にとって、まず登場人物の名前が読みにくくて覚えづらい。 最初に主な登場人物の名前と続柄等が書かれてはあるが、なぜだかなかなか頭に入らない。 さらに登場地の地名や事件現場の建物名、建物の構造・位置関係などが全く整理できない。 それに、この事件に関係があるのかないのか良く分からない中で、ミステリー作家が多く出てきて、これまた混乱の一因。 当方、深くは考えず、まずは筋書きだけを読みきることに専念して、読み終えた。 二転三転ありで、面白くはあったが、なかなか難しい本であったなと、そういう感想を持った。 これは、本当のところは、二度読み必須なんであろう。恐らく概略を知った上で、二度目をじっくり落ち着いて読むと、筆者が落とし込んだ餌が次々と点と線で繋がり、謎解きのミステリーを楽しむ醍醐味が得られると思う。そういう類の本だと思う。 しかし、当方にはちょっと無理っぽいかもしれない。 とは言え、読後のこの微妙なホラー感。この味は面白い。すべての解答を与えず、読み手に不可解な消化不良感を残す。 それが謎解きとは別の本書の本当のところの醍醐味である、そういう気がした。 ということで、当方の評価はアマゾン評価の3.5点。すなわち当サイト評価7点とした。 |
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これは「社会派」を正面に据えた、もうガチガチの社会派小説である。
この方の作品、「幻夏」・「犯罪者クリミナル」・「天上の葦」と読んだけど、社会派ではあるがエンタメ感も強く、すこぶる面白い。当方の評価も全て高い。 それを期して読むと、前半から中盤までは少々しんどい。 この作者のことを知らずに、初めて本書を手にした方は、途中で投げ出すかもしれない。 でも勉強のつもりでしっかり読み進めると、後半は俄然面白くなる。著者の本領発揮という所か。 本作は、非正規雇用に関わる労働問題、組合活動、労働法制、さらにこれらに共謀罪を絡めた超問題作。テーマは重いし、こうした問題に無関心な若い方や右タイプの方は、端から手にしないであろう。 初出は地方紙とある。令和3年から約何2年間年に渡って連載されていたとのこと。 ということは、あやふやなことは書けない。参考文献を見てみると、膨大な数。相当調べてから書かれたようである。 正面切って上記の問題を扱っているので、どうしても説明がくどくなる。くどいから、読むのがしんどいというわけだ。 社会派小説には、主たる登場人物がいてそれらの行動・人間性が徹底的に掘り下げられ、その結果その背後に潜む社会問題が浮かび上がってくる、というタイプの社会派がある。 しかし、本書はそうではない。前述のテーマが主役で、このテーマを扱うために登場人物たちが行動し葛藤し生き抜いていく。このタイプだ。 後者のタイプだったが故、読む人にとってこのテーマが鼻につき敬遠してしまうこともあるだろうし、本来読んで欲しい人たちの手に渡らない可能性も高い。もったいないことだ。 惜しむべきは、このテーマを前者のタイプで描いて欲しかった。そして、4人の若い非正規雇用者をよりリアルに描き出してもらいたかった。 そうすれば、労働問題を扱った不朽の名作と評価されていたかも知れない。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ストーリーは2つの物語が交互に進行する。
時間軸が同じかどうかは分からない。 一つは記憶を失った若い男女の二人が、怪しそうな中年男性とともに記憶を手繰り寄せていこうとするお話。何らかの裏に隠された不穏な事件を想像させる。 もう一つは、カウンセラー的仕事をしているシングルマザーの女性が、失踪した相談人の女子高生を見つけ出そうとするお話。 本書は著者の初期作で、600ページを超える長編サスペンスミステリーである。 いずれこの2つの物語が、どこかで絡みあい収斂していくであろうことが予見されるが、中盤近くまでなかなか正体が見えない。 怪しそうな中年男性の正体は? 物語の所々に出てくる「レベル」という用語。 これは何なのか?「レベル」がどういう事象の段階を意味しているのか? タイトルにも付けられているように、本書の肝となる重要なキーワードであろうことは推測されるが、、、 本書の読みどころは、まさにこの2つのお話の関係といくつかの疑問を推測することである。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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今を時めく二人の有名クイズプレーヤー。
舞台は某クイズ番組の決勝戦。 しかもこの番組、TVでライブ中継されている。 優勝賞金は1,000万円。現在得たポイント数は、両者同数で、これがラストの1問。 その最後の1問で、相手プレーヤーは、MCの「では問題です・・」でボタンを押し、それに正解し優勝する。 なぜ相手は問題文を一文字も聴かずに正解に辿り着けたのだろうか? 本作はこの疑問に答えるべく、敗者になったプレーヤーが思考する過程を、つぶさに描いた作品である。 もちろんこの問いかけに対する解答は、次の3つしかない。これは素人でも解る。 ①番組はヤラセ番組で、勝者は出題される問題を最初から知っていた。 ②勝者は超能力者で、MCの心を透視することが出来る。 ③物事には必ず理屈がある。今回の決勝のラスト問題は予想することが可能になっており、勝者はそれを正確に予想出来ていた。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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なかなか面白い笑える作品であった。
特に序盤から中盤にかけての流れは素晴らしい。軽妙でスピーディ。 山上たつひこのギャグコミックを読んでいるかのようなパンチの良さである。 読みながら思わず一人笑してしまった。 テーマはまさにタイトル通り、「神様のような中学校校長「坪井誠造」氏の裏の素顔は?」である。 序盤はあからさまに裏の顔を想像させるネタを、次々とぶち込んでいく。 そして、誠造氏の葬儀会場で、一部の参列者からそのネタが徐々に掘り起こされる。 「誠造氏ってヤバいじゃん」 ここまでは当然予想通りの展開。 しかし予想通りであっても、実に肩肘張らずに気楽に楽しめた。素直に面白かったです。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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軽ーく読めます。安定感たっぷりのミステリー小説。
とにかく読み易いのは、良くも悪くもこの著者ならではです。 しんどいのは序盤だけ。序盤に登場人物が紹介を兼ねて、次々と現れます。 事件の舞台になった別荘地のイラスト図が、最初にカラーで綴じられているので、そちらを見ながら人物の名前や続柄・関係などをメモしておくと、あとは楽勝です。 加賀刑事が探偵役となって、事件の共犯者を被害者の中から炙り出していくという設定なので、『どちらかが彼女を殺した』のような読者に推理させるような小説ではありません。 読み終えるとすべてが明らかになる。いわゆるオーソドックなミステリー小説のお手軽本ということでしょうか。 ところで、探偵加賀の一人称が、『俺が・・・』と時々使われていましたが、当方読んでいて、ストーリーとは全く関係ない部分で、こちらが妙に気になってしまいました。冷静沈着な「加賀刑事には似合わないような、、、 ▼以下、ネタバレ感想 |
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なかなかのボリューム感。上下巻の約900ページであるが、活字はかなり小さい。
これから読もうと思われる方は、覚悟して読み始めて欲しい。 900ページの構成は、1947年の「怪文書」で始まるプロローグ。 その後は、1990年の「第1章(男たち)」。1994年「第2章(前夜)」。1995年春「第3章(事件)」。1995年夏「第4章(恐喝)」。1995年秋(第5章(崩壊)」。終章のエピローグと続く。 この各章のタイトルを見るだけで、ある程度のストーリーは予想できるであろう。確かにその通りの展開なのである。 だから特段驚くような結末が待っているわけでもなく、ワクワク・ドキドキするようなスリルを味わえるわけでもない。少々、退屈というと、それは確かに退屈な小説とも言える。 とは言え、当方にとって「怪文書」から始まる「第1章(男たち)」は、非常に興味深く面白かった。この部分は秀逸であり、以後の展開を期待させます。 ただ実際はそれ以降がやや冗長過ぎで、少々ダレます。とにかく徹底してリアルに拘るのはいいんだけど、くど過ぎる。特に恐喝されたビール会社は、扱いが長過ぎでリアル過剰です。 反して、恐喝する側の「男たち」の心理描写が、中盤から後半にかけて乏しかったのが残念。 また終盤にかけての警察の扱いは、もはや警察小説としての範疇の枠外ですね。 どちらかというと、この小説は、1つの恐喝事件を軸にしたその事件に関わる人物たちの群像劇と思います。そういうスタンスで読むと、この小説は深いです。 ストーリーを展開を期待すると、低評価。群像劇として個々の心理を楽しむならば、高評価でしょう。 当方、最後まで読んで、この小説、警察小説・社会派小説の仮面を被った主人公の純愛小説という印象で読み終えました。 そういう意味では、逆に面白く斬新に感じ、この評価となりました。 |
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ミステリー要素はほぼありません。
雪山冒険エンタメ小説という感じでしょうか。 ダム関連の説明等で、やや小難しいところもありますが、全体を通して読み易いです。 スピード感もありますので、ページ数の割には簡単に読み終わりました。 内容的には主人公富樫の一人舞台という感じですかね。驚異的な体力と精神力。これを良しとするか否かで評価も分れるところでしょう。 惜しむべきは影の主人公と成り得たテロ犯笠原の最後。もう少し表舞台に出して最後を迎えさせたかった。 また、人質となったダムの職員、職員の身内の心情、これらへの書き込みも全く無かったが、これも少々拍子抜け。 さらにテロ犯リーダーらの真のテロ目的が明確に語られなかったのもマイナス点。 これらが全て描かれていれば、重厚な冒険小説に成り得ただろうに、惜しい気がした。 まあ、そこも加味して総合評価7点としたい。 |
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『殺し屋シリーズ』4作目という触れ込みである。
まさに伊坂ワールド全開。軽妙で軽快。面白かった。 「マリアビードル」で出てきた殺し屋天道虫が再登場。 列車内という閉鎖空間からホテル内という空間に変更されているが、味付けは一緒。 ただし、マリアに比べるとセブンはいささか小粒。 「マリアビードル」の評価が高かった方には、マリアの番外編という感覚で読むと大いに楽しめるでしょう。 当方も気軽に楽しめました。 マリアに比べると評価は少し落ちるけど、読後感も悪くはなく、7点程度でいいでしょう。 なお、これは映像化必須ですね。 3時間程度の映画で見ると、よりスリル感・スピード感も高まり、本で読むより間違いなくバズると思います。 タイトルもそのまま『777~トリプルセブン~』ピッタリです。 |
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親子の葛藤を描いた作品。
完全なるノンミステリー。著者のイメージからミステリーを期待したい方は、パスしてOK. でも読んで損はない。読後感はとてもよろしい。 物語は、補導委託で問題少年を受け入れた南部鉄器工房の親子と工房の職人、そしてその少年を中心にして話が進む。 工房の息子が父に思うわだかまり。少年の心のわだかまり。さらに少年の両親の思いと工房の父の思い。これらが徐々に明らかになり、ほぐれていく。 話は淡々とゆっくり進む。さほど大きな事件が起こるわけでもない。エンタメ感は一切期待してはいけない。 面白さを求めるのではなく、感動・感情の揺れを味わいたい。そういう作品であった。 惜しむべきは、南部鉄器を育んだ岩手の風土、自然、季節の変化などの言及が物足りない。唯一「チャグチャグ馬コ」については、興味深く読めた。 工房で仕事をした少年が南部鉄器に何を感じたのか、ここへの言及はあっても良かったのでは。 それらがマイナス評価。この辺りを十分に書き込み本書のテーマと融合させたら、より重厚な一冊となっていたのでは、、、 よって、アマゾン評価の5点には届きませんでした。4の下で、7点です。 |
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正真正銘の青春小説。非ミステリーです。
読んで思い出す自身の学生生活。 大学生になり一人暮らしをし、大人になったつもりでも結局は子供なんだよ。 世間に庇護され自由に生きる、オアシスのような生活。 タイトルの砂漠こそ、著者の意図するアンチテーゼ。 そのオアシスで青春を謳歌した5人の登場人物。大学生の北村、鳥井、南、東堂、西嶋。 そしてもう一人の登場人物社会人の鳩麦さん。鳩麦さんは、彼らを優しく見守っていたんだね、砂漠から。 あっと言う間に過ぎ去った4年間。卒業式での学長の祝辞。 「・・・学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ」 著者も自身の学生生活を振り返って、これが一番言いたかったんだろう。 懐かしく楽しんで読ませてもらいました。 ★7つ。 |
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先日の日経新聞で、SF界のスポークスマンとも呼ばれる大森望氏の絶賛書評を読み、手にした。
中国SFが急速に台頭する一方、アメリカSFの影が薄い。そもそも、一般に知られる作家や作品が出てこない。 そんなアメリカSF界のさびしい状況を打ち破る希望の星が、『火星の人』で2011年にデビューしたアンディ・ウィアー。・・・ ・・・しかし、その『火星の人』をも上回る人気を得たのが、21年に出た最新長編『プロジェクト・ヘイル・メアリー』・・・ ・・・「だれが読んでもおもしろいSF」という無理難題に果敢に挑んで見事に成功した奇跡的な傑作だ。 という書評である。これは是非読まなくてはならない。 確かにシンプルに楽しめた。 上巻の大半が、主人公グレースの一人称語りでストーリーが展開する。 ややもたもたしているが、上手く疑問を膨らませる。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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