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マッチマッチ さんのレビュー一覧
マッチマッチさんのページへレビュー数46件
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東京23区にまつわるいわく因縁を基にしたオカルト的ホラーミステリー小説。
とは言え、全く不気味でぞわぞわするようなお話ではない。 主人公は霊感の強いフリーライターの原田璃々子。そして、その相棒である先輩の民俗学講師島野。 両人が、23区の中で今回は5区を回り、妙な噂を取材する5話からなる連作短編集。 ご当地にお住まいの方なら、興味深くよりリアルに楽しめたのではないでしょうか。 ただ当方の様に縁もゆかりも無い者にとっては、やや薄味に感じる。 そういう意味では、評価が少々低くなってしまった。 どちらかというと、現実の人の怖さが秀でて感じられた。 第2話の「渋谷区の女」のお話。ラストの母の怨念と息子の恐怖。爆笑するくらい怖かった。まさに怖面白い。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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心理サスペンス小説ということで、期待感一杯で読んだが、なかなかしんどいお話であった。
とにかく主人公里沙子の思考にイライラする。 本文中にも「・・・そんな具合に、ネガティブな思考のループにはまりやすい自分を里沙子は自覚していて、心底面倒だと思っているのだが。・・・」 まさにこの一文に尽きる。 主人公は三歳の娘を育てている普通の主婦である。夫陽一郎もその娘を可愛がるどこにでもいるような普通のサラリーマン。 そのどこにでもあるような普通の家庭の普通の主婦が、裁判員制度の補充裁判員に選ばれ、刑事裁判に臨むことになったというお話。 刑事裁判の被告は、我が子を湯船に沈めて虐待死させた女性水穂。 当方読み始めて本書の展開は、「被告や証人の証言や主人公の発言・行動が複雑に絡み交錯しつつ、事件の真相が思わぬ展開を迎える」というエンタメ的なストーリーを予想したが、実際は全く異なっていた。 事件そのものは、この小説の本題ではない。 要するに、主人公里沙子が被告水穂に自分を重ね、自分の生い立ち・環境・家庭・家族・結婚生活・子育て・躾け・虐待・嫁姑・自立・専業・共稼ぎ等を考える社会派的家族小説である。 安直に言うと、若い男女が結婚するに当たっての指南書・啓蒙書とも言っていいかもしれない。 男性側から見ると、里沙子のような超面倒な女性は遠慮したい。 女性側から見ると、陽一郎のような一見理解があるようだが、女性の内面を知ろうとしない無理解・マザコン男はもう無理。こういうことだろう。 だから、円満な結婚生活を送るためには、この本を読んで男女の特性差を知り、些細な一言も気を配って結婚しましょう。ということではないか。 勝手ながら、当方、著者の意図をそういう風に捉えてしまった。 アマゾンの感想を読んでいると、里沙子の心情に共感するというコメントが多いことになるほどと思う。 無理解男が世に多いということの証左でもある。 まあしかし読みながら、うじうじ思考の里沙子には、もっとガツーンと言ってやれよと言いたくなった。 もしかすると、著者はダメ女性の例として里沙子を描き、世の女性たちに「もっと自立せよ!」って発破をかけているのかとも思った。 エンタメ小説では無く、ちょっと本サイトでは範疇外という印象なので、中庸点の5点とした。 |
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「この作品は史実に基づくフィクションです。」
最後にこう記されていた。 その通りなんだろう。 著者が望むべき理想像として、史実に基づきつつ「ゴッホ」と「ゴーギャン」の関係を創作したのであろう。 ミステリー感は殆ど感じられなく、淡々と物語が進行した。 この本を手にしたのは、著者作の「楽園のカンヴァス」の印象が非常に強かったからである。 当時の読後評価は8ポイント。それには遠く及ばなかった。 ただ、理想の像を描いたからこそ、読後感は悪くはなかった。 それを良しとして、中庸点の5ポイントとした。 |
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「社会派ミステリー」のキーワードで上位にピックアップされた作品。
そういう理由で手にした一冊であるが、著者作は初読みとなる。 60年代前半の横浜を舞台にした作品で、二人の登場人物が、日本人女性惨殺事件の犯人を追いかけるという基本ストーリー。 その一人が、主人公の日本人でありながら見かけは全くの白人であるハーフ警官ソニー。もう一人が、副主人公で、逆に米国人でありながら見かけは全くの日本人である日系三世の横須賀基地所属のSPショーン。 ただし、単なる犯人探しがテーマではない。 主題は60年代当時の米軍基地がある街の雰囲気・空気感をモノクロ的に描きながら、混血児に対する日本人の偏見、白人の有色人種に対する差別意識、戦勝国民の敗戦国民に対する侮蔑感。こうした風潮を事細かく写出していく。 そういう意味で、本書は徹底した社会派小説であり、ミステリー要素はそれらしくどんでん返しを準備してはいるが、あくまでも付録である。 さてでは、社会派という面で本書を評価すると、二人の主人公たちを含めて、全てが良くも悪くもステレオタイプで、今さら感満載。もっと、その裏の隠された内面・意識を読みたい。 ミステリー面でも、犯人の犯行心情が画一的で面白く無く、また被害者たちの内面が全く描かれていない。そういう意味で、形式的。 また、60年代前半東京オリンピック前年の雰囲気も、いまいち、書き込み不足。物足らなかった。 ということで、評価は中庸の5点とした。 |
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第26回鮎川哲也賞受賞作とのこと。ということは、トリック物ということですか。
あまり好みではない範疇に属していそうなので、パスしても良かったのだが、サイト評価が高かったので読む事にした。 無事、読了。 思ったより喰いつきも良く、飽きることなく読めた。 動機・心理・感情、こうした物を楽しむのではなく、単純にトリックを楽しむ。そういう一冊だと思う。 2人の警察官コンビのライトさも相まって、気軽に楽しみましょう。 |
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かなり評価が高かったので手にした。
うーん、こんなものか。 初心者向けというか中高生向けのライトミステリーという感じ。 ところで、文庫本のP192の7行目に次の一文がある。 ・・・ 二人は警視庁を出て、タクシーを拾った。小春日和の午後であった。 ・・・ 実はこの小説、2月頃のお話なのである。 流石にこの季節に「小春日和」はないであろう。まるで素人さんがやるような誤用である。 正直、このあたりで興ざめしてしまった。 本題のミステリーの流れもやや都合良すぎて、それも含めて並評価の5点とした。 |
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なかなか難しい小説であった。
気楽には読めないし、エンタメ感も一切ないので、その向きを楽しみたい方にはお勧めできない。 山岳ミステリーのようなタイトルで、序章はまさにその通りなのだが、実際の中身は警察小説のほぼど真ん中という所だろう。 しかし、警察小説というと、ミステリーっぽい内容を期待したいところだが、それは殆ど無い。どちらかというと、人間関係とか心理描写に重きを置いている。 とにかく展開は遅く、警察関係者を中心にじっくりと話が進む。 また、この小説を難しく感じる原因の一つが、登場人物が多く、かつその人物の特徴が何故にかつかみにくく、名前とその人物がイメージできないことである。 当方、最後まで刑事の名前と特徴が頭にイメージできず、「はてこの人誰だったっけ?」と考えてしまった。 さらに、意外と一文が長いので、そういう意味でも読解力を要する。そういうしんどさもあった。 ということもあり、なかなか小説の中身についての感想を書きづらい。 さて、この小説、 「合田雄一郎刑事シリーズ」の1作目で直木賞作品である。 サイト評価はBランクであるが、3作目がAランクになっている。 警察小説というジャンルは好きなジャンルなので、この1作目の雰囲気がどのように変化したのか、近日中に読んでみたいと思う。 |
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「第68回江戸川乱歩賞受賞作、 選考委員満場一致」との触れ込みで手にした小説。
なかなか序盤のつかみは良い。小惑星「テロス」が日本に衝突。2か月後には確実に死ぬ。 そんな極限の状況で、主人公は太宰府で自動車の教習を受ける。 山道教習では、途中で落下してきた首つり死体に教習車が激突したり、行き先のダムでは生きる希望を失った人間の自殺場となっていたりと、非日常の世界を描いている。 そんな中、主人公小春は、なぜこの時期敢えて自動車学校に通うのか?そもそも自動車学校がなぜ営業されており、唯一残っていた指導教官イサガワ先生とは一体何者なのか? ここまでは、今後の展開期待大ですこぶる良かった。 しかしながら、その後の展開は、ある殺人事件の謎解き小説。 ハッキリ言って、この謎解きは陳腐である。せっかくの究極の極限状態という設定が、あまり活かされていない。 そもそもこんな状況で、殺人事件の犯人探しなんて、超非現実的。ありえない。 登場人物の生い立ち、背景、性格、心理描写、この辺りの記述が妙に軽くて表面的。 描写・文体もこなれていないというかちょっと、幼い感じ。 結局、テーマの割にはライトすぎるという感覚か。 ということで、あまり高評価は与えられなかった。 ただ、序盤が気に入ったので、中庸点の5点とした。 |
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6編からなる短編集であった。
6編に共通するのはSという頭文字の人物と鴉。 しかし、共通するのはそれだけで、連作短編ではなく、それぞれが完全に独立した作品であった。 6編目の最後の作品で、共通するSの秘密が明かされる驚愕のネタを期待したが、何もなく些かがっかりした。 テイスト的には米澤穂信の「儚い羊たちの祝宴」に似たダークな雰囲気。 でも「儚い羊たちの祝宴」よりは、すこしレベルが落ちるのかな。いまいちオチの切れがない。オチが唐突過ぎて無理やり感がある上に、やや分かりづらい。 余韻を残して読者に考えさせたいという著者の意図だろうか。 ということで、当方はやや消化不良感を覚えたので、この点数とした。 |
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一連の伊良部シリーズ2作目。
一作目の「イン・ザ・プール」を読んで、「あれっ⁈」て思い4点を付けましたが、こちらは直木賞作ということで、どの程度変化しているかを確認のため読んでみました。 結果は、中身的にはほぼ一作目と同じでした。 軽くてすこぶる読み易い。時間つぶしとストレス解消にはもってこいのギャグ小説です。 この手の小説でも、直木賞に選ばれるんですね。ある意味驚きでした。 「義父のヅラ」これは、腹を抱えて笑った。 ということではあるが、やはり3作目まで手が伸びそうもない。アマゾン評価3点というところでご勘弁。 |
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中盤まではなかなか面白かったですね。
特筆すべきは「スズキタゴサク」という登場人物のサイコなキャラ。これが際立って、ゾクゾクしながら読むことが出来た。 特に伊勢という若手刑事を嵌め込む辺りは、何かしらの悲惨な結幕が予見され、痺れる感覚です。 まあしかし、こうしたヒリヒリした展開はこの辺までかな。 取り調べの刑事が類家に代わり、スズキとのやり取りが長々と続くわけだが、徐々に謎かけ合いのクイズ同好会の様な展開になり、息詰まる心理戦という緊張感が消失してしまった。 そして最後辺りは、得体の知れないスズキも、いわゆる凡人の田吾作になり、ドタバタしながら終わってしまったような印象。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ひょんなことから本書を発見。
大御所の「松本清張」氏の作品であること。 当サイトの評価はなんとSランク! しかも上下2冊の長編のようだ! これは大当たり。是非とも読まなくてはならない。 もちろん、一切の事前情報なしで。 ということで、何とか2冊同時に手に入れ、期待に胸膨らませて読み始めました。 しかし、Σ(゚д゚lll)ガーン、、、 これっは、、、私がいつも読んでいるフィクション小説ではない。 ノンフィクション作品じゃないですか、、、 戦後のドサクサ期に起こった数々の怪事件。下山事件や松川事件、帝銀事件・・・ これらの事件を清張氏が、当時彼が収集したネタを基に、推理するという内容です。 ハッキリ言います。この体裁が面白く感じるか感じないかは、読み手の関心度によって全く異なりますね。 この手の事件に関心がある方には、たまらない本でしょう。著者が取材して得た特ダネ情報や著者独特のねっとりした推察は、さぞかし面白いことでしょう。 しかし、私にはちょっと合わなかった。最後まで読み切るまで、相当時間を要しました。 面白かったのは、一事件読み終わるごとにウイキペディアで検索し、事件の概要を読み比べるあたりですかね。 でも読み終えて、戦後の昭和20年代というのは相当混乱した時代であったということを知れ、実は今現在もその時代の残像を残したまま、時代が流れているという現実を認識できたので、それはそれで大変勉強になりました。 なお評価はしづらいので、中庸点の5点にしました。 追伸 ※いきなり当方が5点を付けたので、サイト評価が一気にBランクになっちゃいました。申し訳ない。 |
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