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マッチマッチ さんのレビュー一覧
マッチマッチさんのページへレビュー数312件
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自殺して成仏出来ない四人の幽霊達が、自殺しようとしている人を見つけてはそれを踏み留まらせ、最後には、その幽霊達が成仏して逝くというお話し。
コミカルには書かれているが、よく言えば、世相を反映させて社会悪を痛切に批判した社会派小説とも言える。ただし、それほど深刻に書かれているわけでは無く、チクリと皮肉って書かれている程度である。 著者の作品に「13階段」というのがあり、非常に面白かった記憶があるので、今回この本を手にした。 題材は重厚であるが、中味は軽いノリで、お手軽感満載である。自殺願望者を一人一人お助けする物語を集めた短編集という見方も出来る。そのため、同じようなパターンの物語が何度も続き、中盤は少々飽きてくる。さらに、終わり方はまさに予定調和。読後感よろしく描かれている。 まさに、中高生の読書初心者にはお薦めの一冊です。 ただ当方にとっては、ちょっともの足らないかな。 実際あれほど簡単には、自殺願望を解除出来ないだろうし、鬱の自殺願望者を精神科に向かわせるだけで一件落着とは、少々楽天的過ぎ。 100人の願望者を解決させるのではなく、もっと数を減らした数人に絞っての設定で物語を描いて頂いていれば、より現実的にこの物語を読み、振り返る事が出来たであろう。 |
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好きな作家さんで未読なので手にしました。
う~ん、これは著者にしてはちょっとお粗末。 このレビューを書く際、初めて評価を目にしましたが、E評価は納得。皆さん同じような評価なんだ。 いつ終わるか分からないダラダラと続く雀蜂との格闘。かといって、その格闘に緊張感や恐怖感が漂うのではなく、まるでギャグのような緩みっぱなしの展開。 そして、顛末の真相だが、無理やりラストでどんでん返そうとしたのか、突拍子もない事実の列記。 さてここで、本書の裏カバーの紹介文に書かれているコメントを読んで見よう。 「最後に明らかになる驚愕の真実。ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能‼」 確かに、これは驚愕で予測不能だよね(笑) 最後に、とはいっても、ラストを知りたいので最後までは、あっという間に読んでしまいます。 だから2点にしました。 |
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宗教色がかなり濃い作品です。著者が真面目に宗教に対峙して書き込んでいることが伺え、また、作品の後半には新興宗教の題材も記載し、そういう面では一種の社会派小説の側面もあるかもしれない。
といっても、ガチガチにクソ真面目で、面白くも何ともないということは一切無く、当方も一気に読み終わったように娯楽色も十分にあり、楽しむことが出来た。 ラスト近辺における主人公実藤と謎の作家水名川泉との激烈な対峙。ここで多くの宗教用語が飛び交うが、知識の無い方にはやや難解である。しかし、深い意味は分からなくてもスイスイ読み進めることが出来、これこそ著者の筆力の確かさであろう。 ただし、題材のせいもあるのか、読後感は余り良くない。何か夢の無い結末であった。 しかしながらこの小説を俗物的な見方で読み、出版社の編集者が良い作品を求めて偏執的に葛藤する姿をギャグにした業界小説と見なせば、笑い話で済ませることができそうと思うが、著者には失礼かな(笑) ▼以下、ネタバレ感想 |
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真面目な戦争小説です。
ちょっとタイトルが安っぽく、少年向け漫画のタイトルの様だけど、しっかり骨太に書かれています。 後書きの解説を読むと、どうも著者のデビュー長編作らしい。 参考文献も多数明示されており、第二次世界大戦の独ソ戦について、入念に勉強されたことが伺える。 そのことが、本書の細部にリアリティー感を与え、戦争の苛酷さ卑劣さを読者に明白に晒してくれた。次回作を期待させる新人作家さんだと思う。 やむなき事情からスパイナーとなった一少女が成長していく一種の冒険小説なので、驚くような展開があったり、ミステリックなオチがあるわけではありませんが、スピード感もあり、あっという間に読み終えることが出来ます。ただし、ワクワクするような面白さを一面に挙げたエンタメ小説ではないので、それは期待しない方が良い。それも加味して良品です。 最後にこの小説を読みながら、今ウクライナで起こっている惨状に深い憂いを感じています。人類というのは、常に同じ過ちを犯すものなんですね。 |
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好きな作家さんで未読でしたので、手にしました。
こういう作品も書かれていたんですね。ミステリーではありません。 日本の太平洋戦争末期に製造された人間魚雷「回天」。これに関わって短い一生を終えた青年の話です。 無性に腹立たしく、哀しい作品でした。 今まさにロシアのウクライナ侵攻もあり、戦争というものが身近に感じられます。 しかし、ひとたび戦争が起こると、このような哀しい物語が、此処彼処で進行するんですね。 ウクライナでも今起こっているんでしょう。 この時代、祖国防衛のためと拳を突き上げて檄を飛ばしている方がネット上でよく見かけられますが、考えさせられます。 私は、私自身も私の家族も個人を大切にしたいと思いました。 ところで、評価は非ミステリーで面白さという点だけで判定して、平均点の6点にしました。 |
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「ばんざい屋」という小料理屋を営む女将とその客達の人間模様が描かれた短編集。
ポイントは、女将にはそっとしておきたい何らかの過去があるということ。 よって、短編集のようにはなっているが、女将の過去が少しずつ明らかになっていく構成になっており、先を楽しみながら読み進めることが出来た。 それぞれの短編は、季節感に溢れ品よくまとめられている。味わい深い作品集だ。 ただ、それぞれの短編に添えられる事件·出来事は、無理やりミステリー調に仕上げられており、その顛末もやや都合よく粗雑な面も否めない。 もう少し、日常のよくある出来事として軽めに書き込んでいたら、この短編集もより上質な仕上がりになっていたのでは無いだろうか。 ただし、読後感は大変よろしい。 それも含めて、以上のことより、アマゾン評価3点のサイト評価6点と評価したい。 |
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環境問題をテーマにした社会派ファンタジー小説とでも言ったらいいんでしょうかね。
読み始めは、湖底湖の不穏な雰囲気が醸し出され、サスペンス感満載であったが、途中から尻すぼみ。 中盤は市民運動の内情を暴露するかのような社会派小説。そして、後半は主人公の狂気じみた行動まっしぐらのエンタメ小説。 最後は尻切れトンボに終わったようで、何故にか消化不良。 スピード感もあり、読み易くはあったが、物足らなさを感じてしまい、低評価になってしまった。 |
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いかにも中山作品という内容のB級ミステリー小説でした。お得意のラストのビックリオチ。こちらも健在です。そして、スピード感もあり、面白い。
しかしながら、細部は粗い。現実的ではなく、筋書きが都合よく自由自在に展開する。だからこそ、細部にこだわらなければ、面白い。 まさにB級グルメのグランプリのような作家さんです。 冤罪がテーマの小説のようですが、どっちかというと、エンタメ的な要素が大きい。そういう面では、ちょっと中途半端な感じも見られる。 ということで、評価はアマゾン評価の2.5点という所でしょうか。 |
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当方、基本的に本を手にして読むときは、一切、書評・感想・帯コメントなど読まず、タイトルだけで内容を想像し読み始めます。
今回、柚月氏の表題作を目にした時、同氏の「ウツボカズラの甘い息」を思い浮かべました。 あの作品に対しては、当方かなリ評価が高かったので、期待大です。 それで、結局、その結果ですが、読み始めてすぐに短編集であることに気付き、少々、意気消沈。一気に期待値が下がってしまいました。 結論ですが、そのような心境では、当然評価が高くなるはずもありません。アマゾン評価1点というのも世知辛いので、2点という所でしょうか。 辛口で申し訳ないが、短編の読みどころは、そのオチの切れ味の良さ。 今回の作品集、それがあまり感じられない。それどころが、途中から大概オチが予見されてしまう。これでは、興ざめであろう。 無理くり小作品を集め1冊にまとめて発行した感アリアリで、人気作家だけに、ここまでして新刊出すかと少々苦言を言いたくなった。 まあ、しかし、これは短編が好みでない当方の個人的な感想であり、もちろん、本作に好感を持たれる方が大多数だろう。 当方としては、著者には今後、腰の据わった長編を期待したい。 |
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この作品は、新種のウイルス感染症を扱ったミステリー作品です。
書下ろし作品で、2020年11月10日第1刷発行となっています。そして、日本で新型コロナウイルス感染症が確認されたのが、2020年1月。 このことから、当初当方は、新型コロナに乗じて、お手軽・拙速に書かれた話題作りの作品と思い込んで、読み進めていました。 確かにその内容は、ウイルスや抗ウイルス薬・免疫等に関してある程度掘り下げて書かれてはいますが、その内容がやや古臭く陳腐である。 取材・調査不足なのかなと思ってしまっていました。 ところが、最後のあとがきを読んでびっくり。なんとこの作品、著者のデビュー作の2・3年前の2003年に書かれた未発表作だったんですね。 それが、この時勢。上手く日の目を見たわけです。 どうりで納得。著者の作品は結構好きな作品が多く、ポイントも高かったのですが、なぜか本作、粗さが目立った。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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タイムスリップ物である。700ページ近くもあるので、重そうだが内容は平易である。
昭和11年に起こった二・二六事件を扱っており、蒲生憲之陸軍大将(架空の人物らしい)の死が自殺なのか他殺なのかをめぐってのミステリー物とも考えられる。 とは言ってもさほど犯人探しのミステリー感は無く、どちらかと言うと、事件当時の時代背景が生む様々な思想や人間模様を扱った歴史社会派小説という側面が少なからず感じられる。 よって、ヒリヒリするような緊張感、ワクワクするようなスピード感は余り得られず、淡々と物語は進んでいく。 さてでは、この小説が面白かったのか無かったのかという結論だが、そこは難しいところ、まさに中庸な評価5点が妥当なところであろう。 最後に、現代に戻ってきた主人公孝史を扱った終章が、ほっこりする結幕になっており、そういう意味では読後感はよろしい。 |
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時代小説でミステリー物ですね。4編の短編から成り立ちながら1つの結末に向かっていく、なかなか読み応えがあり、楽しめました。
基本的に時代物は言葉遣いが解りづらく、すらすら読めないので敬遠しています。しかしながら、本書は、ある程度は読みやすいように工夫されていたように感じられました。 各編は、「満願」や「儚い羊たちの祝宴」のようなオチの切れ味の良さも感じられ、十分に直木賞の価値があると思います。 なお、史実を全く知らないでこの評価がですが、史実を知っている方にとっては、かなり評価が高いのではないでしょうか。 |
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