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森に眠る魚
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森に眠る魚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全107件 101~107 6/6ページ
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題材となるあのお受験殺人事件から10年もたった今日も、 この問題は水面下で現在進行形かと思わせる一冊。 子供関係と家庭のみという閉じた居場所で、 各自の価値観の違いでしかない事が疑心暗鬼を生み 憎悪へと凝縮されていく過程が読み応えあり。 誰もが当事者になり得る怖さ。 しかも、女の友情、育児、お受験、経済格差。 ネット掲示板や人生相談で出尽くした悩みだけに、 いかに小説としてできているかも見どころ。 育児経験者や専業主婦は自分や知人と重ね、 男性・独身・働く母は第三者の視点で、 読者の立場ごとの感想差がありそう。 | ||||
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主婦間の葛藤が主題なのに、どこかリアリティに欠ける。キャラも不鮮明だし、子どもの描き方もさらっとしすぎ(もっとえぐいよ)。対岸の〜でも感じたことだけど、著者はたぶん、主婦経験がないのでは?だからどうしても、男性が主婦世界を書くようなよそよそしさ、嘘っぽさをびしばし感じてしまいます。同じ題材なら、ぜひ桐○さんに書いてほしかった。もっと行き着くとこまでとことん、人間のどろっとしたものを追求してほしかったですね。といっても、時々に抉られる箇所もあるし、終盤まで一気に読ませる筆力はさすが。中くらいにオススメです。 | ||||
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女ともだちの感情の機微をあつかったらさすがに上手い著者が 小学校の「お受験」に翻弄されるママ友の友情という幻想を巧みに描いてみせる。 ほとんどが回想と会話ですすむ物語はつるつる読めて そういえばあの人に似ているなぁ.... とかいかにも身近にいそうな登場人物の設定も共感できる。 が 読んだあとこれまた面白いほどなにも残らない。 後は読者に丸投げ〜と作者がおもったかどうかちゃっかりまとめちゃった感のあるラストは 中途半端に不透明で消化不良。 やっぱりなぁ、角田はこんなもんかなぁと思わせる。 ちなみに 千花くらいおこずかいに余裕があればさっさと買ってあと欲しがる人にあげるだろう 瞳なら>本の話題だけ提供して乗って買ってきた人に借る 容子なら>だまって図書館の順番を待つ 繭子なら>さんざんねだって本人が読むまえに取り上げるだろう と こういった女たちがでてきます。 そのうち文庫になると思うのでそれまで待ちましょう。 | ||||
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最初の数ページ、五人の女性登場人物が矢継ぎ早に登場するので、混乱しましたが、すぐに慣れました。やはり一人一人のキャラクターがしっかりと立っているからなのでしょうね。 振るまいも、心理もとてもリアルです。それぞれが抱えている孤独感・不安感が、ざらざらした手触りで伝わってきます。 終盤にかけては、第一級のサスペンス小説のようですね。人間心理の微妙なやりとりは、ひりひりするような緊迫感でした。人が死んだりしなくても、一級サスペンスは描けることの見本のような本です。人間そのものの恐ろしさを、しっかり見抜いて描いているからでしょうね。人間関係・それぞれの生活が、わずかなところから一コマ一コマずれていく、その感じが息苦しいほどに伝わってきました。 | ||||
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角田光代さんの作品を読むのはまだ3冊目(『Presents』『対岸の彼女』『森に眠る魚』)ですが、『対岸の彼女』に続き、この作品でも 知りたくなかった自分の中にもある汚い部分…”心の闇”や”弱さ”に気づかされてしまいました(笑) 題材となる事件を知っていたので、「事件を起こすのは登場人物の中の誰なんだろう???」と興味深くて、一気に読み進んでいきました。ところが、最後の最後まで全くわからない!! 登場人物達の全員が心の中に大きな闇や猜疑心・嫉妬心を持ち、その誰が事件を起こしたとしても不思議ではないのです。 タイミングが違えば誰でもが事件の犯人になり得る。本当に恐ろしい本でした。 心の揺れやすい人(私もそうです)に、是非読んで欲しいです。これから先、深い闇に陥ることがあるかもしれません。そんな時(葛藤しているのは自分だけじゃない)(誰だって皆同じなんだ)それに気が付けば、自分が苦しい時にも他人を思い遣ることができたり・踏みとどまれたりするのかもしれません。 嫌な事からは目をそらしにくいものですが、「撤退も勇気」です。 今いるステージで輝けない人でも、ステージを変えれば輝く事ができる。そういうことって多々あります。登場人物の全女性達の泣いている背中を抱きしめてあげたくなりました。 これから角田さんの作品を読破しようと思ってます。 | ||||
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女性は特に、「自分と似ている」「わかりあえそう」と思った時に、心を開く。 しかし、それはある意味幻想なのだ。 自分と全く同じ経験をしてきた人はいない。 自分と全く同じ感じ方をし、また同じ考え方をする人はいない。 それなのに、ほんの少しの違和感を許さない、徹底的に同質化しようとするところに、女性同士の友情にありがちな「閉塞感」が生まれるのではないだろうか。 子供が同じ年で、近所に住んでいる、それだけの共通項しかないのに、「自分たちは似ている。きっと自分の全てをわかってもらえる」と思い込んでしまったところに、彼女たちの悲劇の入り口がぽっかりと開いていたのではないだろうか。 角田光代さんの筆は、登場人物それぞれの女性の心の闇を、恐ろしい力量で書き込んでいく。 終盤、本が手放せなくなり、悪夢にうなされた。やはり、恐ろしい作家だと、つくづく思う。 | ||||
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著者の角田光代さんは、もともと事件もののノンフィクション物をよく読むそうで、 ママ友同士の心のぶつかり合いから相手の娘を手にかけてしまったというあの事件に ついては傍聴記録まで読みふけったそうです。そんな風に気にかけていた事件を あくまでもモチーフとして取り上げ、母親同士の関係を徹底的に描いた本作は、 とても読み応えがありました。「対岸の彼女」では、少女時代の友情と大人の 女性同士の友情の対比が新鮮でしたが、今回は、子供や幼稚園を介して得た友情が 子供の進路という問題を前に揺らぎ、少しずつ根底から壊れていく様子が静かに 胸糞悪くなる感じ(良い意味で)。誰一人、これという悪人はいないのですが 最初は好もしく思えていた育児観や子供の個性の違い、生活レベルの差などが 目障りになり、不信感が育ち、そして憎しみとして形をなしていく様子… 人が恋に落ちるとか友達ができる、というプラスの感情が育っていく小説と違い どんどんマイナスの感情が女性たちの中で膨れてくる気持ち悪さをびっちりと 味わわされる、ある意味ホラーのような小説です。 | ||||
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