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森に眠る魚
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森に眠る魚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全107件 81~100 5/6ページ
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主人公の女性たちとまさに同世代、小学校と幼稚園の二人の男の子を育て中の私. リアルだったーー. お受験は全く眼中に無い私でも、このような現実はきっと存在するのだろうとうすら寒く感じました. 何しろ登場人物にそっくりな人が私の周りにもいる、いる、と共感. 角田光代さんに女性の不安定な心理を書かせたら、天下一品だわ. 「対岸の彼女」も面白かったし. 面白いと言うより同じ女性として、その心の動きにとても興味をもちます. 自分とタイプのにている人、にてない人どちらも気になります. 読後ややどんよりとした気持ちになりますが、女性(ママ達)特有の世界をかいま見るのも良いかもしれません. | ||||
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「対岸の彼女」「八日目の蝉」で角田光代は女性心理を描かせたら一流だと思ったが、 今回は本当に怖いくらい「この人には全部わかってる」と思わされた。 都心で子育て中の主婦たちがふとしたことで「仲良しグループ」になる。家も近く、親子 で行き来したり、話題のお店に繰り出したり。そんな新しい仲間ができた喜びにひたる彼女 たちだが、ある日女性ジャーナリストから「お受験」への考え方を取材されたことがきっかけ で関係に歪みが生じ始める。「自分達は無関係」と言っていたお受験の戦いになんのかんのと 理由づけして自ら巻き込まれて行く母親たち。疑心暗鬼になり静かに蝕まれていく心、家庭崩 壊の予感。母親たちのキャラクターも決してベタではないのだが「いるんだよな、こういう人」 と思わせる人物設定がちゃんとできており、うそ臭さが無い。 いま現在「ママ友」とのおつきあいに悩んでいる大勢の人たちに読んでもらいたい、と思った。 | ||||
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久しぶりに小説読みました。 年末の京都旅行に行く新幹線の駅で買った雑誌に書評が載っていて、「実在の事件をモチーフにした」というところに惹かれてジュンク堂京都店で購入。 10年ほど前に文京区で起こった「お受験殺人」と呼ばれた事件で、記憶している人も多いかと思います。 2歳の子供が行方不明になり、その後殺害された事件です。 犯人は子供ともその母親とも顔見知り。いわゆるママ友だったそうです。 本作に登場する5人の母の名前を覚えるのは大変ですが、この5人の心理描写が生々しく恐ろしい。目を背けたくなるようなリアルさもあります。ちょうど子供が生まれる頃に妻と読んだのですが、人間は怖いなと思いました。 | ||||
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よく似たお母さん同士の人間関係はどこにでもある風景で 多くの小さい子供を持った母親は子供中心の生活をしています。 ストレス解消や情報交換などの楽しいだけの場であれば無問題ですが つまらないことで誤解したり疑心暗鬼になっていく人間関係や課程が とてもリアルに描写されていて怖いくらいです。 今、まさに子育て中のお母さん達が読めばギクッとなる事がたくさんあり 読み終えることでママ友以外で視野を広げようという気持ちになるかも知れません。 | ||||
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主人公である専業主婦の女性5人ともが、性格がいいとは言えず、身近にいて決して友だちになりたいと思えるようなタイプではないのに、読んでいるうちに共感し、この人はどうなってしまうのだろうと気になり出します。タイプが違う5人の5人ともにこういう感情を持てるということじたいが凄いと思います。そして、実際にあった事件をもとにしているということで、この中のだれが殺人を犯すのだろうと邪推したりもしたのですが、だれでもないんですね。でも、5人ともが殺人を犯しても不思議はない。そこまで精神的に追い込まれていく。元を正せば、子供の小学校進学という、それだけのことで。まさかそんなはずは、と思っていても、読めば、もしかしたら自分も、と思ってしまいます。そういった怖さのある小説でした。 | ||||
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この小説はノンフィクションではないかと言うくらい、リアルでした。 登場人物は自分の周りにも、うじゃうじゃいる様な人ばかりです。 全く空気を読めずお金や物をむしり取る事ばかり望む人、いつも人の動向ばかり気にして足を引っ張ろうと企む人、 私が今までに出会った最悪の人3人にあまりにもそっくりで、びっくりした程です。 私は、今ある幸せを日々感じながら生きて行きたいとつくづく思いました。 それにしても今回の角田光代さんの人物描写は凄まじい物がありました。 タイトルが小説の内容を象徴していて素晴らしい。 | ||||
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母親になるってなんでしょう。子どもの人生を考えるってなんでしょう。家庭の問題ってなんでしょう。母も子も、歩む人生は一度きり。親は、子の道を容易く曲げたりする権利なんてないんです。神様じゃないから。だけど、子どものために何がしてあげられるのかな。所々に10年前の「お受験殺人」で知られるあの事件→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E4%BA%AC%E5%8C%BA%E5%B9%BC%E5%A5%B3%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6のモチーフが使われていて既視感を抱く人もいるかもしれません。5人の子持ち主婦の輪が少しずつ捻れ、ひずんで、1ミリずつちぎれていく。そして書かれているのは、誰にも覚えのあるような。そんな心の闇との葛藤。精神的に弱いと自覚がある人は読まない方が賢明です。 | ||||
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この中に出てくる登場人物達は、たしかにどこにでもいそうですね。公園デビューとかいう言葉が一時流行りましたが、子育て中の若いお母さんには少々きつい内容です。 昔の自分を思い返して、自分は誰に近いのかな?と考えたりもしました。 ただ、みんな冷静に見ると、幸せな環境の中で過ごしているんです。子供はお母さんが好きだし、旦那さんも優しくて子供との関係を大事にしてくれている。 ただ、それに気付かない。ママ友同士の付き合いと、子供の教育(受験)のことで頭はいっぱいなんです。それしか見えてないんでしょうね。 こういうのって、子供が大きくなって振り返った時に後悔するんですよね。私も多少あてはまるのかも、です。 あまり人間関係に悩んでしまうような方には、お薦めしないほうがいいかな? 私は引き込まれて一気に読み切ってしまいましたけど。 | ||||
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最初は、母親とその子供を把握するのに苦労したが、だんだんと 5人の女性像がはっきりしてくるあたりから不穏な空気が生じ始める。 読み終わった今では名前とともに性格まで思い出すことができるぐらい 5人の女性がよく描かれている。 好印象に思っていた人物がこの世で一番関わりたくない相手になってしまう 過程には無理がなく、共感はしないが理解はできる気がした。 どの母親も最後には自分が何をしたかったのか、何を求めていたのか わからなくなり、いつのまにか子供の幸せから程遠い場所へきて 迷子になってしまう。 現代の母親は、なんと多くのストレスや問題を抱えながらも たくましく子育てしているんだろうかと、思わざるを得ない。 女性特有の痛々しいまでの心理状況で、独身者には分かりづらい感情も あるかもしれないが、夫にとっては普段口には出さない妻の気持ちを 少しでも知るには適した作品ではないかと思う。 | ||||
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最初、読みづらかったのですが、あれよあれよと一気に読み上げてしまいました。 殺人もなく、血なまぐさいものでもなく、大事件が起こるわけでもない。 とにかく、どこにでもある日常生活。 その、日常生活の中にある「女」という媒体を通して見える「サスペンス」。 こういう普通の生活の方が、どんな大事件よりも悪質で質が悪く怖いものなんだと思う。 人の心ほど、怖いものはない・・・と深く考えさせられました。 | ||||
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角田光代さんは、「八日目の蝉」がとても印象的で大好きになりました。 王様のブランチのおすすめで気になり購入。都心の住宅地で知り合う5人の子育て世代の女性たち。いわゆるママ友。 初めは「子育ての悩みを打ち明けられる大切な人」だったのに、お受験をめぐって次第に関係が変化していく。。。。 実際に幼稚園児の女の子を同級生の母親が殺害してしまった事件をベースに書かれているようで、とてもリアルで、心理描写も丁寧で、最後へ向けてドキドキが止まりませんでした。 たいしたことない、些細なことで追い込まれてしまう、「あの人さえ、あの子さえいなければ」と。 読み終わった後もしばらく動悸が止まりませんでした。 | ||||
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同世代の子供を持つママという共通点で結びついていた5人の母親たちは 嫉妬したり出し抜いたりを繰り返し、しだいにその仲に亀裂が生じてくる。 その心理や行動のリアルさには脱帽しました。 孤独、焦燥感、嫉妬、猜疑心、コンプレックス・・・。 女性の友人関係の間で起こった感情だからこそ根も深い。 自分のことだけならそうでもないんだろうけど、これが子供の将来にかかわってくる話なもんだから負の感情はヒートアップする。 でも、それでも一人になるのは絶対に嫌で、つるまずにはいられないママ友の友情の恐怖!!! 読んでいて気分のいいものだはなかったけど、ドロドロとねじれた感情に飲み込まれて一気に読んでしまいました。 誰にでも、彼女たちのようになってしまう要素はありそうで怖いなぁ。 いま、まさに幼稚園ぐらいの子供を育てているお母さんにはインパクトが強すぎるかも。 男性はこれをどう読むのかも気になるところです。 | ||||
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「対岸の彼女」以来一番読みごたえがある角田光代の作品と思います。会話への渇望、共感という幻、笑い合っているのに最後には突き放される不信感、抑え込めていたはずの過去(まだ母親になる前の)の自分と再会すること。事件をベースにしていますが、登場人物の特定の一人を事件の加害者と重ねるのではなく、登場するすべての女性が追い込まれ、絶望し、傷ついていないフリをし続け、危うい一線を超えそうになっていく。ある意味全員が加害者と薄い膜一枚の距離です。怖い小説です。知らず知らずに踏み込みたくない自分の中の森に歩を進め、迷います。 | ||||
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このようなママさんたちが公園で子供を遊ばせながら談笑している風景は、どこででも見られるものだと思います。彼女らは同年代の子供を持つ母親として、そして主婦として女性として、さらには不安や悩みを打ち明けられる仲間として、自然発生的に集うものだと思います。 その“仲良しグループ”のお互いの距離感が微妙に狂い始めたら…。 登場する5人のママさんたちのキャラクターが、ごく自然な感じで描かれているのが見事です。 それぞれにキャラが立っており、見事なメリハリを醸し出していて面白い。 子供の成長とともに「お受験」という巨大な壁や日常生活の諸問題にブチ当たる事により、それぞれが疑心暗鬼になって行く描写が素晴しかった。 これは案外身近にも起こりうる物語かも知れません。 | ||||
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角田さんの本を初めて読みました。雑誌におススメ!とあったので。 読み終えた感想は 読まなくてもよかったなぁ。 でした 女性ならではの嫉妬や感情の動きをうまく表しているなぁとは思いましたが 友達から愚痴をつらつらと聞かされているようで、だんだん息苦しくなりました。 途中からざっと読む感じになってしまいました。 ラストが気になって最後まで読みましたが、なんとも苦しい感じが残ります。 ゴシップ誌やワイドショーが好きな方にはいいのかも・・・。 | ||||
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女同士のこういう心理戦というか腹の探り合いは いくつになってもあるある、とうなづけるものがあります。 特に私はリアルタイムで今6歳になる娘がいるので 田舎住みでお受験無縁で良かったなぁ・・としみじみ。 でも環境が違って、当たり前に受験するような地域だったら わたしも間違いなく踊らされ翻弄されていた一人だったかも・・と 恐ろしくなりました。 専業主婦たちが麗しきママ友付き合いを始める過程もやけにリアルで それが簡単に崩れていく過程もすごく自然。 些細なことなのに腹の中探って落ち込んだり 疑心暗鬼になったりする女に、いるいるこういう女!と納得したり また、反対になにコイツーってイライラさせられたり。 最初は5人のママと子どもの組み合わせがゴチャゴチャになって 面倒だったけど、気がつくとあっというまに本の世界へ引き込まれていました。 身近な世界をテーマにしただけに どこにでも起こりえそうな恐怖、という感じで 間違いなく女特有の心理ホラーと言えるのではないでしょうか。 角田さんはこういうの本当にうまい! | ||||
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実験的なところがある小説である。中心的な視点人物が多すぎて、読み手が混乱しがちである。5人というのは決して多くないが、それぞれが中心視点人物として描かれ、それぞれに子供がいて、家族があるということになると、男の私にはきつかった。これは、女性の思考回路に合った小説である。 親戚とかその家族とか、近所の誰それとその血縁とか、女性はびっくりするほどよく覚えている。だが、おおむね男はだめだ。特に近所の子供の名前なんて、全然覚えられない。多分、優先順位の相当低いところに位置づけているため、何べん聞いても覚えられないのだ。 おそらく女性にとって、身辺情報のすべてに優先順位があまりないのだ。どの情報も大切なのだ。そういうごたごた感と情報に振り回されて自分を見失ってゆく感じが実感できた。 何べんも言っているのにどうして知らんぷりなの、と作中人物の誰からも言われているような気がした。でもやっぱり少し困った顔で生返事するか、急に大声で「くだらないことは聞きたくない」とか言うんだろうなあ。 | ||||
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時代の趨勢というか、子育ても経験ではなくまず情報に頼るようになってしまった今、 この本のようなことは大なり小なり付いて回ることだ。 ホラーだ、ミステリーだと思いながらこの恐ろしい心理劇を堪能した。 五人のママ友の関係が、どこで歪み始めるのか。 五人を描き分けるために使われている、カメラが瞬時に切り替わるかのような 描写が、緊張感をいや増す。 人間関係の空疎さ。希薄なアイデンティティー。年齢も家庭環境も、経済的な境遇も 違う五人が踏み込んでいく隘路。 どちらを向いても猜疑心と不信感と取り残される孤独感で、動けない彼女たち。 女同士の横一列の感覚は恐ろしい。誰かが頭ひとつ分、先に出ればもう許せない。 愚かだが、どんな人にも思い当たる感情だろう。 そして、読み手は女性ならなおさらの同族嫌悪を感じるはずだ。 だからこそ、ぞくぞくする気持ちに煽られて先を急ぐ。 成熟した大人になるのは、難しいな。 ざわざわとした胸騒ぎ。大団円があるはずもなく、ただただ負のオーラの満ちる 物語に圧されるように本を読むのも、ひとつの愉しみだと改めて知る。 | ||||
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角田光代さんの本は、「八日目の蝉」に続き2冊目です。いやー、どきどきして、一気に読んでしまいました。夫から何を話しかけられても生返事で。。。(汗)5人の主婦の人物像が丹念に描き込まれていて、誰かに自分を、または自分の知り合いを当てはめることができそうでした。 (自分はきっと容子さんに近いなあ、、、とかね。) 話の展開はうまくできすぎている気もしますが、それぞれの登場人物の、何かが起こった時の感情の動き、行動はその都度もっともだな、と思えるのです。ちょっとずつ、困ったエピソードが重なって、だんだん、強固と思われていたつながりが崩れていく過程がとても丁寧に描かれていて、読み進むうちにどんどん怖くなりました。 自分がこれから子供をもったら、ママ友ができたらどうなるだろう、、、お受験にはとんと興味なしでも、扇動されて、容子さんみたいになるのかなあ、、怖いな、、とも考えましたね。(ニュースで、ちょうど中学受験者過去最多とかやってました。少子化なのに受験者数最多とは、お受験組の割合がものすごく増えたってことですよね) 終盤、それぞれの母親のその後が描かれますが、描きかたが角田光代さんらしくて、個人的には好きです。曖昧ですっきりしないと思う向きもあるかもしれないですが、現実の世の中もきっと、あまり勝ち組とか負け組とかに簡単には分けられないと思えるので。 | ||||
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まさに幼稚園の子供がいる私は興味深く手にとりました。 でも読み進むうちに、 これはフィクションだな。 こんな人たちは私にまわりには一人もいないな。 少なくとも私がつきあっているお母さんの中には…。 と思いました。 ただ、怖いものみたさのような気持ちで本を読まずにはいられなくなり 一気に最後まで読んでしまったので 面白いかどうか、と聞かれれば、かなり面白かったです。 でも読んだ後は不思議なくらいブルーな気持ちになりました。 できれば、育児中の人は明るい気持ちでいて欲しいので よほど自分をしっかり持っていて なおかつ現在ハッピーだと言い切れる人でなければ 他人事として読める状況になってから読んでもいいかもしれません。 | ||||
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