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首無の如き祟るもの
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首無の如き祟るものの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.58pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 1~20 1/2ページ
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著者の代表作として必ず挙げられる本作。やはり傑作である。 刀城言耶シリーズの3作目にあたるが、前2作とはかなり色合いが異なる。登場人物のひとりが執筆する「小説」という形で物語が進行し、名探偵・刀城言耶もなかなか登場しない。 だが、首なし死体をめぐる大技トリックはあっと驚く素晴らしい出来栄えで、完全に騙された。突っ込みどころはあるものの、島田荘司氏の大傑作「占星術殺人事件」を連想するほどで脱帽です。 このまま本格謎解きミステリとして仕上げても良かったと思うが、そのままでは終わらず、ひとひねりもふたひねりも加えるところがいかにも著者らしいと思う。 | ||||
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どんでん返し系ミステリの私的ナンバーワン。 一人称の小説でも、なんで自分の思いを語ってるんだろうとか、変なとここだわっちゃうから、凝り過ぎな叙述とか、編者の記みたいな「メタ(外枠)」にも全て意味と仕掛けを施してるのがたまらん…… 最初こそ、600ページは超えてるは登場人物多すぎだわで辟易して夏休み使ってのんびり読むかと思ってたが、あまりの面白さに一日で半分読んでしまった。民俗学薀蓄もたまらない。 因習残る集落が舞台、○○様の祟りによる殺人事件、戦中〜戦後初期に渡る物語、伝奇ホラー✕ミステリー……これ京極夏彦や坂東眞砂子っていうより、ひぐらしでは!? なんて思いもしたが、ちゃんと本格ミステリですのでご安心を。 事件というより怪異レベルの謎、終盤にも関わらず次ぐ超展開の連続に、これ本当に解決するのかと思いきや……まさか一つのトリックで全ての謎が解けてしまうとは恐れいった 『厭魅の如き憑くもの』はフーダニットものの傑作だし、『凶鳥の如き忌むもの』はハウダニットものの傑作だし、『首無の如き祟るもの』はメタ・どんでん返し系の傑作。 三津田信三はあらゆるジャンルのミステリーで傑作書いてるのが本当に凄い | ||||
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数多くの不可解な事象が、ただ1点の見方を変えるだけでことごとく解明される。細かい点での瑕疵はあるものの、比類のない論理的カタルシスを感じさせる傑作である。怪奇小説としての要素も、緻密な論理構成とよく融合している。ホラー映画で経験するような即物的な恐怖感ではなく、根源的な不気味さを覚えさせる要素になっている。 | ||||
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全体的には面白かったです。ホラー要素は作中での文字表現の割には不足気味の印象。ミステリー要素はええっそう来るかという感じで意外性もあり良かったです。作者の他の作品は未読ですが、ほぼこのような作り方(山深く隔絶された集落、古くから続く家と風変わりな人々、昔からの言い伝えや因習、それらの舞台設定の中で起こる奇妙な殺人)と想像。ちょっと横溝正史テイスト。このような雰囲気のミステリーを好む読者にはハマる作品。 | ||||
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小さな謎が積み重なって山のようになった後、名探偵が提示するあるシンプルなトリックによって全てが解き明かされる、その快感。ミステリを読むことの醍醐味。 それを味わわせてくれる作品のうちのひとつだと思います。 先人たちの築いた数々の傑作ミステリへのオマージュが散りばめられているのも嬉しいです。 書名のおどろおどろしさから予想されるよりも読みやすい文章の手ざわりは、横溝正史さんの作品に近いように私には感じられます。内容からも、あの作品や、あの作品を連想しました。 作者の、ミステリを愛する心と、先達への経緯と、読者へのサービス精神を感じて、読んでいて嬉しくなります。 本格推理が好きな読者も、新本格が好きな読者も楽しませたい、という意欲作であると思いました。 横溝正史さんの「八つ墓村」、島田荘司さんの「占星術殺人事件」、麻耶雄嵩さんの「翼ある闇」がお好きな方に、一読をお勧めしたいです。 なお、刀城言耶シリーズを読んだのは、本作が初めてですが、特に問題は感じませんでした。ここから読んでも大丈夫だと思います。 | ||||
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「厭魅〜」から始まる刀城言耶シリーズを刊行順に読んできましたが、 今の所こちらが一番面白かったです。 三重にも四重にもなる密室状態、時折ちらつく首無しの怪異。 話に進むにつれ謎が増えていき 事件に関する謎だけでも最終的にざっと37個。 それが1つの真実で解説できると豪語する探偵役。 二転三転する犯人当て。などなど読んでるこちらも右往左往しました。いい意味で。 トリックや真相は過去作の中でもトップクラスに感嘆させられる部類でした。 しかし猟奇的な犯行に関わらず、(この作者の推理モノ全般に言えることですが)動機が弱いのが残念。 加えて「驚くべき事実が明らかに!」で2章も引っ張ったのにはちょっと苦笑してしまいました。 ポンポンと話が進み、話の勢いそのまま鮮やかに犯人まで辿り着くような物語ではなく 話の進み具合はゆっくりで、時には事件を振り返ったり、まとめたり。 とじっくり読むタイプのお話です。 | ||||
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P571に 2つの切断面が一致しない と書かれてますが中婚舍の屍体は長寿郎なので一致すると思うんですよね。 私がなにか勘違いしているのかな… | ||||
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何が信用できて、何が嘘か。 結局この作品はオカルトホラーなのか推理小説なのか。 最後まで悩ませてくれました。 他のレビューを見るにこの道の玄人には物足りない部分があるみたいですが、ミステリー初心者の私には予想通りのところも有れば想定外のところもあり、色々と新鮮かつ贅沢盛りでまるでお子様ランチのような、とても良い一作だったと思います。 | ||||
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奥多摩の山村の名家の跡取り騒動に纏わる連続殺人劇。おどろおどろしい伝承や不気味な因習が、横溝正史のような世界観を醸し出しています。 密室状態での首無し殺人や作中作のような構成など、かなり大風呂敷を広げた感じがしましたが、伏線も見事に回収されました。二転三転する真相はかなり疲れますが、最後にもちょっとした仕掛けもあり、余韻の残るラストでした。 | ||||
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大傑作。他の作品は仕掛けが途中で何となく分かるけど、これはさっぱり分からない。そのぐらいすれすれのところで書いている。ほとんど掟破りだけど、こういうのが良い。 ただ、毎度おなじみのモヤモヤしたラストは、いい加減にやめてほしい。今どき、はやらない。 | ||||
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刀城言耶シリーズの最高傑作だと思います。 ミステリーで何が好きか尋ねられたら、最初、少なくとも3冊目以内には挙げたくなる作品です | ||||
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面白かった。刀城言耶シリーズでは1番かな 。 このじめじめした雰囲気が好きかな | ||||
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刀城言耶シリーズを読むのは「厭魅の如き~」に続いて2冊目だが おそらくほぼ作者の狙い通り、見事にしてやられた感を味わった。 序盤でとある「釘刺し」をしておきながら、終盤なかなかにニクい形で「裏切られる」。 これだけ書いても未読者には何のことやらだろうが… 突っ込みどころが無くはない作品だが、それを差し引いてもミステリ好きなら一度、最後まで読んでみて欲しい内容です。 | ||||
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刀城言耶シリーズ第2弾。 ホラーかと思えばミステリー。ミステリーかと思えばホラー。 前作以上の恐怖と謎が入り混じる傑作ミステリー。このラストは誰にも予想は出来ない。背筋が凍りつくミステリアスホラー。 | ||||
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江戸川乱歩や横溝正史さんなどの、おどろおどろしいストーリーが好きな人にはうってつけの作品です。 プロローグなどのある小説は少し苦手で、この話はさらにその土地の歴史などがな内容に関わってくるため、読み飛ばすわけにもいかず、初めこそ説明書きが多くて投げ出しそうになりましたが、徐々に怪事件や登場人物のやりとりに夢中になっていきました。 背筋の寒くなるようなホラーと、見事なミステリーがうまく合わさっています。 正直読みやすい文章とは思えませんでしたが、それでも話が面白いので一気に読んでしまいました。 「このとき、○○が起こるとは誰も思いませんでした」 「なんとこの後○○は〜を遂げるのです」 など、後の文章を先に話してしまうような書きぶりもちょっと残念でした。 それを差し引いても、えー!!なんで!?うそー!!と思いながら興奮して楽しく読める本です。 | ||||
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三津田さんの作品は、これで三作目だが。前によんだ「凶鳥の如き」がそれほどでもなかったので、本作もそれほどではないだろうと高をくくっていたが。とんでもない。いつものごとく、犯人は、人間だけれども。最後まで読むと、結局はやっぱり「祟り」だ。となってしまう。 今回は、男装の美女が登場するのだが。もし、映画かTVドラマでやるとしたら、是非「瀬斗光黄」に長寿郎をやって欲しい。今回、刀城言耶はゲスト出演程度だが。キャストとしては、稲垣吾郎だろう。本当に「マジコワ」。(笑) 夜の描写が凄い。本当の闇の恐さ。そして、生首の怨霊。そこにからむ、男装の美女。耽美と超自然現象が入り混じって、そこに本格推理が入りこむ。出色の出来。興味本位で読んではならない。恐がりの人は、絶対読むべきじゃない。今回の主人公の斧高みたいに夜トイレに行けなくなる。 根性のある人は、読むことをおすすめする。とにかく、巧妙、幻妙。 う〜ん、凄い。 | ||||
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本作品は、三津田信三氏の他作品のレビューで絶賛されていたので、興味を持って読ませていただきました。 推理小説に登場するひとつのお約束である首なし殺人の理由付けに対し、全く別の視点から構成されており、そこに作者の力量を感じます。 また、最後の謎解きで、それまで読みながら違和感を覚えた内容(ネタばれの恐れがありますので、具体的には言いません)につき、なるほどと思わせる組み立てには感心しました。 あえて難をいえば、終盤2転3転する内容に関してはやり過ぎの感があり、特にそれまでの謎解きをひっくり返すかと思いきや、やっぱりそうじゃないとする展開に関しては本当に必要だったのかと疑問を生じます。 このくだりを入れた作者の意図が見えませんが、全体を通してのプロットが見事だったので、ひょっとすると私の理解を超えたところで答えがあるのではないかと逆に考えさせられました。 いづれにせよ、ホラー的な要素を謎解きで排除しておきながら、最後に無理やりホラー小説にもって行った感がぬぐえないため、星4つとしました。 ただ、純粋に本格?ミステリーとしても完成度は高く、面白い作品であることは間違いないと思います。 コアなミステリーファンから一般的な読書好きの方まで幅広い方にお勧め致します。 ところで余談になりますが、最近の小説全てに言えることですが、登場人物の名前付けに関して、もう少し簡単にできないものでしょうか? いくら理由があるにせよ、「斧」は「オノ」としか読めず、途中から「オノ」と読むことにしましたが、忘れたころに別のルビが入るため意識が読み方に行ってしまい、作品への没入感を阻害されました。 もし、犯人と同姓同名の方に対する配慮から自主規制している等のつまらない理由であればとても残念です。 | ||||
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秘境のような田舎。その土地で伝承されてる怪異現象。それだけで恐い。時代錯誤します。 妖怪ものを読んでるような感じがします。 怒涛の謎解きは圧巻でミステリー小説に引き戻されてほっとしていると最後に自分が物語の中に入り込んでしまった感覚におちいります。 ゾクゾク | ||||
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冒頭、閇美山犹稔の著作『童唄が秘める隠された伝承』からの引用だという童歌の歌詞が掲載され、巻末の参考文献リストにも『童唄が秘める隠された伝承』が記載されている。 しかし、閇美山犹稔は、作者の別の作品に登場する架空の人物であって、書籍も架空の存在である。 この『首無の如き祟るもの』の本文にあたる小説を書いたとされる作者も、掲載されたという雑誌も、すべて架空の存在である。 こうした、何重にも仕組まれた虚構性こそが、この作品の読みどころであって、「怖くない。おどろおどろしさもない。」とは見当外れの批判でしかないし、横溝正史の作品と比較するのも間違っていると思う。 横溝正史かと思ったら安部公房の『箱男』みたいなメタフィクション系の作品じゃないか! と驚いてこそ、作者の仕掛けたサプライズを楽しんだと言えるだろうか。 作者が企図したミステリ的趣向がわかる人なら、後半の展開は非常に面白く読めるだろう。 そうでない人は…ラノベでも読んでてください。 | ||||
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著者の本は初めてだが、純粋に小説として大変面白かったと思う。 物語は、嘗て媛首村に住んでいた作家が、当時に起きた未解決の殺人事件を振り返り、当時の資料を元に物語として再構成した者として語られる。 その為、綾辻行人の「迷路館の殺人」の様に、本作には「謎」として、この作品内の作家が書いた「媛首村殺人事件」の『作中内の解決』と、それを越えた『作品外の解決』の二つの解決が求められる二重構造の作品になっている。 この作品の凄い所は、この二重構造が単なる一つの壁で隔てられていうのではなく、この二つの層の間に幾つもの幕を張りながら真実を偽装している所であり、一筋縄ではいかない結末になっている。 更に、結末で真実が暴かれた後も、物語は異様な展開に進展し、なんともいえない結末を迎える。 正直、個人的な事をいえばオカルト全開の作品はあまり好きでは無い為、自分としてはこの結末は推理小説としては「ギリギリアウト」で認めたくない作品であるが、横溝正史的な余韻を残した薄暗い結末は好む人も多いだろうし、その様な結末が容認できるなら本作を十分に面白いと思う。 | ||||
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