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三年坂 火の夢
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三年坂 火の夢の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.08pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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ユニークなミステリーとして、こういう作品がもっと出てくればいいと思いました。知る楽しみを十分に味わえる秀作だと思います。 ただ、どなたかも書かれていましたが、東京の地理についての予備知識が必要なところがネックだと思います。ガイドブック風に写真や地図がふんだんにあれば楽しめたかもしれませんが、そこまでユニークなミステリーを乱歩賞に応募することは、現時点では無理でしょうね(笑) それと、人物の出会いが唐突というか、偶然すぎるきらいがあると思います。例えば、探索の途中にたまたま見かけた女学生や頭巾の女性が重要な役割を果たすのですが、どういうきっかけで彼女たちに注目したのかが腑に落ちませんでした。 また、登場人物が大げさに坂の秘密を論じているほどには、読者にとって重要な問題と受け止められない点、今ひと押し、説得力を加えたほうがいいように思います。人物だけが大騒ぎして、読者が白けるシーンが多かったようです。一工夫を。 | ||||
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’06年、「第52回江戸川乱歩賞受賞作」。同時受賞の『東京ダモイ』とは異なり、明治時代の東京を舞台にした歴史&青春ミステリーである。 内村実之(さねゆき)は18才、奈良県のとある町の旧制中学5年生である。ある夏の日、5才年上の帝大生の兄が突然帰郷した。それも、帝大を勝手にやめて、下宿を引き払い、渡されていた残りの学資も使い果たし、さらには腹部に傷を負って・・・。やがて兄は「実は三年坂で転んでね」と、謎の言葉を残してあっけなく死んでしまう。実之は、兄の死の謎を解くため、旧制一高進学を決意、単身上京する。彼はさまざまな人たちと出会いながら、“坂の町”東京で「いくつもある三年坂」を探して歩き回るのだが・・・。 ストーリーは、この実之の物語を「三年坂の章」として、そして予備校の鍍金(めっき)先生の東京の大火事についての推理行の物語を「火の夢の章」として、このふたつの章が交互に描かれて進んでゆく。 普通のミステリーが持っていない、奇妙だが、魅力的な“謎”を持つ小説だった。特に明治期の東京を「坂の町」としてみるという着眼点はユニークだと思う。 難をいえば、実之の「三年坂」探索行が、注釈が多くて、私のように東京以外の住人で東京の地理に詳しくない人にはつまらなかった事だろう。 今回の乱歩賞受賞作は2作品とも比較的厳しい評価がされているが、私は本書にはギリギリ及第点をあげてもいいのではないかと思う。 | ||||
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江戸から東京へ、激動の時代を背景にした幻想的な雰囲気のあるミステリ。当時の東京の雰囲気などの描写はとてもうまいと思ったのですが、物語自体の起伏が乏しく、最初に提示される魅力的な主題が、構築された世界を牽引し切れてないような所があって少し残念です。しかし、当時の社会の有り様や、東京の変化なんかは読んでて面白かったですね。でも土地勘がないので、ちょっと苦しかったですけどね。東京を舞台にした幻想譚として読めば楽しめるでしょう。 | ||||
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