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テスカトリポカ
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テスカトリポカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全212件 121~140 7/11ページ
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オーディブル版を購入しました。 まずナレーターの「さしすせそ」の発声が強く、気になって内容に入り込めませんでした。 話が進むにつれ次第に落ち着いてきたのでなんのことはないナレーターが不慣れなのか。 半分ぐらい進みましたが、1回目は聞き流して、2回目から内容に入り込むことにします。 | ||||
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層が厚くて読みごたえがあるので、どう読んでも楽しめると思います。 私は暴力を浴びたくてこの小説を手に取りましたが、これは暴力を書きたくて書かれた小説ではないように感じました。暴力描写や残忍なシーンは思ったよりあっさりしていて、なんとなく、この膨大な文章を興奮して読ませるためのドーピング材のように思えたので、「読んで考えさせる」というより、私たちがいま生きている「暴力的な絶望はないけれどなんとなく鬱屈としたコロナ禍の日々」の「刺激として楽しむ」小説だと考えると、直木賞受賞は妥当かなと。553ページ分、時間は有意義に過ごしたようです(有意義な読書時間を過ごせました)。 現代の麻薬戦争と臓器売買、そしてアステカ神話が交錯する――、みたいに書かれていましたが、別にそれらはあまり重ならずに、別要素のように思えました。(ただ資本主義の地獄が神々の怒りによって生み出されているのであれば、それは確かに地続きなのでしょう。) バルミロのやっていたことは「信仰」の蓑をかぶった「ビジネス」でしかないように感じました。バルミロたちの暴力は、あくまでビジネスに徹した故の暴力であって、神話の力を借りた暴力ではなかった。 アステカ文明の人身御供と現代の心臓売買って、つながっているようで「意義」が全くかすりもしてなくて、そのズレがきっと最終局面のコシモの言動につながっていったんだろうなと。バルミロには信心が足りなかった、というよりは、神(テスカトリポカ)が理解できていなかったのだと思います。(これは作中にも明確な描写がありましたが。)だからバルミロの最期は当然のような気もしました。彼は神々への理解が足りなかった。恐らく信仰したつもりになっていただけで、結局は神話を利用していただけなのではないでしょうか。コシモへのシェルターの説明に嘘があることを考慮すると、きっと自身でもアステカ神話を利用していた自覚があったのでしょう。(コシモの時間の哲学に対して、決して同様とは言えない祖母の時間の捉え方の話をした時点で、バルミロの理解の浅さは顕著だった。)そう考えると、ラストの展開には納得です。 文学としては、色々ジャンルがあるのでしょうが、群像劇、という言葉が一番合っていたように思います。資本主義アンダーグラウンド群像劇。資本主義の究極到達点である(らしい)心臓密売を「暴力」としてショッキングに描いて、さらにそれを上回る「暴力」として神が立ち上がる。うん、面白く読めました。 もしこの作品の内容がいまいち理解できなかったとしても、猟奇殺人鬼(手腕)見本市としても十分読みごたえがあると思います。狂った人間たちのオンパレード。液体窒素の下りと、解剖ではなくもはや解体、みたいな下りが好きでした。神話やビジネス書としても読めると思います。 本書からの学びとしては、組織(力)を統率するためには、思想や信仰などは織り交ぜずに、ビジネスに徹したほうがいい、ということです。噂をすれば影、ではないですが、下手に神話を語ると、それが呼び水となって本物の神が現れてしまうようなので。 | ||||
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前半はいろいろな事件が起こって盛り上がりを見せますが、後半になると勢いがなくなり、結末はご都合主義でがっかりしました。つまり、最後には重要登場人物であるコシモが父の代理としてのバルミロを殺害しますが、その原因となる少年ジュンタの登場が唐突すぎて、まるで機械仕掛けの神です。もっとしっかり伏線を張るべきでしょう。 それに重要モティーフになっているアステカの神テスカトリポカも、ただの邪神になりさがってしまっています。バルミロは生け贄を求めるアステカの神のために殺人を行い、それに対してパブロによって表されるキリスト教的な憐れみの力の勝利というような形で終わっているように見えます。これはキリスト教を旗印にして邪神を信仰するアステカ人たちを野蛮として虐殺したスペイン人たちの征服を肯定しているかのような印象を与え、非常に不愉快です。 それになによりも、直木賞選考委員の高村薫氏が評しているように「物語の力」が不足しています。文章力や描写力はあると思いますが、物語としての構成をもっと緻密に仕上げるべきでしょう。 | ||||
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描写は時折エグい部分がありますが、伏線を張っていて、思わぬところで繋がるとか、ほんとよくできた物語でした。 南米の麻薬組織という恐ろしい話から出発しますが、その後の主人公の行動や色んな人を巻き込んでいく描写が何とも面白い。 | ||||
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すごい … 圧倒された。いろいろな本を読んできたが 作中にあるような「拷問手段」ははじめてだった。成長物語 としても最高に面白く 充実していた。2私の中では 021年のベスト1です。 | ||||
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とにかく暴力描写が半端ない。これでもかと読者を犯罪の世界に引きずり込む。目を背けたくなる残酷さに身震いしながら、何故だか一度読み始めたらやめられない。神話と暴力の世界に無垢な少年が翻弄され、最後につかむ真実とは。長編だが一気読みだ! | ||||
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おそらくかなり取材したと思われるメキシコの麻薬カルテルの話から始まり、日本での臓器ビジネス開始など、序盤は、緻密なクライムノベルを期待した。 しかし、そこから先は、多くのページが登場人物やアステカの儀式の紹介、凄惨な殺人の描写で費やされ、やっとビジネスが始まったと思ったら、途中を省いて無理矢理まとまたようなあっけない終わり方。これなら、臓器ビジネスを題材にする意味も、日本を舞台に設定する必然性もなく、「Youは何しに日本へ?」と言いたくなるような結末だった。 | ||||
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力作だし、筆力もある。確かに力のある作力だし、作家として持つ力も強い。しかし、こういう内容を本にして売る出版社や直木賞を与えてしまう人たちの見識を問わずにいられない。違う作品で受賞してもらいたかったと思わずにいられない。出版社も選考委員ももう一作、作家の生み出す作品を待つことはできなかったのか。直木賞選考委員の男性陣はこぞって受賞に反対したが、林真理子、宮部みゆき各女性陣が強く支持したという。選評は長く記憶されるべきだろう。選んだ責任を記憶されるべきだと思う。力のある作品ではあるが繰り返し読みたいとは決して思わない。そしてこの作家がこの作品を書くまで追い詰められたことの経緯には思いははせるが、この作家と作品を通して信頼関係を結べるとは思えない。こういう作品を出してしまった作家自身に「これからの作品」という一生の課題が出されたと思うし、この作品を推挙した選考委員には「今までの作品」の質が問われようし、「これからの作品」にどんなメッセージを提示し、読者に信頼されていくのか、強く問われることになると思えた。 | ||||
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これはとても重厚な小説です。 麻薬中毒、育児放棄、臓器移植、無国籍児童・・・ アステカ文明と混じり合い、社会の奈落を見た気がしました。 | ||||
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序盤は引き込まれる展開だったものの、中盤以降は冗長的で、展開も予定調和的で、凡庸。ページを捲る手が重たくなってくる。 作者が書きたいものに付き合わされた感。水が合えばそれでも良いのだけども。 直木賞も山本周五郎賞も好きな作品多いので期待が大きかっただけに残念。 | ||||
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一気に読めます。 とっても面白い本です。 | ||||
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これは、もはや漫画だ!! 私には文学的な興奮も、面白さも全く感じない。 唯々、暴力的に描かれる血の儀式、麻薬、臓器移植、集団リンチ、児童虐待 など現代的なテーマも盛られているが、これはスプラッタームービーだ! 切り落とした首で、バスケットゴールするシーンは、阿保らしさに笑って しまうほか無かった。 著者のアステカ文明、メキシコ文化に造詣が深いのは分かるが、それを 現代の日本を舞台に物語作りにするには、無理があり過ぎだ。 直木賞の選考委員の先生方に問う? この作品は、本当に魂を揺さぶるような、心に残る小説ですか? | ||||
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これは直木賞決定だな、と思う作品に出会うことはあまりないのですが(読むタイミングも合わないですし)、『テスカトリポカ』は間違いないと思いました。思えば日本推理作家協会賞候補作の「くぎ」を読んだときの感動があって、佐藤さんの著作を読むようになったのですが、本当に良かったです。 | ||||
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かなりの犯罪暴力小説。 麻薬密輸組織。 臓器密輸組織。 太古から伝わる文明から生まれた伝説がある。 善も悪も超越した 組織が作り出された。。。。 でもやっぱそりゃ良くないだろ! 悪だよそれは! 様々な登場人物が現れる。 過去の生い立ちが語られ かなりの長編小説 読んでいて、、、 メッチャックチャ面白かった!! 裏切り者がいる。 アステカ文明のもと 人間の心臓をえぐり出し 神に捧げる儀式。 その心臓を売買する 清潔な襟をしたエリート中のエリート 医者。 その医者とタッグを組む 一人の主人公がいる。 純粋な魂の持ち主。 凶悪犯罪に手を染めていく。 もう一人の主人公。 どっぷり悪の世界で 善にも悪にも 染まることなく 美しいナイフを作りつづける 最強な男。 彼にこの物語は救いがある。 その救いは 更に抜け出せない闇の中 月を眺めて眠る。 | ||||
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自分では一生足を踏み入れることのない世界の話だから、面白いは面白いです。 アステカ文明についての予備知識がある人はもっと面白く読めると思います。 でも他の方のレビューにもある通り、移植ビジネスについては登場人物の理想通りに物事が運びすぎかな、と思いました。 歴史上の出来事、最近で言うとコロナ流行による弊害など、リアルな描写が多かっただけに、そこは残念に思いました。 それから、コシモが作ったナイフや武器、タトゥーなどの挿絵があるともっと入り込めたと思います。 よく知らない文明をもとに書かれた美術品の美しさを文章だけで想像するのは、私には難しかったです。 想像できない部分をネットで検索しながら読みました。勉強になりました。 | ||||
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最初は謎めいていて、引き込まれていくのですが、グロテスクな描写など、ちょっと苦手で途中で挫折しました。合う合わないがある本だと思いました | ||||
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人と人の人生がここで交錯するのかと驚き面白かった。アンダーグランドの世界が見れて面白い。麻薬には色々な組織が絡んでいて、裏には想像できない恐ろしさがある事が知れた。 物語はとても面白かった。 | ||||
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完全に机上の空論。しかも悪質な隠ぺい工作をしている。 事実は、こんな空想ほら話をはるかに越えている。 なぜ、お隣の国に大金払って出掛けて肝臓を提供してもらっている、日本の有名人や実業家、政治家のことを書かないのか。 臓器売買は生体から取り出す医師がいることが前提。その医師は、どの国にいるのか、誰でも知っていることだ。医師は、政治や宗教が理由で投獄されている生きた囚人から取り出すのだ。それを予約して待っている日本の政治家、儲けてコネのある実業家、俳優、タレントなど。なぜこの決定的な醜悪な事実を書かないで、空想的な世界の出来事のように書き、結果として、彼の国の国家的反人道行為をうやむやにするのか? | ||||
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8500頁超の大作ですが、2ヶ月間ずっと夢中でした。本屋で実物を見ていたらページ数に尻込みしたかもしれませんが、電子書籍で買ったのでここまでの長編大作だと気づかずに読み始めてしまいました(笑) 目次からわかる通り、裏社会、宗教、暴力に関わるお話が苦手な方は読まない方がいいです。 作品のスケール、伏線、登場人物の個性、スピード感、歴史的背景など直近では類を見ないほど全てが重厚で具体的で、おそらくずっと細部まで忘れられないと思います。参考文献の欄を見るだけでもわくわくします。 自分が(いい意味で)いかに平和に生きて来たかを思い知らされる良著でした。そして、この小説がセンシティブな描写が多数あるにも関わらず大きな賞を受賞して、読者から高いレビューを受けているのが感慨深いです。 テーマの重さやリアリティもあいまって映画やアニメでは倫理的に描くことが難しいストーリーなので、これが小説に残された聖域だなと思いました。 恐ろしくもとても楽しい一冊でした。 | ||||
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1996年、メキシコに暮らすルシアはまだ17歳だった。その彼女が流れ着いたのが日本。そこで彼はコシモという息子を産み落とす。 一方、メキシコの麻薬カルテルを仕切るカサソラ兄弟は対立組織との抗争に敗れ、兄弟のうちバルミロだけがひとり、国外へと逃れる。東南アジアを経由してたどりついた日本で、巨大な臓器ビジネス組織を形成していく……。 ---------- 物語の冒頭で20世紀末のメキシコ人女性ルシアの苛烈な生活が延々と描写されるさまを追いながら、このルシアこそが小説の主人公かと思いきや、さにあらず。ストーリーは2020年コロナ禍の日本へと到達してく中で、国籍も年齢も素性も違う登場人物たちが陸続と現れて切り結んでいきます。 激しい暴力の応酬と、人の道を大きく逸脱した闇ビジネスの描写が続き、そしてそれがまた現実離れしていないほど精緻に、500頁にわたって綴られていきます。まるでノンフィクションのようです。 テスカトリポカはアステカの神話における「煙を吐く鏡」のことと紹介されます。想像を絶するほど苛烈に繰り出されるバイオレンスの狭間に、アステカの聖なる儀式が挟まれていき、暴力と聖性の奇妙な統合が感じられて、実に幻惑的です。 こうした暴力性の高い小説を求めて佐藤究氏の次回作も読みたいかと問われると、答えに窮するところはありますが、一風変わった作品を読ませてもらったという思いは確実に残りました。 ----------------------- *67頁:「麻薬戦争」にスペイン語として「ゲーラ・コントラ・ラス・ドローガス」というルビが振られていますが、これは「麻薬撲滅戦争」という意味です。つまり、政府当局が麻薬カルテルを壊滅させるために仕掛ける戦いのこと。ところが、この67頁で語られるのは、「二つのカルテルが激突し、市街地を地獄に変えていった」様子です。つまり「麻薬をめぐるカルテル同士の戦争(抗争)」。ですから「ゲーラ・コントラ・ラス・ドローガス(guerra contra las drogas)」ではなく、正しくは「ゲーラ・デ・ラス・ドローガス(guerra de las drogas)」ではないでしょうか。 *276頁:「おれたちは戦士だ」にスペイン語として「ソモス・ゲレロ」というルビが振られていますが、正しくは「ソモス・ゲレロス(Somos guerreros)」です。主語の「おれたち」に合わせて「戦士」も「ゲレロス(guerreros)」と語末には複数形を表す「s」が必要です。 なお、2017年のメキシコ映画『ザ・マミー(原題はVuelven)』の最終場面に、「Somos guerreros.」というセリフが出てきます。 *303頁:「おまえはナイフを作れるって聞いたよ」にスペイン語として「オイ・ケ・プエデス・アセール・ウン・クチージョ」というルビが振られていますが、「ナイフ」を意味する「ウン・クチージョ」は単数形ではなく、複数形「クチージョス(cuchillos)」としないと、「おまえ」=「ラウル」がナイフを1本しか作れないことになるのではないでしょうか。 . | ||||
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