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テスカトリポカ
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テスカトリポカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全240件 221~240 12/12ページ
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凄惨極まる熱量は限界を越えていく。 からだじゅうに戦慄が走っても、なお560ページに及ぶ読書スピードは加速する。 尊崇・畏怖される神々しさが視界に広がっていく。 そして、見てはいけない闇の底。 500年を経てよみがえる、ありとあらゆる映像に強い衝撃を受ける。 許されるべきではない悍ましい行為の数々はドライに描かれている。 「テスカトリポカ」とは。 | ||||
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恐ろしい犯罪小説だった。 麻薬密売人と臓器売買ブローカーが手を組み、日本の無戸籍児童の臓器密輸を計画する。 そのときに目を付けたのが、薬物中毒の保育士の女。 彼女は「子供が好きで守りたい」といいながら、違法薬物に手を出している自分がそんな大事な子供と関わっていることに違和感を感じていない。 「この女は根本的に壊れている」つまり、自分の本当の気持ちをきちんと感じておらず、自分が何をしているかを考えていない思考停止状態にある。 この女は使えると思われ、「無戸籍児童を守るため」という大義名分を与えられて、 無戸籍児童の臓器密輸という恐ろしい犯罪の片棒を知らず知らずのうちに担がされることに。 ここから、最後の「いや、なんでやねん!?」な結末へ繋がっていく伏線が見事だった。 直木賞に選ばれる作品とは毛色が違う気がするので、受賞はないかもしれないですが、 間違いなく面白い小説でありました。 | ||||
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これでもかというくらいに、しっかり調べて描いている。 だからこそ、細かいところで、粗さが目につくとがっかりした。 たとえば、目だったところ二か所。 P321 エナジードリンク、モンスター 2006年の描写ですが、この時期、まだこの飲料は日本国内で販売していません。 P323 刑期19年の殺人が、受刑者としての態度優秀で11年で仮釈放 これ、絶対にありえません。2/3に短縮されても約13年は入りますし、殺人で1/3短縮自体ほぼ例がないです。 以上、文庫化、あるいは直木賞受賞後に、重版で修正を。 | ||||
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もっと卑近で生々しく醜悪な地獄絵図を期待してましたが、アステカ文明のくだりなど、どこか超常的な要素が悪人を神格化しており(とは言えノーカントリーのシュガーほど魅力的ではない)次第に興味を失ってしまいました。 登場人物の背景等、非常に面白く読める部分もあるのですが、描写される暴力というものに対する著者の哲学が浅く感じます。 何故かコーマック・マッカーシーと比べてしまうのですが。 | ||||
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アステカの神話体系、神統記をふまえた暗黒、暴力小説。なじみのない神話伝統のペダントリと、現代的な(そこには非合法の臓器移植、心臓移植、麻薬取引、はてはコロナウィルスの話題も含まれる)を合わせたところが魅力。ルビの多さ、読みづらいかもしれない固有名の羅列に興奮できる人と、そうでない人で、評価は分かれるかも知れない。 雑誌掲載時の第一部が尻切れトンボなのだが、その先はなかなか途中まで盛り上がりを見せない。大風呂敷を広げておきながら、結末はわりとあっけないというか、静かで、今までの話は必要だったかな?という気もしないでもない。でも、最終章で、「物語る行為」の魅力を、祖母の昔話に託している感じが、好印象だった。 もっとよいものが書ける作家という気がした。期待したい。 | ||||
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麻薬戦争の部分は面白いけど既視感を免れず、たぶんあの本を下敷きにしているのだろうなという想像がつきました。オリジナルはアステカ文明の神話ですが、これの影響が大きすぎ、ボリューム的には邪魔となり読み飛ばしてしまいました。それが悪かったのか、コシモの行動原理が理解できず、さらにエピソードの好印象狙いが取ってつけた感が強く、読後感は今一つでした。 とはいえ、馳星周がお涙頂戴路線に切り替わった今日、貴重なノワール作家として、他の作品も読み込んでみたいと思います。 | ||||
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ルビは多いんですが、そこはまぁ雰囲気として。 試し読み部分をそこそこ読んだんですが、いつの間にか引き込まれていて、自分にビックリ。しかも結構読んだのにまだまだ試し読み部分は残っている。う~ん、売り方、読ませ方が上手い。(数ページしかなかったら印象にも残らなかった) 面白そうだけど・・やっぱり値段が高い。今時の小説はこんなにするんですね。 自分は文庫化になるのを待つかな。 | ||||
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久々に読みごたえある。エンターテイメント。 | ||||
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クライムスリラー、ピカレスクロマンと、悪人主人公ものは苦手ですが、これは夢中で読めました。 幻想性は少しあります。 極悪人の主人公たちの再起、架空の犯罪計画の立案と軌道に乗せるまでに、独特の痛快さがあります。 何の罪もない人々が破滅していくのにも、暗い充足感がありますね。 群像劇でもあるので、多くの登場人物が飽きさせず、文章・エピソードごとの区切りもよく、乗りやすいです。 元が純文学畑の人だったとは思えません。 前作のAnk:Mirroring Apeといい、この作者はディテールを持って架空の壮大なシステムをでっち上げるのが上手いですね。 | ||||
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旧約聖書はパレスチナ人とユダヤ人との絶え間ない紛争の記述であり、ギリシャ文化はトロイ戦争で始まり、アテナイ人とスパルタ人の抗争で滅亡した。アステカ文明もコンキスタドールにより95年の歴史に幕を閉じた。 自己保存と自己拡大のためにより良い土地を求めて争い合うというのは人類にとって普遍的なものだと痛感させられた。裏社会も表の社会も本質は同じで手段が異なるのみ。表裏一体、戦争と平和また然り。まさに「鏡」。 カルテルの残虐な行動に目を瞑りたくなる描写もあるが、読み進めていくうちに何故か魅了されていく自分がいる。理性で抑え込まれている自分の本性にも気付かされる一冊である。 | ||||
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佐藤究『テスカトリポカ』読了。 この作家の小説は初めて読んだ。 アマゾンのAIが薦めてきたものだw 古代アステカの宗教、メキシコの麻薬カルテル、臓器密売シンジケート、この3つのキーワードが三題噺のようにつながっているというので読んでみようと思った。 まず、メキシコと日本で別々に提示されるエピソード群。 これがどう繋がるのだろうと思って読み進めていくと、なるほどダイナミックに繋がっていく。 特にメキシコのカルテルの描写は迫力があって、垣根涼介の初期の南米ものに近いものを感じた。 古代アステカ宗教の描写にも凄みがある。 ただ、臓器密売の話になると、ちょっと無理を感じるところが多くなる。 特に、臓器のドナーとなる子どもたちに日記を書かせるところの論理は破綻しているし、またその日記を主人公の1人の大人に代筆させるところも然りだ。 いや、日本でのシンジケート構築のやり方が無理筋すぎるようにも思える。 まあ、ダイナミックなストーリー展開を優先させるとこうなるしかないのかもしれないが。 垣根涼介の一連の南米関連のような、読後の爽快さは得られなかった。 | ||||
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500Pオーバーだったが読み始めたらあっという間だった。無駄なものをそぎ落とした小気味の良い文体で内容のハードさの割りにぐいぐい読めてしまう。登場人物の驚くほど緻密な描写は彼らの行動、思考の理解度をバツグンに上げてくれた。最後の転がり落ちるような物語の結末もある意味神の恐ろしさを垣間見るような結末で素晴らしい。残酷人間博覧会のような状態の作品だが思わず目頭が熱くなるようなシーンもある。山本周五郎賞ノミネートということなのでぜひ受賞してほしい。 | ||||
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この物語はメキシコの元麻薬王でありアステカ文明の呪術的な信仰を祖母から引き継いだ男・バルミロと、バルミロの支配下にあった街にルーツのある少年・コシモの人生が日本の川崎で交わり、破滅に至るまでを追っています。 こう書くと何となく面白そうですが実際読んでみるとうんざり。 とにかく長い。ハードカバーで500ページ超えなので当たり前なんですが、ストーリー上の盛り上がりどころが全然来ない。 冒頭でコシモの母親が日本に来てヤクザの男との間にコシモが生まれて暴対法の締付けで困窮するようになって、コシモが父親を殺して〜みたいな話をしたら、その後はずーーっとバルミロの話。 バルミロが日本で始めた臓器売買にコシモが絡むようになる頃には物語は佳境で、それまではバルミロの信仰のルーツである祖母の人生、バルミロがいた麻薬カルテルでの抗争の日々、敵対組織に敗れて復讐を誓い、各地を転々とする中で麻薬に変わるビジネスとして臓器売買を〜みたいなことが延々語られます。 信仰はともかく、麻薬王時代の話とかバルミロとビジネスパートナーになる闇医者やら川崎で暴力要員として雇うチンピラやらのエピソードとか、ダイジェスト的に済ませるべきくだりにかなりのページが割かれ、「いつになったら話が始まるんだ」という気持ちに。 物語のバックボーンであるアステカ文明の信仰やメキシコの麻薬戦争の凄まじい実態、臓器売買のシステムなど大変な取材をしたんだろうなと思います。 でも、それを全部並べられても面白くないんですよね。 一人一人のバックボーンを描いて厚みを持たせるって言ってもその厚みは費やされたページの厚みであり、読者から興味と集中力を奪います。 主人公やそれに準じるキャラは丹念に描き、重要度が低いキャラは端的な描写でさらりと立ててみせるなら巧みの技ですが、本作はそういう意味でいうと下手でした。 川崎で臓器売買ビジネスが始まってからの展開も、世界にまたがるダイナミックな犯罪を描いてきた割にはダイナミズムに欠けていてしょっぱいです。外科医の裏切りとかどうでもいいですよ。 ページ数をこの3分の2に削り、キャラクターの優先順位に則った描写に留め、早い段階からバルミロとコシモの物語としてスタートさせ、この二人の関係を軸にした展開を辿らせれば傑作になり得たんじゃないかと思います。 | ||||
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麻薬と貧困と暴力の世界の物語。主人公は犯罪者たちである。物語にはミステリー小説の推理やどんでん 返しなし、SFのセンスオブワンダーなし、ハートウォームやお涙頂戴の胸キュンなしで、問題解決はただひ たすら残虐な暴力と賄賂だけ。麻薬戦争が絶えないのは、残酷なアステカの神々の祟りか?結末への道のり が見えず読んでいて飽きてくる。 残りのページ数が気になりながら読み進むのはちょっとしんどい。こういう小説は肌に合わない。 | ||||
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どこまでがアステカの神話でどこからがいま起こっていることなのか。その境界線がまったくわからなくなる小説。「心臓」がキーワードであり、もちろん「ハートウォーミング」な人情噺であるはずもないのだが、最後の最後にほんのちょっとの希望があったりする不思議な話。 メキシコでの麻薬組織の対立に端を発し、しぶとく生き延びた「主人公」がジャカルタで「起業」して、復讐を遂げるために川崎で私兵組織を立ち上げて「ビックビジネス」に乗り出す、というあらすじはあまりに粗いので参考にならないと思う。でも、もうひとりの「主人公」に救いがあったことが小説の高みを極めたといえる。 読み始めると550ページはイッキ読みになるので、連続した時間が取れる休日用にオススメします。 | ||||
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結局、何年に一度しか読み応えのある小説は出てこない。 これは間違いなくその一冊。 | ||||
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とにかく凄い。日本人離れした力量。圧倒されます。 | ||||
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本を開いてからの3日間、私は壮大なスケールの旅に出ていた気がします。あるいは夢を見ていたか。 分厚い本を、これほどまでに「まだ読んでいたい、読み終わりたくない」と思ったのは初めて。 読んでいる最中に洗濯機が洗濯終了を告げるアラームが鳴ると「チッ」(舌打ち) 携帯が鳴ると「チッ」。いま重要なとこなのに!!!(重要なとこだらけ) そんな3日間でした。 登場人物のキャラクター設定がとても魅力的で、そして哀しい。 とことん残酷で禍々しい、なのにすごく神々しい。 読了後、飲んでみたこともないメスカルという酒を飲んでみたくなりました。 速攻でこの作家さんの他の作品を2冊購入した次第です。 | ||||
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この作家は寡作なぶん、どの作品も超弩級ですね。今作も圧倒されました。 それにしても、偶然にも最近読んだティム・ベイカー『神と罌粟』と合わせて、麻薬戦争の凄まじさに震え上がった。 おそろシコ。 | ||||
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完成度の高いクライムノベルでした。 | ||||
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