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テスカトリポカ
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テスカトリポカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全212件 101~120 6/11ページ
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これが直木賞とってしまうのか……ということに驚きを禁じえない。 メキシコをバックボーンにして、日本で起こる臓器売買と麻薬取引を描いた小説だが、とにかく余計な情報が多すぎる。 体格には恵まれているが、周囲の大人たちに恵まれなかったコシノの物語だけは、ものすごくワクワクさせられるのに、いつまでたっても物語が始まらない。はっきり言って、読み物としての構成に失敗している。 著者は群像劇を描きたかったのだろうか。 その割には闇医者にしろ、チンピラを雇っていた社長にしろ魅力が無さすぎる。 (唯一、コカイン中毒の偽善者保育士だけは徹頭徹尾クズすぎて面白かったが) アステカを語る婆さんの話やら、メキシコマフィアの話は厚みをもたせるために無くて良いとまでは言わないが、こんなに長く語る必要は絶対になかったと思う。 何を読まされているのか、という気分にさせられた。 読み物として必要最低限にまとめて、ページを抑え、読者を飽きさせないのも技術。そういう意味では、この退屈な小説が直木賞に選考されたということは驚く。他になかったのか。 | ||||
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「麻薬戦争」、「臓器ビジネス」など恐ろし気な単語が並ぶ書評などをチラチラ眺め、自分の中の怖いもの見たさが勝り読み始める。 登場人物の名前や土地が覚えにくいのを感じながら読み進めると、途中でコツをつかんでどんどんと読み進める手が止まらなくなる。 バイオレンス、悲惨さなどがリアルに叙述され壮大なストーリーに引き込まれて行く。 ただその緻密さゆえの説明描写などにかなりのページ数が割かれていたりするので正直中だるみすることも。 それでも積読や読みかけて放棄することの多い自分でもこの長さの小説を読み切ったのは単純に面白いと感じたがためであろう。 読後しばらくは軽いエッセイなどを読みたくなるくらいに濃度の濃い小説でした。 | ||||
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文章は端正。淡々と物事が進んでいきます。余計な含蓄や人物の掘り下でページの水増しをしません。 そういういわゆるエンタメに嫌気がさしている人こそ、むしろおすすめしたい。逆に「よくある」売れ線の物語小説を期待するなら、何がいいのかさっぱりでしょう。本屋に行けばたくさんあるのだから、わざわざこの本を読む必要はありません。 全ての出来事を分け隔てなく記録するように描かれるので、そこに感動や恐怖を覚えるのは読者次第です。 やっと世界観、文章、構造ともにしっかりした作家が日本にも出た、と感じます。世界に出しても恥ずかしくない小説。 作家業している人がこれを読んで、どう感じたのか気になります。自分だったら、なんともない顔をして、はるかに劣る新作を出せる気がしません。 | ||||
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俺が求めていたのはこれよこれ!! かなり緻密に取材をし、描写を細かく文字にする。 呼んでるこちら側が描写を頭で描ける作品。 | ||||
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映画のScicarioとApocalyptoをもとに日本を舞台にした内容でした。面白く読めました。教訓としてはメキシコの麻薬ビジネスモデルを日本に持ち込もうとして失敗した事例とも解釈できます。また、移植手術ですが、術後管理や免疫抑制剤、リハビリのことがあるので、実際はそんなに簡単ではありません。人間はプラモデルではないので。とはいえ、自作も期待したいです。 | ||||
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文句なしの☆5つにしたかったが、アステカの伝承の話がクドすぎた。作者が丹念に調べ上げたぶん、それを全部詰め込みたい気持ちは分かるが、ちょっとワガママすぎるだろう。特に最後の章は明らかに蛇足で、そこが非常にもったいなかった。あれがなければ余韻を含めて綺麗に追われたのに。 | ||||
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前半は独特な雰囲気、世界観があって興味深く読み進めることができた。しかし、中盤に入っても物語が大きく展開しそうな気配がなく、終盤に入ると尻すぼみしてしまった。最後の方はほぼコメディで、これが直木賞?と思った。 | ||||
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古代アステカの神話を下敷きに臓器売買を描いたクライムノベル。 クライムノベルであると同時に、古代アステカ神話を下敷きにしており、さらには冒険小説のような趣きもある重層的な読み味の小説。直木賞受賞作でもあり、きっとおもしろいのだろう……と思っていたけれど、そこまでの切れ味を感じられなかった。イベントは盛りだくさんなのにエモーションはさほど盛り上がらず、かといって伏線の妙があるかといえば個人的にはその点もそこまでに感じられた。氏の作品は他に『QJKJQ』しか読んでいないが、そちらも正直ピンと来なかったので、自分は氏にとっての良い読者ではないのだと思う。 | ||||
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かなりの大作で面白かったが、読書習慣のある本好きでないと読み切るのは難しいのでは。 直木賞ってもっとライトな作品が選ばれてるイメージ(普段本を読まない人にも手に取ってもらえる)なので、これが直木賞かとびっくりです。 | ||||
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実にくだらない作品でした。暴力、薬、臓器売買、こんなテーマで、よく本を書く気になれたなーと違う意味で感心しました。登場人物の誰一人として共感も出来ず、好きにもなれず、勝手にしてくれと思いながら読んでいました。実につまらなく退屈で時間の無駄でした。 | ||||
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たくさんのレビューで言い尽くされていると思うが、暴力シーンの緻密な裏付けに感心してしまう。佐藤究さんという作者はどんな経験と情報経路でこれだけの「本当らしく読める」ネタを集め得たのだろう。物語は麻薬資本主義の組織がアジアに移って血の資本主義に変わり、やがて悪の地下組織が形成されて行く過程を描いている。しかし、あるほころびを生じるわけであるが、その動機と心の変容を非常にうまく描いている。徹夜して一晩で読み切る人が続出する秘密はこの話の組み立ての見事さなのだと思った。 | ||||
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とにかく面白い! 物語として面白かった。 アステカ文明の香り漂うクライムノベル。 ページを繰る手が止まらず一気に読んでしまいました。 ちょっとした本好きでミステリーはよく読みますがここ10年では個人的にはベストでした。 昨年のベストミステリーで2位だったのが不思議なくらいです。 とはいえ誰にでもオススメできるわけではないところはあるかなとは想いました。 クライムノベルなので、そういうダークなのは嫌いという人にはオススメしません。 ハードボイルド、クライムノベルが好きな人には絶対オススメの一冊!! | ||||
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古代の生贄の儀式の描写部分はかなりリアルで、相当な取材に基づいたものだと感じた。文章だからOKだけど、映像化は厳しい内容なほどリアルである。こういったシーンの描写がリアルなので、苦手な人はダメかもしれない。大丈夫な人は楽しめる。読者側にもメキシコや南米の事情などの予備知識があるとより理解が深まるだろう。 | ||||
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複雑に絡み合う人間模様と信仰の掟を、丁寧に紐解きながら一つの物語として楽しめる非常に面白い作品。 心の虚ろいが手に取るように分かり、かつその先にどんな物語が待ち構えているのかわからないハラハラ感。 あっという間に読み終えました。 | ||||
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令和のクライムノワールの旗手。これ迄味わった事の無い読後感。現実とフィクションの境界が混じり合う感覚が続く。恐らく永遠に。。。 | ||||
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日本人がよくぞここまでメキシコの風土、人情、社会情勢などを踏まえた作品を書けたものと感心させられる。一気に読了した。惜しむらくはやや饒舌。3分の2くらいに圧縮すると、マイクル・コナリーのハード ボイルド的緊迫感が出てくるのではと思った。 | ||||
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間違いなく面白い。 金額に見合うクオリティ。 特にキャラクターに命を吹き込む手腕は圧倒的。 どのキャラクターもこの世にいる気がしてくる。 アステカ神話を下敷きとした演出も作品の内容とマッチしていて、クライムサスペンス作品の中で独自性を保っている。 作品の中で人格を与えられたキャラクター達は、時に筆者の手を離れた動きをすることがあるが、前半と後半でのキャラクターの不一致が気になったところ。 【以下ネタバレを含むレビューです】 バルミロの異常なまでの冷徹さと慎重さは丁寧に描写されてきたが、計算しにくいコシモに関しては急に判断がガバガバ。 信仰心と結びついた偏愛は理解できるが、もっと過保護にするのではないだろうか。 順太とコシモを関わらせるメリットは無さすぎた。 コシモの知性レベル、倫理観についても描写が不安定。暴力、痛み、死に対しての異常な鈍感さが丁寧に描写されてきていた。 儀式の正当性に疑問を持つほどの知性レベルと過去の行動には乖離があるし、儀式の正当性に疑問を持ったとしても、その後の判断と行動は飛躍している。 風呂敷を畳まなくてはいけないが故のご都合主義に対して、与えられたキャラクターの生命力が強すぎた。という感じでしょうか。 筆者の凄まじい技量の副作用と言えるものであり、連載であればより避けにくい副作用でもあると思う。 上記は無茶なイチャモンであり、エンタメ作品としては文句なしに面白いことに変わりはないです。 刺激的な本を読みたい、という方は読むべきだと思います。 | ||||
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ヨワリ・エエカトル・テスカトリポカ | ||||
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耳慣れない題名は、煙を吐く鏡を意味する古代アステカ神の一柱。第165回直木賞受賞作。 麻薬組織から逃れ日本に流れてきたメキシコ娘と暴力団幹部の息子、「断頭台」コシモ。まともな教育は受けていないが、長身怪力で手先が器用。 メキシコで麻薬戦争に敗れ全てを失った「粉」「調理師」バルミロ。祖母からアステカ神の教えを受け継ぎ、狂気と恐怖を撒き散らす男。復讐のため組織復活を目指し、日本に流れ着く。 圧倒的な暴力、血なまぐさい描写、アステカの暦と呪術的仕掛け。出会った二人。バルミロは何故ここに居るのか。 凶暴的エンターテイメント! | ||||
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圧倒的な筆力に引きずり込まれて一気に読み終えました。他の何事にもかまっていられないほどに。 ただ、それだけに、後半になるにつれ少し残念な感じになってしまったことは否めません。 この感じは山本周五郎賞選考委員の伊坂幸太郎氏の選評「この小説はいわゆる「起承転結」の「起承」の部分がほとんどを占め、その「起承」の面白さが魅力」という言葉に集約されているかと思います。この「起承」においては「ドキがムネムネ」「このスケール感はもしかしてあのコインロッカー・ベイビーズを古く感じさせてしまうかも」「そんな小説ははじめてになるかも」「この先この物語はどうやって終わるのだろう」という過大な期待が膨れ上がったのですが・・・。 後半においては物語を収束するために、その都合で端折ってしまったのではないかと感じてしまいました。ほんのちょっとした描写においてのズレ、たとえば色彩感覚「ドクターペッパーの赤い缶」という表現への疑念、そういったささいな疑念が後半積み重なるようにして、文学的リアリズムから遠ざかってくるような感覚を憶えてしまいました。 ただし、主人公「コシモ」、それから少年「junta」が生き延びたこと、読後感は良かったです。次回作、期待しております。 | ||||
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