■スポンサードリンク
三時間の導線
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
三時間の導線の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全7件 1~7 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
訳がおかしいところが数箇所。 あと、ニッチとか、そこだけカタカナ用語を使うのも気に入らん。日本語の隙間産業とは正確には意味が違うのだろうが、もうひと工夫できないか? ピート ホフマンの再登場のさせ方に無理がある。 ピート ホフマンの物語なんだが、ピートホフマンの登場場面になると途端に嘘くさくなる。 グレーンスのパートは、泣きだね。 シリーズの最初の方と比べると、別人?と思うほど性格が変わった。 若山富三郎の老刑事とか、小林桂樹の管理官役とか、そんな感じだね。 下巻をすぐ読む。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
グレーンス警部シリーズ、、最初に「三秒間」を読み、これは最初から読まねばと「制裁」~「地下道の少女」「三分間」を順に読破。 実は「三分間」はホフマンの物語であり、大味感があり面白かったのですが、「☆☆☆」かなと。 私は、グレーンス警部とスウェーデン社会の話しが好きなのかもしれません。 そして、共著者の1名が死去、さらに訳者も変更。 そのため、しばらく積読が続いていました。 意を決して(大げさ、、)読み始めると、やはり面白い。相変わらずホフマンのパートは無双でやや大味な ところはあるのですが、グレーンス警部の立ち振る舞い、ソフィア・ヒューゴ・ラスムスとのからみが 堪らなくいいです。 傑作 ! ☆×5 です。 次作「三日間」も読まねば | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
1868年(明治元年)日本初の移民はハワイへ向かう。敗戦後は南米を主に多くの日本人が、国の困窮のため移民として渡り、与えられた厳しい土地を相手に、多くの苦難と死を乗り越え、その地に根を下ろして来た。 物語の人々も、新たな希望の為に・生きる為に、悪の手に身をゆだねる。今では日本は移民大国になりつつ あるが、また日本人が移民になる日が来るのだろうか?いづれにしても世界の悪は蠢いている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
始めから最後まで、一瞬たりとも、気を休めない。 その面白さが一番です。一言苦言を言わせてもらうと、 最後の方が、締まり悪く、欠点と見てます。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
グレーンス警部と潜入捜査員ピートとのW主人公シリーズ三部作も、いよいよ大団円を迎える。 『三秒間の死角』が、作品の完成度やインパクトのわりに正当な評価を得ていなかったものの、アンデシュ・ルースルンドの名は、元囚人の肩書きステファン・トゥンベリとの共著『熊と踊れ』二部作により、一気にエース級作家として知れ渡り、それを受けてか、『三秒間の死角』も『THE INFORMER/三秒間の死角』のタイトルでNYを舞台にストーリーもシンプル化した形に差し替えられたものの、ともかく映画化された。 以降、『三分間の空隙』、そして本作と、あっという間の三部作翻訳が完了し、ついに最終編とあいなる。ただし、前二作を含むこれまでのグレーンス警部シリーズ全作の共著者であったペリエ・ヘルストレムの病死により、本作では初めてアンデシュ単独での執筆となる。共著がどのように書き進められる作業なのか知るべくもないが、本作で判断する限り、スピードが増して、むしろ読みやすくなり、アンデシュの持つストーリーテリング能力を、むしろ見直した感がある。 のっけから暗闇、上下左右を死んでいく者たちに囲まれ、自身も死にそうになる圧迫感のある状況下、物語はスタート。死んでゆく彼らが何者なのかの説明はまったくなし。 続いてグレーンス警部のいつもの描写。亡き妻を偲んで警察署内の自室のソファで眠り、妻を想いレコードをかけるセンチメンタルな日々。事件の一報。コンテナいっぱいに詰められた死体が港に到着したのだ。何という事件だろうか。 一方、西アフリカ移民の食糧輸送を妨害するテロリストの攻撃から輸送トラックを守るために雇われている、我らがピート。彼が、相変わらず命がけの戦場に身を置く有様と、全く対照的に彼を待つ、妻と二人の男児というホームシックな情景も描かれる。ピートとグレーンス。二人の抱える状況はやがて交錯する。西アフリカ移民という国際状況。対するは、移民の密入国支援で稼ぐ謎の組織。相変わらずの緊迫感溢れる構図である。 本作には、実は作者の懇切丁寧なあとがきが付加されている。亡くなった共著者への哀悼の想いがまずは強いのだが、これから孤軍奮闘で作家活動を継続してゆかねばならないアンデシュ自身のこだわりとして、ミステリーには謎解きの上に事実を混入して重厚化させる、という作品作りへの拘りが語られている。 本書でも、その意向がしっかりと実現されていると思う。世界の人々が予想もつかないような事実の重み。誰かの調整を必要としている救いのない現実。それでいて、語られるストーリーの間断なきスピード感と、アクション。複雑極まりない人間たちが織り成す葛藤と、タペストリのように縦横に織られる精緻な紋様。 グレーンス警部とピートの間の距離は二作目でぐっと詰まったが、三作目はこの傑作シリーズに恥じず、またも一気に二人の絆を強め、締めてくる。よりタイトに。よりスタイリスティックに。 本書で公開される強烈な悪と人間の残虐と欲望の泥濘には、吐き気さえ覚えてしまうものだが、そうした世界に対峙する男たちの、内を貫く正義感や家族愛が、だからこそ輝く。本書では、グレーンスが、ふとしたことで子供たちに慕われ、自分の中のやさしさ、という慣れない感覚にたびたび震える。そんなヒューマンなシーンもとても印象的だし、ピートとの物言わぬ信頼感や、隔たった二つの世界でのチームワーク含め、何ともスマートかつ重厚な物語に仕上がっている。 さて、本作でシリーズも終わりと覚悟していたが、作者自身による意外なあとがきが残されている。ある意味嬉しい驚愕だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
グレーンス警部と潜入捜査員ピートとのW主人公シリーズ三部作も、いよいよ大団円を迎える。 『三秒間の死角』が、作品の完成度やインパクトのわりに正当な評価を得ていなかったものの、アンデシュ・ルースルンドの名は、元囚人の肩書きステファン・トゥンベリとの共著『熊と踊れ』二部作により、一気にエース級作家として知れ渡り、それを受けてか、『三秒間の死角』も『THE INFORMER/三秒間の死角』のタイトルでNYを舞台にストーリーもシンプル化した形に差し替えられたものの、ともかく映画化された。 以降、『三分間の空隙』、そして本作と、あっという間の三部作翻訳が完了し、ついに最終編とあいなる。ただし、前二作を含むこれまでのグレーンス警部シリーズ全作の共著者であったペリエ・ヘルストレムの病死により、本作では初めてアンデシュ単独での執筆となる。共著がどのように書き進められる作業なのか知るべくもないが、本作で判断する限り、スピードが増して、むしろ読みやすくなり、アンデシュの持つストーリーテリング能力を、むしろ見直した感がある。 のっけから暗闇、上下左右を死んでいく者たちに囲まれ、自身も死にそうになる圧迫感のある状況下、物語はスタート。死んでゆく彼らが何者なのかの説明はまったくなし。 続いてグレーンス警部のいつもの描写。亡き妻を偲んで警察署内の自室のソファで眠り、妻を想いレコードをかけるセンチメンタルな日々。事件の一報。コンテナいっぱいに詰められた死体が港に到着したのだ。何という事件だろうか。 一方、西アフリカ移民の食糧輸送を妨害するテロリストの攻撃から輸送トラックを守るために雇われている、我らがピート。彼が、相変わらず命がけの戦場に身を置く有様と、全く対照的に彼を待つ、妻と二人の男児というホームシックな情景も描かれる。ピートとグレーンス。二人の抱える状況はやがて交錯する。西アフリカ移民という国際状況。対するは、移民の密入国支援で稼ぐ謎の組織。相変わらずの緊迫感溢れる構図である。 本作には、実は作者の懇切丁寧なあとがきが付加されている。亡くなった共著者への哀悼の想いがまずは強いのだが、これから孤軍奮闘で作家活動を継続してゆかねばならないアンデシュ自身のこだわりとして、ミステリーには謎解きの上に事実を混入して重厚化させる、という作品作りへの拘りが語られている。 本書でも、その意向がしっかりと実現されていると思う。世界の人々が予想もつかないような事実の重み。誰かの調整を必要としている救いのない現実。それでいて、語られるストーリーの間断なきスピード感と、アクション。複雑極まりない人間たちが織り成す葛藤と、タペストリのように縦横に織られる精緻な紋様。 グレーンス警部とピートの間の距離は二作目でぐっと詰まったが、三作目はこの傑作シリーズに恥じず、またも一気に二人の絆を強め、締めてくる。よりタイトに。よりスタイリスティックに。 本書で公開される強烈な悪と人間の残虐と欲望の泥濘には、吐き気さえ覚えてしまうものだが、そうした世界に対峙する男たちの、内を貫く正義感や家族愛が、だからこそ輝く。本書では、グレーンスが、ふとしたことで子供たちに慕われ、自分の中のやさしさ、という慣れない感覚にたびたび震える。そんなヒューマンなシーンもとても印象的だし、ピートとの物言わぬ信頼感や、隔たった二つの世界でのチームワーク含め、何ともスマートかつ重厚な物語に仕上がっている。 さて、本作でシリーズも終わりと覚悟していたが、作者自身による意外なあとがきが残されている。ある意味嬉しい驚愕だ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2020/8月に読んだ「三分間の空隙」に続く<グレーンス警部シリーズ>の新しい翻訳「三時間の導線(上・下)"TRE TIMMAR"」(アンデシュ・ルースルンド 早川書房)を読み終えました。2017年、共作者のベリエ・ヘルストレムは亡くなられたのですね。お祈り申し上げます。よって、今回はアンデシュ・ルースルンドひとり。ピート・ホフマンのように。 舞台は、スウェーデン・ストックホルム、そしてアフリカ。グレーンス警部は、エリック・ウィルソンからストックホルム南病院に向かってほしいと無線連絡を受けます。そこで勤務する解剖技術者から病院内の遺体安置所で、遺体が一体増えているとの奇妙な連絡があったことによります。その遺体は、いったい誰なのか?なぜ亡くなり、運び込まれたのか?そして、その事件はスウェーデン国内を揺るがす凄惨な事件へとリンクしていきます。「地下道の少女」を思い起こしながら、度々カットインする悲壮感漂うシーンがサスペンスを盛り上げていきます。時に「特捜部Q アサドの祈り」(ユッシ・エーズラ・オールスン)などもフラッシュしました。 ストーリーの詳細を明かすことはできませんので、映画のトレーラー風に少しだけ。 <アンダーカバー>のプロ、ピート・ホフマンが家族と共に三たび登場します。襲撃、命がけの戦い、アルコールをかき消すアドレナリンに身を委ねるもう一人の民間警備会社のバディと共に無双の活躍をします。そして、グレーンス警部もまた、アフリカ・ニジェールへと飛び、いつにも増して、怒り、走り、満身創痍で何かを追い、何かを守ります。 スリラー、パズラー(予期せぬ、そんなトウィストがあるんだ)、冒険小説、ドメスティック・ドラマのすべての要素を駆使しながら、何故かとてもスッキリとした警察小説に仕上がっていると感じましたが、あくまでも私見として、前作「三分間の空隙」の持つ或る種の<酩酊感>を得ることはありませんでした。よりGroovyではなかった。(もっと、もっとと面白さを要求する質の悪いジャンキーのような読者の戯言なのかもしれませんね。) それでも尚、この「恐怖と愛」に満ちたスリラーを存分に楽しんだことには間違いありません。 感情を露にするグレーンスと繰り返されるピート・ホフマンの独白と素敵な「家族」に乾杯!したいと思います。 "おまえか、俺か。俺は、おまえよりも自分自身のほうが好きだ。だから、自分自身を選ぶ"。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!