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12番目のカード
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12番目のカードの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.15pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 21~40 2/3ページ
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傑作「魔術師」と比較してしまうと、悪役の神出鬼没さ、万能さ、そして手強さが小粒である。 しかし、それが意外なリアルさを生んでいる。 「魔術師」は、どうしても作り物っぽさが強く、乱歩「二十面相」を読んだときのように印象だった。 本作は逆に、かなりシリアスな映画が作れそうなストーリーである。 そして、本作に登場する魅力的な少女、ジェニーヴァの存在感である。 ディーヴァーの作品は、いつでも魅力的な登場人物が新しく登場する。 「ウォッチメイカー」のキャサリン・ダンスのように。 ライムやサックスとの会話のやりとり、その切れの良さは、いかにもという頭の良さである。 この、頭の良い人物同士の会話、というのは、読んでいて気持ちが良い。 森博嗣の一連の作品なんか、実にテンポ良く読めるし、読んでいて心地良い。 東野圭吾「ガリレオ」シリーズなんかもそうだ。 そして、ディーヴァーの作品というと定番なのは、そのどんでん返しである。 本作でも、良く騙してくれる。 善人だと思っていたら実は・・・とか、悪人だと思っていたら実は・・・というのがある。 また、真相と思われていたものも二転三転する。 まあ、このあたりは読み慣れると、残りのページ数から予測できちゃったりするんだが。 悪役が小粒名分、最初に書いたように、妙にリアル感がある。 惜しむらくは、証拠の物理的解析に比べて、犯人に対する心理的解析が浅いということだ。 これは多分、ダンスものをスピンオフしたことによるのかもしれない。 あっちはあっちの特色が必要だから、差別化ということも必要だろう。 ただ、ダンスもの「スリーピング・ドール」と「ロードサイド・クロス」を読むのはこれからなので、そのあたりが楽しみである。 | ||||
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中古ということでそれなりに使用感のある感じを予想していましたが、予想外に綺麗でした。 | ||||
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待望の文庫化! 冒頭からハラハラさせるところは流石って感じやけど、どうも今までの犯人と違って小物に思えてしまうんですよ。 でもディーヴァーの事やからとんでもないドンデン返しが待ってるんでしょうね。 上巻を読む限りでは本当の犯人の目的もぼやけたままで全く先が読めないです。 犯人側の心理面も深く掘り下げてるところがいいですね。 これが後半にいきてくるってパターンやけど期待して下巻を読みたいと思います。 魔術師で登場したカーラがちょっとだけ再登場するのもシリーズのファンとして嬉しいサプライズですね。 | ||||
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相変わらず読者に先を読ませない手腕は見事。 今までのシリーズとは少し違った趣向を凝らしてるのもお楽しみのひとつ。 南北戦争当初の黒人に対する世間の仕打ちって差別という言葉ではあらわせないぐらい酷いものやったんですね。 その時代と現代を見事にミックスして最後の最後に予想もしなかったオチを持ってくるから、この人の本には中毒性があるって思ってしまいます。 【魔術師】に登場したカーラや【悪魔の涙】に登場したキンケイドなども登場するのでファンにはたまらない1冊になってます。 はやく次が読みたいです。 | ||||
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邦訳は2006年9月30日リリース。文庫化は2009年11月10日。リンカーン・ライム・シリーズの第6作。実はアメリカではジェフリー・ディーヴァーはこの時既に第7作にあたる『The Cold Moon』を刊行済みだった。 相変わらずのリンカーン・ライムである。この辺はディ−ヴァーの長編を読破した人でないとわかり辛いが何しろ不変なのである。ガスクロマトグラフィでお菓子を検出してしまうところが既にリンカーン・ライムだ。犯人の手製の弾丸から銃の素性をあっさり分析するアメリアもアメリアで相変わらずである。(>_<) 着々とディーヴァーの仕掛けた連続トラップが炸裂し、ジェット・コースターな語り口に時を忘れてしまう出来映えなのだが、本作は特にラストがスゴイ。そして最後の章のライムとアメリアの会話に不覚にも涙しそうになった。 パーカー・キンケイドまで登場する本作。外せない大傑作と言い切らせていただきます。 | ||||
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邦訳は2006年9月30日リリース。文庫化は2009年11月10日。リンカーン・ライム・シリーズの第6作。実はアメリカではジェフリー・ディーヴァーはこの時既に第7作にあたる『The Cold Moon』を刊行済みだった。 相変わらずのリンカーン・ライムである。この辺はディ−ヴァーの長編を読破した人でないとわかり辛いが何しろ不変なのである。ガスクロマトグラフィでお菓子を検出してしまうところが既にリンカーン・ライムだ。犯人の手製の弾丸から銃の素性をあっさり分析するアメリアもアメリアで相変わらずである。(>_<) 着々とディーヴァーの仕掛けた連続トラップが炸裂し、ジェット・コースターな語り口に時を忘れてしまう出来映えなのだが、本作は特にラストがスゴイ。そして最後の章のライムとアメリアの会話に不覚にも涙しそうになった。 パーカー・キンケイドまで登場する本作。外せない大傑作と言い切らせていただきます。 | ||||
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リンカーン・ライム・シリーズは、毎回事件が起こる場面設定がまったく違いま す。今回はニューヨーク、ハーレムが舞台になっています。時代はさかのぼり約 140年前の南北戦争終結後から1920年代のニュー・ニグロ・ムーブメント、いかに 汚い言葉で相手を罵しるかを戯れに競う“スナッピング”公共物にスプレーで落 書きをする“バブルレター”などの黒人カルチャー、アフリカン・アメリカン 日常会話“AAVE”、ハーレムの貧困や荒廃した高校生の日常生活が丁寧に、 またいきいきと描かれていました。そうしたアフリカン・アメリカンのカルチャー は本作品を読むまで関心を持つこともなかったと思います。ディーバー自体もそ れほど詳しくない状態から徹底した取材をして、ディーバー自身の視点でストー リーに書き込んでいるので、ハーレム、ブラック・カルチャーが非常にわかりや すく理解できました。 ストーリーはハーレムの女子高校生が理由もわからず殺し屋から命を狙われるの ですが、彼女がなぜ命を脅かされなければならないかが、ひとつのテーマになっ ています。そして殺し屋から被害者を保護するために、「コフィン・ダンサー」 に登場以来シリーズ常連のローランド・ベルも活躍します。情報とストーリーの バランスは非常に難しく情報が多すぎても雑多になってしまいますし、少なけれ ばリアリティがなくなる。今回はアメリカン・アフリカン・カルチャーの描写に 力が入って活劇部分があっけなかった印象を受けました。 しかし縦糸にあたるライムの苦悩やサックスを含める仲間の危機もしっかり描か れていますしシリーズを読んでいる方なら楽しめたのではないでしょうか。逆に 本作品だけを読んでもシリーズの面白さは、十分伝わり難いのではと思いました。 | ||||
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私の期待値のもっとも高い作家、それはディーヴァー。 本作はプロットが凝っています。 NYの殺人事件に加えて、 アメリカ史にまつわる古い事件が時空を超えて提示されます。 「2つの事件がやがてシンクロし・・・ 。」というお話です。 相変わらずめまぐるしく動く物語。 本作では、アメリカ、そしてニューヨークの歴史を謎に解きに取り込んでいます。 ストーリーの最後のプロット運びに「あれっ」と思いました。 ディーヴァーの長編は、 プロット、人物描写(ドラマ)、アクションの3つの要素が絡み合って進んでいくのですが、 人物描写とアクションはまずまず。 今回の敵役、「未詳」のキャラはなかなか魅力的。 ちょっと同情したり。被害者の女子高生はいまいち固いですが、 その女友達や舞台となるハーレムの街の描写などは、リンカーン・ライムシリーズの平均値以上。 アクションシーンは十分。 コフィンダンサーまでは行かないまでも、ハードな銃撃戦、爆弾処理シーン等もふんだんで、満足しました。 ただ惜しむべくは、最後の2章ですね。 それまでの積み上がって、積み上がって固めた伏線からクライマックスに至ったエンディングに、 2回のどんでん返しは不要かと私は感じました。 名人も凝りすぎましたね。 最後に、本作には、今までの登場人物がふんだんに登場します。ファンには楽しいです。 | ||||
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ジェフリー・ディーヴァーの<リンカーン・ライム>シリーズ第6弾。 今回は、ライムが現在の事件と140年の時空を超えて過去の謎に取り組む。 現在の事件は、ハーレムの高校に通う16才の黒人少女の命を執拗に狙うプロの殺し屋との戦いである。彼は何事に対しても無感覚で、“アベレージ・ジョー”という異名を持ち、目くらましのために無関係の人の命を奪うこともなんとも思わない。しかも、証拠をコントロールすることにも長けているという難敵である。 さらには、血で絵を描く“グラフィティ・キング”という怪しげな元服役囚も絡んでくる。 そこに、少女の先祖が関与した140年前の黒人公民権運動にまつわる謎まで登場し、物語は複雑になり、章を追うごとに緊迫感が増してゆく。 本書もこのシリーズの他の作品と同様、全45の章を通して、常にサプライズがある。私もハラハラ・ドキドキの連続で、思わずどんどんページを捲っていた。 そして、ライムの緻密な鑑識捜査が常に事件の先を読み、「証拠物件一覧表」が埋っていくにしたがって絡み合った謎が次第に明らかになってゆく。注目すべきは140年前の謎も、現代の視点から最先端の技術を用いて捉えている点である。 また、命を狙われ続ける少女、ジェニーヴァの存在も忘れてはならない。少女らしい純粋な心と強靭な折れない意志をあわせ持ち、ライムたちとも十分に渡り合えるほど機転が利く。彼女は、この衝撃的な作品の魅力を一層引き立てている。 本書は、現在の事件と過去の謎の融合という難しい、好奇心をそそる問題にトライして、なおかつ、ディーヴァー最大の持ち味である、“ノンストップ・ジェットコースター・サスペンス”、“どんでん返し”に満ちた、ファンにとってはこたえられない、意欲的な作品である。 | ||||
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ジェフリー・ディーヴァーの<リンカーン・ライム>シリーズ第6弾。 今回は、ライムが現在の事件と140年の時空を超えて過去の謎に取り組む。 現在の事件は、ハーレムの高校に通う16才の黒人少女の命を執拗に狙うプロの殺し屋との戦いである。彼は何事に対しても無感覚で、“アベレージ・ジョー”という異名を持ち、目くらましのために無関係の人の命を奪うこともなんとも思わない。しかも、証拠をコントロールすることにも長けているという難敵である。 さらには、血で絵を描く“グラフィティ・キング”という怪しげな元服役囚も絡んでくる。 そこに、少女の先祖が関与した140年前の黒人公民権運動にまつわる謎まで登場し、物語は複雑になり、章を追うごとに緊迫感が増してゆく。 本書もこのシリーズの他の作品と同様、全45の章を通して、常にサプライズがある。私もハラハラ・ドキドキの連続で、思わずどんどんページを捲っていた。 そして、ライムの緻密な鑑識捜査が常に事件の先を読み、「証拠物件一覧表」が埋っていくにしたがって絡み合った謎が次第に明らかになってゆく。注目すべきは140年前の謎も、現代の視点から最先端の技術を用いて捉えている点である。 また、命を狙われ続ける少女、ジェニーヴァの存在も忘れてはならない。少女らしい純粋な心と強靭な折れない意志をあわせ持ち、ライムたちとも十分に渡り合えるほど機転が利く。彼女は、この衝撃的な作品の魅力を一層引き立てている。 本書は、現在の事件と過去の謎の融合という難しい、好奇心をそそる問題にトライして、なおかつ、ディーヴァー最大の持ち味である、“ノンストップ・ジェットコースター・サスペンス”、“どんでん返し”に満ちた、ファンにとってはこたえられない、意欲的な作品である。 | ||||
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リンカーン・ライム&アメリア・サックスシリーズの最新作の第6作。おなじみの登場人物も出てくる。 ニューヨークのアフリカ系アメリカ人の女子高生のレイプ未遂から始まり、合衆国憲法修正第14条やテロの話まで出てくる。相変わらずのストーリーテリングに加え、石の猿あたりから犯人だけでなく、今回の女子高生のような魅力的な登場人物が登場するようになった。 ストーリーもミスリーディングというのか、どんでん返しの繰り返しで、あっという間に読ませる。 それに、最後にはリンカーンとアメリア・サックスの間に新たな出来事が... 早く次が読みたい。 | ||||
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リンカーン・ライム・シリーズは、毎回事件が起こる場面設定がまったく違いま す。今回はニューヨーク、ハーレムが舞台になっています。時代はさかのぼり約 140年前の南北戦争終結後から1920年代のニュー・ニグロ・ムーブメント、いかに 汚い言葉で相手を罵しるかを戯れに競う“スナッピング”公共物にスプレーで落 書きをする“バブルレター”などの黒人カルチャー、アフリカン・アメリカン 日常会話“AAVE”、ハーレムの貧困や荒廃した高校生の日常生活が丁寧に、 またいきいきと描かれていました。そうしたアフリカン・アメリカンのカルチャー は本作品を読むまで関心を持つこともなかったと思います。ディーバー自体もそ れほど詳しくない状態から徹底した取材をして、ディーバー自身の視点でストー リーに書き込んでいるので、ハーレム、ブラック・カルチャーが非常にわかりや すく理解できました。 ストーリーはハーレムの女子高校生が理由もわからず殺し屋から命を狙われるの ですが、彼女がなぜ命を脅かされなければならないかが、ひとつのテーマになっ ています。そして殺し屋から被害者を保護するために、「コフィン・ダンサー」 に登場以来シリーズ常連のローランド・ベルも活躍します。情報とストーリーの バランスは非常に難しく情報が多すぎても雑多になってしまいますし、少なけれ ばリアリティがなくなる。今回はアメリカン・アフリカン・カルチャーの描写に 力が入って活劇部分があっけなかった印象を受けました。 しかし縦糸にあたるライムの苦悩やサックスを含める仲間の危機もしっかり描か れていますしシリーズを読んでいる方なら楽しめたのではないでしょうか。逆に 本作品だけを読んでもシリーズの面白さは、十分伝わり難いのではと思いました。 | ||||
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重度の身体障害をもつNYPDの元科学捜査部長、天才的な推理力をもつリンカーン・ライムシリーズの第6作。この皮肉屋ライムの手足になるのが拳銃の名手でスピード狂のおなじみ女刑事、アメリア・ザックスです(動けないライムの手足になるのだが膝痛もち、愛車は69年式黄色のカマロスーパースポーツ、375HP 6600ccを450HPにチューンアップしてあります) 加えるにザックスの同僚で今回は目の前で無実の人間がむざむざ撃たれるのを阻止できなかったことで自信喪失してしまうロン・スティリト、ちょっと出で第5作イリュージョニスト―魔術師(文藝春秋 こいつは面白かった)にでてくる女性マジシャンなど登場するのですが、シリーズものながらこの1作だけを読んでもストーリーに入っていけると思います。それぞれ常連さんの人間味は肉付けされているものの登場人物間の関係よりも、ストーリー展開がにぎやかでそちらを追って行くのがメインのお楽しみになっているからです。お話はハーレムにある高校の生真面目な黒人女子高生ジェノバ・セトルが自分のルーツを図書館で調べているところを襲われそうになるところからスタートします。この優等生さん、いろいろ理由はあるのですが殺人鬼に狙われているにもかかわらず、なんとしても登校して試験を受けようとします。そしてこの作者特有のヒネリ方で2転3転どころか、複雑にしすぎている感もある位に4転5転します。 さてライムとザックスの二人は今後どうなるのでしょう。このシリーズの最初のころはライムの不自由さの反対を象徴するものとして寝室の窓のそばに巣をつくっているハヤブサの夫婦が描かれていました。今回はこの夫婦に生まれたヒナ達を真夜中に、ライムが脇で寝ているザックスの穏やかな寝息をききながらしんみり眺めているところで物語りがおわり、二人のこれからの人生について少しハッピーな暗示がされているように思いました。 | ||||
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過去これほど魅力のない犯人はいなかった。 そもそも、重要犯罪ばかり取り扱っていたライムがどうしてこんな瑣末な事件を 取り上げたのかが疑問。そういった不安をよそに物語りは展開していくが、 結局なんの盛り上がりもないまま結末へ。 「石の猿」から期待はずれが続いたので、もう次回作は買うのよそうかとも 思ってしまった。 | ||||
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鑑識中の事故で半身不随になった天才科学捜査官リンカーン・ライム。 ベッドに縛り付けられながらも現場から回収した微細証拠物件から犯罪の詳細を特定し犯人を追う、というのがこのシリーズの基本型。 毎回のことながら、驚かされるのはライムの(そして作者の)博識ぶり。 ズボンの折り返し部分に付着していた土から犯行現場を特定したり、透明な液体から犯人像をプロファイルしたり…。 このシリーズを読み出してから、2時間サスペンスなんてとても見れなくなった。 なんとなればライムに比べて、テレビの犯人や警察はガサツすぎなもので。 本書の読みどころは、シリーズではお馴染みになっているどんでん返しや、個性豊かな登場人物達の掛け合いもさることながら、犯人に狙われる少女ジェニーバのひた向きな向上心が上げられると思う。 必死に生き、周囲を欺いてでも悪環境から脱出しようとしているジェニーバの姿は切なく、ついつい応援したくなってしまう。 魅力を上げればきりがない本書。シリーズとしては避けられない壁である「マンネリ」が見えてきているとの声もあるようだが、二転三転するストーリー、読者を裏切る真相がマンネリするならそれもいいと思う。 少なくとも私は毎回裏切られることを期待して、このシリーズを手に取っている。 | ||||
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いつもこれだけは最後まで買おうと決めているのに発売に気づかないのでこのくらい遅れてしまうけど・・・。やっぱり面白いです。 例えば、これがホームズのようにずっとあとまで読まれるかといわれたら正直わからない。でも、現在でている作品の中ではトップレベルだと思います。面白くしようとして二転三転させるのは誰でも思うことですが、そこにある程度のリアリティがあるからすごいと思う。ただ、マンネリ感がでてしまうのは基本的にいつも二転三転する部分が「なぜねらわれる(た)か」だからかもしれない。 じゃあ、どうすればいいかといわれたら考えてしまうけど・・・。そろそろ最後までライムが失敗してしまうのもありかも・・・? でも、今回のように私が知らないアメリカが描写されるうちはキャラクターへの愛もあって読み続けてしまうと思う。 ただ、次回作への期待をこめて星4つ。 | ||||
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ジェフリー ディーヴァーのリンカーンライムシリーズは”ボーンコレクター”を筆頭に人気のある作品群だ。 今回は、ハーレムの高校に通う十六歳の少女ジェニーヴァが博物館で調べものをしている最中、一人の男に襲われそうになるが…。 非常に現実的な地道な科学捜査から、真実がゆっくり顔を出してくる。 そこに、二転三転するジェットコースターストーリーは健在だ。 ただ、二転三転するプロットが、若干稚拙なため、ラストが読みやすくなってしまっている。 しかし、いつもの登場人物のそれぞれ抱えている心のうちもいつも以上に表現されている。 前作よりも驚き度は低いが、さすがのできだ。 | ||||
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2007年度版 このミス 6位。 2006文春ミステリーベスト10 4位 <リンカーン・ライム>シリーズの最新作。 このシリーズにみられる、微細な証拠物件から犯人逮捕に結びつくという展開は相変わらず面白い。 一方、他の作品と比較して、犯人像に「怖さ」や「すごみ」を感じることができず、また、「140年前の謎を・・・」と本の帯では大風呂敷を広げているものの、犯罪行為自体がそれほど大きなものではなく、作品全体のスケールの小ささを感じた。また、後半の展開については、違和感を覚えた。あたかも、「後半に二転三転させなくては」と、無理矢理展開を複雑にしている印象をうけ、「ボーン・コレクター」等に感じた「やられた!」という読後感がなかった。「二転三転」がなく、いきなり結論に持ってきたほうが、作品としてすっきりするし、無理がないように感じた。 作品内容とは直接関係ないが、作品の前半に出てくる「マイクロフィッシュ」という名称は、一般的なのだろうか?厳密に言えば「マイクロフィルム」の一形態であるから「マイクロフィルム」とは異なるのだろうが、なじみのある「マイクロフィルム」と訳してもらった方が理解しやすいと思う。柔軟な翻訳があってもよいのではと感じた。 他の<リンカーン・ライム>シリーズは、「ボーン・コレクター」「コフィン・ダンサー」「エンプティー・チェア」「石の猿」「魔術師」。シリーズ次回作は「The Cold Moon」。 | ||||
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巻頭に「勇気の手本であり、希望の象徴であるクリストファー・リーヴに捧ぐ」とあります。 本作で犯人のターゲットになる少女ジェニーヴァと、その祖先である解放奴隷チャールズを通して作者が描きたかったのは、人の持つ誇りというものの大切さではないでしょうか。主人公ライムと同様の身体的境遇にあったリーヴ氏の生き様というものを思えば、これは確かに彼に捧げられるべき物語であると思いました。ラストに起こる「小さな奇跡」も非常に印象深く、個人的にはシリーズの中でも特に心に残る作品になりました。 シリーズの邦訳ももう6作目になりますが、マンネリに陥ることなくレベルの高い語り口で読者を引っ張る作者の力量は相当なものです。あと、池田真紀子氏の訳はいつものことながらまさに職人芸というべき素晴らしさで、場面が眼前に立ち上がってくるようでした。 | ||||
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2006年9月30日リリース。リンカーン・ライム・シリーズの第6作。実はジェフリー・ディーヴァーは既に第7作にあたる『The Cold Moon』を刊行済みではある。 相変わらずのリンカーン・ライムである。この辺はディ−ヴァーの長編を読破した人でないとわかり辛いが何しろ不変なのである。ガスクロマトグラフィでお菓子を検出してしまうところが既にリンカーン・ライムだ。犯人の手製の弾丸から銃の素性をあっさり分析するアメリアもアメリアで相変わらずである。(>_<) 着々とディーヴァーの仕掛けた連続トラップが炸裂し、ジェット・コースターな語り口に時を忘れてしまう出来映えなのだが、本作は特にラストがスゴイ。そして最後の章のライムとアメリアの会話に不覚にも涙しそうになった。 パーカー・キンケイドまで登場する本作。外せない大傑作と言い切らせていただきます。 | ||||
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