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とめどなく囁く



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とめどなく囁くの評価: 4.08/5点 レビュー 39件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.08pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全39件 21~39 2/2ページ
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No.19:
(4pt)

人間の気もちなんてわからない、たとえ自分でも

今回も桐野さんの本を一気に読んでしまいました。
最後の結末はうっすら予想していましたが、それはあっけなくも感じ、現実は案外そんなものなのかもしれません。
辛い事件を伴う離婚(結婚生活)と世間一般からギャップのある再婚を通じて表現される、若くもなく年寄りでもない宙ぶらりんな40代女性の気持ちの揺れや、主人公を取り巻く様々な人の人間関係などは、すごくリアリティがありました。特に「嫉妬ではない屈辱と失意、無力感」の表現や、「子供がいない人にはわからない」ロジックで語られる何が正解なんて答えがない「人間の揺らぎある気持ち」の表現は最高でした。事実、同じ経験しててもわかりあえないこともあれば、経験なく理解できなくても寄り添えることだってある。そもそも自分の気持だっても移ろいやすく、ゆらぎっぱなしで、掴みどころがないものだもの。それをわかってもらえるように他人に説明できる自信なんてぜんぜんない。
このような人間観察(しかも内面を)を通じて、このような物語の構成力を編み出せるなんて、本当にすごいなぁと思いながらの一気読みでした。
とめどなく囁くAmazon書評・レビュー:とめどなく囁くより
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No.18:
(4pt)

買い

桐野ファンなら買いです。ただ、若干間延びするような展開で、停滞するところあり。
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No.17:
(5pt)

逗子

相模湾、藤沢、鎌倉と、逗子の近くが舞台になってると思ったら、まさに逗子の高級住宅地でした。釣りの最中に夫が遭難して死亡も未確定のまま未亡人となった妻が、親ほどの歳の元社長と再婚する。楽な人生を選択したように思えて、家族との確執や元夫の親との関係を非日常生活にならないように上手く描いてる。さらに、元夫は生きているかも!というミステリーの要素も混ざり、非現実にならないギリギリのラインで巧みに表現していて、飽きずに最後まで読めます。夫婦間のことは夫婦でも、ましてや部外者には理解しえないんだなぁ。
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No.16:
(5pt)

期待通り

好きな作家
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No.15:
(5pt)

40代女性にしか共感できないかもしれません

桐野さんの作品は全て読んでいますが『グロテスク』を超える作品はもうないのでは?と思っていた矢先に、あまりにも重厚な感動を呼び起こさせてくれた作品だったのでレビューします。
あらすじにあるように、ヒロインは41才の女性。この世代特有の女性の心情が、完璧なまでの丁寧さで描かれています。

まずは、
海難事故で行方不明になった前の夫への不満、後悔、恋情。
年上で裕福な今の夫に対する、安心感と、したたかさ。
この2つの心情の描写がリアルすぎて、グイグイひきこまれます。

さらに、
前の夫の義母、今の夫の実娘で同い年の女性、友人で気難しい弁護士の女性ら、かなり複雑な人間関係も、そつなくこなしたい、でもできない自分がもどかしくて、後悔しては行ったりきたりするヒロインの心情が、リアルタイムに共感できてしまうのです。

ちなみに、私はこのヒロインと同世代ということ以外、境遇での共通点はひとつもありません。
が、そんな私でも心底共感できるのは、桐野作品ならではの圧倒的な筆力の賜物です。

また、本事態は分厚くもないのですが、文章が2段組なので、読み応えがあります。
かなりの長編といっていいと思います。

最後の最後まで、答えは引っ張られますが、その答えにたどり着くのがもったいない(読み終えたくない)と思えた一冊でした。

タイトルにも表記しましたが、この作品は40代女性にしか共感できないかもしれません。
他の世代の方は、「実際、こんなこと考えるものなのか??」と思う部分が多々あると思いますが、すべて実際に存在している心情です。40代女性のリアルな心情を学ぶのに良いかもしれません。

濃厚な読書体験をお望みの方にはぜひお薦めしたいです。
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No.14:
(3pt)

違和感の残る作中人物の言葉や態度が残念

夫がある日釣り船で一人で出かけ、行方不明になる。

7年後に死亡認定され、妻ははるか年上の企業経営者の後妻となる。

満ち足りた生活と思われたところに、元夫にそっくりの男を見たという義母からの連絡があり・・・。

シチュエーションとしては面白い。

が、様々なシーンで登場人物の対応や発語に少しずつ違和感がある。

違和感なく、少しずつずれて行って、現実よりもはるか遠い世界に連れて行ってくれるのがいい小説だと思っているのだが、その違和感を感じさせてしまうというところで、この小説はぼくにとってはあまり成功していないように思える。

本来であれば、この作者は『OUT』や『グロテスク』など、異常な心理を描いてはピカ一のはずなのだが。

次作を期待したい。
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No.13:
(3pt)

何もかもが中途半端

先が気になって一気に読み上げたが、消化不良のまま終わってしまった感じです。早樹のイメージが読み進める毎にコロコロと変わり、結局どういった人物を描きたかったのか不明。
一言で言うと一貫性がなさすぎ。
ほかの登場人物の描写も全てにおいて中途半端で、スッキリとした読後感は得られませんでした。
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No.12:
(4pt)

本当にとめどない

海釣りに出掛け消息不明となった夫の庸介。早樹は約30歳差の資産家の男性と再婚する。しかし8年後、その庸介の目撃情報を庸介の母親から受ける。気持ちの整理がつかない早樹は、「釣り部」のメンバー達に接触を試みる。

元夫の謎の真相を探るという設定自体に新鮮味は無く、捜索劇にも大きな事件はないのに、物語に惹き込まれます。判明していく出来事に揺れ動く早樹の葛藤に、今の家族との人間関係の問題も上手く絡ませ、全編に絶えず感情が迸るような流石の桐野作品です。
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No.11:
(3pt)

主人公の塩崎早樹がどうにもこうにも

そうですね、感想はまぁ、こんな感じ↓

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主人公の塩崎早樹、自分勝手思考すぎ。
色々と面倒くさいこと考えすぎ。
周りの皆さんは、キミのために時間を割き、キミのために色々と調べてくれてるのに、感謝するどころか何故そんな不満たらたらなの? で、何故それを表に出すの?
新しい旦那さん、若い嫁に対して気遣い全開で接してきているのに、何故そんな意地悪な解釈をするの?
だったら一人で生きていきゃいいじゃん。
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とにかくもう、塩崎早樹が面倒くさいです。
イライラします。
でも、そんな早樹も本書内では「まともな人」設定。つまり、他の登場人物も総じて、早樹以上にイラッとくる人たちばかりということです。でもまあ、桐野さんの本ってどれもそんな感じなんですが。

本書最大の謎である「元旦那は生きてるのか、死んでるのか。生きてるとしたら、何故失踪していたのか?」ですが、ラストの「早樹への手紙」で全てが解明します。伏線を積み上げて少しずつ真実に近づいていくのではなく、長文手紙だけでまとめて一気にです。
これって、ミステリー小説的では禁じ手ですよね(本書はミステリ小説ではないですが)。
結末自体も、なんかスッキリとしない着地だったし。

最後まで一気読みでしたが、「で、結局のところテーマは何なの?」とツッコミたくなる、よくわからん話でした。
つまらなくはないんですけどね。
星三つとさせていただきます。
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No.10:
(5pt)

ニュー ミステリー パラダイス

2012年の「ロクヨン 64」 以来の長編作品。
そうなんだ、もう6年間も横山サスペンスから僕はご無沙汰していたんだ。

どちらかというと 短編連作形式が多い横山作品、そして題材は警察官以外の主人公の警察物語が多い横山作品。
本作(本の帯)の宣伝コピーにあるように、「最も美しい謎」にはちゃんと理由(わけ)があった。

主人公は建築士 !
バブル時代を謳歌し消滅していった建築関係者は多かったが、主人公はかの時代を代表する勘違い男としてメタファーされている。
ちょうど同じ時期に 家具販売に携わっていた僕には、だから主人公の生き様と後悔が痛いほど理解できた。

本作には 刑事も警察職員も探偵も登場しない。
悪人もキャスティングされていないが、同様に善人もいない代わりに息づいているのは、一生懸命生きようとする男女たち。
横山ミステリーには、コンセプチュアルな謎(ミステリー)が前提として構築されることが多い。
「クライマーズハイ」では勤め人の矜持、「ロクヨン64」では警察官僚権力闘争、が多種のエピソードのベースに横たわっていた。

さて、本作ではどうだったか?
其れは人が引き継いでいかなければいけない「償いと許し」だったように思えた。
横山ミステリー史上、最も美しい「謎」とはいえ、ここで謎の話をするわけにはいかない。

明らかなことは、横山作品の中で最も異質な展開でありながら、最後に至ってこれほどの感動を覚え胸を詰まらされる、傑作である。
警察小説の乱立と質の低下を感じる近年において、横山さんが新しい形のミステリーを完成したことに大きな安心を覚えた。
多作である必要はない、これからも良質の横山ミステリーを読んでみたいものだ。
とめどなく囁くAmazon書評・レビュー:とめどなく囁くより
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No.9:
(5pt)

いきついた場所

家族が突然目の前から姿を消す、という主人公の設定は桐野さんの直木賞受賞作の「「柔らかな頬」や「魂萌え」と同じですね。どこかで作家というのは同じテーマを繰り返し書き続ける、と読んだことがあります。桐野さんにとっても愛する家族が失踪あるいは死亡した後に、残された人たちがどう生きるかというのは書き続けたいテーマなのでしょう。
ですが今回は、すでに夫が失踪してから十分な時間がすぎ自分の傷も癒えたと思い、金持ちの年上の夫と淡々とした結婚生活を過ごす女性が主人公です。
 前半は少し飽きるような逗子で優雅なお金持ちの生活が描かれるのですが。本当の隠居生活で死の匂いを感じるのです。ビジネスをリタイアした70過ぎの夫は、午前中に仕事を少しした後、昼に食事をして午睡をとる。せっかく結婚した若き妻とも喧嘩をすることもなく、桐野作品にしては性的な関係も一切でてこない。妻はまだ若いのに仕事もやめ、ひたすらその生活をこなすことに意識を向けている。そしてある時、失踪した夫が生きているかもしれないという噂を耳にするのです。
 そして読者は何もかも達観したような振る舞いをしているこの妻が、かつて情熱的に生きていた頃の様子を徐々に知るようになります。
 夫婦であっても結局人の心は最後までわからない。読んだ後、苦味を感じる大人の小説でした。
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No.8:
(3pt)

少し終わりが、期待外れ!。

桐野夏生の著書は、だいがいは読んでいるが、この作品に関しては、結末が、取ってつけたようで、今少しだった。
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No.7:
(3pt)

サスペンスというよりはストレス小説

桐野さんの本は、デビューから二十作くらいはすべて読んでいる。
最近はスルーと購読が半々くらいか。初期の捻じれた人間観察みたいなタッチが大好きだったので、
普通の日常小説や昭和の文豪の伝記などは読む気がしない。本書はサスペンスみたいだったので読んだ。

早樹の夫は、趣味の海釣りに出たまま帰らなかった。
七年後死亡扱いで処置を終えた早樹は、三十歳年上の資産家と結婚する。
資産家には娘が二人いて、早樹とほぼ同い年だ。下の娘は自分のブログで父の再婚について悪口を書きまくっている。前夫の母親からは執拗な電話がかかってくる。さらに行方不明の前夫を見かけたという情報が入る。

ストレス満載の生活だなあ。サスペンス小説というよりはストレス小説だ。
姑だの再婚だの義理の娘だの、生臭い人間関係を描いた小説は、基本的に苦手だ。
ただ桐野夏生はキャラクター造形と文章が半端なく上手いので、作品世界に引き込まれてどんどん読まされる。
長いので途中で疲れてくるけど。

前夫の帰還は妄想なのか、現実なのか。
普通の作家なら終盤にサプライズがあるに決まっているが、
桐野は「いかにも何か進展がありそうで、最後まで何も起こらない」という掟破りの問題作を書いたことがあるからなあ。ネタバレになるから、作品名は書かない。

さて、本作はどちらでしょう。今から読む人のために秘密にしておこう。
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No.6:
(4pt)

さすが桐野と言うべきか

最後の最後に種明かし。ここまで引っ張られるとは思わなかった。さすが桐野と言うべきか。途中から小さな伏線が多数張り巡らされているのだが、早く真相を知りたくなり、先へ先へと読み進んでしまう。読み終わってから、そうだったのかと前に戻った。ただ後半は主人公の心理描写に重点が置かれ、少し焦れったくなった。いつもそうだが、桐野の「落ち」には
脱帽しかない。
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No.5:
(5pt)

早樹のしたたかさと強さ

主人公早樹の元夫の海釣りからの失踪。
そして資産家で歳の離れた夫との再婚。

色んなもやもやで始まるこの小説は、夫の影がちらつく、主人公の近辺の変化によってどんどん変わっていく!

ほんとに失踪というのは、就職とかできるのかな、と思ったり。まともな人生とか人との関わり合いってどういうことかと考えたり。
早樹が夫のことを調べ直したり、そこでの人間関係や変化が面白い。どろどろしたり、おののいたり、言い争いをしたり疑ったりしても、人は人の間で何らかの共感や暖かみを感じながら生きていくんだなあ。
とにかく一気に読めてしまった。
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No.4:
(5pt)

考えさせられる作品

桐野さんの洞察力、表現力流石です。「柔らかな頬」が好きな作品でその時は読了後に考えさせられたが、今回作は読んでる最中独りで相槌打つことしばしば。読了後は割りとすっきりしてました。桐野節に慣れたのかな? いつもながら流石の展開でした。
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No.3:
(5pt)

人の心が一番怖い

8年前、1人で海釣りに行き行方不明になった夫。死んだのなら諦めもつきますが、宙ぶらりんの状態で疲弊して30代のほとんどを棒に振った主人公の早樹。やっと死亡認定されて、仕事で知り合った男性と再婚して、これからは落ち着いた人生を送れると思っていたところに、元・姑から「息子の姿を見かけた」という連絡が‥‥。

 8年前の状況を改めて聞こうと、当時の夫の友人達に連絡を取りますが、それぞれの思いもよらない感情が早樹の周りを渦巻きます。「気の毒な奥さん」だった早樹の再婚相手が、31歳年上の資産家と知ると周囲の態度が変わったように、皆の本音があらわになっていきます。
 好きで結婚した相手でも、年月と共に考え方や取り巻く環境が変われば、お互いの心も変節します。親子関係も、友人関係もまた然り。早樹自身の、無意識に見まいとしていた、蓋をしていた感情もどんどん表に現れてきて‥‥。一番怖いのは人の心、というと平凡なオチですが、登場人物たちの心情の吐露がリアルで、一気に読了してしまいました。
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No.2:
(2pt)

フィクション

ある意味フィクションだからの設定ではあるけども、その年齢差は?!
なんて思いもするも、そこ、設定として深く意識浸透すればあれだけども、それなりに受け入れればって感じの設定でもあるし、小説だかれ出来る事かも。
ネタばれにならないようにしますが、なかなか今の時代、行方をくらましても生きにくいシステムですし・・・

まっそんな否定的感で読めばそれまでだし、そこにはいろいろ心理描写に目が釘付けというかそういう部分もあるわけで。

けっして小説として悪くもない。

いろいろな葛藤という部分で読み進めてみてもね!
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No.1:
(5pt)

心理サスペンスの傑作

タイトルに惹かれて読んだが、タイトル通り、終始不穏さが漂う。ネタバレになるので詳しくは書けないが、あちらこちらから囁きが聞こえてきて、それが疑念と不信感を呼ぶ。決していい気分ではないが、読後感は悪くない。かなり分量は多いものの、あっという間に読めてしまうのもいい。
サスペンスの傑作と言えるのではないか。
とくに40代女性が主人公であるところが桐野作品らしいと思った。
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