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ある男
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ある男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全264件 21~40 2/14ページ
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久々にページを捲る手が止まらない小説でした。まず、ノンフィクションなの?のような錯覚になる序章で、城戸さんはあたかも実在する人のような始まり方で惹かれました。 この小説で主人公の語っている色々な思想的なこと、考えは作者が伝えたかったことそのものなのでしょう。私は死刑制度について城戸さんが語るシーンが印象的で共感を覚えました。死刑になるような重犯罪を起こす前に、犯罪者になるその前に、国や行政が介入して生きることに困難を抱える人をケアできる仕組みができたらいいのに、と思いました。 深いメッセージが色々散りばめられていたけれど、私には在日の問題はわかりにくかったです。多分その問題を身近な問題として考えたことがなくて、城戸の考えていることに寄り添えない私の問題なのですが。 このような純粋に面白いミステリー小説の中に作者のメッセージをしっかり投影できることに感動しました。 こんな物語を描ける作者は日頃どんなことを考えて、どんなふうに人間観察をしているのだろう?と作者本人に興味が湧きました。 | ||||
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現実の世界世界でも有りうるような内容でした。 いろいろな人の人生が絡み合い不思議な物語でした。 | ||||
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どうしても「自分の身の上が嫌だ」って人があの人とこの人が入れ替わって戸籍を売って買って…とか。社会の中で似たような人はいて蛇の道は蛇。似たような人が自然と集まって入れ替わって。読んでて暗くなってきたのだが、それが現実なんだなと思った。 | ||||
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引き込まれました!すごい。 映画は見ていなくて、前情報がなかったのも良かったかもしれないです。 途中でこれは誰だ?となってしまい、図に書いてして整理しましたが、普通小説読んで混乱してもそんなことしないので、自分でも理解したくて仕方がなかったのだと思います。 謎が解れていく展開に引き込まれるのもそうなのですが、一人一人の心情がとても細やかで納得できて、例えば私は母親なので、母の子供に対する思いや夫との関わりでとても共感しました。 また、頭では分かっている、正しいとされる考え方を知っているつもりでいたのに、遺伝や出生に対する偏見、死刑制度に対しては、人の存在とは何かという問題を改めて思わされ自分の浅はかさを知りました。 差別的な人を批判するだけでは済まない、根源的に暴力的な何かを私も誰しも抱えていると思います。理性のタガが外れた集団がどうなるのか、被害者になるのか加害者になるのか、どちらにしても本当に恐怖です。 訣別した過去と継続する自己、彼の何を愛したか?という問いかけを見ました。 名前も過去もない、ただの存在を愛するというのは、尊いようで、宗教による救済のようにも思えます。 自分にとって相手が都合が良いかどうか。 利用するということだけでなく、その人と一緒にいる自分が好きで、未来もともに過ごしたいと思うという意味も含んだ上で、ですが、そのようにしか、私は人を愛せないかもしれません。 | ||||
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小説はもっと詳細描かれて良かった 最後の数ページは何度も読み返した 途中マイケル・シェンカーの名前が出てきた時はびっくり、私の世代ではど真ん中の ギターヒーローで、まさか小説中に目にすることがあるとは思わなかった | ||||
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読んで良かった、というのが読後すぐの感想です。 話の流れは、正直途中から想像していた通りに事が運んでいったので意外性という意味での楽しさはなかったのですが、そもそも自分が好きな小説に共通しているのがストーリーの展開そのものよりも、登場人物の心理描写やその他表現がいかにしっくりくるかです。そういう点では完璧でした。 あとは読書について触れていたことが素敵。 本の好きな方が書いたのがよくわかります。 | ||||
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映画を見る前に読んで感動していたので映画も見た! だが、原作を読んだ時の感動が大き過ぎたのか、それとも内容はある程度知っていた所為なのか? やはり原作がいいと思った。 1人の女性が共に暮らしていた夫が急逝して夫の未知なる家族に連絡した。 訪ねてきた義兄が夫の遺影を見て、この人は誰?と言った。 女性は、自分が結婚していた人は誰なのか?と弁護士を訪ねる。 物語は此処から始まる。 調査を開始した弁護士は在日朝鮮人三世の男で彼自身が自分探しをするような調査を始める。 誰の心にも自分が自分で無いような錯覚を覚えることは珍しいことでは無い。 読み進める私は弁護士が訪ね歩いて出会う人々の過去が私の一部であるような錯覚を覚えた。 芥川賞作家の鋭い人間観察は忌憚なく発揮されて一人一人の登場人物に向ける眼には温かさがある。 登場人物の些細な出来事にも挿入歌のような小さな物語がある。 そこが長編と思わせない。そして最終章に胸が締め付けられるような感動の小説であった。 | ||||
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欺瞞的、そこに感動を見出せない。何の訓示もないように感じる。古風な言葉選びが散見されるが、文体として効果的であるかは疑問。これが著者にとって自然、というならそれだけなのだろう。 | ||||
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映画だけを観て、面白いと思っているヒトには是非とも読んでほしい。 映画の100倍面白く、深いです。 私は原作を読んでから映画を観ましたが、つまらなくはなかったけど原作の良さを消している箇所が多くてちょっと残念になりました。 また、内容自体に誤解を与えるような箇所も多く、、、作者はこの映像化で良しとしているの?といささか心配にもなり。 小説の中で私が胸を打たれたのは、ある事情(しかし当人には何お責任もない事情)からどうしても自分を容認できない「男」が、全く別の人間として生き直すことで自分を赦せた、幸せになってもいいと思えたところです。誰でも生まれてきたからには自分を愛して生きていきたいんだと思う、本当は。涙が出ました。 | ||||
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戸籍を入れ替えた人間を巡る物語。何が起こるのかワクワクしながら期待感を持って読み進めることができる。お勧めしたい名著。 | ||||
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私が愛した人が私と暮らして幸せならそれで良い。 この作家、ツイッターで反日で嫌いだった、がこの小説が面白そうで読んでみた。多方面からの考察で圧倒された。 最後が心温かでホッとした。最後に悲しい思いしたくない。 | ||||
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ぜひ読んで欲しい | ||||
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映画だけでは分からない物語でした。満足の読みごたえです。 | ||||
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十分な高い評価を得ている傑作だから、改めてここで推薦するまでもないと思う。 強いて言うのなら、これは前半から後半になるにかけて加速度的にミステリが面白く、物語が深く、味わいや人の想いが熱くなってゆく作品である。 傑作だった。 | ||||
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ストーリーが本当に面白くて週末に一気読みしました。 人を愛する時、私たちはその人の何を愛しているんでしょうかね。 そんなことを考えさせられる骨太な一作でした。 | ||||
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表現、言葉の選択が自分の心にはピッタリしっくりきて、かなり好き❤️ | ||||
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いやあ、面白かったです。 私は映画をはじめに見て、その後に本を読みましたが、どちらにも固有の面白さがあったと思います。そして両方とも鑑賞してもらいたいです。面白かったです。 ・・・ 主人公の城戸(弁護士)は帰化した在日三世。 見どころは「自分とはナニモノ」かと問わざるを得ない彼の境遇ではないでしょうか。帰化した日本人とはいえ、「元」在日というスティグマは消えることはありません。ハングルも喋れない、名前以外は朝鮮っぽいものは何も持ちえない。しかし、それでも在日というスティグマをほじくろうとする人々がいるわけです。関東大震災100周年である今(物語では90周年)、多くの朝鮮系の方が日本人により、そしてデマにより虐殺されました。その残虐性に悔いた人も少なく、加えてこれを無い物だったと主張しヘイトスピーチを繰り返す団体もいます。 主人公の城戸は、家族も守り自分もスティグマを越えて生きたいと願う一方、常に弱者に温かい目を向けつつ、それでも常に不安感を抱いています。そして、彼のもつ健全な共感・繋がれる力が語のベースを作っているように思えます。そしてそれこそが、スティグマに抗しきれず戸籍交換をした人々へと物語を進展させてゆくのでしょう。 ・・・ 物語のもう一つの頂点は、やはり戸籍交換のトリックと、その周辺にいた関係者でしょう。 「谷口大祐」として亡くなった原誠は、殺人者の子というスティグマから逃れられず、自殺未遂の末、戸籍交換をし、それを家族に言うことなく事故でなくなりました。 事象そのものは犯罪ではありますが、妻や子供にとってはとっても優しいお父さんでした。また事件の全貌を理解した弁護士の城戸にとっては、この原誠は戸籍交換をへて身を偽った4年弱の時期こそが幸せな時間であったと断言しています。 嘘をつかれていた家族は、事実を受け入れるのが非常に難しいことだと思います。ただし、時間を過ごした家族は、背景はどうであれ愛し合った家族、そこにある愛は肌感覚として記憶されています。ここに、アイデンティティとかスティグマとか名前とかを越えた紐帯が「救い」として用意されていると感じました。 対して、人は往々にしてカテゴライズして単純化して人を判断するということも暗にほのめかされています。そして「在日」とか「犯罪者の子」とか単純かつ安易なラベリングがいとも簡単に人を窮地に追いやるという事実。SNSなどが無い100年前からそうした残虐が日本にあった。つまり日本はそうした観点では全く進歩していない可能性が示されます。 ・・・ さて、本作は映画化されており、ベネチア国際映画祭にも出品されています。 私は映画を先に見ましたが、まとまりが非常に良かったと感じました。原誠と彼を亡くした家族の物語が中心で、どのように戸籍交換が行われてかというミステリー味が強い作風に仕上がっていたと思います。原作の純文学的な味わいが、上手にエンタメ系のフォルムに変容していたと思います。 キャストも、主人公の城戸を演じる妻夫木聡さんの人の良い笑顔も、とてもマッチしていたと思います。理知的な美しさを誇る理枝役の安藤サクラさん、大祐のメンドクサイ兄の恭一を演じた眞島秀和さん、原作ではあまり出てこないパートナー弁護士の中北を演じた小藪千豊さんなど、なんというか、原作を読みつつなるほどな、と思える配役でありました。 また、原作(本作)ですと、谷口大祐さんの元カノ美涼との仄かな恋心と、一線を越えてはならないという理性が、ぎりぎりのところでせめぎあっている描写も多く、結構はらはらさせました。 映像では、この美涼という役どころ、「少し疲れて、でも美しく魅力的な女性」という風で、清野菜名さんが演じていました。城戸との仲が「なんとなく」いい感じになる、その「なんとなく」感が上手に演出されていたと思います。 ただ、本を読むと美涼は40代ということです。原作で彼女は、こんなおばさんでもみんな色目を使うと愚痴るのですが、清野菜名さん顔の40代がいたらそりゃナンパされるわな、と本を読みつつ映画を回想し独りごちておりました。 ・・・ ということで平野啓一郎氏による作品でした。非常に面白かったです。 純文学らしいやや衒学的な表現、弁護士の城戸の正義感と裏に潜むスティグマへの恐怖、戸籍交換を行うに至った厳しい境遇にいる人々とその背景等々、非常に面白く読めました。 純文学好きは言うに及ばず、日本現代史、在日関連に興味がある方、はたまたエンタメ好きにもお勧めできる作品です。 個人的には映画で頭の中で筋を構築し、その後原作を読み、物語をより立体的に味わうのがお勧めです。一番応援したいのは夫を亡くした里枝の長男の悠人(中学生)ですねえ。健全に育ってほしいなあ。 | ||||
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小説は30代後半までほとんど読んでこなかったおっさんでも普通に読めました。 「マチネの終わりに」から連続で読みましたが、個人的にはこちらの世界の方が好きです。 小説の内容が現実にあり得るのか分かりませんが、登場人物はきっとこの日本のどこかに居そうな感じがありフィクションですが現実感もありました。 ミステリー小説のようなテンポはありませんが、自分の好きなペースで読めたので不思議な読書感です。 「面白い」とかそういったシンプルな感想や感情はほとんど出ず、ただ登場人物の心理はどうなのだろうと思いながら読む感じです。 「3勝4敗」 とある登場人物のセリフですが、この年になるとそれ位の勝率の人生でも良いのかも思えるのが不思議です。 | ||||
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鑑賞後、平野啓一郎の文庫を買い求めた。 | ||||
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名前を変えることでしか生きられなかった人生。あるいは、名前を変えてまで、生きようとした人生。この書を読み終えて、その二つのもののことを考えました。良い作品です…。 | ||||
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