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ある男



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【この小説が収録されている参考書籍】
ある男

ある男の評価: 3.97/5点 レビュー 264件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.97pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全264件 181~200 10/14ページ
No.84:
(5pt)

幸福の小休止としての倦怠感

人間は一つの唯一人格からなるのではなく、接する人や時代や立場で様々な人格が出てくるものである。
著者は、それを分人主義と定義する。本書の物語も、このテーマを基にしている。
序盤に出てきたある表現に驚いた。「何もかも捨て去って、別人になる」ことに対する、主人公の考察である。
それは、絶望の渦中の人だけの願望ではなく、「幸福の小休止としての倦怠」からも、もたらされるものである、と。
幸福の小休止としての倦怠って…!この複雑な表現の中に自分もいた。
子供も健康に育ち、夫婦円満、そんな自分でも、たまにこのまま家に帰らなかったらどうなるだろうか。
別のところで、ひっそり暮らしていったら…とか思うことがあるのだ。
もちろん、イタズラ的に考えるのだが、そのことが、この一文にきっちり表現されている。
人間を複雑にするのは、一種の倦怠感ではないか。
不幸な人は、常に倦怠感を抱え、幸福な人でも一時の倦怠感で、足を踏み外すこともある。
リフレッシュするために取る手段はそれぞれである。それが、人間そのものを変えるということであっても。

一人の人間をめぐる不謹慎ながら、おもしろさを味わえた小説だった。
ある男Amazon書評・レビュー:ある男より
4163909028
No.83:
(3pt)

いやはや

全てが中途半端 何も起きないなら読む時間をもっと違う推理に向けるべき。ただ子供がかわいそうという上位思想から、他の女に 妻の情事には触れず、いい人気取りで終わる。
ある男Amazon書評・レビュー:ある男より
4163909028
No.82:
(5pt)

さすがの筆力!

旅で日常から解き放たれたこの機会にと、平野啓一郎「ある男」を一気に読了。冒頭から推理小説仕立てで、読み手を世界観に引き込みつつ、やがて自己を愛すること、人を愛することの意味を模索、深い洞察へと自然と導く。さすがの筆力!
「マチネの終わりに」と同じく是非とも映画化して欲しい作品!
ある男Amazon書評・レビュー:ある男より
4163909028
No.81:
(5pt)

『自分』とは何かを、考える切っ掛けにも。

ただの小説というくくりでは勿体無い。
自分とは何か、を考えることのきっかけにもなる一冊。すごく深い。
ある男Amazon書評・レビュー:ある男より
4163909028
No.80:
(4pt)

人と人とのつながりとは。。

この話は最後はどこに行き着くのだろう。。と引き込まれながら、読み進めました。読み終えると、今ある幸せに感謝する気持ちが自然にそして意識的に浮かんできました。
ある男Amazon書評・レビュー:ある男より
4163909028
No.79:
(1pt)

まじめすぎです。

全部が説明されていて退屈でした。まじめすぎです。話しも文体もまじめ。グロテスク、恐さ、美しさに欠けていて、ぼくの趣味ではなかったです。昔読んだ青野聰の「人間のいとなみ」を無性に読みたくなりました。
ある男Amazon書評・レビュー:ある男より
4163909028
No.78:
(5pt)

昔の作品より庶民的になったのか。

同世代の若者のデビューに感動して手にとってみれば「俺賢いでしょ?」感が鼻につく初期作品。そのせいで永らく手に取るのを敬遠してきたが、Kindleセールに釣られて購入。手持ち無沙汰な待ち時間に読んだら面白かった。私のような低レベルの読者に迎合する術を身につけたのであれば売れるんじゃないですかね。
ある男Amazon書評・レビュー:ある男より
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No.77:
(5pt)

愛にあふれるミステリー

愛した男は誰だったんだ?という疑問から始まるミステリー。割とドキドキする展開や仕掛け、平穏に生きていると接することのない死刑囚や犯罪者のバックグラウンドも出てきて、ちょっと怖さもある。
平野啓一郎さんの本は、マチネもそうだけど主人公が美しい。性善なのではなく人間らしくまた誠実に生と向き合っているから惹かれるのだと、自分もそうありたいと心の奥に温かい炎を灯してくれるように感じる。
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No.76:
(5pt)

夫の過去を報告する弁護士の最後の言葉が

たとえば、ある過去やある背景があると知ったとき、わたしはその人とどう接するだろうか。

それゆえに、その人を怖いと思ったり、悪人と見なしたり、蔑視したり、差別したりするだろうか。

 それとも、その人の過去や背景の厳しさを理解し、あるいは、理解したふりをし、あるいは、理解しようとし、あるいは、理解しようとするふりをし、その理解、あるいは、押しつけがましい理解、あるいは、誤解に基づいて、その人を差別しないようにしたり、痛みをわかろうとしたり、あるいはそういうふりをしたりするだろうか。 

 はたまた、偏見や「理解」から自由になろうとして、ひたすらその人自身を見、その人自身に聞くだろうか。

 「一体、愛に過去は必要だろうか」(p.347)。

 過去ゆえの偏見は不要どころか除去しなければならないが、その人が語る過去物語に聞くことも不要なのだろうか。

 亡くなった夫の過去を報告する弁護士の最後の言葉に、妻は最も心を揺さぶられた。

 弁護士にも裁判官にも、職務上は求められないが、それでいて、いちばん大事なものは、こういう言葉ではなかろうか。
ある男Amazon書評・レビュー:ある男より
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No.75:
(5pt)

自己アイデンティティとな何か

過去の様々な体験を蓄積した結果、「今の自分」がある。決して過去はなかったことには出来ないし、戸籍交換によって、過去に辿ったレールを違うものには出来ない。名前を変えることで、人生のリセットは果たして出来るのだろうか。苦悩を消し去りたい気持ちはよく分かる。

一旦リセットし、今の自分の「境遇」は変わるだろう。然しながら、手放した過去は上辺では消え去るが、心の奥底にはずっと残り続ける。
決して表面上のリセットで、「自分」の中身まで変わるのだろうか。

「自己アイデンティティとは何か。」

より一層、心の葛藤に、生涯苦しむ気がしてならない。
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No.74:
(2pt)

まあまあ

直木賞だったか候補に挙がってたように思い購入したが、あまりよくなかった。この本を買うとき新聞連載で依然読んだ今映画になっている題名が出てこないがどちらにしようか迷ったこと思いです。
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4163909028
No.73:
(4pt)

自分の存在について考えさせられる

夫が思っていたその人とは別人だったというプロットと、その人をその人足らしめている過去について思いを巡らす描写がおもしろかった。ただ主人公の存在の根底に根付いてる在日三世という設定がちょっと鼻につくというか、アイデンティティの揺らぎを示すのにそんなちょっと重い設定つけなくてももっと普遍的な事柄に落とし込んでもらったほうがこちらとしても共感しやすかったなあと思う。
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No.72:
(3pt)

自分の人生を生き切る

自分が与えられたこの人生を他の人が生きたら、どうなるのだろうか。もっとうまく生きるのだろうか。また私が他の人の人生を生きるとしたら、その本人よりもうまく生きていけるのだろうか・・・・。そんな自信はまったくない。私はやっぱりいただいたこの人生に感謝して、精一杯生き切りたい・・そう思った。
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No.71:
(5pt)

凝ったストーリーだなぁ

ついつい引き込まれて読みました。戸籍の交換が複雑で、紙に図示しながら内容を整理しないといけませんでしたが、おもしろく読むことができました。漢字も、私には難しく思えるものが少なくなく、PCで漢字の読みを検索しながら読み進めました。美涼のその後が気になります。
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No.70:
(4pt)

素晴らしいコンテンツだけど、なんてことないストーリーとも捉えられる

描写力や蘊蓄(著者の知識量?)は文学的に素晴らしいように感じますが、そうした点を一切合切取り除くと、なんてことない普通の男女の関わるストーリーに感じました。雰囲気の作り方がとても上手なこともあり、音楽やアルコールの好きな方にはうってつけと思います。とても素晴らしいコンテンツですが、心に染み入るほどに最高。。。とは思えませんでした。いろいろ書きましたが、お勧めは出来る作品です。
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No.69:
(1pt)

ある男とは…読んでいてバカらしくなりました~笑

知り合って短期間で結婚したシングルマザーの彼女。不運にも夫は事故死。家族とは疎遠だった夫の兄に妻は葬儀後に夫の死を手紙で知らせる。
知らせを受けた兄は仏壇に焼香でもと訪れる。遺影を見た兄は…
「これは弟じゃねーよ」

話はここから急展開、じゃあ、この人は誰なんだ?!
そして弟はいまどこにいるんだ?!

自分の家系が厭な者同士が戸籍を交換していたとか、読んでいてバカらしくなりました~笑
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No.68:
(5pt)

家族の輪

家族の物語である。
ある男Amazon書評・レビュー:ある男より
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No.67:
(4pt)

ラストの置いてきぼり感

プロットもよく、先が気になりどんどん読ませる。
ぼんやりと日本の差別や人間としての本質への背景を描いているが押しつけはなく、ある男の謎への追跡にほどよい距離感で焦点を当てていく。
ラストにかけ期待が高まるが、結局謎がとけただけでその先がないのが残念で、読み終わったあとの充実感は薄い。
ある男Amazon書評・レビュー:ある男より
4163909028
No.66:
(5pt)

気持ちのいい男、いい女に巡り会えたと思える本

主人公の弁護士である城戸の価値観から、自分にない新しい視点に辿り着いたように思う。
「パートナー選び。愛の過大評価と思想の過小評価」
「死刑に否定的なのは、国家が犯罪の背景から責任逃れして無かったことで済ますのがいいのかという考えから」
他、いくつもの視点が小説に散りばめられていて、普段曖昧にしか認識できない事象に、目を開かせてくれるのも、この本の醍醐味だった。
スタンスが違って嫌気を起こす人も勿論いると思うが、城戸は、善良で真面目な男であり、彼を通したフィルターは概ね筋が通り信頼に足るように、小説が説得力を持っていた。
私もこのように気持ちのいい人間でいたいなと、襟を正したくなる。
ある男Amazon書評・レビュー:ある男より
4163909028
No.65:
(3pt)

巻頭で,えっ?となり後は一気に読ませてくれます

宮崎の山奥の街の文房具屋の娘。結婚して二人の子供にも恵まれたが、下の子が脳腫瘍で亡くなってしまい、その治療方法で旦那と意見が合わずそのまま離婚。実家で店番などしていたがそのお客として来ていた男と再婚。また一人の子供も授かり幸せに過ごせていたのだが、旦那が山で事故死。お互い再婚ということで結婚式もせずにいたので旦那側の親戚なども顔合わせもしてなかったのだが、さすがに今回は連絡してお兄さんに来てもらったら…。なんとこの男は弟ではないと言う。しかし亡くなった旦那から聞いていた子供の頃からの話はすべて本当だと言う。一体この男は誰なんだろう…。

その亡くなった男が誰なのかを弁護士にお願いして探してもらおうとするのだが、戸籍を交換する事を斡旋している男がいることがわかりそいつに会いに行き,だんだんと実態が分かって来る。

結果的に誰かはわかるのだが、その生き様にはその人なりの人生があり、一人で生きているわけでもないので周りの人との関係も関わってきて、最終的には「人を愛するってなんなのだろう」的な方向まで引っ張られる。

想像もしたことないネタになっているのでとても面白い。長編ですが一気に読んでしまいます。
ある男Amazon書評・レビュー:ある男より
4163909028

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