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の評価: 4.27/5点 レビュー 48件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.27pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(3pt)

渾身の読みを要求する困った名作

「クロフツ渾身の処女作にして探偵小説史にその名を刻んだ大傑作」と言う惹句に偽りはない。問題は読者にも「渾身の読み」を要求する点で、現代の目ではエンタテインメント性に乏しい生真面目さが致命的と思われる。ラスト付近でようやくアクションシーンが出現して楽しませてくれるが、それまでの地道な捜査をこれでもかと読まされるのには閉口した。確かにそれがリアルなのだろうが、本格ミステリと言うより異様に緻密な犯罪小説と言う印象を受けた。
 繰り返すが名作であるのは確かだ。犯人が仕組んだアリバイを、地道な捜査の積み重ねで崩していく過程には感銘すら覚える。だがしかし、現代の読者にとっては読むのが辛いのは否定出来ないだろう。
樽【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:樽【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488106331
No.4:
(3pt)

じぶんにはあわなかった

始めから最後までドキドキすることがなく…地味かな?非常に論理的ではあると思います。 矛盾もなきにしもあらずだけど。
樽【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:樽【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488106331
No.3:
(3pt)

樽にこだわる推理。手堅いミステリーの王道

樽といえばドンキーコング。1989年生まれの私は連想する。樽の中には仲間が入っていたり、樽の中に入って飛んでいったりしながらステージをクリアするゲームに小学生の頃にハマっていた。

シリーズは好評で2作から3作ぐらいを続けてやったような気がする。そんなドンキーコングも驚きの事件がこちら。

樽の中には女性の死体。身元も分からなければ、どこから来たのかもはっきりしない。届け先へは謎の手紙だけが前もって届いていた。

まず、警察が樽を手元に置くまでにもひと悶着あり、やっと死体を見つけると、そこから調査へ。この樽はどこから来たのか。で、中に入っている死体の女性は誰なのか。そこから調査を進めていく。

物語の中で「あといくつ樽を探すことになるのだろうかと訝った」の台詞が出てくるように、読者が飽きてしまいそうになるほど、樽がつきまとってくる。実際、トリックも樽が鍵になっているので、仕方ないのだが、樽、たる、タル。樽を追い求める物語の果てに、古典的な謎解きが待っています。

足の探偵・フレンチ警部を生んだクロフツの処女作らしいのですが、「フレンチ警部」の物語を読んだことがないので、「クロフツさんがいい」とか語るのは出来ません。ただ、人気の古典ミステリーらしく、派手ではない手堅い王道ミステリーといえるでしょう。

トリックのミスもあるようなのですが、それを読みながら考えるのも面白いです。

とりあえず、「フレンチ警部」のミステリーを一作は読もうと思うとともに、もし、ドンキーコングが事件の樽に入ろうとしたらどんな反応をするのかを考えだすとニヤニヤが止まりません。

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樽【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:樽【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488106331
No.2:
(3pt)

発表当時は新鮮であったと思われる

「探偵小説」というジャンルを切り開いた歴史的作品であるために、内容にケチをつけにくいのだが、これだけのボリュームの本をミスリードするのは忍びがたく、ネタバレにならない程度に正直に感想を書く。

紙数を費やした、もったいぶった筋の展開の割りに、容疑者は中盤で意外とあっさりわかってしまう。それで最後にどんでん返しがあるかと思いきやないので、後半はひたすら「アリバイ崩し」に終始する話になってしまった。地味でたゆまぬ「足の探偵」という評価を否定するつもりはないが、金にものを言わせた捜査も目立つ。証言を得るためにやたら金をばらまき、数千の雇用主全員に回覧状を送るまでやれば、さすがに何か出てくるだろう。最後の犯人の仕掛けが鮮やかだっただけに、もっと往生際が悪くてもよかったと思うが。

古典としての評価は揺るぎないものなので、敢えて辛いコメントをつけたが、発表された1920年という時代を考慮すれば、ドーバー海峡を挟んで二国にまたがる鉄道と船を利用した犯行と「アリバイ崩し」という筋書きは新鮮であったと思われる。


樽 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:樽 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150736049
No.1:
(3pt)

古典とされる作品なのだが…

 かの江戸川乱歩を筆頭に、絶賛以外の評価を目にしたことがない作品だった。推理小説に新機軸をもたらした古典と聞いていた。当然、期待満々で購入し、徹底的に堪能するつもりで、長期出張に1冊だけ携えて出たのだが…。
 確かに前半は面白かった。衝撃的な幕開け、現実感のない「神の如き名探偵」ではなく英仏の刑事が互いに連絡を取りながら積み重ねていく地道な捜査、情景描写の妙、読者を翻弄する謎また謎の展開。しかし、後半に入って謎解きが進むに従い、一気に疑問が膨らんでくる。
 推理小説の種明かしはルール違反なので詳述は控えるが、重要な手がかりや伏線になるかと思われた内容が、実は単純な偽装だったり、満足な説明がないまま消えてしまったりする。一つだけ言わせてもらうと、筆跡とはそんなに簡単に真似られるものなのだろうか? 謎を解く探偵役の登場も何か唐突で必然性がない気がしたし、激情に駆られて人を殺したはずの犯人が直後に一転して冷徹な策略を巡らせるというのも不自然ではないだろうか。クライマックスも、それまで描かれてきた人物像とはあまりにかけ離れた展開で幕が引かれてしまい、結局最後まで納得がいかないままだった。
 一応それなりには楽しめるものの、全体的に見て、特に傑作とも、古典の名に値する作品とも思えない、しかし衆目は「名作」「古典」ということで一致している、自分の感覚はおかしいのか…。読み終えたあと、しばらく悩んでしまった。皆さん、どうなのでしょう?
樽 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:樽 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150736049

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