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何者
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何者の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全389件 361~380 19/20ページ
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女子をくどく時の殺し文句は「君だけは他の人とは違うと思ってた。」だそうである。多分その言葉は女子に限らず、全ての人にあてはまる。人間誰にでも自分独自の存在・価値を認めて欲しいという欲望はある。 だが、今の世知辛い競争社会では簡単に他人の価値を認めることはできない。就職試験ならば誰かが受かり誰かが落ちる。就活生は、落ちる度に人間を否定されたように思うだろう。そのショックに耐えかねて、「落ちたのは面接官に見る目がないからだ。」「自分の本当の価値を見きわめられる目を持った人間が少ないのだ。」と自分を正当化するのである。そして、終いには、友人の前でさえ、キャラを作り始める。この作品の登場人物が、友達の前の自分と、ツイッターでの自分、別アカウントの自分とを使い分けるように。その姿は、親の虐待に耐えかねて多重人格化する子どもに似てはいないだろうか。自分を守るために必死なのだと考えればその若者の姿は、私、中年の母親世代の人間から見れば、「痛い」と批判するより「痛々しい」となでさすりたい姿である。そして、その分裂した人格の統合される社会の実現を望んでやまない。素の自分でいられる社会の実現である。 | ||||
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朝井君は娘と同じ歳です。 就活の時に苦しんでいる様子を横で見ていた頃がマザマザと思いだされて、読んでいて辛くなりました。 主人公は本当にどこにでもいる就活生だと思います。 先に内定が出た友達の会社の噂(もちろん悪い方の噂)を検索したり、夢を追っている友人を少し馬鹿にしたり。 誰でも少なからず経験があるのではないでしょうか。 今の若者がとんでもない不況の中で苦しんでいるのだと改めて思いました。 タイトルの「何者」が読了後、辛く重く感じました。 | ||||
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視覚で読む私のようなタイプには、目で見てぱっと頭に入らない文体。 とにかく読みづらい。 登場人物の会話には鋭い、はっとするようなものがあるが、とにかく読みにくい。 頭の中で音読しながら読み進めていった。 ラジオドラマの脚本とか音声で聞いたほうが良いような作品。 若者の会話にリアリティーがありすぎて、鼻につく。 文章の下手さ加減を会話でカバーしている印象。 なぜ直木賞なの?と思ってしまう。 | ||||
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問題提起は分かるんだが、読み手の心の中に自然と文字が浸透して来なければならない。 表現方法というか、言葉の選び方が変だからひっかかる。 この作家の特徴だといえばそれまでだが、今や小説自体が、作法や文体が、作家に見合った素晴らしさを持って文章だけでも感嘆するという言葉や文字の生命力は求める必要もないのか。 外面的な表題作っても読者は釣れない。 | ||||
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僕はこれを読んでいられなくなるほど自分にも通ずる痛さ、恥ずかしさを痛感させられた。 何者=偽物、防御、願望 少しニュアンスは正確ではないけれどこんな感じだと思う 直木賞文学だけあってストーリーを評価するものではなくある種の自己啓発のような意図を推測し自分に当てはめながら読まないとつまらないだろう しかしこうやってわかったように評価していること自体が”何者“なのかもしれない | ||||
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筆者は同い年のため、就活の話も自分の時と同じような感覚で読めた。 就活の話をしながら、SNSが広まった中での人との関わり方、本音と建前のあり方を描いているなぁと感じて終盤まで読んだ。 しかし、最後のやりとりと「何者」の話でドカンときた。 自分も観察者のような冷めた感覚を感じることもあるし、すごく心に響いた。 さすがの一作です。 | ||||
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直木賞受賞作ということと、今時の就活事情について勉強になりそうだな、と思ったので読んでみた。 【ネタバレ?あり】最後の30ページ、なんというか、もうホラー。 帯の文句の通り、自分のヤな面まであぶり出された。 あー、なんかもう勘弁してください…みたいな。 Twitter、Facebookなど承認欲求を満たしてくれる様々なツール。 どう使うかはその人次第 余談だが、作者が雑誌のインタビューで「部数が伸びる程、友達が減っちゃって…」と言っていた。 表の意味と裏の意味、両方に受け取った。 確かに、こんなに観察眼鋭い人そばにいたらヤダ(笑) | ||||
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自分と歳のそう変わらない作家の直木賞受賞作ということで購入しました。 就活を行う仲間の嫉妬や表面的な応援など人間の負の感情をおりまぜながら物語はゆっくりと進んでいきます。 全体的に暗い雰囲気の小説ですがラスト5ページにホッとしました。 大丈夫。 失敗してもめげない。 誠実に生き ていこうと決めた主人公の締めくくりは快い気持ちにさせてくれます。 『他人のことなんか気にするな。 自分のことに集中しろよ』 朝井リョウさんはこう言っている気がします。 | ||||
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23歳で直木賞を受賞した朝井リョウの受賞作品。社会人になったその時点で二足のわらじを履いている。そのスタイルを続ける予定だそうだ。 6人の大学4年生の就活物語で、現代の就活事情とその渦中にある大学生たちの気分や心の動きがよく描かれている。 劇団主宰の主人公、バンドをやってる同居の友人、その恋人で主人公が片思いの女子、海外留学組の女子、就職しないと宣言する人、、。 ツイッター、フェイスブック、ラインなどのソーシャルメディア空間と、現実とが混ざり合って物語が進行していく。やはりこの作家は名手だ。 主人公は恋も就活も出遅れるのだが、最後は自分を自分として認めることができるようになって、希望につながっていくところで終わる。 面接で分析家の主人公は「短所は、カッコ悪いところです」「長所は、自分はカッコ悪いということを、認めることができたところです」という。最後は「だけど、落ちても、たぶん、大丈夫だ。不思議と、そう思えた」で終わる。 癖、消耗、もどかしくなる、想像力がない人、何者かである自分、探り探り、っへえー、ぬるぬる文系、もやもやと黒ずむ、ぶしゅう、人脈、バランス、蓋、違和感、不正、麻薬、やさしい言葉で心を撫でる、痛々しい、ささらない棘、羨ましさとうっとうしさ、思ってもいないことをすらすらと語る技、面接で落ちるダメージ、ミスが見えない、エリア職なんだね、ジコジツゲン、プライド、人生のドラマの主人公、就活が得意なだけ、、、、、、。 登場人物たちが互いに投げかける言葉の中に、共感するなかなかいい言葉がある。 誰かの目線の先に、自分の中のものを置かなきゃ。 ダサくてカッコ悪い自分を理想の自分に近づけることしか、もう私にできることしかないんだよ。 自分は自分にしかなれないんだよ。 そうやってずっと逃げていれば? 自分はアーティストや起業家にはきっともうなれない。だけど就職活動をして企業に入れば、また違った形の「何者か」になれるのかもしれない。そんな小さな希望をもとに大きな決断を下したひとりひとりが、同じスーツを着て同じような面接に臨んでいるだけだ。 何者かであるように自分を飾る日々から、何者でもない等身大の自分の姿を知って、そして時間をかけて何者かを目指していく。そういう誰もが経験する青春の成長を描いた作品だ。 就活は、そういうプロセスを踏む上で自分を映す鏡のような存在だ。 就活生にも教師にも親にも、勧めたい作品だ。 | ||||
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就活とsns、自意識がテーマって所にピンときて、一気読み。 登場人物達の痛さが、自分と重なって胸が苦しくなった。 著者が卒業して間もないからか、大学生の生態が生々しく描写されている。 それ故、就活中にタイムスリップしていたかの様な読後感。 物語は終始、目を背けたくなる痛さ。 しかし、ラストでは自己啓発的な面も。 少なくとも僕にとっては、「何事も一生懸命頑張ろう。 」、そう思わせてくれた。 | ||||
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面白かった。 見事な展開力。 ツイッターとのツキアイカタが変わるかもね。 | ||||
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「就活」という、現代日本の若者の多くが生まれて初めて真剣に自分が何者かを問い、問われる局面を舞台にした、大学生4人の群像劇。就活年代の若者の群像劇といえば『ふぞろいの林檎たち』(1983年、20年前!)を思い出してしまう自分はもう著者の親に近い年齢だが、その頃と比べると「社会人になる」ことのイメージがずいぶん「就活」だけに集約されるようになってきたように思う。『不揃い』の当時は大学進学率は3割未満で、いまは6割に近いことを考えると、無理もないのかもしれないが、『何者』に出てくる4人の学生は、タイプは違っても傍目からは同じような価値観の若者たちに見える。だからこそここに書かれているような息苦しさがあるのだろう。主人公拓人が憧れている瑞月さんのみが「家庭の事情」を抱えた就職活動だが、ほか3人は「己の事情」のみで比較的身軽だ。それを必要以上に重いイベントにしているのがSNSの存在。ツイッターで互いのつぶやきを深読みし合うのは当たり前、同級生や志望企業の人事に読ませる用の本アカのみならず、こっそり本音を吐くための別アカまで探して互いに隠れて読んでいる。そしてリアルには仲良く励まし合い助け合う同級生を演じる。似たもの同士だから、表面的で記号的な差異を過大評価して、相手を仮想敵化していく。「俺はあいつとはちがう」「私には私のやり方がある」と。そうやって「自分は何者か。何者になりたいのか」の答えを求めてもがくのである。 著者にとって就活はまだ生々しい記憶なのであろう。主人公はじめ登場人物たちのちょっとした振る舞いや言葉で表現される彼らの心の揺れには現実味がある。ツイッターをリアルなやりとりの合間にはめこんだ構成も悪くない。不満なのは、あまりにも彼らの世界が自己完結している点。この年代に近い読者以外には、最後まで読み通すのがかなり苦痛なのではないか。少なくとも自分はそうだった。最初から最後まで20歳そこらの若者を通した世界観が貫かれ、顔と言葉のある「大人」が出てこない。短編か中編であれば、いまの世相を映す一篇としてそれなりにどの年代にもインパクトを与えるような作品になったと思う。たとえば以下の主人公の言葉には、はっとさせられるものがあった。 どうして就職活動をしている人は何かに流されていると思うのだろう。(略) 自分はアーティストや起業家にはきっともうなれない。だけど就職活動をして 企業に入れば、また違った形の「何物か」になれるのかもしれない。(略) 「就活をしない」と同じ重さの「就活をする」決断を想像できないのは なぜなのだろう。決して、個人として何者かになることを諦めたわけではない。 スーツの中身までみんな同じなわけではないのだ。 いま、「大企業に勤め続けるなんて能がない」「独立したり転職できない人が大企業にしがみつく」といった言説が一方にある。作家の言葉にかぶせれば、「会社を辞め(て起業・独立す)る」と同じ重さの「会社を辞めない」決断を想像できないのはなぜなのだろう、と思う。どうして同じ会社で働き続ける人は思考停止していると思うのだろう、と。どんな立ち位置にいようと、人みなそれぞれ、折り合いをつけて生きている。20代は「何者か」になることで必死であり、それでいい。しかし30代、40代ともなると、「何でもない者」としてどう生きるかというもっと難しい問いが待っている。そこまで書きこんでほしかったとは言わないけれども、同質的な登場人物のなかに、異質な他者の存在が少しでも垣間見ることができたなら、もっと奥行きのある作品になっていたと思う。 | ||||
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学生生活の日々が書かれているだけ。 何人かの学生が出てきてこれから就活していく日々の中での日常と思ったことをただ書き下した感じ。 ただの学生の日記? 誰が誰に話しているのかよく分かんないとこがあったり、いきなり過去の話?現在の話?みたいにとんでかなり読みづらい。 それから、いらないところで比喩表現みたいなの使いすぎ。 読んでいて面白味や内容がないから途中飛ばしてよみました。 | ||||
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祝直木賞、ということで手に取ったが、 今日の自分、今の自分にぴったりという本だった。 自分の弱い部分が、そのまま、まな板の上に載せられて見せられているような。 就活に悩む学生たち、企業で働くことを避けるように自分のつながりや行動をSNSで表現する者たち。 就活でも、SNSで見せる面という点でも、現代の若者がよく描かれていて、 痛々しくもなったし、新鮮さもあった。 “ほんとうにたいせつなことは、ツイッターにもフェイスブックにもメールにも、どこにも書かない。 ほんとうに訴えたいことは、そんなところで発信して返信をもらって、それで満足するようなことではない。 ” | ||||
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新卒でなければ人生どん底に突き落とされる就活と、TwitterやFacebookなどのツールが現れた、という現代を見事に切りとっていると思う。 文章もたまにクサイけどうまい。 若いのに。 ただ、若者の就活を通したアイデンティティの見直しというテーマに終始しているのが、世界を狭くしていて惜しい気がする。 っていうか、どんなに自己を肯定しても、痛々しい姿勢は痛々しいまんまでしょー。 と思うけどな。 | ||||
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何軒か本屋を回りましたが、在庫がありませんでした。 そうなると余計欲しくなるもの。 注文したら、2日後には届き最初からそうすればよかったと思いました。 | ||||
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直木賞を受賞した作品ということで購入しました。 物語は就活を通して若者5人の心の葛藤を緻密に描き展開していきます。 就活を体験した人ならば共感出来る部分も多くあったと思いますが、中高年の方が読んだ場合、正直「?」の部分も多くあったと思います。 しかし、それくらい今を生きる若者のリアルな雰囲気が伝わってきます。 小説を読んで、仕事でも日常生活でもどこか他人を上から目線で見て、優越感に浸りたい『観察者』になっている自分がいるなと反省しました。 何もスキルを持たない若者が、『がむしゃら』に取り組むことの大切さ、『行動』することの大切さを教えてくれました。 | ||||
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かなり読みにくい、というのは私がおじさんだからということもあろう。 なんかいきなり複数の若者が出てきて、だいたい若者というのはさほど特徴があるわけではない。 しかし私の感覚では若者というのはもっと愚かなもので、ここでは妙にお行儀がいいように見える。 で、最後まで行くと、まるで自己啓発書みたいな、お説教みたいな結末を迎えるので、これはたまらんのである。 文学というのはお説教をする場所ではないのである。 つまり「国語」の教科書ではなくて「道徳」の教科書に載っていそうな感じがする。 まあしかし既成作家でも、お説教を始めてしまう人というのはいるので、気にしなくていいのかもしれない。 | ||||
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・現代の就職活動がテーマである ・主人公が就活生達である ・Twitterが重要な要素として使われる ということで,まさに就活まっただ中の私には読みやすかったです。 就活というより,就活生の心理などがテーマであり,大学生の心理や行動の描写が細かくされています。 登場人物が限られており,世界観と価値観は狭く,若干内容が薄いとは言えます。 成熟された精神を持つ人には物足りない内容かもしれませんが,私のような未熟者は読んで損は無いと思いました。 | ||||
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Facebookで自分の学生団体を宣伝するあの娘を、twitterで今度のライブ日程を報告するあいつを、どこか見えない画面の前で嘲笑する私がいる。 カッコ悪くてもあがいてあがいて何者かになろうとする人間をそれら自体をイタイことにして自分を正当化し守ることで「何者」かになろうとする人間がいる。 23歳で何者かになってしまった作者による何者にもなれない人間の物語。 ゼロ年代に童貞を非童貞の銀杏BOYZが救済したように、『何者』はテン年代の何物にもなれない人間を何者かである作者が救済しようとする物語なのかもしれない。 | ||||
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