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十日間の不思議



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十日間の不思議の評価: 4.23/5点 レビュー 30件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全25件 21~25 2/2ページ
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No.5:
(5pt)

エラリー・クイーンの最高傑作はこれだ!

1948年発表。いわゆる『ライツヴィルもの』の第3作。すでに町の状況は読者の頭の中では折り込み済みでしょうと言わんばかりに登場人物が極めて少ない。精緻に組み立てられたプロットにただただ感心するとともに、この作品が後の『本格』に与えた影響たるや絶大なものがある、と読了後感じ入ってしまった。法月綸太郎の『ふたたび赤い悪夢』の各章の命名や『生首に聞いてみろ』の主人公のキャラクターなどこの作品にストレートに影響を受けている。何しろ余りに面白くてページをめくるのがもったいないのである(●^o^●)。巻末の解説はあの鮎川哲也が書いている。御大が解説を引き受けるのも無理はないなぁ、と思った。指摘しているシーン描写の欠陥はそのとおりでその一点のみを除けばすべてのプロットが完璧だ。既に一度ヌーベルバーグの巨匠クロード・シャブロルの手で映画化されているが、場所をフランスに置き換えたり時間が短過ぎたりとイマイチである。オーソン・ウェルズのディドリッチ・ヴァン・ホーンなどピッタリだっただけに残念だ。高い映像性とキャラクター各々の魅力そのままに是非とも再映像化して欲しい作品だ。なにしろ僕のエラリー・クイーンのベスト1はこの作品である。この作品と『災厄の町』に挟まれた『フォックス家の殺人』が廃版で読めないなんて犯罪に等しい。なんとかして下さい(●^o^●)。
十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)Amazon書評・レビュー:十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)より
4150701016
No.4:
(5pt)

心理ドラマに光を当てた本格ミステリの秀作

老優ドルリイ・レーンが探偵を務める四部作。若きエラリイ・クイーンが、父親のサポートを得て論理的な推理で事件の謎を解き明かす国名シリーズ。アメリカの架空の小都市ライツヴィルを舞台に、その町に暮らす人間や家族の悲劇を描いたライツヴィル・シリーズ。来年、生誕100年を迎えるエラリイ・クイーン(ダネイ、リーともに1905年生まれ)。この偉大なミステリ作家の作品群の三本柱として、上記シリーズがあります。本書『十日間の不思議』は、『災厄の町』『フォックス家の殺人』に続くライツヴィル・シリーズ第三番目の作品。初期作品群、国名シリーズで見せた論理的に展開して行く推理の美しさ、素晴らしい論理の切れ味とはまた違った魅力があります。人間の、特に犯罪者の心理の動きに焦点を置いて考察しているような、一概に論理だけでは割り切れない部分に光を当てているような、心理ドラマ風の要素が強く働いている印象を受けます。なかでもこの『十日間の不思議』は、とても読みごたえのある作品でした。時を置いて二回読んだのですが、初読時も再読時も話に引き込まれ、ラストで真相が明らかになる場面で衝撃を受けました。
十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)Amazon書評・レビュー:十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)より
4150701016
No.3:
(4pt)

映画もまた

初期の作品に比べて、やはりどうしても後期の作品の人気が落ちるエラリー・クイーンですが、ライツヴィルものは、なかなか読み応えのある作品が多いと思います。特にこの作品など、個人的には災厄の町に次ぐ出来栄えだと思います。部分的には納得しがたい箇所もありますが心理的詐術を使った大胆な殺人計画など、なかなか壮大だな、と思わされました。ところで、この作品は映画化されています。監督はなんとフランス・ヌーベルバーグの旗頭の一人、クロード・シャブロル、ディートリッチ・ヴァン・ホーン役にはオーソン・ウェルズ、という、かなりものすごい組み合わせ(確かにこの役を演じられる者は彼以外に考えられません)です。ハワード役がアンソニー・パーキンスというのは、また彼はこんな役かー、という気もしますが、まあ万人が納得する配役ではあります。 この映画版は、話がフランスに置き換えられており、探偵もクイーンではありませんし、そもそもあれだけの長編を1時間45分にまとめるのが無謀ということもあり、アメリカではかなり評判の悪い作品です。しかしながら、当時のフランス映画(と、言うかシャブロル)ならではのムーディな映像と、独特のダークな雰囲気、原作とは一味違った美しさで、なかなか捨てたものではないと思うのですが(熱狂的なエラリアンの方には許せないでしょうが)。機会があれば、ご覧になってみてください。
十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)Amazon書評・レビュー:十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)より
4150701016
No.2:
(5pt)

人間クイーンの苦悩

聖書殺人事件「災厄の町」あたりから苦悩するクイーンが始まるがこの作品では9日間で解決したと思った事件が10日目に間違っていたと判明する後にクイーンが人間不信に陥るきっかけになった事件
十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)Amazon書評・レビュー:十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)より
4150701016
No.1:
(4pt)

このあたりから・・・

初期の「国名シリーズ」、過渡期の「ハリウッドもの」に続いて、この作品あたりから、後期の「苦悩する人間探偵エラリー・クイーン」の趣が濃くなってくる。ある期間の記憶をなくして現れた友人。彼は本当に人を殺したのか?「探偵も過ちを犯す」という現実を突きつけられたエラリーの取った行動に、賛成できるか、できないかは意見の分かれるところ。最後までじっくり読んで欲しい。
十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)Amazon書評・レビュー:十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)より
4150701016

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