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ローマ帽子の謎
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【この小説が収録されている参考書籍】
ローマ帽子の謎の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.98pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
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1929年発表の記念すべき第一作。 クイーンの登場こそ探偵小説の真の黄金時代の幕開けといっても過言ではない。 本作は「なぜ被害者の帽子は現場から持ち去られたのか?」という謎を中心に据えているが、全体的な出来ばえはヴァン・ダインの影響が露骨で率直にいって若書きの感は否めない。 しかし「読者への挑戦状」に代表される論理性へのこだわりやスタイリッシュな構成はその後の偉大な作品群をすでに彷彿とさせる。 そして何よりの読みどころは第二次大戦後の苦悩する探偵像とは全く違う、若々しく颯爽としたペタンティックなクイーン青年の姿だ。 新訳によってさらにその印象が新たとなっている。旧訳でお読みの方も一読の価値あり。 | ||||
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国名シリーズの第一作。劇場という巨大空間において、たった一つ紛失したシルクハットから鮮やかな論証劇が描かれる。その大胆な着想と 緻密な論理構築の融合が素晴らしい。独特の舞台設定が手伝って、とても美しい雰囲気を醸し出している。 そして、そんな舞台設定の妙こそクイーンの独創性でもあった。それまでの狭い空間における殺人劇、関係者と当局だけの言わば二次元的な 両要素に、衆人環視の多様な空間を舞台として三次元的な要素を推理小説のリアリティに組み込んでしまった。 この一作、確かに現代の目で見れば意外性も乏しく冗長にすら感じてしまうかもしれない。後の作品にある空中分解すれすれのパズル要素 や、畳み掛ける展開、外連味と、すべてにおいて平板なのかもしれない。しかし少なくとも明確に慣習から解放しようとする意図がある。 それが上述の空間的芸術性。その狙いが決まり、綺麗にまとまった感では出発点にして到達点にも感じる。やはり処女長編にはアレンジセンス 云々では計れない主張を感じてならない。 | ||||
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国名シリーズの第一作。劇場という巨大空間において、たった一つ紛失したシルクハットから鮮やかな論証劇が描かれる。その大胆な着想と 緻密な論理構築の融合が素晴らしい。独特の舞台設定が手伝って、とても美しい雰囲気を醸し出している。 そして、そんな舞台設定の妙こそクイーンの独創性でもあった。それまでの狭い空間における殺人劇、関係者と当局だけの言わば二次元的な 両要素に、衆人環視の多様な空間を舞台として三次元的な要素を推理小説のリアリティに組み込んでしまった。 この一作、確かに現代の目で見れば意外性も乏しく冗長にすら感じてしまうかもしれない。後の作品にある空中分解すれすれのパズル要素 や、畳み掛ける展開、外連味と、すべてにおいて平板なのかもしれない。しかし少なくとも明確に慣習から解放しようとする意図がある。 それが上述の空間的芸術性。その狙いが決まり、綺麗にまとまった感では出発点にして到達点にも感じる。やはり処女長編にはアレンジセンス 云々では計れない主張を感じてならない。 | ||||
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国名シリーズの第1作。劇場という不特定多数の人間がいる空間で起きた事件を、シルクハットが1つ紛失していたことだけを頼りに論理を積み重ね解決に至るという本格ミステリの規範を示した記念碑的作品。本作以前では、限られた登場人物の中から犯人を探り出すという形が主流だったが、クィーンはこの後もデパート、病院、野球場等を舞台にした作品を発表している。その度、地道に論理を積み重ね真実に迫って行く探偵クィーンの姿は頼もしい。また、作者と探偵役を同名にする、しかも「Queen」という名前を使う趣向は当時話題を呼んだことだろう。国名シリーズはその後の本格ミステリ(の作者と読者)に基準を設けたという点で貴重なシリーズだと思う。 | ||||
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エラリー・クイーンのデビュー作にして国名シリーズ第1弾であるこの作品。 デビュー作であるにもかかわらずエラリー・クイーンの論理的なスタイルはこの時点で完成している。 私はデビュー作だから標準程度の作品だと思って読み始めたのだが、 謎が多数散りばめられていて、飽きずに最後まで読むことができた。 解決編も他のシリーズに劣らない論理性でとても納得できた。 推理小説好きで無くとも、読んで損はないだろう。 | ||||
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クイーンの処女作。クイーンもので初めて読んだこともあって、一番好きな作品。クイーンの作品は、論理的厳密さという点において徹底していて、そこが作品の魅力の一つになっているが、この「ローマ帽子」ではさらに論理のアクロバットも楽しめる。帽子紛失の事実一つからこれだけ多くの情報が引き出せることに、初め読んだときは感嘆してしまった。この思考方法は実生活でも役に立つのではないかと思う。 | ||||
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マンフレッド・リーとフレドリック・ダネイのいとこ同士の2人の合作ペンネーム『エラリー・クイーン』の記念すべき処女作。1928年にマクルーア誌が7,500ドルの賞金でミステリーを公募し、その時にこの『ローマ帽子の謎』で応募したのが始まりだ。2人の合作法は『クイーン談話室』に詳しく述べられているがダネイが登場人物とプロットを考え、リーがそれに肉付けをして小説にするという方法で作り出されていた。本作は見事当選したが、マクルーア社が直後倒産したため、受賞は取り消しとなってしまった。しかし、作品自体はストークス社から出版され、国名シリーズがスタートしたのである。なお、本作はプロットに合う毒薬の教えを乞うたニューヨーク市毒物係のアレクサンダー・O・ゲットラー博士に捧げられている。 | ||||
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1929年に出版されたエラリー・クイーンの処女作。 「X,Y,Zの悲劇」と並ぶ代表作である「国名シリーズ」に共通するのは、読者に対してフェアであることを第一義としている点。 その象徴が、解決編の前に1ページを割いて付される「読者への挑戦状」。この「読者への挑戦状」の前までに読者はすべての手がかりやデータを与えられ、それらを正しく解釈すれば、名探偵エラリー・クイーンと同様の結末に辿り着くことができる。 ロジック操作が中心の本格推理物好きの方には、ぜひとも「国名シリーズ」全9編に挑戦していただきたい。 | ||||
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