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ローマ帽子の謎



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ローマ帽子の謎の評価: 3.98/5点 レビュー 41件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.98pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全41件 1~20 1/3ページ
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No.41:
(4pt)

翻訳に違和感

エラリー・クイーンを色々読んだ中で中村有希訳は、気に入っていた方だが今回はしっくりこなかった。ストーリーは面白いし、翻訳もシャープでいいのかもしれないが....
「レーン最後の事件」腰前敏弥訳を読み終えたばかりだったせいか、情に欠け読了後はズッシリくるものがなかった。国名シリーズに関しては腰前敏弥訳のクイーン警視の「ワタシ」の方が自分は好きだ。
ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
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No.40:
(5pt)

論理的推理のおもしろさ

古典ミステリーを探していて出会ったエラリー・クイーン

国名シリーズのローマ帽子を読んだ最初の印象は「エラリーめっちゃ話長っ!なんか今まで読んできたミステリーとは毛色が違うなぁ…話がくどいのかな…?」と難色を示していましたが、いつの間にかエラリーの論理的思考から導き出される結末の虜になっていました
大御所有名どころのコナン・ドイルやアガサ・クリスティー、日本なら江戸川乱歩や横溝正史といったところでしょうか?
彼らとは違う「エラリー・クイーンだけの良さ」がちゃんとあるしガッツリ感じられる

その根幹にあるものは彼の徹底した論理的思考
曖昧で根拠のないことには飛びつかず忍耐強く一つひとつ思考を重ねに重ね揺るぎない論理で犯人に辿り着く、エラリーの推理がだいすきです
また、要所でエラリーが口にする格言や引用の言葉を調べるのも楽しくてもっと知りたくなり、ついついその本を調べて購入しちゃいます

作者のエラリー・クイーンもいつもどこかしらにおもしろいギミックを用意してくれるので解説などで分かったときにはまたおもしろい

訳者も有名な越前敏弥さんなので間違いなし!
読みづらさは無いと思います

表紙カバーのイラストについては賛否あると思いますが私はすきです
エラリーはもちろん、クイーン警視(エラリーのお父様)やジューナも描かれており、彼らがニューヨークで生活し、犯罪が起こったときは活動的に動き回り時にはイライラしたりがっかりしたり、大喜びしたり…といろいろと想像できて楽しい

つまり出版してくれてありがとうございます!
ローマ帽子の秘密 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の秘密 (角川文庫)より
4041002567
No.39:
(5pt)

国名シリーズ初めて読みました。

エラリークイーンのローマ帽子の謎は、小難しい文章が一切なく、わかりやすく読みやすいミステリーだと思いました。
クイーン警視とエラリーの会話のやり取りもかわいらしく面白いです。
嗅ぎ煙草や紙巻煙草や葉巻などの古風な名称が出てくる感じも風情があって好きです。
ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104363
No.38:
(4pt)

表紙のデザイン考えて欲しい、しかし内容は一級!

クイーン国名シリーズ第一作にして最高作と思います。
劇場内で男性が変死。観客の中で。
早速クイーン警視は毒殺と判断。しかし犯人は?動機は?驚嘆する状況の格調さは見事。
全くの不可能犯罪。
手掛かりはただ一つ、被害者の持っていた瓶のみ。
フェアプレイの推理、アット驚く解明。
これこそ本格推理の傑作!
困るのは漫画的な装丁、なんとかなりませんか?
ローマ帽子の秘密 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の秘密 (角川文庫)より
4041002567
No.37:
(4pt)

時代の流れの速い事よ

NYの褐色砂岩の家と言えばネロ・ウルフ。このクイーン親子もNYの褐色砂岩のアパートの最上階に住んでいる。もう、そこからして良い時代のNYへのノスタルジーを感じる。NYの探偵といえば褐色砂岩の家というのが私の中では定番。

一作目ということで、クイーン警視の部下の刑事達など、登場人物が激しく多くとっちらかっている。すっきり整頓されていない。最後の公開推理も眠くなった。
でも、やっぱりこれを最初に読んだほうが次からの面白さが違ってくると思う。
探偵ものは大抵、探偵VS警察で後者が間抜けなのだが、こちらエラリーの父親はなかなかできる男。その部下も機転がきいてよく動く。間抜けな警察じゃないけどエラリーの目の付け所と推理が際立って冴える。そして手柄はちゃんと警察の物に。そこが他とちがっていて新鮮かな。

ちょっとネタバレ。
若い読者には、殺人の動機となった脅迫の内容は、どこから見ても黒人の血が入ったメーガンさんが英国王室にお嫁入りする現代ではピンとこないかもしれない。でも、このお話はわずか90年前、見た目はまるっきり白人の男のかなり前の先祖に黒人がいて、それをひた隠しにしている。
その男は舞台俳優なのだが、加えて当時の俳優という職業の社会的地位の低さよ。今では考えられないほど上流階級からは蔑まれていた。かのシャーリテンプルでさえ上流階級の男性と結婚した時には大変だったと聞く。
善悪は別にして、世の中いろいろ変わったよねえ、それもすごいスピードで、としみじみ思う。
ローマ帽子の秘密 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の秘密 (角川文庫)より
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No.36:
(5pt)

7,500ドルの賞金

マンフレッド・リーとフレドリック・ダネイのいとこ同士の2人の合作ペンネーム『エラリー・クイーン』の記念すべき処女作。

1928年にマクルーア誌が7,500ドルの賞金でミステリーを公募し、その時にこの『ローマ帽子の謎』で応募したのが始まりです。2人の合作法は『クイーン談話室』に詳しく述べられていますが、ダネイが登場人物とプロットを考え、リーがそれに肉付けをして小説にするという方法で作り出されていました。本作は見事当選しましたが、マクルーア社が直後倒産したため、受賞は取り消しとなってしまいました。しかし、作品自体はストークス社から出版され、国名シリーズがスタートしたのです。

そして、本作はプロットに合う毒薬の教えを乞うたニューヨーク市毒物係のアレクサンダー・O・ゲットラー博士に捧げられています。
ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104363
No.35:
(4pt)

訳文は読みやすい、でも

創元推理文庫の中村有希訳がいいか、角川文庫の越前敏弥訳がいいか。
訳文の読みやすさ、好み、エラリーの口調、クイーン警視の一人称(「わし」か「わたし」か)、芝居の演目は「ピストル騒動」か「銃撃戦」か。シリーズ名は「〜の謎」か「〜の秘密」か。そしてカバーのイラスト。評価は割れるだろう。
海外の推理小説といえば創元推理文庫で育った身には、前者をひいきにしたくなる。ただ、後者に比べて活字が小さい。これがつらい。せっかく新版をつくったのだから、なんとかならなかったのか。待望の新訳だけに、残念。
ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
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No.34:
(5pt)

【名作】エラリークイーンの1作目であり、「国名シリーズ」の1作目でもあります。さて「読者への挑戦」に答えられるでしょうか?

ご存知、クイーン親子による、記念すべき第一作目で、「国別シリーズの第一作目」、「読者への挑戦状」を入れた第一作目でもあります

概要をネタバレしない程度に言うと、
・悪徳弁護士が、劇場で毒殺される
・シルクハットが無くなっている(=タイトルに関係)
というものです

さて、エラリークイーンの特徴といえば、「本格的推理小説」の中でも論理性を重視したもの
従って、「読者への挑戦状」までで、「犯人を推理するヒントは与えられた」ということになるのですが、読み返すと、「確かに、犯人は、彼or彼女しかいないな」と思いますが、正直、「国名シリーズ」の中でも、個人的には、「エジプト十字架の謎」以外は、犯人はわかりませんでした

また、当時の流行だったのでしょうか、息子のエラリークイーンが、シェークスピア等を引用することが多く、正直、今となっては読みやすいとは思えない部分もあります
しかし、それらの複雑さが相まって、「本格的推理小説を読んだなあ」という満足感では、クイーンが一番かなと個人的には思います

皆さんも、クイーン親子の「読者への挑戦状」に挑戦してみませんか?
ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104363
No.33:
(1pt)

買う気がしない

こういうマンガな表紙はやめてほしい。中身がいかにも安っぽく感じられる。
当然、創元推理文庫を購入することになる。
ローマ帽子の秘密 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の秘密 (角川文庫)より
4041002567
No.32:
(3pt)

アンフェア寄りだが楽しめた

終盤に読者への挑戦状が挟まれ、当ててみろ! と言われるのだが、そこまでの記述では完全な推理はできないはずです。
犯人探しを真面目にしたい読者は、「こいつには無理」「条件が揃えばこいつには可能」くらいのゆるい推理に止めておくのが無難です。
ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104363
No.31:
(4pt)

口笛を吹く親子 1929年出版 翻訳2011年

父は「ニューヨークの歩道」、息子はシューベルトのアリアです。四十年前に創元文庫の旧訳で読んだのですが例によって全く覚えておらず、犯人の動機だけが朧げに記憶の片隅にありました。う〜ん、本格ですね。とても真っ当な推理で「素晴らしい!」という程ではありません。こちらはシルクハットが無いことが謎ですが、JDCの帽子収集狂(1933)はシルクハットが有ることが謎でした。ところでヴァンダインの影響ですが、第1作を読み比べてみたら、言われてるほど似てるかなぁ、という印象。もっと類似点が多いと誤解してました。旧版(井上勇訳)はどこかにしまってあるので比較出来ず。新訳はこなれていて読みやすかったです。
ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104363
No.30:
(4pt)

本格ミステリの醍醐味が味わえるエンタメ性十分な佳作

本格ミステリーの巨匠クイーンのデビュー作で国名シリーズ第一作。登場人物多数で謎解きの前に読者への挑戦状が挟まれる古典的なスタイルを確立したシリーズとしても意義深いと思う。私はミステリファンだが真面目に真犯人捜しに取り組んだりしない気楽な読者。名探偵が披露する名推理を読んでなるほど、と納得して感心するのが常だ。だからこの作品も正しく論理的に推理されているのかどうかはわからない。だがそれでも一応真犯人は誰かと考えながら読むわけで、それがこの上なく楽しいのであり、読者への挑戦状なんてあったら最高にワクワクする。
 そして作者と同名の名探偵の推理の種明かしはやはり素晴らしく、十分に納得出来るものだった。本作の場合それほど意外な真犯人でもなかったが、クイーン氏がその人物を真犯人と確信するまでの推理の論理性に見所があって驚かされた。  
 本格ミステリの醍醐味が味わえるエンタメ性十分な佳作と評価したい。余計な要素が排除されて純粋推理が楽しめるのが本格ミステリファンには楽しいので、そうゆう意味合いでの「エンタメ性」である。恋愛模様だのスリルとサスペンスだのを指しているわけではないのでお間違いなきよう。
ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104363
No.29:
(4pt)

いつもの?

普通に面白かったです。王道の古典ミステリーって感じでした。私はこういうミステリーが大好きです。難しい感想は言えませんが、楽しく最後まで読めますよ。
ローマ帽子の謎 (創元推理文庫 104-5)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の謎 (創元推理文庫 104-5)より
4488104053
No.28:
(3pt)

GOOD

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ローマ帽子の秘密 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の秘密 (角川文庫)より
4041002567
No.27:
(5pt)

非常に分かりやすい訳文

まるで、まったく違う話を読んでいるかのようでした。

今まで、私は創元の旧・新訳、ハヤカワ、角川の旧訳、そして今回の新訳ということで、「ローマ帽子」については
計5種類の訳を読んできました。その結果、今回の訳が最も「ローマ帽子」の魅力を感じることができました。

大御所最大の特徴である「理論」「フェアプレイ」、今回の訳が一番読者に伝わるように訳されています。

さらに、クイーン作品の面白さは、単にその「理論」のみにあるのではない、ということもよくわかります。
特に、ウィットに富んだ表現、エラリーとパパ・クイーンのやりとりは、今回の訳が一番よく表現できていると思います。

クイーンが初めての方、さらに、今まであまりクイーンの魅力を感じることができなかった方にもお薦めですよ。
ローマ帽子の秘密 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の秘密 (角川文庫)より
4041002567
No.26:
(4pt)

訳が優れています

他の国名シリーズの所でも書きましたが、訳が優れています。読みやすいです。カバーは少し残念ですが。(訳がカバーの残念さを上回る魅力を持っています) 後、登場人物一覧は感動しましたね。 クロフツの樽とか、カーの一部の作品とか、登場人物がごちゃごちゃになって、誰だコイツってなりましたけど(悪魔で私の場合。ちなみに私的には、どちらも面白いです)この本はちょっとした人物まで書いている、登場人物一覧(本屋とかで確認してみてください)ですぐに思い出せるから、助かりました。 正直に言うと、同じく角川から出ている、私の好きな横溝正史の作品のほとんどに簡単な登場人物一覧すらついてないのが不思議ですけど。 内容は劇場で殺された男性は、誰に殺されたかというもの。純粋にタイトルどおり、ローマ帽子の秘密を追う場面もあります。 星4にしたのは、少しだれたかなあって理由で。 まあともあれ、本格推理小説初心者にはちょうどいい作品でしょう。
ローマ帽子の秘密 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の秘密 (角川文庫)より
4041002567
No.25:
(5pt)

本当に最高の訳文なのかもしれない

ミステリ好きなら、知らない人はいない、ミステリ界の巨匠。
そのデビュー作である、本作品が新訳で登場。
中学生以来の再読です。

じつは私、この作品には、それほど大きな思い入れはありませんでした。
当時は、同じ著者の「悲劇4部作」の方に傾倒していました。
本作品は、「誰が犯人か?」という謎をロジックで探索していくというもので、トリック分類に出てくるような、「意外な犯人」や「驚くべきトリック」があるわけではなく、中学生の私は十二分に楽しめるだけの力量がなかったのかもしれません。

しかし、それから何十年も経ち、あまたのミステリを読んだうえで、再読してみると、全く長さを感じさせず、「これこそ、本格の名に恥じない傑作」と感銘しました。
大著でありながら、無駄のない構成と、何より、ロジックにより犯人を見つけ出していく物語がこれほど面白いものとは思ってもいませんでした
(初読から年月がかなり経っており、細部を忘れていたため、ほとんど新鮮な感覚で読めたことも大きな要因ですが…)。

感想はいくらでも書けてしまうので、2点に絞って述べます。

【登場人物一覧に工夫】
翻訳ものだと、そもそも人名が覚えにくいうえ、本書のように、登場人物一覧が見開き2ページにわたりビッシリとなると、それだけで嫌になってしまう方もいるでしょう。
ところが、本書は、職業などを記載した一般的な「登場人物一覧」のあとに、著者が、読書の助けにと作った「登場人物一覧」があるのです。
こちらの一覧は、ほぼ人物の登場順に名前が記載され、人物名の後に、著者の「ひとこと人物評」が載っています。
これを時折参照しながら読むと、「この人物は誰で、いつ登場したんだっけ?」という混乱がなく済みます。
ちなみに、この登場人物一覧、初読した本を本棚から取り出してみたところ、載っていませんでした。

【巻末解説が充実】
「本作品」ではなく、「本書」をオススメするのは、巻末解説が充実しているからです。
解説の後半は、「ネタバレ版」で、読後の方向けになっています。
本作品は、「読者への挑戦状」が挟まれていることが有名ですが、解決編の重要な部分で、ファンの間で、「アンフェア」だとされている部分がありました。
ところが、それは、「これまでの訳文は不十分だった」ためだ、と指摘。
つまり、日本語の訳文として間違えているのではないが、「伏線」として不十分な訳になっているために、著者の意図が正確に伝わっていなかったというのです。
ちなみに、初読した本でその部分を参照してみたら、確かに、「伏線」として十分に機能しない訳となっていました。
──とすると、私のように、著者の「フェア」な文章を知らないまま過ごしてきた方が大勢いらっしゃることになるのですね。
本書のような配慮の行き届いた訳が出回っていたら、日本国内での、本作品の評価はもっと高まっていたのではないでしょうか?
ローマ帽子の秘密 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の秘密 (角川文庫)より
4041002567
No.24:
(5pt)

これが「読者への挑戦状」!

本作品は、「読者への挑戦状」というのがある。
これは面白い趣向!!
推理に必要なネタを全て挙げて読者に
犯人がわかるかどうか挑戦している。
この形式は、新鮮!
でも実はかなり古い作品で、
綾辻行人の「どんどん橋、落ちた」はこれをパロッている。
ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104363
No.23:
(5pt)

近代本格推理小説の夜明けを告げた第一歩

衆人環視の満員の劇場の中で殺人が発生しクィーン警視親子以下が捜査に入るが・・・というお話。
あまりにも有名な本格推理小説のシリーズ第一作。多すぎる容疑者、満員の中で不可解に殺されたのにいない目撃者、敵の多かった人格の悪い被害者・・・といういかにもという設定で展開されるミステリで、冒頭で提示された謎が結末で合理的に収束していくところなどは推理小説を読む喜びを満喫させてくれます。処女作ということで後の傑作群に比べると若干弱い部分もあるかもしれませんが、発表から80年経っても古びていず、面白く読めるのは驚異的だと思います。なので作品の面白さだけだと☆4つくらいですが、歴史的価値を鑑みて5つにしときました。
国名シリーズはいずれ全て新訳ででるようですが、それ以外のクィーンの作品も新訳復刊されると嬉しいですね。
ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の謎【新訳版】 (創元推理文庫)より
4488104363
No.22:
(5pt)

マニアだけでなく、沢山の人に

国名シリーズ1作目の新訳。

今更ながらの新訳。解説にもあるが、既存の翻訳書は翻訳の部分で誤訳などがあり、その辺りの不備を改善する、という意図もあったらしい。個人的には、「読者への挑戦状」があったからといって、特に推理しながら読むということもないので、大きな問題はなかったが、確かに昔読んだ(図書館で借りた結構前の)翻訳だと、日本語文から、ここは関係詞の文を訳しているのだな、といったことが分かるような訳文だったので、読み易さ、正確さ、という観点から訳が見直されているのは普通にありがたい。

フェアかアンフェアかという、言ってみればややマニアの視点からの評価というのが多くなりそうだが、そういったことは抜きにしても非常に面白い本なので、より多くの人が読んでみてもいいのでは、と思う。『ローマ帽子』だけでなく、以降の作品の新訳も角川から出ているし、ドルリー・レーンのシリーズの方も角川から出ているようで、ひょっとすると本国以上に恵まれている環境を利用しない手はないと思う。ぜひ、途中でやめずに、いっそのこと全作新訳で出版くらいのことをやって欲しい。
ローマ帽子の秘密 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:ローマ帽子の秘密 (角川文庫)より
4041002567

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