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火刑法廷
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火刑法廷の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全52件 21~40 2/3ページ
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カーの中では代表作ではないが、やはり本格推理ものは英米が発祥というだけあって、安定した内容である。 | ||||
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本作がI~IVまでで完結するのなら、探偵役はフェル博士でもよかったわけであるし、この部分に関しては、「怪奇・オカルト趣向と本格推理の融合」といったカーに対する常套句は充分当てはまる。 が、ゴーダン・クロスという使い捨ての探偵キャラを登場させ、そしてそそくさと「退場」させたのを見れば、本作のたくらみは初めからV(エピローグ)にあったのは明らかで、このエピローグの挿入によって、この小説は怪奇と合理のバランスを破壊し、その境界線を大きく超えてしまったということになる。 このエピローグはそれ以前の物語全部をメタ的な入れ子構造に押し込んだ、一種の叙述トリックであるともいえるが、それは、例えばあの「アクロイド殺し」にも増して、ミステリ小説そのものを根っこから否定する所業と言うべきで、ミステリ作家であるカーにとっては生涯に一度の賭け、大博打であっただろう。 その結果が吉と出たか凶と出たかは読者が決めることだし、本作を普通の意味での「傑作」と呼ぶのはいささか憚れるが、いずれにしても、この小説がカ―最大の問題作にして異色作であるのは間違いない。 | ||||
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有名な作品だということで購入。予想もしなかった展開で面白かったです。 | ||||
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フェル博士もH・M卿も登場しない作品。出だしから最後まで息もつかさず読み飛ばすことは少々難しいが、本格推理の要素とオカルトの要素が混じり合っている。この新訳も例によって旧訳よりずっと読みやすく、旧訳では首を傾げることが多かったが、それはない。是非読んで欲しい作品です。 | ||||
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最後にどんでん返しがありますが、そのどんでん返しに必然性も説明もないので、消化不良感だけが残ります。 二通りの解釈が成立する、との解説もありますが、順番に読めば最後の部分が結論に決まってるし。 だからこそ「オカルト」若しくは「怪奇小説」としても素晴らしい、という評価をよく目にしますが、私には全く理解不能です。 探偵史上屈指の名作、ということになっていますが、何じゃこりゃ?って人も多いのでは? | ||||
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しばらく前に買って読んだので、記憶が・・・・まだ読み直していないので、そこまで面白い作品ではなかった気が・・・ | ||||
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マジックには必ずタネがある。「タネも仕掛けもございません」という前口上とは裏腹に、ありえないような不合理な現象には必ず合理的な仕掛けが隠されている。しかしその仕掛けがわれわれ観客には分からない。だからこそ観客は魅了される。仕掛けが分からない悔しさは、その現象の面白さによって凌駕される。仕掛けがあるはずだと分かっているからこそ観たいと思うのだし、また安心して観ることができる。 しかるにもしもそのマジックが、本当にタネも仕掛けもないとしたらどうだろうか。すなわちそれがマジックではなく、いわゆる超能力と呼ばれるたぐいのものだったらどうだろうか。それはもはやエンターテインメントではなく、観察もしくは研究の対象でしかあるまい。鳥が空を飛ぶのが当たり前であるように、超能力者が超能力を使ったところで何の驚きもない。 むろんそういう小説があってもいい。小説とはどのみち作り話であり嘘なのだから。だがいかなる小説でも、その小説なりの暗黙のルールのようなものがあるだろう。やっていいことと悪いことがあるだろう。例えばミステリーにおいては、超能力の使用は禁じ手ではないだろうか。 ハヤカワのミステリハンドブックでは、本作がカーの最高傑作と評されている。個人的には『皇帝のかぎ煙草入れ』や、カーター・ディクスン名義の『読者よ欺かるるなかれ』の方が好きである。カー入門としてはお薦めできないものの、歴史的価値を加味して星四つ。 | ||||
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ジョン・ディクスン・カー「火刑法廷」を読了。カーの代表作であり、ミステリの名作ですね。本作は何といっても、正統派のミステリの要素とオカルティックなホラーの要素が見事に融合されています。事件の謎解きには、正しくミステリの手順に従い、我々の溜飲を下げてはくれるが、ラストでその下がった溜飲の行き場を探してしまう。ホラーの要素が最前面に出てくるのです。そのバランスが素晴らしいし、両方の要素が破綻せず、存在していることに圧倒されます。 そもそも読んでいて面白い作品なので、古典ではありますが、読まず嫌いはもったいないですよ。 | ||||
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カーの作品中は勿論のこと、海外ミステリでは私のベスト3に挙げる傑作。 「新訳版」ということで期待! ・・・? ・・・・・なんじゃ、こりゃ!? おそらく旧訳版を意識したのだろうが、これ、一種の「超訳」でないかい? 原書に忠実、とは言い難い。訳者には申し訳ないけど「やりすぎ」。 星一つもつけたくない。 | ||||
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新訳でトリック解明箇所が理解しやすくなってるかと期待して入手。 ストーリーもトリックも犯人も覚えているので、本文は後からゆっくりと楽しむつもりで、 このレビュー記述段階では後書きの解説のみ読了。 ・・・で、やけにモチベーションが下がってしまった。 スカスカの解説、というか粗筋紹介とただの個人的感想で、なんか名作を穢された気分・・・ アイドル系の歌手や俳優が書いたようなならまだしも、肩書が書評家でこの程度の内容って、 早川書房さん、もう少し出版物を大事にして欲しいです。 なんならこの4頁、既刊案内でよかったのでは。 作品としては贔屓目もあり★5つにしたかったが、書籍としての評価は解説で−1。 | ||||
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30年ぶりに読みましたが、これほど魅力的な作品だったのかと感心し、評価を改めました。 本作は、アメリカのフィラデルフィア郊外を舞台に、ある老人の死を発端とした殺人の疑惑の解明が、17世紀の連続毒殺者ブランヴィリエ侯爵夫人をめぐる因縁話をからませながら行われて行きます。主人公は、手にした一枚の写真から、不死の毒殺者の影が徘徊する悪夢のような世界に巻き込まれ、理性と不合理の間を行き来することになります。 この怪奇趣味と、不可能趣味が横溢する人物消失と死体消失の謎、そして驚愕の最終章が、この作品に不滅の魅力を与え、ミステリィの金字塔としています。 またこの作品は、フェル博士やH・M卿といったおなじみの人物が出てきませんが、登場人物達(特に女性)の描写が良く書けていて、多作家のカーにあって、とても大事に書かれた小説なのではないかと感じられました。 未読の方はもちろんのこと、かつて旧訳版で読んであまり良い印象を持っていない方にもお薦めです。 | ||||
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'@後の「皇帝のかぎ煙草入れ」に通ずる心理トリック(動かしがたい事実と思われていたことが、実はある一人の人物の供述に過ぎなかった)と 'Aラストの大どんでん返しが秀逸。 しかし、そのいずれも、よりブラッシュアップされた作品が現代では溢れているので、結局この評価。 | ||||
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カー作品は初めてです。偶然書店で目に付いた折、 以前から興味を持っていた作家でもあったため、購入に至りました。 文庫本にしては高いですね。値段をろくに見ずに購入したため、おったまげました。 新訳ってこんなに高いもんでしたっけ? とそんな前置きはさておき、本書「火刑法廷」は本格ミステリーと怪奇小説の要素が 複雑怪奇にまじりあいながらも、それが絶妙な匙加減で調理されているため、 ミステリー好きには勿論、怪奇小説好きの読書家も楽しめる造りとなっています。 「こう来るだろう」と思っていた予想は必ずその斜め上で裏切られる。 良質のミステリーを読み終えたときのような「やられた感」を幾度も味わうことが できるのはあまりあることではないですし、作者の意図したようにこちらの感情が 揺さぶられるのは悔しくもあり、楽しくもあります。 上手に嘘をつかれるといっそ清々しくなるような気分、とでも申しましょうか。 そして訪れるエピローグ。カーの実力のほどをこれでもかと見せつけられます。 この辺りに来ると、開いた口がふさがらずに、顎が痛くなってきます。 「凄ェ……」の一言です。説得力のある結末。それでいて矛盾のない伏線。 後世の名だたる作家に影響を与えたということにも思わず「そりゃそうだわ」と 言いたくなります。 素晴らしい読書体験でした。 | ||||
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個人的には『火刑法廷』が嫌いだった。 この作品には、死体を一時的にある場所に隠し、また隙を見て別の場所に移動するトリックが使われている。 しかし旧訳での、その死体の隠し場所を表す訳語では、一般的な日本語の感覚からすれば、大人の死体を簡単に出し入れできるほどの容積があるとは、到底思えないのだ。 正直、私は最初に旧訳を読んだ時、その隠し場所を改める場面で、 「そんな死体が入るとは到底思えない場所まで確かめるのは、いかにもカーらしいドタバタ描写」 だと思った。 それが、事件の解明に至って突然、実はその場所は大人の死体が入るほど大きいのですと言われて、アホかと呆れたものだった。 もし、あの場面を映像化したり漫画化したりすれば、死体を楽に出し入れできる容積のある、お誂え向けの隠し場所が目の前にあるにもかかわらず、バカな登場人物たちは見逃してました、という展開がハッキリ見えるはずだ。 今回の新訳では、隠し場所の訳語が改善され、言わば、見え見えの死体移動トリックを見破ったと感じた読者に最後の最後で背負い投げを食わす形に、改善されている。 それだけでも、新訳の意義があったと思う。 逆に、この作品を旧訳でしか読んでいない方は、あそこに死体を隠してましたと言われて、いったんは納得なさったのだろうか? | ||||
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誤訳、意味の分からない日本語が最後まで続き、読み通すのに強いストレスを感じます。 訳者さん、版元さん共々、しっかりとした矜持を持って世に送り出して欲しかったと心から思います。 | ||||
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カーの作品を読んだのはこれが初めてです。 感想は、タイトルどおりに「なかなか面白い」です。最後の方で犯罪研究家のクロスが、物語中に張り巡らされた伏線を一つずつ明らかにしていくところなどは面白いと素直に思えました。しかし主人公の妻マリーの出生、また彼女とそっくりの毒殺犯マリー・ドーブリーの写真に関しての種明かしは疑問が残りました。なんというか、いまいち現実味が欠けていて(ただ似ているからという理由で養子にした所など)、少し頭をかしげてしまいます。あの部分はもうすこし上手いからくりを用意してほしかったです。だから星は一つ減らし、感想も「なかなか面白い」で留めておきます。 | ||||
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だまし絵、をご存知でしょうか。 逆さにすると、まったく別の絵に見えたり、少し視点を変えるだけで、元絵とはまるで異なる 絵が見える、トリックアートの元祖です。 この小説、最終章において恐るべきだまし絵効果を発動させます。 あった事がなかったことのように、なかった事があった事のように。 起きた出来事の解釈も全て。しかし、確定ではなく、読む者の見方によって、 結論は異なるのです。それも、小説のジャンルごと入れ替わってしまうのですから、 作者の仕掛けたトリックのアクロバット性は空前です。 見方によっては、一種のリドル・ストーリーとさえいえるでしょう。 読み手が最後に結末の選択を迫られる、結末の書かれていない小説のことです。 あなたは、この結末をどう読みますか。もちろん、飛び離れたアクロバットのせいで、 嫌悪感を抱く人もいるでしょう。 しかし、トリック、意外性という意味では、特級のどんでん返しです。 読む人を選ぶのは事実。あなたはどうでしょう? | ||||
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暫く品切れの状態でしたが、なんと新訳でで再刊されました。世評では、カーの作品中1、2を争う出来で、幻想・怪奇趣味が強いものの、推理小説愛好家なら当然読んでいて然るべき作品でしょう。作品の下敷きに稀代の毒殺魔、ド・ブランヴィリエ侯爵夫人(以下ブランヴィリエと略す)を持ってきて、それに不死者伝説(死者の再生)を絡ませ、作品を巧妙に盛り上げています。消える女、消えた遺体、蘇った死者等の謎を破綻なく、合理的に解決し、推理小説として、ちゃんと辻褄を合わせています(少しネタバレになりますが、詳しく見れば、季節は、4月ぐらいだから、防腐処理をしていても、臭いはあるだろうし、ましてそれ以上のことをするとなると・・)。 少し、ブランヴィリエについて補足しますと、愛人と共謀し、父親、兄弟姉妹を次々と毒殺し、最終的に捕らえられ、裸で海老ぞり状に括られ、皮の漏斗で水を無理やりたらふく飲ませられ、一杯になると腹、胸を殴打され、無理やり吐かせ、そして、それの繰り返し、それでも彼女は、自白しなかったそうです。そして、最終的にギロチンで首をはねられ、即焼却されたそうです(当時、遺体を焼かれるのは非常な恥辱と考えられていました)。 通読して、素晴らしい推理小説になっています。しかし、最終章を読むと、どんでん返しで、また、見事な怪奇小説にもなっています。 本書は、高名で、私が読みたいと思ったときは、ポケミスが絶版で、一度古書店で実物を見ましたが、高額で手が出ませんでした。しかし、早川書房が文庫を創刊した時本書が出て、ようやく読むことが出来ました。しかし、カーの作品は、マニアックなフアンが多いが、多数ではない為か?直ぐに絶版、品切れになることが多いようです(特に早川書房)。今後は、このようなことにならないよう、継続的な維持をお願いします。 | ||||
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ここのレビューでもそうですが、この作品を評する時に「本格ミステリと×××の融合に成功した傑作」というフレーズが良く使われますね。でも、これって「ネタばれ」でしょう。最後の×××を指してのことでしょうが、これは×××と思ってずーっと読んで×××に××して、そのうえで×××だと×××××される……自分でも何書いてるかわからなくなりました(笑)要するにミステリを評するのは難しいんだなってことです。この作品などは、なんの予備知識もなしにまっさらの状態で読んでみたいですね。情報化社会では不可能に近いことですが…… | ||||
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論理と超論理、理性と幻想が騙し絵のように交錯し登場人物と読者を翻弄する。 エピローグの驚きと、それがもたらす戦慄は特筆すべき。 先だって新訳で再刊されたヘレン・マクロイ『暗い鏡の中に』と並ぶ謎解きミステリと怪奇小説の融合を有機的に果たした傑作。 カーの作品は時に作者の旺盛なサービス精神がアクの強さとなって、読者を選ぶ傾向があることを否定できないが、 本作の奇跡的といってもよい完成度は黄金期ミステリの金字塔であり、全てのミステリファン必読の一冊。 | ||||
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