火よ燃えろ!



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初公開日(参考)1960年01月
分類

長編小説

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火よ燃えろ (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-5)

1980年02月29日 火よ燃えろ (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-5)

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書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

火よ燃えろ!の総合評価:7.86/10点レビュー 7件。Cランク


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(7pt)

時代性を上手く扱った佳作

カーは後年歴史ミステリを数作著しているが、本書もそのうちの1冊。しかしカーの歴史ミステリというのは他の作家とは違った特徴がある。
通常歴史ミステリとはその時代の実在の登場人物、もしくは架空の登場人物を探偵役にしてそのときに起こった事件の謎を解く、もしくは現代の人物が過去の文献や資料を当たって、歴史の闇に新たな見解を示す物と大きく2つに分かれるだろう。
カーの歴史ミステリはこの2つのジャンルミックス的なものといえる。彼の作風は現代の人物がタイムスリップしてその時代に云って騒動自体に巻き込まれて事件を解き明かすという一風変わった特徴がある。

さて事件の内容はといえば、ロンドン警視庁の警視がタクシーに乗っていたらいつの間にかそれが二輪馬車に変わっており、1829年のロンドンにタイムスリップし、創立間もないスコットランド・ヤードの一員となって、不可解な射殺事件を解き明かすといったもの。
私は英国史はもとより世界史にもさほど精通していないため、本書でどのような歴史的事実が盛り込まれ、活用されたのかは寡聞にして解らない。が、しかしカーの歴史ミステリの主眼は従来の作家が採る歴史上の謎となっている事件を持論を以って開陳するものではなく、その時代でしか成立しなかった犯行・トリックを使うがために歴史をさかのぼっている節がある。現代の日本人ミステリ作家でたとえるならば、二階堂黎人氏の二階堂蘭子シリーズや京極夏彦氏の妖怪シリーズが正にその設定を採用し、自己薬籠中の物として次々と作品を生み出している。
で、その結果、カーは時代を退行することによって生じる読者への先入観を上手く引き出し、成功しているといえよう。本書の射殺事件に使われた物こそ、この時代あってこそのものであり、それを上手くミスディレクションとして使っている。
それに加え、当時の風俗、風景描写に躍動感があり、正に水を得た魚のような筆致である。元々カーは若い頃から歴史物やノンフィクションを著しており(『深夜の密使』、『エドマンド・ゴドフリー卿殺害事件』)、このジャンルに興味があったようだ。

ただこの特異な趣向が万人向きかと云えば、全面的に肯定できないところがある。タイムスリップという非論理的な趣向と事件を論理的に解き明かすという趣向が混じっているため、物語のスタンスが一定しておらず、なんだかちぐはぐな印象を受けるかもしれない。それは私も同様で、本作に対する評価があまり高くないのもこれがフィルターとなってしまったことによる。
物語について寛容になった今ならば、この作品は改めて楽しく読めるのかもしれない。時間があれば再読することも頭に入れておこう。

Tetchy
WHOKS60S
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.6:
(3pt)

カーの作品の中では水準作といった印象

主人公が100年前のロンドンにタイムスリップする発端から、富豪の夫人の鳥のえさが盗まれる奇妙な事件を担当させられるやいなや、その事件の深層を看破する序盤は快調な展開。

殺人事件が発生してからも、アクションやロマンスを織り交ぜつつ主人公の活躍を描くカーの筆運びにこれといった欠点は見当たらず。
さすがカーといったところだが、今一つ物語世界には入り込めず。

なぜかといえば、不可能状況はありつつも、早い段階で犯人の正体は被害者の愛人であると勘で?断定されることによって、容疑者から女性が除外されて数少ない男性だけが残ってしまい、また動機も明らかとなってしまったため、謎の吸引力が弱くなってしまったからだと考える。あと、自分と訳文との相性も悪かったように思う。

それと、不可能トリックは平凡だし、犯人の意外性がないのはいいとしても、ミステリ部分には大きな不満が残る。

一つ目は、ある人物が、主人公から質問されなかったから、という理由で重要な事実を主人公に伝えないこと。ある人物の属性からしても、こんなことはありえない。

二つ目は、犯人は別の人物に疑いを向けるための偽装工作を行うが、その工作はちょっと調べればすぐに破たんしてしまうということ。

本作がミステリ部分に多くの比重をかけていないとはいえ、この2点は看過できない。

カーの力量からすれば、水準作といったところではなかろうか。
火よ燃えろ (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-5)Amazon書評・レビュー:火よ燃えろ (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-5)より
4150703558
No.5:
(3pt)

あまり

しばらく前に購入したので記憶が定かではありませんが。。。また読み直してみます。
火よ燃えろ (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-5)Amazon書評・レビュー:火よ燃えろ (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-5)より
4150703558
No.4:
(5pt)

タイムスリップ!

タイムスリップする斬新なミステリーです。でもタイムスリップしたからといって古臭さは微塵も感じませんでした。何よりも惹かれたのはところどころにちりばめられている巧妙な手口。特に賭博上のいかさまのトリック、なんかは思わず舌を巻いてしまいました。無論事件のほうも巧妙で読者が思いつかないような派手なことをやってのけてくれて、勘ぐる事が出来ないのです。一気読みできた、密度の濃い本です。
火よ燃えろ (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-5)Amazon書評・レビュー:火よ燃えろ (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-5)より
4150703558
No.3:
(5pt)

タイムスリップ!

タイムスリップする斬新なミステリーです。
でもタイムスリップしたからといって古臭さは
微塵も感じませんでした。

何よりも惹かれたのは
ところどころにちりばめられている
巧妙な手口。
特に賭博上のいかさまのトリック、なんかは
思わず舌を巻いてしまいました。

無論事件のほうも巧妙で
読者が思いつかないような派手なことを
やってのけてくれて、勘ぐる事が出来ないのです。

一気読みできた、密度の濃い本です。
火よ燃えろ! (1980年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:火よ燃えろ! (1980年) (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
B000J89UEU
No.2:
(4pt)

冒険とトリックを兼ね合わせた作品

カー後期の歴史ものでは、この作品が「ビロードの悪魔」と並んで好きです。まず主人公チェビアト警視の活躍は誰がよんでも痛快で楽しめると思うし、歴史ものでは珍しくカーは不可能的トリックに挑戦しているのです。  薄暗い廊下で、三人の人物が見守る中、一人の女がどこからともなく飛んできた銃弾に貫かれ、死亡する。犯行が可能だった人物はその時拳銃を所持していた女性のみ。まあ、例によって主人公チェビアトはその女性に恋しており、その事実を隠蔽するわけですが、当然真犯人は別にいます。しかし、他の人物が女を射殺するのは不可能だったはず、それなら誰が、どうやって?という事件です。 しかし、正直なところカーは不可能犯罪に挑戦してはいますが、トリックはさほどではありません。どちらかというと、フーダニットの面を高めた作品でしょう。けれども、前述した通りこの作品はとにかく主人公チェビアトの活躍が痛快で楽しめます。本格ミステリとしてはさほどではありませんが、カーの作品の多くにもれず、どこか、愛着の涌く作品です。面白いので、カー好きならぜひ読んでみることをお勧めします。
火よ燃えろ (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-5)Amazon書評・レビュー:火よ燃えろ (ハヤカワ・ミステリ文庫 5-5)より
4150703558



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