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五匹の子豚
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【この小説が収録されている参考書籍】
五匹の子豚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全78件 41~60 3/4ページ
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「16年前に殺害された画家の父親殺しの罪で獄中死した母親の無実を証明して欲しい」 うら若い女性がポアロの前にこう言って現れた。とっくに解決済みの事件だった。 ポアロが当時の証言を検証していく過程で新事実を突き止めていくのですが、ここがすごく冴えていて 平凡な捜査になりがちなのに、巧みな聞き取りで読者を物語りに惹き込んでいきます。 アガサ・クリスティの置いた手懸かりを求めて、読み進めるうちに長い時間に隠されていた人物像や 登場人物一人一人の話しぶりや、事件当日の細かな状況、決して表面ではわからない何重にも入り組んだ パズルを解き明かしていく様子はまさに「英国ミステリー」だなと、改めて脱帽です。 この頃のアガサの作品では「杉の柩」があり、こちらも素晴らしいミステリーなのですが、単なる「犯人探し」 ではなく、人間心理に深く傾倒し心の奥底の襞の中にある、仄暗い「何か」を巧みに描いているのが解かります。 深く見据えた人物像と「この人物の何が殺人に走らせたのか」という点に重きを置いて、我らを結末へ導きます。 英国人の気質である淡々としあまり感情を表情に出さない、そんな国民性を逆手に取った「人間洞察ミステリー」 とでも、言おうか…人間の本質の奥深い部分に、手が届くような作品に最後は「やられた!」と唸らされてしまった。 クリスティと言えば「ABC殺人事件」「オリエント急行殺人事件」「アクロイド殺し」「そして誰もいなくなった」 などがあるけど、あえていいうなら「五匹の子豚」は隠れた名作で油が乗ったクリスティ中期の代表作ともいえます。 その作品が新訳で再販され、うれしいことに昔の文庫の装丁で復活したのがうれしい、味わい深くて思わず手に取りました。 全体的にすっきりとした翻訳で、ポアロの語りの滑らかさが今までの翻訳とは異なり、個人的にはこちらで正解だったと 大変満足しています。 | ||||
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本作はまたもや我等のヘイスティングスが不在!!で切ないのですが、謎がじわじわ明らかになる過程がとてもスリリングで面白かったです。 かなりあちこちでヒントが出されているので犯人自体は途中で分かってしまいましたが、それでも人間心理の妙を利用した筋の組み立てとその処理の見事さに「うまい!!」と膝を打ちたくなりました。容疑者全員の話を1章ずつ順に並べていく手法は『オリエント急行』を思い起こさせますね。読んでいて「えええ、まだこれから5人分の供述あるの??必要なんだろうけど話が重複するし長い!犯人多分あの人なのにいい!」とちょっとじりじりしましたけれど(笑)。 本作は、映画の『市民ケーン』を髣髴させる作品だなあとも思います。ひとりの人間が、本当にどういう人間であったのかを知るということの困難さ、同じ人間が見る人によってかくも印象が異なるという奇妙さなどを感じさせられます。また作中で言及のあるモームの『月と六ペンス』はゴーギャンをモデルとした画家ストリクランドを主人公とした物語で、本作の被害者の、常人には理解しがたいはた迷惑な生き方(芸術家のそれ)を暗示していますね。 ドイツの児童文学作家エーリヒ・ケストナーの、離婚を正面から扱った名作『ふたりのロッテ』でも、愛する妻の涙さえも芸術の糧にしてしまう音楽家の父親が出てきます。芸術のデーモンにとり付かれたら本人にもどうしようもないのでしょうが、正直、本当あんたいい加減にしろよっていうかこういう人って個人的には好きになれません(笑)。ロッテのお父さんは子どもの為にちょっと改心するからいいですけれど、ストリクランドと本作の被害者は子どもに代わってぶん殴りたいです(殴られてめげる人たちじゃないでしょうけどね)。 映画で観たのですが、音楽家ショパンも恋人ジョルジュ・サンドに対する甘え方が駄々っ子だったものなあ・・。やはりショパンもサンドの子供達と嫉妬しあっていました。板ばさみになるサンドが健気で、可愛そうでならなかったです。・・私、言っていることが完全に本作のウィリアムズ先生ですね(笑)。 ともあれ本作は、どの人物の描写もリアルで、「こういう人いるよねぇ」感が秀逸な作品でした。未読の方はぜひ!! | ||||
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女史の死後出版された「スリーピング・マーダー」の方がこの作品よりも先に書かれていたらしいが、どちらにせよこの作品が”回想の中の殺人”を扱った初期の作品であることに変わりはない。 新しいテーマに挑みつつもミステリとして王道な作品であり、また登場人物の心情描写なども含め素晴らしい出来だと思う。 おそらくこの作品がクリスティ女史の代表作として名が挙がることはないと思うが、女史の場合代表作とされる作品は乱暴に言えば”トリック=作品の内容すべて”となってしまっていることも多く、この作品のように読まなければ良さがわからない、味わい深い作品が広く読まれないのは残念に思う。 ”五匹の子豚”たちの証言で明確な嘘をついているのは犯人だけ。 他の人物たちは会話の内容が意図するところを前後の状況から勘違いしたりしていたのだが、5人が再構成した過去の事件をすべて照らし合わせていくとその会話が実は全く別の意味を持っていたというところなどが興味深い。 また、本作品のポアロの目的はカロリンの無実を証明すること。 故に、ラストはあの終り方でよかったのだと思います。 ラストの犯人とポアロの会話、この作品のなかである意味もっとも印象的なシーンかもしれない。 『五匹の子豚』、この作品は何とも言えない哀れさを感じさせる犯人が印象的な作品だと思う。 | ||||
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約20年ぶりで読んだクリスティーの作品でした。 この作品は、過去の殺人を扱ったもので、夫殺しの容疑者のまま亡くなった女性の娘が、依頼人としてポワロのもとを訪ねるところから物語が始まります。 決して多くはない登場人物たちは、いずれの性格造形も見事であり、証言の内容や話し方、そしてその服装や物腰によって、それぞれの抱える複雑な心理や性格を、巧みに描写しています。 人間の行動や言葉、そして夫婦、親子、兄弟、友人同士といった人間関係でも、決して表面上では分からない、二重三重の複雑に交錯する要素を、見事に解明していくところが印象的です。 また、身勝手な芸術家の夫と、夫を殺害した嫉妬深い妻とされてきた、夫婦の真実の姿が見えたところで事件が解決するという展開もとても好きなところです。 慎み深く、感情を抑制するのが美徳とされるイギリス人。本作はその本当の心理を探るという点で、まさに英国ミステリーの見本とも言うべき作品です。 小説の読み方も若い頃とはずいぶん変わったことも実感させられました。このタイミングで本書に出会えたことをとても嬉しく思います。 | ||||
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約20年ぶりで読んだクリスティーの作品でした。 この作品は、過去の殺人を扱ったもので、夫殺しの容疑者のまま亡くなった女性の娘が、依頼人としてポワロのもとを訪ねるところから物語が始まります。 決して多くはない登場人物たちは、いずれの性格造形も見事であり、証言の内容や話し方、そしてその服装や物腰によって、それぞれの抱える複雑な心理や性格を、巧みに描写しています。 人間の行動や言葉、そして夫婦、親子、兄弟、友人同士といった人間関係でも、決して表面上では分からない、二重三重の複雑に交錯する要素を、見事に解明していくところが印象的です。 また、身勝手な芸術家の夫と、夫を殺害した嫉妬深い妻とされてきた、夫婦の真実の姿が見えたところで事件が解決するという展開もとても好きなところです。 慎み深く、感情を抑制するのが美徳とされるイギリス人。本作はその本当の心理を探るという点で、まさに英国ミステリーの見本とも言うべき作品です。 小説の読み方も若い頃とはずいぶん変わったことも実感させられました。このタイミングで本書に出会えたことをとても嬉しく思います。 | ||||
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16年前、夫殺しにより服役中に獄死した母親カロリン・クレイルの無実を晴らして欲しいとその娘カーラから依頼を受けたポアロは、5人の関係者(容疑者たち)から当時の状況を聞きだした結果、真相にたどり着くという本書、「佳作」とか「小品」と評するものが多い。 面白いことは請合う。なかなかよくできており筋がしっかり通っている。しかし、真相がわかりやすすぎて意外性に欠ける。 まず、カロリンが誰かをかばっていること、またそれは誰かということは誰にでもわかることだろう。 また本書の構図は虚飾を剥ぎ取って見れば、結末までポアロはそれを明確にしないが「動機」対「機会」に集約される。 動機はあるが機会がない(ように見える)者、機会はあるが動機がない(ように見える)者、さらには両方ともない(ように見える)者。これらに着目すると、自ずとこの人物しか犯人として考えられないという結論に達してしまう。 こういうところが、本書がベスト10級の傑作に評されない理由なのだろうと思う。 なお、本書は作者が好むマザーグースものとしても知られるが、歌詞のとおりに殺人が起きる訳ではなく、登場人物たちからポアロがマザーグースを連想するのと、歌詞が章の表題に用いられているというだけのことで、ポアロの連想もこじつけくさい。 | ||||
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16年前、夫殺しにより服役中に獄死した母親カロリン・クレイルの無実を晴らして欲しいとその娘カーラから依頼を受けたポアロは、5人の関係者(容疑者たち)から当時の状況を聞きだした結果、真相にたどり着くという本書、「佳作」とか「小品」と評するものが多い。 面白いことは請合う。なかなかよくできており筋がしっかり通っている。しかし、真相がわかりやすすぎて意外性に欠ける。 まず、カロリンが誰かをかばっていること、またそれは誰かということは誰にでもわかることだろう。 また本書の構図は虚飾を剥ぎ取って見れば、結末までポアロはそれを明確にしないが「動機」対「機会」に集約される。 動機はあるが機会がない(ように見える)者、機会はあるが動機がない(ように見える)者、さらには両方ともない(ように見える)者。これらに着目すると、自ずとこの人物しか犯人として考えられないという結論に達してしまう。 こういうところが、本書がベスト10級の傑作に評されない理由なのだろうと思う。 なお、本書は作者が好むマザーグースものとしても知られるが、歌詞のとおりに殺人が起きる訳ではなく、登場人物たちからポアロがマザーグースを連想するのと、歌詞が章の表題に用いられているというだけのことで、ポアロの連想もこじつけくさい。 | ||||
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ポアロもので、最初の方に読んだので、古い版で読みました。 本書は、文字も大きくなって、電車の中で読むのには読みやすくてうれしいです。 マザーグースが題材になっているので、マープルものかと思いましたが、 ポアロものなのですね。 結論はわかりませんでしたが、同じ筋でマープルものにしたらどうなっただろうかと感じました。 アガサクリスティは、この題材をなぜマープルで仕立てなかったのだろうかと。 | ||||
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ポアロもので、最初の方に読んだので、古い版で読みました。 本書は、文字も大きくなって、電車の中で読むのには読みやすくてうれしいです。 マザーグースが題材になっているので、マープルものかと思いましたが、 ポアロものなのですね。 結論はわかりませんでしたが、同じ筋でマープルものにしたらどうなっただろうかと感じました。 アガサクリスティは、この題材をなぜマープルで仕立てなかったのだろうかと。 | ||||
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アガサ作品の中では この作品は珍しいのではないでしょうか? 犯人には残念ながらひねりはありません。 なので本格推理を望む人が読むのには あまり向かないかと思います。 そのうえ殺人も起きません。 静かです、静か過ぎるぐらいです。 しかしその分、その依頼主の母親に対する憎悪の感情は 恐ろしいものがあります。 特に何人かは憎しみの感情むき出しです。 人間の恐怖の一面を見せ付けられた気がしました。 残念ながら、ひねりがないので星はマイナス1です。 | ||||
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アガサ作品の中では この作品は珍しいのではないでしょうか? 犯人には残念ながらひねりはありません。 なので本格推理を望む人が読むのには あまり向かないかと思います。 そのうえ殺人も起きません。 静かです、静か過ぎるぐらいです。 しかしその分、その依頼主の母親に対する憎悪の感情は 恐ろしいものがあります。 特に何人かは憎しみの感情むき出しです。 人間の恐怖の一面を見せ付けられた気がしました。 残念ながら、ひねりがないので星はマイナス1です。 | ||||
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あくまで個人事で悪いのですが、この一冊程、僕がミステリーを読了した時に求める理想の余韻に当て嵌まる作品はないなぁ。。ゾッとくるんだ けど、不思議に胸を撫で下ろしてしまう様な安心感があるのは何故なんだろうなぁ。。黒でもない白でもない灰色の余韻、、そこにこの一冊の妙 があると個人的には強く思える.... 16年前に起こった殺人事件の犯人として逮捕され裁判にかけられた末に獄中死した母をもつ娘がポアロに事件を再調査して欲しいと依頼する所 から始まる本作は、当時の関係者への聞き込みがメインであって起伏には欠け、同じような回想の連続に多少長ったらしさを感じてしまうかも しれませんが、立場が違えばそれぞれに違う心理の齟齬を、優れた観察眼で相手の人となりを見抜いた上で、手を替え品を替え追求するポアロの 粘り強さと人間心理への深い傾倒、そして言うまでもなく卓越した推理によって感慨深いクライマックスまで面白く読めるでしょう。 あなたもポアロといっしょに過去への謎解き旅行へ出かけてみませんか? | ||||
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あくまで個人事で悪いのですが、この一冊程、僕がミステリーを読了した時に求める理想の余韻に当て嵌まる作品はないなぁ。。ゾッとくるんだ けど、不思議に胸を撫で下ろしてしまう様な安心感があるのは何故なんだろうなぁ。。黒でもない白でもない灰色の余韻、、そこにこの一冊の妙 があると個人的には強く思える.... 16年前に起こった殺人事件の犯人として逮捕され裁判にかけられた末に獄中死した母をもつ娘がポアロに事件を再調査して欲しいと依頼する所 から始まる本作は、当時の関係者への聞き込みがメインであって起伏には欠け、同じような回想の連続に多少長ったらしさを感じてしまうかも しれませんが、立場が違えばそれぞれに違う心理の齟齬を、優れた観察眼で相手の人となりを見抜いた上で、手を替え品を替え追求するポアロの 粘り強さと人間心理への深い傾倒、そして言うまでもなく卓越した推理によって感慨深いクライマックスまで面白く読めるでしょう。 あなたもポアロといっしょに過去への謎解き旅行へ出かけてみませんか? | ||||
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また、またクリスティーおばあちゃんにやられちゃいました。 物語の構成もさくさくした章立てで、 合間合間で考えながら、 考えながらおばあちゃんが仕掛けた置石をたどり、 登場人物に心寄せながら読み進めました。 でも、やはり最後にあ・アー!となるんですね。 | ||||
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また、またクリスティーおばあちゃんにやられちゃいました。 物語の構成もさくさくした章立てで、 合間合間で考えながら、 考えながらおばあちゃんが仕掛けた置石をたどり、 登場人物に心寄せながら読み進めました。 でも、やはり最後にあ・アー!となるんですね。 | ||||
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一気に読めた。5人の人間の証言から浮かび上がる16年前の事件の画家夫婦。 その2人の「夫婦愛」をポイントにポアロが5人の証言から矛盾を浮かび上がらせる という興味をそそられぱなしで続く展開。 今回は、途中で、犯人が「この人だ」と思った人が犯人ではなかった。 私は犯人を外してしまったわけだが、ポアロは、私同様が「その人を犯人だ」と思った 登場人物がいた事を示す(だから、面白い!) 読後感が何とも言えない。 人生とは何なのか?幸せとは何なのか?考えさせられた。秀作だと思う。 比較で言うと、「葬儀を終えて」、「そして誰もいなくなった」、「アクロイド殺し」、 「ナイルに死す」などを面白いと思えた読者なら、この作品について、読後、面白かったと 感じると確信しています。 | ||||
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一気に読めた。5人の人間の証言から浮かび上がる16年前の事件の画家夫婦。 その2人の「夫婦愛」をポイントにポアロが5人の証言から矛盾を浮かび上がらせる という興味をそそられぱなしで続く展開。 今回は、途中で、犯人が「この人だ」と思った人が犯人ではなかった。 私は犯人を外してしまったわけだが、ポアロは、私同様が「その人を犯人だ」と思った 登場人物がいた事を示す(だから、面白い!) 読後感が何とも言えない。 人生とは何なのか?幸せとは何なのか?考えさせられた。秀作だと思う。 比較で言うと、「葬儀を終えて」、「そして誰もいなくなった」、「アクロイド殺し」、 「ナイルに死す」などを面白いと思えた読者なら、この作品について、読後、面白かったと 感じると確信しています。 | ||||
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なんかベタベタを通り過ぎて印象が無い。証拠を探るのではなく人間関係の中から正式な動機を探っていくタイプ・・・にしてはシンプルすぎる関係性。 このタイプで前半にこれほどハッキリと情報を示してるのは女史にしては珍しい。だから話は物凄くわかりやすいんだがなんか浅い。 その割にはよーく読むと話の整合性も今一つだし結論に至る明確なポイントというのも実は無い。構成自体はストーリーを見せる物・・・ 死が最後に〜辺りよりは遥かに読みやすいが心理描写モノの中ではイマイチな出来。 このタイプはしばらく断続的に出た後に「象は忘れない」で完成系となる。正直こちらの方が遥かに出来が良い。女史の場合心理描写に関しては晩年の方がしっかりしてる。 | ||||
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自分の母は無実なのです・・・16年前、夫殺しの罪で収監中に死んだ母。だが、それをどうやって証明するか?この問題はまじかに控えた彼女に結婚にまで影を落としていた。うら若き女性の訴えにポワロは調査に乗り出すが・・・ 古い裁判資料を探り、関係者に合い・・・ポアロが捜査していく過程が読ませる。クリスティの作家としての腕が冴え、関係者の聞き込みから過去の事件を浮かび上がらせてく。単調になりがちな展開だが、読者を飽きさせない・・・やはり、このひとただ者でない。 自分は、膨大なクリスティの山脈をすべて制覇した訳ではないが、それでも半分以上は読んだ。その中ではこれが一番のお気に入り。「ナイルに死す」『白昼の悪魔」「葬儀を終えて」などの傑作に比べるとパズラーの達成度は客観的に見て落ちる小品といわれても仕方がない作品だが、何とも言えない味わいがある。最終的にポアロが暴く真相もそれ程意外という訳でもない。しかし、巧みに引かれた伏線、何気ない見えたものが実は恐ろしいモノを象徴していると知る驚き・・・そこから浮かび上がる人間ドラマ。クリスティの持ち味が遺憾なく発揮されている。 クリスティの恐るべき点は映画化、TV化やジュブナイル版に再編集されていない、ある意味埋もれた作品の中にこうした作品が数多くある点だ。「死が最後にやって来る」「ねじれた家」などなど・・・全くクリスティには感服されっぱなしだ | ||||
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自分の母は無実なのです・・・16年前、夫殺しの罪で収監中に死んだ母。だが、それをどうやって証明するか?この問題はまじかに控えた彼女に結婚にまで影を落としていた。うら若き女性の訴えにポワロは調査に乗り出すが・・・ 古い裁判資料を探り、関係者に合い・・・ポアロが捜査していく過程が読ませる。クリスティの作家としての腕が冴え、関係者の聞き込みから過去の事件を浮かび上がらせてく。単調になりがちな展開だが、読者を飽きさせない・・・やはり、このひとただ者でない。 自分は、膨大なクリスティの山脈をすべて制覇した訳ではないが、それでも半分以上は読んだ。その中ではこれが一番のお気に入り。「ナイルに死す」『白昼の悪魔」「葬儀を終えて」などの傑作に比べるとパズラーの達成度は客観的に見て落ちる小品といわれても仕方がない作品だが、何とも言えない味わいがある。最終的にポアロが暴く真相もそれ程意外という訳でもない。しかし、巧みに引かれた伏線、何気ない見えたものが実は恐ろしいモノを象徴していると知る驚き・・・そこから浮かび上がる人間ドラマ。クリスティの持ち味が遺憾なく発揮されている。 クリスティの恐るべき点は映画化、TV化やジュブナイル版に再編集されていない、ある意味埋もれた作品の中にこうした作品が数多くある点だ。「死が最後にやって来る」「ねじれた家」などなど・・・全くクリスティには感服されっぱなしだ | ||||
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