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五匹の子豚
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【この小説が収録されている参考書籍】
五匹の子豚の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全71件 1~20 1/4ページ
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過去に遡りながら読者に推理を存分に味あわせつつ、最後には唸るような真相が明らかに。筋書きとして完成度の高い秀作と感じる作品。 | ||||
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犯人がわかったつもりでいましたが、最後に騙されました!さすがポアロ! | ||||
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少し新作の翻訳ミステリが途切れましたので、クリスティーの旧作を読んでみました。訳は、信頼度抜群の山本やよいさんです。とても読みやすい。 十六年前の事件を追ってエルキュール・ポアロが登場します。ポアロは依頼者のカーラから、彼女の母、キャロライン・クレイルが父、エイミアスを殺害した事件の再調査を依頼されます。キャロラインは裁判にかけられ、有罪となり、終身刑。裁判から一年後に亡くなっています。 小体な作品ですが、弁護人、検察側、警察側の話に始まり、ポアロが関係者を訪ね歩く経緯の中、事件の概略が鮮明に浮き上がってきます。そして、「五人の子豚たち」による<手記>という名のディティールが揃い、結末を迎えます。 白眉は、その五つの手記によって事件が繰り返しまるで黒澤明の「羅生門」のように描写され、微妙に異なる詳細が一歩一歩真実へ向かって積み重ねられていくプロセスにあります。幾つかのレッド・へリングに惑わされながら、物語が再構築され、尚且つもう一度(笑)、反転します。その理路整然としたストーリー展開に感心しながら、「モノ」や「カネ」ではなく人の心の流れの中にこそ、この世の良きものも悪しきものも共に潜んでいるという普遍的なテーマを垣間見せて最後はスッキリと読み終えることができました。やはりアガサ・クリスティーは只者ではない。 □「五匹の子豚 "Five Little Pigs"」(アガサ・クリスティー 早川書房) 2024/1/24。 | ||||
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二十年ぶりくらいの再読となります。前回は、別の方の訳で読みました。 で、私の脳内ではことの真相が微妙に変化してしまってたんですね。「これは、こういう所に行き着くんだよな」と読んでいったら、最後のところでそれが違ってた。「えっ!」てな感じで、実に新鮮な驚きを味わうことができましたよ。今回再読しなければ、このミステリの真相を間違って記憶したままだったことでしょう。ったく、記憶なんてあてになりませんね。 にしても、これは素晴らしいミステリです。「傑作だよ! 未読の方は、読むべし。べし、べし、べし!」と連呼したいっす。これまで読んだクリスティーの作品のなかでも、個人的には最上位に置きたい一冊ですね。 (アガサ・クリスティー作品のマイ・ベスト10は、『五匹の子豚』『春にして君を離れ』『鏡は横にひび割れて』『ホロー荘の殺人』『オリエント急行の殺人』『ナイルに死す』『ABC殺人事件』『NかMか』『親指のうずき』『謎のクィン氏』です。) とにかく、全編にわたって緩みのない、とても緊密で、巧妙に構成されたミステリだと思います。 また、すでにこの世の人間ではないクレイル夫妻をはじめ、ポアロに話をし、手記を渡す主要登場人物の五人のキャラクターが、実に生き生きと描かれているところも印象的でした。 山本やよいの訳文も、言うことなしの出来栄えで、とても読みやすかったです。 あと、文庫本表紙カバーの写真が、ここに表示されているものとは違ってました。表示してあるのは、2023年9月現在のもののひとつ前のデザインですね。現在のカバーには、金色の豚の置物がこっちを見て笑ってる、そんな写真が、載っています。 | ||||
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同じような話のやり取りが多いと思いきやちょっとした違いがあって最終的に誰かが嘘をついていたことがわかったとき驚愕しました | ||||
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【クリスティの技巧が冴える】 クリスティ完全攻略の著者が最高傑作と評価するなど多くのクリスティファンが絶賛する本作。過去の事件の真相を関係者達からの聴き込みをもとに推理する形式でクリスティの得意とするミスディレクションの妙味を味わえます。同著者が名犯人と言うだけあり解決編で明かされる鮮烈な殺人シーンや結末は記憶に残るでしょう。 クリスティの三角関係ものだと個人的には1番面白いのは「ナイル」で1番後味がいいのは「杉の柩」、1番技巧が冴えているのが本作だと思います。 【評価】 総合 4 読みやすさ4 意外性 4 没入感 3.5 読後感 4 | ||||
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過去 vs ポワロ | ||||
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16年前の殺人事件をポアロが再調査する話です。 関係者5人と会って当時のことを回想してもらい、さらにはそれぞれに手記を書いてもらって、そこから真相を導き出していきます。 事件が現在進行形で起こっているわけではないので、他の作品に比べると緊迫感が皆無の、淡々とした地味なストーリーです。 5人分の語りと手記があるので、重複した内容を何度も読むことになるのですが、しかし語り手によって感情や考えなどが異なるので、同じ事件を語っているにも関わらず微妙な違いがあるのがとても面白いです。 人物描写が巧みなクリスティだからこそ、視点が違いで事件の様相も違うものに見せることが出来るのでしょう。 クリスティの作品の中では独特の構成と展開で好みが分かれそうですが、隠れた名作と言っても過言ではないと思います。 | ||||
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子豚とは、五人の容疑者のことを指しているのだろうか。短絡的にはそう考えてしまいそうだ。しかし、クリスティ、いや、ポワロといえども、人を豚扱いするのは物語の上とはいえ、やりすぎではないかと思いながら、読んだ。 読み進めていくが子豚はなかなか見つからない。そして、最終盤にポワロが言う、哀れみ、思いやり、理解、愛と憎しみにたどり着く。これらの五つの感情を子豚とし、うまく手懐けながら人は人生を歩んでいくというクリスティの比喩なのではないかと思い至る。 途中、やや冗長と思える部分があるが、これさえも、結末をより劇的にするための多層性の仕掛けの一つである。安易に読み飛ばしてはいけない。クリスティの罠に嵌る。 | ||||
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アガサクリスティのミステリィの中でも非常に評価の高い本。 タイトルからすると、「一体なんの話なの?」とか「本当に面白いの?」 と思ってしまう1冊ではあるのですが、読み終わってみて 「本当にアガサクリスティの最高傑作と言っても過言では無い本だ!」と感じました。 過去に起こった殺人事件を5人の登場人物達が回想するのですが、一人一人の視点の違いに加えて、 感情の揺らぎがあるので、同じ事件を語っているにも変わらず、少しずつ微妙にずれており、 それによって物語の全体像が微妙な像を描きながら浮かび上がってくる、という構成。 最後の最後に全てのピースが、ポアロの推理の元にピタリとはまるのですが、その瞬間、 何とも言えない感慨に包まれてしまいました。この最後の切れ味は本当に見事。 あまりの見事さに、犯人の造形を永遠に忘れないのでは無いか、 とそんなことを感じた1冊でもありました。 この本を読んだこと無いミステリィファンは、今すぐ読むべき1冊だと思いました。 | ||||
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ポアロが過去の事件を再調査してほしい、という女性の願いにこたえる話です。 十数年前に発生した殺人事件で、被害者は依頼人の父、犯人とされたのは依頼人の母。 犯人とされた人物の刑の執行も終了している事件で、一番話を聞きたい被害者と被疑者不在の中、ポアロはその日現場付近にいた人物の回想を聞いて回ることになります。 その聞き取り対象が5人いるので「五匹の子豚」というタイトルになっています。 「五匹の子豚」はもともとマザーグースの指数え歌で、要するに「この指パパ」的な歌なのですが、どうも英語圏では小指から順番に指を数えるようです。ウィーウィー泣くのはお父さん指らしいです。 さて、どの子豚の回想にも、ちょっとずつ、ズレがある。どの人もちょっとずつ嘘をついているからです。 芥川の「藪の中」は真相を究明しませんが、ポアロは探偵ですのできっちり解き明かします。 ただ、マザーグースの五匹の子豚の最後の歌詞は「I can't find way my home.(帰り道がわからない)」なんですね。解き明かしても「家にたどり着けない」…切ないラストです。 | ||||
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16年前の事件の真相を究明して欲しいという依頼にこたえて、ポアロが真相究明に乗り出す。関係者は5人。……5人に一人ずつ当時の状況を聴くが、同じ人物、同じものごとに対して、それぞれの証言者の言うことが、かなり食い違っている。(このところは、芥川龍之介の『藪の中』を彷彿とさせます。…クリスティ氏が『藪の中』を読んで、影響を受けたのか…?)……そこは、ポアロ一流の観察眼で、それぞれの証人の性格を踏まえて、個々の証言の信憑性を判断し、どの程度信頼できるか、またはこういう状況でならこういう証言をするだろうという推理によって、真実に迫っていきます。…関係者が5人いて、その中には、現在羽振りのいい人、そうでもない人、不運な目にあった人がいるという事を、マザーグースの“5匹の子豚”になぞらえていますが、あんまり深い意味はない感じです。 推理小説というのは、最後に明かされる犯人の意外さと、何故そんな犯罪を犯したかという理由の説得力、トリックが他の証人の証言や事件当時の状況と噛み合っていること、真相が意外であると同時に、そういう状況ならそうなるだろうという説得力、…という条件が揃った時に、思わず“なるほど”と言いたくなる……そういうのが、個人的に理想ですが、この話は、その条件を備えていると思います。…今まで、クリスティの小説は、数冊しか読んだことないけど、その中では一番と言っていいくらい面白かったです。 | ||||
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アガサ・クリスティーの傑作です。過去の回想から16年前の事件を解決していくのですが、興味深く読み進めました。 | ||||
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ポアロの捜査力冴え渡る。時がたった事件捜査で真実を突きつけるポアロ。殺害された被害者には同情できないわ。そりゃあ、人の心をそんな扱いするなんて酷いわ。家庭教師の女性に1番近い感情になった。 | ||||
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名作はドラマと本で目を通したくなります。 | ||||
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最後の三行で背筋が寒くなった。誰も幸せにならない終わった事件。この後の事を一切描かない。これがさらにドラマチックな終演に華を添える。 | ||||
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まりひめって人のレビューにネタバレあるので、未読の方はレビュー見ないようにしましょう。 | ||||
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関係者の証言はすべて事件当時のままなのに、ポアロの灰色の脳細胞で咀嚼されることで導き出される、16年前とはまったく異なる結論。エピローグの余韻も胸に響きます。文句なしの名作。 | ||||
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中学生のころハヤカワ文庫で読んで以来とても好きな作品です。 それだけに誤訳は残念。 「4 老弁護士の話」に「作家のキングズリー・エイミスが大好きだったので、息子にエイミアスという名をつけたのです」とありますが、昔のハヤカワ文庫だとキングズリー・エイミスではなくチャールズ・キングズリーです。キングズリー・エイミスは1920生まれで本書が出版された1942年にはまだデビューもしていません。チャールズ・キングズリーの作品「Westward Ho!」(1855年)にアミアス・リーという人物が書かれておりこちらがアミアスの由来です。 きちんと校正して間違いないようにしてほしいです。 | ||||
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さすが名作の評価高いミステリー。 素直に読み進めば気持ちよくダマサれて(すかされて?)やっぱりお前か!となります。 読み終わった翌日には、ただただアガサ・クリスティが見せる抽斗の多さに感服しますよ。 | ||||
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