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冷血
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冷血の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全109件 41~60 3/6ページ
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久々に読んだ合田シリーズ。 私の記憶違いかそれともこの違和感は正しいのか…。 高村文学に登場する合田刑事って、全てにおいてもう少し深かったような記憶があります。 「冷血」の中の彼は、私の記憶する合田刑事より少しばかり色が薄く、存在感が希薄です。 もっともっと深いところで惑う合田刑事を見たかったですね。 | ||||
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髙村作品を何冊か読まれた方には今更ではありますが・・ 普通の犯罪・警察小説の感覚で接すると、何だこりゃ~って事になると思います。 有名作家だし、買ってしまったから読まねばって気になるのは分かりますが、 他の方も言っているように、自分に合わないと読むのが苦行になります。 ちょっと読んで苦痛に感じたら、無理に読まない方がいいと思います。 | ||||
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2013年のミステリーベストテンに選ばれていたので、久しぶりに高村作品を手に取りました。わかりやすい内容なのですが、正直、評価に迷うところです。 前半は被害者と加害者の視点で書かれ、後半は捜査にあたる刑事の視点で書かれています。けれど、そこには何の謎もありません。そこが決定的に不満です。 そもそも、本作は著者の言うようにミステリーではないのでしょう。せいぜい、警察小説みたいなものではないでしょうか。なので、本作にはミステリーにまつわる賞をあげてはいけないように思います。 さらに本作には、『黄金を抱いて翔べ』のようなエンターテインメント性も、『マークスの山』のような新奇性もないように思います。要するにこれはレポートなのだという、他の方の意見に賛成です。 しかし、そういう風に時代や現実をあるがままに切り取って、2巻の長い小説にして発表することに、いったいどのような意義があるのでしょうか。私には不明です。 こういう無軌道な若者は昔からいたのです。言うなれば、現代版『太陽の季節』(石原慎太郎著)みたいなものでしょうか。 下巻はさらに評判が悪いようです。さてどうするか? 読むべきか諦めるべきか・・・。うーん、迷ってきました。 | ||||
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一家四人惨殺事件とあって、高村ファンとして読まなければならないが、長くページを開かなかった本だ。 警察小説で、事件が発生して、手掛かりから犯人を追い詰めていくのが定石だが、そんなありきたりの筋書きではない。止むに止まれず犯行を犯したわけでなく、ましてや殺人の動機があったかなかったか。でもそんなことは著者は意に介さない。己が培ってきた筆力、取材力、を駆使して高村ワールドを構築していく。セールス的には成功とは言えない本だったのだろうが、十分よ見応えがある本であった。 | ||||
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書評については多くの方々がしているのを参考にして下さい。 照柿までは再読ですが私は表題の通りの流れで合田雄一郎シリーズを読んだのでその感想を。 合田さんカッコいいぜーー!ハードカバーも読もうかな!って口です。(レディジョーカーも昔読みましたが合田さんの印象ほとんどない) 結論から言うと今までは話の中心にいた合田さんは本作では傍観者の様な位置付けの印象でした。 事件に切り込むでもなく、猟犬のように嗅ぎ回るわけでもなく、ブレーキが壊れたようにただただ巻き込まれていくわけでもなく。 マークスの山、照柿で魅せられた熱量というか狂気のような鋭さは全くなく、誤解を恐れずに言うとコレ合田さんでないとダメ?ってくらい拍子抜けです。 何でも受け止めてしまう感受性のサンドバッグな合田さんが好みな方なら有りですが、剃刀とか猟犬な合田さんが好みの方ならオススメはしません。 合田シリーズを抜きにすれば、高村薫としては楽しめますが、合田さんラブの人が期待すると肩透かし食うかも。 | ||||
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高村薫の最高傑作である。 犯人達のどうしようもなく悲惨な人生。彼らの「冷血」が最後には霞んでしまい、社会や被害者遺族の「冷血」がよりクローズアップされているのも、かえってリアリティがある。現実というのは混沌として説明のつかないもの。それをそのまま描こうとしている姿勢が素晴らしい。 合田は若干素敵すぎて、そこが若干非現実的だけれども、作者も人間だし、少しの希望くらいは持たせてあげたいから、それもよし。 文章に無駄がなく、どこまでも削ぎ落とされた緊張感とリズム。ここまでの日本語の書き手は現代の日本文壇に見当たらない。 圧倒的なディテールに裏付けられたリアリティ。月並みだが、神は細部に宿るもの。ここまで描写を積み上げられる作家も見当たらない。 そして、矛盾と混沌の世界を目の前にして、底のない内省と独白でどうどう巡りな合田氏。それでも垣間見える幽かな光。噛み合わない言葉と気持ちはもちろん、どこまでも切ないし、救いもないけど、それが現実というもの。ハードボイルドの真骨頂である。 最後の論告要旨と判決は、意外にも、犯人の動機や事件の原因について、よくある司法当事者の「無理な作文」に陥らず、ぎりぎりのところで、ありのままの現実と折り合いをつけた印象。安易な批判ではなく、司法組織に対するリスペクトすら感じられる。そこにも、作者が託す一縷の希望があるのか。成熟した世界観さらに良し。 読み終えてから、高村薫は死刑制度に批判的と知ったが、そんなこと最後まで気づかなかった。それほどまでに抑制された文章。自意識垂れ流しにどこまでも無自覚な底の浅い二流三流作家たちとは二味三味違う、円熟期の一流文筆家の作品。久しぶりに読書という行為に心から満足を覚えた。 作家の長年の努力と汗が、ついに天才の領域に入った感がある。 このような作品に出会えたことを幸せに思う。 カポーティーの「冷血」も読んだが、どちらも独立した意義のある傑作であり、比較することにあまり意味は感じない。 | ||||
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高村さんの作品は全部読んでいますが、どれも良質で読み応え感があるなか、この小説だけはどうも、読み応えの質が違いました。読後感がほかとちがって、読んで充実した感に欠け、虚無感という表現が合うかと思いますが、読後に時間がたってもこの作品を思い出すとその感覚が迫ってきました。物語を追いかけることに疲れて途中で挫折しかけましたが、上下巻をセットで買ったのと、高村作品だから下巻の終わりには何かが待っているだろうという期待で、必死で最後まで読みました。が、期待は実らず、しんどさが勝ちってしまいました。 | ||||
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苦しい、苦しい、ああ苦しい。「読書」ということが、これほど辛いものだとは思わなかった。 上下2巻を読み通すことが、心体ともにまるで修行しているような状態になる。 神聖さを伴う、厳しく辛く、逃れられない、最後まで行き着かねば終わらない苦行。 何せ、上巻ですでに犯人は捕まっているのに、その後延々と下巻が続くのだから。 この作者の作品は、ただの謎解きに終わらない。キャラクターの活躍だけにも終わらない。 ロシア文学に通じるような、慎重で丁寧な心理描写、分析、詰まる所は人間の根源にまで及ぶ。 ふだん、日常生活においては、その場にいる皆が気持ち良く過ごせれば、それでいいと 思っている自分には、この作者の著作を読むということは、 鈍った筋肉すべてを全身全霊、全力でフル稼働させているようなものなのだ。 今回も期待を裏切らない苦行振り。 中間管理職となった合田君は、昔のように弾丸のごとく突っ走ることはなく、 妙に悟ったような言動も垣間見えるが、この犯人たちには完全にお手上げ。 ー 動機のない犯罪 ー これがどんなに人を不安にさせるものなのか。 読む側は合田君とともに、頭をフル回転させ、八方手を尽くし、考え付く限りの手段を講じ、 果ては自分自身の内面にまで下りて犯人の心に迫ろうとするのだが… いやぁ、苦しい、苦しい、ああ、苦しい。 ふだん自分の心がいかに怠けていたのかが分かる。 表面的な優しさと人の好さと物わかりの良さで、案外世間は渡って来られるものなのだ。 そんな間延びした自分に、たまには修行。作者の寡作に助けられる。多作では身が持たない。 ミステリーか純文学か、事件は解決したか、謎は解けたか、にかかわらず、 たまには修行と思って紐解く種類の本なのだ。 | ||||
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迅速に届きました。帯に一部破れがある他は外観中身とも目につくような汚損はいっさいありませんでした。 | ||||
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迅速に届きました。帯に一部破れがある他は外観中身とも目につくような汚損はいっさいありませんでした。(上下巻とも) | ||||
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高村さん、さすがです。おどろおどろしさの中の、高村さんの表現の美学、素晴らしいです。 | ||||
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高村薫原作おもしろい ですが、ちょっとなかなか読み進めるのに時間がかかる | ||||
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上下巻に別れているのが非常に解りやすい構成だと思いました。。 | ||||
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高村薫女史の小説で 初めて犯人に同情してしまいました。 幸せな家庭を一晩の内に破壊するのですが、この時点では世田谷の事件を思わせられましたが、犯人の供述の中で次第に明かされて行く二人の生い立ち。 特に戸田の家庭環境が哀切に満ちており、其れだから犯罪が許される訳では無いのですが、取り調べの時点で常に戸惑はさせられる警察と検察、そして弁護士達。それでも事件性が冷酷なだけに、無理矢理作り上げる調書。 どれも、仕方無い事とは云え二人の犯人を取り巻く人間達の中にも冷血は存在する…。其れは、犯罪事件が起こる度に私の中にも有る冷血を考えさせられる事なのだと、思い知らされる小説でした。合田と犯人の手紙のやり取りが唯一の救いですね。 「太陽を曳く馬」で私には難解過ぎて読み終わるまで苦労したので、暫く女史の作品から遠のいて居りましたが、此の作品を読んで本当に良かったと思っています。「レディジョーカー」より以上に読後感の哀切さが胸に残り、結構辛いです。 | ||||
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上下巻を諦めずに読んでみました。活字中毒の自分なので難行とまでは言わないけど、途中で辟易と顎を出してしまったのも事実です。頷けない方もいらっしゃると思いますが、「社会派」だとか「既に推理を超えた純文学」だとか評されてはいますが、所詮は高村作品も娯楽小説だと思っています(大意としてではありますが)。実際に「マークスの山」「レディジョーカー」「照柿」他は十二分に楽しめたエンタメでした。本作品はとにかく「楽しめなかった」の一語に尽きます。他の方からも指摘が多く有りますように自分も「否」と「とまれ」の多様にはうんざりしました。また、女史の特徴と言えばたしかにそうなのでしょうが、無駄な説明が多過ぎます。よりリアリティの追求をしたいのかも知れませんが、読み手側は「そこまで」求めていないのではないかと思います。 この無駄に長い作品は読むにつれ、ネバネバとした感じが内容からも文体からも襲ってくるようになり、ページを繰るのが億劫になるような苦痛すら覚えました。 合田雄一郎にも求心力をまったく感じることが出来ず、否、登場人物の誰一人にも「魅力」を覚えることが出来なかったのは致命的ではないでしょうか? 実名を多用するのも女史ならではの技巧なのかもしれませんが、本作品に関してはそれが裏目に出ていると思ってしまったのは赤羽近辺で暮らす自分だからなのでしょうか? さて、最後にカポーティ作品へのオマージュだけでは割り切れないタイトルですが、女史は「冷血」のタイトルで何を言いたかったのでしょうか? | ||||
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いい作品だけに、こちらの気分も暗くなりました。 一般人には理解しがたいの人物のフラストレーションの溜まる思考を根気よく丁寧に描写されています。 上巻と下巻でトーンは変わります。 上巻は事件、下巻は裁判てす。 裕福なエリート一家がゆきずりの無計画な二人組に惨殺される。一見、善悪がはっきりした事件であるが、それかすべてなのだろうか? 殺した犯人は悪い。計画性もへったくれもないので間もなく逮捕もされる。 取り調べをするうちに、キャラクターは全く違うものの共にあまりの自覚のなさ、無防備さ、無関心さが浮き彫りに。そもそも、善悪の判断や人との関わりの持ち方をが曖昧で、供述は全て主観に収斂されていく。こういった欠落は、歪んだ生い立ちに遡ぼり形成されていた。 そんな寂しく、未成熟な二人が偶然に出会い、お互いですら気づかずに依存しあい負の相乗効果を起こす。歯医者・何となく余裕のある家庭という二人の閉鎖的の会話の流れで対象とされた一家。 どちらが率先したわけでもない、止めたわけでもない、お金がほしい訳じゃない、人を殺したいわけでもない。でも、起こってしまった軽薄な殺人だった。 しかし、死刑が現実のものとなったとき、犯人に変化があらわれる。合田に助けを求めるのだ、ひどく不器用に。 全くすっきりしないし、哀しくなりますが、小説だけの人物でなく、実際にも居るんだろうと思います。だからといって何かできるんだろうかと考えさせられる作品でした。 | ||||
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久々の高村作品をよみました。男性作家のような強いプロット。ただし、犯罪者心理を合田が追っているが、今ひとつ意図が理解できませんでした。 | ||||
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文字通り血も凍るような殺人現場の描写には戦慄を覚え、犯罪小説としてのサスペンスは十分楽しめるが、いかに凶悪な犯罪を犯そうとも人間の心の奥には何があるのかを執拗に追及する作者の姿勢に心打たれる。人間の善と悪とは何であるか。国家が人を死刑にするのは正しいのか。前作の「太陽が曳く馬」ほど難解ではないが、人間とは何であるかという永遠のテーマを作者はこの「冷血」でも追及し続けている。 | ||||
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上下巻を3日で読了。 高村薫の作品をぶっ通しで読めるというのは、 本好きにとって最高の贅沢の一つだ。 女性の一人称で始まる冒頭にまずびっくり。 しかも13才の中学生。いきなりの変化球に戸惑うも、 身中に不穏な熱を抱えた高村印の男どもの登場でひと安心。 本の装丁からして『レディ・ジョーカー』を意識しているし、 「珍しくはないが、専門の人でないとちょっと思いつかない凶器」 というのは『マークスの山』を思わせる。 これは久々のエンタメ路線か、と思いきやさにあらず。 上巻後半、2人の犯人はあっさりと逮捕され、凶器の特定をめぐるサスペンスもなし。 下巻では、犯人や数多くの参考人の供述が延々と積み重ねられ、 作者は事件について、誰もが求めるわかりやすく整合性のとれた 「ストーリー」ではなく、本当の意味での「真相」を描き出そうとする。 警察の事件捜査という過程の中で、一家四人殺害という 一つの事件が、膨大な量の言葉に置き換えられていく。 しかし、それは現実という無辺のパズルを、言葉というピースで埋めようとする 虚しい試みでしかなく、われわれにできるのは、この非情で理不尽な 現実というものの前に絶望し、それをただ受け入れることだけ。 毎度のこととはいえあまりにも重い。ずっしりとした読後感が残る。 それでも、難解な警察用語が頻出し、「おれはいったい何を読んでいるんだ?」 と自問の一つもしたくなるような分厚い本に、他のことをほっぽり出してまで読み耽ってしまうのは、 この世界における言葉の本質的な不毛さを認識しつつ、 それでもなお、この現実を描き出すための言葉を探し求め、 迷い、苦悩する作者の真摯な姿がそこにあるからだろう。 にしても、『ゴーストオブマーズ』とはね。 まさか高村薫の作品にこの名前が出てくるとは。 高村さん観たのかな? 観たんだろうなあ。取材はガチでやる人だから。 神妙な顔であのB級おバカSFを観てる高村さん。なんだか微笑ましいな。 ところで今『マークスの山』読んでるんだけど、 合田雄一朗がヤンチャで笑える。 | ||||
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何度も読み返すと考え、 新品に近いと思われる商品を選択しました。 購入商品は、その通りでした。 | ||||
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