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冷血



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【この小説が収録されている参考書籍】
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冷血(下)

冷血の評価: 3.76/5点 レビュー 109件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.76pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全18件 1~18 1/1ページ
No.18:
(1pt)

何でこの商品が非常に良いのか?

非常に良い
という商品にもかかわらずシミはあるわ皺くちゃだわどう考えても可クラスです。
まったく酷い
冷血(下)Amazon書評・レビュー:冷血(下)より
4101347263
No.17:
(1pt)

力作だが駄作

どうでも良い医療過誤訴訟の話を入れたり、くだくだ似たようなエピソードを続けて、一冊で済む物語を二倍にも三倍にも水増ししている。
「他愛ない」などという初歩的な日本語の間違いもあった。「他愛」は「自分のことよりもまず他人の幸福を願う」意味で誤用。正しくは「たわいない」でないと。
冷血(下)Amazon書評・レビュー:冷血(下)より
4101347263
No.16:
(1pt)

駄作

一冊で書ける内容を無理矢理、引き延ばして二冊にした印象。
 おまけに「青いワイシャツ」などという馬鹿な日本語が出てきた。ワイシャツは「ホワイト・シャツ」の短縮形。「青いホワイト・シャツ」って、何だよ?
「音を上げる」とすべきが「根を上げる」と出てきたし、いやはや。
冷血(上)Amazon書評・レビュー:冷血(上)より
4101347255
No.15:
(2pt)

とまれとまれとまれとまれ………。

過去作品にはなかった著者の多すぎる言い回し「とまれ」が気になって、文中に「とまれ」が出てくるたびに気が削がれる思いがした。作品自体も「マークスの山」や「レディジョーカー」「リヴィエラを撃て」などの作品と比べると、全体的なテーマの輪郭が朧な印象を持った。
冷血(下)Amazon書評・レビュー:冷血(下)より
4101347263
No.14:
(2pt)

多分下巻は読まないな

2013年のミステリーベストテンに選ばれていたので、久しぶりに高村作品を手に取りました。わかりやすい内容なのですが、正直、評価に迷うところです。

 前半は被害者と加害者の視点で書かれ、後半は捜査にあたる刑事の視点で書かれています。けれど、そこには何の謎もありません。そこが決定的に不満です。

 そもそも、本作は著者の言うようにミステリーではないのでしょう。せいぜい、警察小説みたいなものではないでしょうか。なので、本作にはミステリーにまつわる賞をあげてはいけないように思います。

 さらに本作には、『黄金を抱いて翔べ』のようなエンターテインメント性も、『マークスの山』のような新奇性もないように思います。要するにこれはレポートなのだという、他の方の意見に賛成です。

 しかし、そういう風に時代や現実をあるがままに切り取って、2巻の長い小説にして発表することに、いったいどのような意義があるのでしょうか。私には不明です。

 こういう無軌道な若者は昔からいたのです。言うなれば、現代版『太陽の季節』(石原慎太郎著)みたいなものでしょうか。

 下巻はさらに評判が悪いようです。さてどうするか? 読むべきか諦めるべきか・・・。うーん、迷ってきました。
冷血(上)Amazon書評・レビュー:冷血(上)より
4101347255
No.13:
(1pt)

粘着性が高過ぎる・・・

上下巻を諦めずに読んでみました。活字中毒の自分なので難行とまでは言わないけど、途中で辟易と顎を出してしまったのも事実です。頷けない方もいらっしゃると思いますが、「社会派」だとか「既に推理を超えた純文学」だとか評されてはいますが、所詮は高村作品も娯楽小説だと思っています(大意としてではありますが)。実際に「マークスの山」「レディジョーカー」「照柿」他は十二分に楽しめたエンタメでした。本作品はとにかく「楽しめなかった」の一語に尽きます。他の方からも指摘が多く有りますように自分も「否」と「とまれ」の多様にはうんざりしました。また、女史の特徴と言えばたしかにそうなのでしょうが、無駄な説明が多過ぎます。よりリアリティの追求をしたいのかも知れませんが、読み手側は「そこまで」求めていないのではないかと思います。
この無駄に長い作品は読むにつれ、ネバネバとした感じが内容からも文体からも襲ってくるようになり、ページを繰るのが億劫になるような苦痛すら覚えました。
合田雄一郎にも求心力をまったく感じることが出来ず、否、登場人物の誰一人にも「魅力」を覚えることが出来なかったのは致命的ではないでしょうか?
実名を多用するのも女史ならではの技巧なのかもしれませんが、本作品に関してはそれが裏目に出ていると思ってしまったのは赤羽近辺で暮らす自分だからなのでしょうか? 
さて、最後にカポーティ作品へのオマージュだけでは割り切れないタイトルですが、女史は「冷血」のタイトルで何を言いたかったのでしょうか?
冷血(上)Amazon書評・レビュー:冷血(上)より
4101347255
No.12:
(1pt)

残念です!

冷血(下)に同じ。

しばらくの間、読みたい作品が見つからなかった頃に、高村さんの「マークスの山」を思い出し、他の作品も読んでみたいと思い

購入しましたが、期待外れでした。
冷血(上)Amazon書評・レビュー:冷血(上)より
4620107891
No.11:
(1pt)

残念です。

直木賞を受賞した作品「マークスの山」を読んで素晴らしい作品だと思い、二作目としてこの作品を読みましたが、

内容がだらだらとしていて面白さがどこからも伝わってきませんでした。

高村さんの作品を読むことは、今後ありません。

復活作品を期待します。
冷血(下)Amazon書評・レビュー:冷血(下)より
4620107905
No.10:
(1pt)

ここまで書くのであれば、犯罪ドキュメンタリーの書き手になっていただきたく候。

作者精魂込めた渾身の力作の小説に対して星一つをつけることは大変、失礼な行為です。
従いまして、私の星一つの評価は小説に対しての評価ではなく、私のこのような小説に関しての考え方だとご理解ください。
つまり、本書は世田谷一家殺人事件を意識しての小説でしょうが、世田谷の犯罪の犯人は逮捕されていませんし、犯人のない経歴や内心も不明です。本書は世田谷一家殺人事件と同種の事件を仮想し、犯人像を仮想し、小説化したものですが、フィクションはあくまでもフィクションです。
ここまで架空の事件を小説という形でノンフィクションであるかのように人間描写をするからには、やはり、小説は小説である以上、ノンフィクションではない小説としての何かが必要であり、そこには小説としてのダイナミズム、面白さが必要だと考えます。
宮部みゆき女史の小説の「火車」と「理由」も本書と同種のものがあり、私自身は彼女のファンでもありませんが、好きか嫌いかは別にして、宮部女史の小説も細かい描写で長々と描いてリアリズムを追求してはいますが、他方でミステリーとして引き付ける要素はありました。本書にはそれはありませんでした。
「愛犬家殺人」の関根が、どういった幼少期を過ごし、どんな生育をしてきたか、その経歴には不明なことが多々あります。池田小学校大量殺人の宅間にしても、ある程度、その経歴は明らかですが、彼の誕生以降の人生を詳細に描いた書物はありません。山口の光市の母子殺人事件の福田の家庭環境や人格形成の歴史についても裁判で明らかになったこと以外にももっと知りたいと私は思っております。
私はこのような小説を高村女史が書くのであれば、関根や宅間、福田の人生を調査取材して書いたほうが活字を使い、書物を書くという行為として、意義があるのではないかと考えます。この小説よりも上記の現実の事件の方が、説得力や迫るものがあると思うからです、小説やミステリーとしての面白さを求めず、リアリズムを追求するのであればそうすべきだと考えます。小説という形態でリアリズムを追求して表現するのであれば、インパクトがある何かがないと採点不能というのが私の正直な感想です。
現実の犯罪を小説のリアリズムは超えることはできない、だから、それを小説で表現しても無意味とは言いませんが虚しさが残る、しかしながら、小説が描く犯罪は現実の犯罪をフィクションにおいて超えることはできる、そこに小説の面白さがあるのであります。
冷血(下)Amazon書評・レビュー:冷血(下)より
4101347263
No.9:
(1pt)

文体が気になってなかなか読み進めません

まだ上巻を読み終えただけですが、下巻を読む気力がなくなりつつあります。
原因は内容ではなく文体にあり、ほぼ2ページに一度の割合で段落の文頭が「とまれ」で始まるのです。
ここまで繰り返し出てくるとうんざりして、内容に集中するのが困難です。
週刊誌での連載であればこれほど気にならないかもしれませんが、単行本化する際には
加筆なり修正なりしてほしかったです。
冷血(上)Amazon書評・レビュー:冷血(上)より
4101347255
No.8:
(2pt)

意欲作ですが。

切羽詰まった状況でもなく、激しい怨恨でもなく、成り行きで起こってしまった一家惨殺事件。なんとなく勢いで取り返しのつかない犯罪を犯してしまった二人の男たちの心境はよく表されてると思います。とくに前半の犯行に至るまでのふたりの描写には引き込まれました。
ところが、逮捕されてからの尋問あたりから、文章には「否」と「とまれ」の連続で、失礼ながらいささかげんなりしてしまいました。
何ページにもわたって、同じ内容が繰り返されてる気がしますが・・。犯人から刑事への手紙の中の文面にまで「〜とまれ〜」が登場して、30歳ちょっとの男性が、「とまれ、何とか〜」って話したり書いたりはしないのでは?って後半は冷めた目で読んでしまいました。
それにしても、殺人を普通の人間が起こしてしまったという事件は現実に頻繁にニュース流れます。現代でも通じるカポーティーの題材を、意欲的に捉えられた作品とは思います。
冷血(下)Amazon書評・レビュー:冷血(下)より
4101347263
No.7:
(1pt)

すみません、もうダメ…

高村氏は昔から「自分はサスペンス小説を書いていると言う覚えはない」と仰っていたようだが、本当にサスペンス小説でなくなってしまいました。この救いのない荒涼とした世界を彷徨うのは合田裕一郎でないとダメなのか…?合田を含め、空しさを抱えつつ淡々と事件に応対する警察官僚達だけがリアリティを感じさせる本作…うーん、私にはもう良さが解りません。
冷血(上)Amazon書評・レビュー:冷血(上)より
4101347255
No.6:
(1pt)

すみません、もうダメ…

高村氏は昔から「自分はサスペンス小説を書いていると言う覚えはない」と仰っていたようだが、本当にサスペンス小説でなくなってしまいました。この救いのない荒涼とした世界を彷徨うのは合田裕一郎でないとダメなのか…?合田を含め、空しさを抱えつつ淡々と事件に応対する警察官僚達だけがリアリティを感じさせる本作…うーん、私にはもう良さが解りません。
冷血(下)Amazon書評・レビュー:冷血(下)より
4101347263
No.5:
(2pt)

やっぱり長かった

さしたる展開の変化も見せず、意外性も無く、ただ、ダラダラ続く。
いつか展開が見られるのかと思っていたが、そのまま読了してしまった。

相変わらず裁判員裁判の裁判員感覚は最後まで続く。

始めて合田雄一郎刑事と接する読者(私も)は合田刑事の透明感はそのままで終わる。
妻が9.11のニューヨークの被害者というエピソードと畑いじりが趣味と言う以外は全く何者か分からない。
合田刑事に人間味が感じられない。
容疑者と文通する状況は共感できない。
容疑者が弁護士やジャーナリストと文通する話は良く聞くが、本を一冊くれただけの刑事(事情聴取を担当している訳でもない)と延々と文通するリアリティーの無さは不満が残る。

本来のストーリーと関連しない人種差別的発言を登場人物にさせている点もしっくり来ない。
不要なエピソードを混ぜる必然性が感じられない。
連載を担当したサンデー毎日編集部への疑問も湧く。

とにかく長い。

せめて半分程度にまとめられた様に思う。
そうすれば半額の1600円程度で済んだ。
興味のある読者は上下2巻で3200円(税別)を払うより、文庫化を待つのも良いだろう。
冷血(下)Amazon書評・レビュー:冷血(下)より
4101347263
No.4:
(2pt)

カポーティとの比較による合田刑事批判をさせていただきます

前作『太陽を曳く馬』は刑事合田が尋問をとおして、行住坐臥、縦の重力に貫かれた人間の極限にある、死と背中合わせの自由を追求して、どこかカントの、理性の言葉で理性の極限を論証し、そこに自由存立の根拠を提示したあの徹底性のごときものが、まちがいなく極まったかたちであって圧倒的、感動的でしたが、その前作を縦の墜落の物語というならば本作は、あえて深みを排して、横へと連なり広がる意図をもった物語といえるでしょうけれど、しかし前作にあったような極限性、徹底性はあきらかに後退していて、とうぜん比較されるであろう(連載時は『新冷血』であったという)カポーティの大名作『冷血』のもつ、あらゆる事実関係を、一見したところ無関係であるようなことまでも、丹念、細緻に拾いあげ、視点、時空を自在に断片的に紡いでいくその徹底性ともすれ違っていて、なんとも肩透かしな出来であるといわざるをえません。
 端的にいえば、合田がこの事件に限って刑事失格であるからといえます。かつては容赦なく、根掘り葉掘り尋問していた(それは反射して自問自答ともなった)かれは、いまや有能な事務機械となって連絡調整に徹し、加害者たる容疑者にじかに向きあうことなく、つまり取調べ、尋問することもなく、まるで聴聞僧のように問訊(合掌低頭の作法)している。さいごはほとんどそうなって死刑囚に相対している。だが刑事である以上、かれがなすべきは問訊ではなく訊問です。自問自答のすえに答えのなさに放念(心)する、そんな坐禅ではなく、全身で物証、心証を捜索する行脚です。本作の第一の魅力が、告訴事案の医療過誤事件の部分であるのは、かれが行動し訊問しているからです。
 とはいえ、第二章の特捜本部での捜査活動の描写はあいかわらず、捜査本部内の人間関係や犯人追跡の趣向や奥行、ダイナミズムを極力排し、あえて散文的に平板、殺風景に徹していてなかなか凄味があります。わたしにとっての読みどころはそのへんでした。
 どうやらテーマとしているらしい、動機なき殺人を辻褄合わせにおちいることなくリアルにいかに描きつくすかは、カポーティの『冷血』の視座を参考にした(あとがきにそうある)というわりには新機軸どころか(第一章の意識の流れふうのクロスカッティングがそうなのかな)、お手本の足下にも及ぶべくもなく、大失敗というしかない。
 おそらくそれは『黄金を抱いて翔べ』や『レディー・ジョーカー』のように、犯行の動機がせんじつめれば金ではなくロマンというところにオチて、物語構想の迫力のわりには動因を欠き、中折れ気味であったように、本作もその線でうすらぼんやりとおちついている。なんとも中途半端です。
 しかし動機Xというのは、ロマン(想像力=構想力)ではなく、あくまで理念=原因(超越論的仮象)としてあつかうべき実在性であり、ロジックで論証して目指されるべきものなのであって、そのような問いの形而上学的追求は『太陽を曳く馬』、形而下的には『マークスの山』『照柿』で、どれもたしかな強度をもって果たされているとはいえる。ただXをXとして一個の人格(その境遇)に還元できないものと躊躇して、全方位的な果てない追求へと踏みだしたとき、まさにカポーティの視座が問題となるでしょう。
 一見して行きずりの、出会い頭な、身も蓋もない陰惨な犯罪がなぜ起きてしまったのか。その偶発性、偶有性をけして損なうことなく、だがそうでしかありえなかった運命のごとき固有性、かけ替えのなさをどう発光させることができるか。そこで犯罪は、光子が粒子でありかつ波であるような量子力学的様相を帯びる。カポーティの『冷血』はそんなみごとな一達成です。犯行現場の被害者と加害者から波及するそのさざ波は、その諸家族、諸過去だけでなく、隣人、捜査陣(の家族)へ、そして最後にはほんのちょっとかかわっただけのゆきずりのひと、馬、猫、にまで波動微かにおよばせつつ、かつ最終的には死刑執行、墓地にみごとに収縮する。これは、犯人らの車にひとときヒッチハイクした老人をつれた少年とか、町の広場に居ついた番の野良猫とか、そんなささいながらも、したたかにある様々な人生の輝きが細部に宿ってこそのものなのです。
 やはり比較して提起しておきたいのは、カポーティのラストが死刑執行後の被害者の墓地(そこをおとずれた捜査員の眼で、第一発見者であった成長した少女との再会が点描される)であったのにたいして、高村においては被害者への墓参りは簡単にふれただけで、厳然とした死刑執行でもって物語を終えている、その違いです。犯人の造形についていえば、カポーティのほうが圧倒的です。殺害の実行犯は、無頼に生きつつも、雲散した家族の憎むべき記録だけはずっと大事にとっていました(それが逮捕のきっかけとなる)。だがなによりもいうべきなのは、犯人しか知りえない秘密の暴露(物的かつ心理的)が、ここぞという尋問でみごとに呈されているからでしょう。殺された娘がためていた一ドル銀貨が、それです。それが転がり落ちることで、ふたつの幸不幸の家族が一瞬透視され、そのとき動機というならそのXが鈍く白熱したのです。その鮮やかな細部は、いまでも覚えています。たとえ行きずりであったとしても、犯罪の真相は、加害者の心理、人生行路だけを根掘り葉掘りしても解明できはしないのです。残念ながら、高村作には、かような(被害者と)犯人しか知りえない物的かつ心理的脈絡の追及、発見はみられません。なぜ四人もの殺しが起きてしまったのか。刑事合田は部下の主任に丸投げして慨嘆しているだけです(いや、文庫本を犯人に利益供与さえしている)。これではまるで風が吹けば桶屋がの因果、ああ無常の風が吹く、ではないか。
 カポーティの『冷血』には、一面の麦畑に案山子がひとつ、被害者のように加害者のようにか、ちょっとゆがんで、風におんぼろ衣服を躍らせて佇んでいる、そんな点描があったかとおもう。作品全体の世界観をふっと垣間見せるそれにたいして、本作のそれが合田の矢切の畑のキャベツっていうのが、高村ファンとしてちょっと(いやあまりに)悲しい。まあ、そんな人殺しとキャベツとパチスロと『パリ、テキサス』……と明滅、短絡するフラットな世界が、われらの現代だっていうことなのかもしれませんがね(そういえば、わたしも早稲田松竹で『パリ、テキサス』を見た口です)。むろんこんな世界、わたしは不同意です。
冷血(上)Amazon書評・レビュー:冷血(上)より
4101347255
No.3:
(2pt)

ファンだからこそ、

久しぶりの新刊でしたが、ファンとしては「何かが足りない」という読後感です。今回は比較的読みやすい印象を受けましたので、高村さんの著書を初めて手にした方は面白いと思ったかもしれません。もちろんそれはそれでよし、です。ですが、今までの高村さんの作品を読み、心打たれたファンとしては、物足りなかった。他のレビューにもでていますが、死刑制度に異議を唱えるということが前提であれば、合田はもっともっと悩まなくてはならないだろうし、同時に被害者側からの死ということにももっと向き合う必要があるように思います。

「マークスの山」から「レディー・ジョーカー」にいたる三部作、「晴子情歌」から「太陽を曳く馬」にいたる三部作など一通り読んでいるファンとしては、読者の心を抉るような描写が少なかったように思います。「晴子情歌」を読んだときの「レディー・ジョーカー」からの大きな転換に驚かされ、「新リア王」でも同様に表現の力強さ、深さに心打たれ、「太陽を曳く馬」での表現しにくい事象を言葉で伝える挑戦(といえばよいのでしょうか)みたいな印象ももちませんでした。

構成、語り口についても以前に使用した手法がとられているように感じ、斬新さに欠けると感じました。手紙で心情を伝えることで人間の内面を描写するというのは「晴子情歌」「太陽を曳く馬」で既出。残虐な殺人事件とそれに関する死刑までの流れも「太陽を曳く馬」で既出です。

高村さんの作品はいつも読んだ後に何かを重く、強く感じることが多かったので期待しすぎなのかもしれません。ですが、ファンだからこそ、☆2つです。次を期待して。
冷血(上)Amazon書評・レビュー:冷血(上)より
4620107891
No.2:
(1pt)

cold blood

ido not wanna read the book called cold blood. 私は暖かい血という本が読みたいです。
冷血(下)Amazon書評・レビュー:冷血(下)より
4620107905
No.1:
(2pt)

客観風主観

著者のファンでした。久しぶりに新刊を手に取り読みました。実在する固有名詞を散りばめリアリティを醸し出し読者を惹きつける手法は好みです。(たとえば原僚氏の作品も好みです。)しかし本作読後の感想としては、・・・でした。被害者となる小学生を筑附の生徒と詳述してリアリティを膨らませる意図は如何かと思います。本作において被害者の子供の属性に実在名を供するのは不要であり、むしろ不快な気持ちとなりました。死刑制度に異を唱える著者の考えに異議はありませんが、容疑者の気持ちを汲み取ろうとばかり懸命になる刑事の姿勢は?です。本書では被害者の視点が完璧に欠落しています。警察小説のファンは多いと思いますが、主人公の刑事が犯人の気持ちを理解することばかりに懸命になる姿は、描く犯罪の重大性が著しく大きなものであるため、読者を醒めさせてしまいます。事実を詳細に描くことにより読者にその判断を委ねる手法は理解できますが、客観的に描写しようとしながら端々に著者の一定の意図が窺われるのは、多くの読者が期待する本来の著者の力量からしてちょっと残念でした。
冷血(上)Amazon書評・レビュー:冷血(上)より
4101347255

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