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舟を編む
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舟を編むの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全559件 141~160 8/28ページ
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大手総合出版社による、新規辞書の企画。見出された新たな人材、辞書作成の詳細、社員の恋模様、会社の横槍、人員の異動、十年超の編纂作業、校閲中に発見された見出し語の抜け、長年辞書編集に携わってきた先生の死、そして辞書の完成……NHKのドキュメンタリー番組『プロジェクトX』の一編を、そのまま小説にしたかのような話だった。 物語の面白みを、ディテールとテーマに見出す方なら楽しめるかもしれない。フィクションの嘘を信じさせるだけのディテールと、フィクションに意味を与えるテーマ性は感じられる。 しかし物語の、物語ならではの魅力――ストーリーには、光るものが一切なかった。この先どうなるんだろう、主人公はどんな壁を乗り越えていくんだろう、恋は成就するのかな、編集中の辞書はどうなってしまうのだろう……そういったはらはらどきどきが、全く感じられなかった。『プロジェクトX』の如く、確たる結末が冒頭から見えてしまっていたから。ああきっと苦労の末に辞書は完成するんだろうなぁ、ヒロインとはくっつくんだろうなぁ……序盤で予想した結末が、これっぽっちも裏切られなかった。事実を語るドキュメンタリー番組ならいい。しかし小説で、こんなもったいないことをするべきではない。幾らでも波風を立てられるのに、結末も変えられるのに、その方が面白いのに、どうしてナレーションベースの平たい話にしてしまうのか。ハッピーエンドが大きく揺るがないのなら、道中の波乱は皆小石だ。細やかに記す意味がない。 会社の横槍で、一度本当に辞書企画が立ち消えになるところまでやって欲しかった。このタイミングで先生も亡くなり、舟はどこにも漕ぎ出せないまま時間経過。しかし消極的だった主人公が「諦めたくない」と最初に立ち上がり、仲間の協力も得てプロジェクトを再始動、完成に至る。ヒロインとの恋愛も序中盤で決着をつけず、後半の重要なキーとする――このくらいの波があってもいいはずだ。 ディテールとテーマの楽しさだけなら、ノンフィクションでも味わえる。ドキュメンタリー番組を観ればいい。 私はストーリーが読みたかった。 | ||||
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辞書を作り上げる苦労、楽しさ、感動が伝わってきた。そして言葉というものがどれだけ大切か。言葉次第で相手にどう伝わるか。これからの自分の生き方に影響を与える本でした。 | ||||
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登場人物一人一人の「言葉」「日本語」に対する思いや情熱に惹かれました。辞書といえば当たり前にあるものでそれが作られる工程など考えたことがありませんでした。本作は辞書作りが題材ですごく地道で地味な仕事です。そこに一人一人が一生懸命に仕事に取り組む姿に感動しました。 | ||||
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言葉と向き合い、1つの辞書を作り上げていく。 知らない世界でしたが、楽しく読ませて頂きました。 本屋大賞、納得です。 | ||||
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つまらない。文学的なセンスがない。登場人物や文章に味がなく、ストーリーを綴ってるだけ。それも恋愛とか死別とか、売れる要素をてんこ盛りにして。脚本家になれば金儲けはできるでしょう。 | ||||
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現代はWikipediaやBigdataの時代、辞書作りもコンピューターコーパスの時代。 手作りの辞書について思いを馳せるのは、AIに囲まれた世界で生きる方法を見ているような気がする。 | ||||
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最初に読んだ三浦しをんさんの本でした。面白かった。意味不明なタイトルに期待せずに読み始めたのですが 面白かったです。引き込まれました。 映画も見ました。おすすめです。 | ||||
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馬締とその周辺の人との心理の変化が面白かった。どんな仕事でも卒なくこなすが特に好きな仕事がないという西岡が、辞書の為に生まれたような馬締に感化されたり、岸辺が最初は変な人と思いつつも、恋文を見て彼も言葉の伝え方に対する悩みがあったんだなと親しみを覚えて、それ故に言葉を表現するための辞書作りに没頭していくのが面白かった。 そして板前の香具矢さんも辞書に強い集中を見せる馬締に惹かれていき結ばれるのも良い。 言葉で伝えることの難しさを意識するようになった。今まででも自分の思いや考えを言葉にしようとしても、中々表現が難しく時間がかかってしまうことはよくあるし、当時の記憶や感想を表現するためにも言葉が上手くなりたいと思った。 料理とかで単純においしいと言われるだけで満足ですが、上達のためには味や食感など個人の感性によるものを言葉で伝えなければならないし、紙の触り心地なども読んでいて、伝えるのは難しいだろうと感じた。 最後の恋文公開も面白かった。内容読んでると確実にどんな内容か見たいところがあるので 最後に公開したのはサプライズでより一層本を面白くしてると思います。 | ||||
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辞書を作るという仕事は膨大な資料を収集し分析し解釈し修正し・・・を繰り返す地味なもの。しかも完成 まで数十年もかかるという。ともすれば暗く起伏の乏しい物語になりがちだが、本書は登場人物の成長や人 間関係などを織り交ぜて最後まで楽しませてくれる。特に興味があったのは辞書作りや語釈についての蘊蓄。 へえーとかなるほどと感心したり驚いたり。自分の知識の整理にも役立った。物語全体を通して感じるホッ コリとした日常生活に共感を覚える。 | ||||
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これを読んで自分には人生を掛ける物が有るだろうかと自問したが、何もない。 好きな事は有るしこれまでやり続けているが没頭迄ではない。 もっともっと自分と向き合う事を教えられた素晴らしい本です。 | ||||
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もう感動の想いで胸が一杯になって心が震えるマジメとユーモアが絶妙にブレンドされた素晴らしい一冊でしたね。みんな本当に愛すべきキャラ達ですね。直球まじめ変人男の馬締の純愛の恋文を受け入れてくれた美人板前職人の香具矢さんに感謝。ヌッポロ一番が主食では長生き出来なかったでしょうからね。優しいタケおばあさんと愛猫トラさん&二代目トラオさん。厳格な荒木さんと温厚な松本先生(天国でも用例採集してね)、軽薄なチャラ男・西岡とベテラン佐々木さんと情熱女子・岸辺さん。言葉の大海をゆく舟を編み続ける方々の未来に幸あれ。 最初の方では耳慣れない「舟を編む」の意味がわかりませんでしたね。私にとって馴染み深いのは読書の途中によくあるいわゆる寝落ちの「舟を漕ぐ」ですね。最初の方に忘れられない面白いギャグが沢山ありましたね。「真面目」と「馬締」は超ナイス!です。「大渡海」と「大都会」クリキンの名曲熱唱に大爆笑!「おーいと言えばお茶」「ねえと言えばムーミン」素の可笑しさですよね。既に映画化はされていますが、私は関西人ですので主役の馬締役はNHKのTV番組「球辞苑」でお馴染みの徳井義実さんにぜひやってもらいたいと強く願いますね。 三浦しをんさんが本書を書かれたお陰で辞書に対する興味が格段に増して日本全国の書店で売り上げが相当UPしたんじゃないでしょうか。それから現実に書店に対して玄武書房の大渡海についてそそっかしい人からの問い合わせが殺到したんじゃないかなと思えますね。それにしても苦節15年よくぞ辞書編集部が存続したなあと感無量ですね。ピンチを救った「ソケブー大百科」も読みたかったなあ。まさに生涯を捧げた荒木さんと松本先生は執念だし西岡も貢献したし佐々木さんも偉いし岸辺さんも良縁を得て良かった。馬締と香具矢夫妻よ永遠にお幸せにね。 | ||||
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2012年の本屋大賞。すでに映画化もされているが小説は読んでいなかった。本屋大賞受賞作の共通点は、ページ数にかかわらず、すらすらと一息で読めるということだ。この本もそう。辞書作りという職人的で浮世離れした世界を舞台にした話でありながら、その特殊でおそらくは相当複雑な仕事の独特の内容をストレスなく読者に理解させながら、登場人物の心の動きに集中させてくれる。辞書編集という仕事の組織内での位置づけや社会的意義などの説明も、タイミング、分量ともに丁度いい。相当取材をして書いたのだろう。同じく本屋大賞の『鋼の森』もピアノの調律という特殊な職業に携わる若者の話だが、ピアノの調律の仕事の中身がいまいちよく伝わってこず、読みやすいけど没入できなかった。音の世界よりも字の世界のほうが小説にしやすいのだろうか。 入稿が早い「あ行」から校正作業が進んでいくため、「ら行」や「わ行」に着手する頃には刊行期限が迫ってきて手薄になるという話は面白いと思った。日本語には「あ行」から「さ行」で始まる言葉が多いため、辞書は「た行」になるあたりで半分くらいの用語が収録されているという。なるほど、言われてみればそうだ。電子辞書ではそういうことはわからない。いまだに「用例採集カード」を使って日常生活のなかで言葉を拾っているというのも驚きだ。なんとアナログな作業だろう。ここまでデジタルだAIだという時代になっても、辞書づくりは人間の言葉を相手にしている以上、自動化できない。なぜなら人間の言葉は自然に生まれて多くの人に話されるなかで変化し、進化し、退化もする。さまざまな用語が入り混じり、変化する。言葉は生き物なのだ。そして、限られた紙幅のなかに何を残し、何を落とすかを決めるのは編集者の経験や学習に基づく価値観や感覚だ。「用例」はこれまで言葉を使ってきた人たちへの敬意であり、これからその言葉を使うであろう人への思いやりである。AIには、敬意や思いやりをもって、限られた紙幅のなかで最大、最良の情報を伝えるといった芸当は少なくともいまのところできない。「愛」の定義を「異性を慕う気持ち」から「他者を慕う気持ち」に変えるという判断もAIにはできないだろう。辞書では、「ある言葉がはじめて文献に登場したのはいつなのか」を重視するというが、その文献デジタルかされてインターネット空間になければAIはお手上げだ。また、指でページをめくりやすくする紙の「ぬめり感」や、視認性を高める書体といった辞書の物理的なスペックは、微妙な身体感覚を通してしか感知できない。仮にAIにできるとしても、私企業の予算では無理だろう。これだけ人の知恵と感覚と感情が必要とされる仕事がまだ地上に残っていたのか、というのは言い過ぎかもしれないが、なんだか元気が出る。 読んでいるうちからいろんな言葉が気になりだした。収支トントンの「トントン」ってなんだろう? 「とんとん拍子」と関係あるのか? 「とんとご無沙汰してまして」の「とんと」ってなんだろう。アタマのなかに馬締さんか、松本先生が宿ってしまったかのようだ。辞書で調べてみるべし。 | ||||
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童貞くん“走る”。 いや、この場合“疾る”か? 「言葉」は、想いを伝え、時代を紡ぐもの。 時の移ろいと共に意味合いが、使われ方が変遷する。 そこに生命を、光を与えることができるのは、熱い気持ちの持ち主たちだけ。 天職とは探すものではなく、呼ばれるもの。 いかに懸想しても、縁がなければ、その職につくこと能わず。 今、目の前の仕事に情熱を燃やし没頭することなくして、本当の向き、不向きは解らない。 自分たちの造りたいようにだけ仕事をする者を、プロとは呼べない。 顧客の利便の為に、全力を注げ。 仕事に終わりはない。 永遠に成長する余地がある。 誰もが、誰かを必要としている。 誰かは味方。 時間を惜しむな! 人生は思うほどに、長くはない。 | ||||
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一つの言葉でも色々な捉え方があり、日本語の難しさ、面白さ、日常の言葉の捉え方等により辞書編纂の大変さが よくわかりました。 | ||||
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書籍は必ず、図書館で物色します。 本が売れない時代、、と言われて久しいですが。 まず、どんな本も奥付けページを読んでどんな方が執筆されたのかを確かめます。 ですが、この書籍は一目惚れ…でした。 おお、国語辞書の話か! それも製作にまつわること。 早速、借りて。 どこに出掛けるにも持ち出して。 そして読破。 この書籍に限らず、本に対する姿勢です。 スマホを忘れても書籍は忘れない。。 辞書に対して、苦手意識を持たれる方が多い様ですが私は辞書が好きです。 | ||||
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ふだん気にしていなかった言葉の大切さに気づかされました。情熱の大切さも。 | ||||
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長くサラリーマンをしていると、お客様の喜ぶ姿や世の中のために、良いモノやサービス、仕掛けを作り上げることに情熱をかけて誠心誠意取り組み、多少なりともそれを実現させることと、会社で出世したり、世の中で認められるための基準は別のものだということ。こういう小説を読むと一見損な役回りに見える前者の生き方も悪くない、と思えてくる。不器用だしアウトプットも今ひとつだが、一所懸命な部下たちが、世のため人のために貢献できるように導き、達成感とやりがいを感じられるために頑張りたくなる。デトックスになりました。 | ||||
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馬締光也の言葉との壮絶なる戦いを描いた作品。 辞書編纂という地味なテーマからも、人々の心の動きや交流をユーモア溢れる筆致で見事に描き出している。 とても大胆なドラマに描き切っており、エンターテイメントに昇華させている所は、著者の技量の素晴らしさである。 人間は何事も打ち込む時に熱くなり、輝くという事をしみじみ感じた。 | ||||
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本屋大賞の受賞作であるが、幼稚な作品である。玄武堂辞書部に配属された馬締(まじめ)という27歳の若者が主人公なのだが、この若者は定年間際の大先輩・荒木に対しても、松本先生(見坊豪紀氏がモデルと思われる)を招いた宴席でも、「俺」という一人称を使う(33頁)。辞書部員としての適性以前に、社会人としての常識が問われるところだが、不思議なことに荒木以下の辞書部員はこの一人称を咎めもしない。おそらく作者の意図は、「俺」という一人称に馬締の個性を象徴させる意図なのだろうが、あまりにも幼稚な作為である。馬締の先輩部員である西岡も、松本先生の発言に対して「まじで」と応じる(61頁)。しかも西岡は、勤務時間中に「喫茶店で休憩したり、合コンに行ったり」(56頁)する。すべてが程度の悪い学生のノリなのである。おそらく著者自身が組織人の基本t動作を学んだことがないのだろう。 また本書で展開されるストーリーの時代背景がはっきりしないが、定年間際の荒木が大学4年生の年に小学館の『日本国語大辞典』が刊行(1972年)されたということであるから(10頁)、21世紀入り後のストーリーのはずである。ところが、馬締が住むのは「柱の重みで土台から崩壊しそうな」(40頁)「早雲荘」という下宿屋であり、しばしば大家のおばあさんに誘われて「小さな卓袱台に向かって正座」(42頁)して食事を共にする。また彼は、飼い猫の「トラ」が「スズメやトンボを誇らしげにくわえ、用水路べりを歩く姿を何度も見かけた」(48頁)。まるで西岸良平の『三丁目の夕日』の世界である。主人公・馬締は、同作品の「茶川竜之介」のパクリではないか。何から何までちぐはぐで、非現実的なのである。 こうした著作が本屋大賞を受賞する一事をももってしても、出版業界の衰退と人材の払底ぶりが窺える。 | ||||
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まず、日本語が美しい。日本語の美しい小説は読んでいて胸が清々しくなります。 出てくる登場人物も魅力的です。 話も、全く知らない「辞書づくりの裏側」を覗かせてもらっているようで、とても面白く最後まで一気に読めました。 映画を見てから読んだのですが、映画の良さとはまた違った人間臭さがあり、映画を楽しめた人にもオススメです。 | ||||
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