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湿地
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湿地の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.87pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全69件 21~40 2/4ページ
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良かったところ ・「女性への性暴力と、男性加害者への罰」というテーマがわかりやすい。作者が訴えたかったこと、表現したかった焦点がわかりやすい。 個人的に良くないと思ったところ ・主人公以外のキャラクターに魅力がない。人物にあまり肉付けされておらず、特徴がない。 居ても居なくてもいい、他の誰でもいいという感じ。 ・伏線がない。唐突に現れる新キャラ、伏線がなく思いつきだけで進展する捜査。 しかもそれが必ず正解に結びつく安直さ。 ミステリー小説というより、脚本を読んでいる気分に。 総評 女性への性暴力という社会問題や、現地の文化をしっかり表現されている。 警察へ訴え出る難しさ、泣き寝入りする被害者とその子どもがどのような思いを抱えるかを描きたかったのはわかる。が、表現力が足りないように感じた。 要所要所で盛り上がる展開というものはなく、同じ温度感でだらだらと続いた感じ。 内容は悪くないだけに、小説としてもっと洗練されれば良かったかなぁと。 | ||||
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北欧ものミステリーとして評者が最初に読んだのは、ヘニング・マンケルであった。 『目くらましの道』など数冊読んだが、まぁ、それなりに面白いのであったが、評者の好みではなかった。 そんな評者の好みから、そのあと北欧ものを避けていた。 最近、なんとなくユッシ・エーズラ・オールスンの「特捜部Q」シリーズをなんとなく読んでしまったが、これは予想以上に面白く、全作品を読むほど嵌ってしまったから、その続篇を心待ちしている。 たまには他の北欧ものを読もうと思い、本書『湿地』(アーナルデュル・インドリダソン著)を、Amazonで入手して読むことにした。 読みはじめて評者が感じたことは「既視感」である。 かってどこかで読んだことがあるようなエピソードばかり出てくるからである(遺伝性の病名以外)。 本署を読み終え、残念ながら期待したほどの作品ではなかった。 何十年も海外ミステリを読んできた「ヘソ曲りの評者」だけの感想かもしれませんが・・・。 | ||||
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賛否があると思うが、簡潔で読みやすい文章だった。淡々と調べを進めるうちに、事実が明らかになっていき、結末も驚かない。格調が高いというか、壮大というか。 読後のあっさり感みたいなのはない。 | ||||
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アイスランドは人口30万人強の国で、長く閉鎖的な環境であったために国民はどこかで血縁が繋がっているそうです。 そういった環境からミステリ小説の舞台になりにくかったようですが、この作者が道を切り開いたと後書きで紹介されています。 事件自体、ジメジメしたアパートメントの地下で起きます。その後の展開も陰鬱です。 アイスランドは年間を通して曇りが多く、太陽が出ることが少ないようですから、その雰囲気がそのまま小説に現れているのかと思います。 事件が解決してもやり切れない気分になるミステリでした。 | ||||
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文章に翻訳物にありがちな不自然さがなく、まるで最初から日本語で書かれたかのような自然な文章でした。人物紹介に不必要に尺を割かなかったためか、ストーリーのテンポが早く全く飽きませんでした。予想もしない新事実が次々に明らかになるので、ミステリーの楽しさを存分に味わえました。次回作も読んでみるつもりですq | ||||
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アーナルデュルの出世作。アイスランドのレイキャビクの北部、戦争前後に住み着いた移民が、湿地の下につくられた地下室に住んだ歴史をもつ。降り続く雨、陽のささない地下や墓地、モルグ。 「妹の自殺を思うとき、わたしの頭に何が浮かぶか知ってる?血で真っ赤に染まった浴槽じゃない。そこに沈んでる妹でも、手首の傷でもない。カミソリを買うために財布からお金を取り出している、お金を数えている姿なの」P83 日常にひそんだ恐怖、日常と並行するありふれた犯罪や死が、かえっておそろしい。謎をといていくのは地味な捜査官。 | ||||
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家族とは何か、遺伝子とは何かと考えさせられる内容でした。 お互いを思いやっているのに素直になれない無器用な家族の物語です。 | ||||
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アイスランドミステリは初めて。北欧物と一緒の括りにしてはいけないと思うけど、同じ匂いを感じた。緑衣の女も買ってしまったけど、もういいかな。主役の捜査官たちに、それほど惹かれない。事件の現場になる街や田舎にもどんな所なのかイメージが湧かない。私には合わなかったようです。 | ||||
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素晴らしい作品でした。出だしからは想像もつかない方へストーリーはどんどん進んでいき、ページをめくる手が止まらなくなります。最後は・・・とても深いテーマのある内容でした。 | ||||
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「雨交じりの風が吹く、十月のレイキャヴィク。 北の湿地にあるアパートで、老人の死体が発見された。被害者によって招き入れられた何者かが、突発的に殺害し、そのまま逃走したものと思われた。 ずさんで不器用、典型的なアイスランドの殺人。 だが、現場に残された三つの単語からなるメッセージが事件の様相を変えた。 計画的な殺人なのか? しだいに明らかになる被害者の老人の隠された過去。 レイキャヴィク警察犯罪捜査官エーレンデュルがたどりついた衝撃の犯人、そして肺腑をえぐる真相とは。」 最初はテンポが遅くて退屈で、なんだかなあと思いながら読んでいたのだが、殺された老人のホルベックの過去を調べ始めるところから面白くなってきた。そのホルベックのおぞましい過去が引きがねになり新しい事件が起こるのだが。 捜査にあたるイカれた子供二人を持つ離婚した50歳の犯罪捜査官のエーレンデュルはもじゃもじゃ頭のガッシリした男で一応皆に一目置かれているのだが、わたしにはいまいちこの男の性格がつかめなくて(解説を読むと彼についていろいろ紹介されているのだが、わたしには伝わってこなかった)、ヴァランダーのようには感情移入ができなく、なおかつ内容にヘレン・マクロイのような薄気味悪さがあり、わたしとしてはこの手のミステリーは苦手で今回は星★★★になりました。 | ||||
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これは救われないでしょう。空は灰色、建物も灰色、終始降り続く雨、地面はジトジト、こころもジトジト、そして事件はレイプ。たまったもんじゃない。物語の肝はレイプ被害者がその加害者の子供を産むってこと。そんな馬鹿なことあるかと思うか、そんなことがあっても仕方がないと思うかでこの作品に対する景色が変わってくるんじゃないでしょうか。とにかく全てが題名通り「湿地」でした。 | ||||
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気軽に短時間で読めるミステリーです。 特別斬新なプロットではないので,そういった部分でもお気楽。 登場人物の描き分けや背景の絡み合いも割とさらっと流しちゃってる感じなのもドロドロしていなくていいです。 その分物足りない,もうちょっと文体に深みが……,という意見もあるかもしれないけど。 「秋の夜長,濃いめのコーヒーを傍らにじっくりどっぷり,アイスランドの沈鬱な雨に謎解きを」 って方には不向きではあります。 | ||||
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北欧アイスランド・ミステリー界で活躍し世界中で高い評価を得ているキャリア15年のベテラン作家アーナルデュルの出世作となったエーレンデュル捜査官シリーズの第3作です。近年の北欧ミステリーブームの中で私がこれまで読んできた作品の国は、スウェーデン・デンマーク・ノルウェーに次いで本書のアイスランドが4ヶ国目となりました。(余談ですが残り1国フィンランドの作品も何時か読んでみたいと思います。)本書は本国で1999年に原書が刊行されてから5年後の2004年に英米に向けて紹介されまして、更に8年後の今年やっと日本版が刊行となりました。どうしてこんなに素晴らしい実力派の著者の紹介が遅れたのか?やはりまだ馴染みの薄い国の作品だから運に恵まれなかったのだなと思えますが、でも過ぎた事は振り返らずに未来に目を向けてこれから残された未訳の14作をどんどん紹介して行って欲しいと強く望みます。私が本書を読んで一番強く感じたのはヒューマニズムの部分で、久々に昔読んだ日本ミステリー「人間の証明」森村誠一著を思い出しました。この二作は内容的に見ると共通する部分がそれ程多くないとは思いますが、その人間の遣る瀬無い感情を生々しく描いている点に於いては似た雰囲気を感じました。 北の湿地ノルデュルミリのアパートで発見された老人の死体の傍らには意味不明のメッセージが残されていた。激情による突発的な殺人と見える状況の中でレイキャヴィク警察犯罪捜査官エーレンデュルは不審を感じ被害者の老人の過去を辿る内に新たな犯罪の手掛かりを得てある異常な仮説を立てるのだった。 本書は複数の容疑者の中から真犯人を突き止めるという形のミステリーではなく、確かに定石通りに終盤まで犯人の正体は明かされませんが、謎解きや推理する事にあまり意味があるとは思えません。とにかくこの心が張り裂けそうになる悲痛な犯罪ドラマと必然に思える悲劇的な結末の衝撃を全身全霊でもって受け止めてください。本書を読んで特に感心したのは著者がそれぞれの人物像を描く事に心を砕く方であり性格の造形が非常に巧みだという点で、重要でない端役の人々に至るまで登場する全ての人が生き生きとした印象を残し決しておざなりには書かれていません。そんな中でやはり何と言っても主役のエーレンデュル捜査官の人間的な魅力が最高です。同僚と全く意見を交換せずに行動する身勝手なオレ流の独断専行家タイプであり、当然の如く年下の若い同僚二人エーリンボルク(女性)とシグルデュル=オーリとの間にジェネレーション・ギャップが生まれ昔気質の捜査の進め方に不満を抱いたりもしますが、でも最後にはその実力と人間性に共感し完全にわだかまりを解いて心の底からの信頼を勝ち取るのは流石だと思います。またほとんど堅物でありながらも自分では意識しないユーモア感覚の持ち主で、妻が結婚式の場から失踪した品質管理責任者の夫に向かって「女は品質管理しがたいもの」と言う所などは皮肉も効かせて絶妙の味だと思います。警察官としてはほぼ完璧な彼も私生活では自信がなく悩みが多い50歳のやもめ男で、20年前に別れた妻との間に出来た二人の子供の不幸な境遇に負い目を感じています。本書では麻薬中毒常習者の娘エヴァ=リンドの荒んだ生き方を正そうと幾度も苦労した果てに遠慮を捨て去り真っ向からぶつかって心を通わせる父娘の人間ドラマが素晴らしいです。今回は名前のみ紹介された息子シンドリ=スナイルも次作以降に登場するのか興味を惹かれます。 本書は真実の意味での被害者と言える人々、特にカバーに描かれた幼い少女ウイドルの死が可哀そうで心が張り裂けそうになるあまりにも酷く悲痛な犯罪ドラマの完成度によって世界中から高い評価を得たのでしょう。私は一読して強い感銘を受け著者の才能は正真正銘の本物だと確信した次第で、ぜひとも全ての作品を読みたくて堪らない気持ちで一杯になりました。東京創元社様には努力して頂いて今後単行本でも文庫本でもどちらでも結構ですのでどんなに時間がかかろうとも着実に紹介を進めて行って欲しいと強く願います。 | ||||
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アイスランドが舞台の小説は初めて。 主人公の捜査官が不器用な中年男、離婚、娘がいて、関係がギクシャクしてる。 少し前に読んだヴァランダー刑事にそっくり、こちらはスエーデンが舞台だが。 被害者はレイプされ妊娠、その子は幼少で病死、そして自殺。遺伝の問題。臓器の盗難。 おぞましいましい内容だけれど、文章はすっきりとしていて読みやすい。 | ||||
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あまり印象に残らなかったので、アイルランドの伊坂幸太郎とでも呼ばせていただきます(笑) | ||||
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海外ミステリを脈絡なく読んでいたら北欧ものに行きつき、はたまた本作に 流れ着きました。 そしてアイスランドのことも初めてウィキペディアで読みました。 レイキャビクの地名を聞いたことがある程度の知識でしたので、いろいろ 驚きましたが、なんといってもその人口の少なさ!私の住んでいる市の半分でした! それでもどこでも変わらない現代の都市型の犯罪や問題が高密度で詰まっていました。 加えてアイスランド独特だろうなと思える事象が本作の決定的な要因となっています。 暗い、寒い、ジメジメするといった印象の北欧ですが、良い作家が多いですね。 その厳しい自然環境が、深い思考と執筆に没頭することの手助けとなっているのかな、 また同様に良い読者が多いのかな、などと勝手な思考を巡らせています。 本作ですが、時間軸や視点が複雑に錯綜する手法とは逆でシンプルに書かれており、 また文章も簡潔で非常に読みやすかった。 しかしながら、その淡々と書かれた文体が、傷ついた人たちの悲しみを深く描いていた と思います。 発行会社さんには、誤った過小評価をされないために、筆の乗ってきた作品から発行するのは 良い手法だと思いますが、どこかのタイミングで一作目から発刊していただけることを 期待しております。 | ||||
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次から次へと判明する不可解な事実。陰鬱な空気が相まって、文字通りズブズブと湿地に浸かって行くような物語。 アイスランドの馴染みない地名に戸惑うけど、短くサクサクと章が分かれていて読みやすく、 おもしれぇ! とページを捲る手が止まらない。 でも、容疑者が特定される頃から失速感が否めない。 ズブズブ湿地を進んでたと思ったらいつの間にか陸に上がってパソコン弄ってた、みたいな物語で、絶妙に勿体ない感じがする作品。 | ||||
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アイスランド発のミステリー小説という事で「珍しいな」と思って手を取ってみた。 日本ではアイスランドという国はよく知られておらず「アイスランドの小説ってどんなのだろう?」と興味本位で読み始めたのだが、これが予想外に面白い! 名前や地名が独特なので、最初はそれに戸惑ったが、物語のテンポが良くてどんどん物語の世界に入っていけた。 このテンポの良さって言うのが非常に大事で、とても読みやすく僕は気に入った。 最近のミステリーではもったいぶっているのか、重厚さを気取っているのか、やたら長い小説が多く無駄に長い説明や心理描写にウンザリする事が多い。 その点、本書はコンパクトにわかりやすく書かれているのが非常に読みやすくていい。 アイスランドの伝承文学であるサーガにならって短く簡潔な表現をこころがけてるそうだ。 巻末のインタビューでも著者は「形容詞をいくつも並べたりせず、簡潔で的確な表現をこころがけている」と話している。 テンポがよくて読みやすいというのは娯楽小説では非常に大事な要素で、本書が成功した要因の一つだろう。 さらに成功の要因として、アイスランド的な物を大事にしているという事があげられるだろう。 世界的なベストセラー作家となった現在でも著者はこの点を大事にしているそうだ。 インタビューでは 「常にアイスランド人読者の事を念頭に置いて書いており、他の国々で売れたからといってこの姿勢を変える事はない。なぜならアイスランド的なるものこそが世界中の読者を楽しませていると思うからだ」 と答えている。 まさにそのとおりで、僕もアイスランド独特の文化や風習、歴史を背景にした物語展開に興味をそそられ、心を奪われた。 海外でヒットしたからと言って作風を変えるのではなく、あくまでもアイスランド人であるという自分のアイデンティティを大切にしてるからこそ海外でも評価されるのだろう。 本書は派手な銃撃戦とかトリックがあるわけではない。 老人がアパートでアイスランド的な杜撰な殺され方をしたところから始まり、その背景を探っていくだけの展開だ。 アイスランド独自の社会問題をところどころ織り交ぜながら、その犯罪が周囲の人間の人生に及ぼす影響を簡潔に描いていくという作品だ。 それが、とてもテンポよく、時に家族問題や社会問題を考えさせられたり、理不尽さに怒ったりしながら読むことができ、充実した読書体験をする事ができる。 初めてこの作家の本を読んだが、一気に気に入った。 「緑衣の女」「声」を読むのも楽しみだし、さらに本シリーズの翻訳が待たれる。 いい作家をみつけたと喜んでいる。 | ||||
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☆この話はすべてが広大な北の湿地のようなものだ。 犯罪捜査官エーレンデュル・スヴェインソン 「湿地」というタイトルから陰湿でジメジメしていて・・・と 勝手に思い込んでいて。取り寄せはしたものの長いことそのまんまに それが早朝読み始めたら、一気に終了。訳がよかったのかしらん。 アイスランドのミステリーって初めてでした。大体アイスランドって 如何いう国?検索してみるとオーロラツアーのある島国でした。 「訳者あとがき」によると国土は日本の1/3、人口32万人。 レイキャビックの町は端から端まで二時間も歩けば終わってしまうそう。 そのレイキャビックで事件は起きる。雨交じりの風が吹く10月。 殺害されたのは70歳前後の男性。一枚のメッセージが残されていた。 <おれ は あいつ> 単語は三つだけ。ここから物語は思ってもみない 方向へと進んでいく。主人公の名はエーデンデュル。犯罪捜査官。 赤毛のもじゃもじゃ(だったかと)、骨格太く頑丈そうな大柄な50歳 (これもだったかと)。パッパッと読んじゃったんで。 何日も同じ服着てても平気な現場一筋の刑事のよう。妻とはだいぶ前に離婚。 二人の子供はろくでなし。薬物中毒の不良娘との諍い、葛藤、色々が 事件の合間あいまに出てきて、時にブチ切れながらも親子の情愛がたっぷり、 これがとってもいいんだ。 「エーデンデュルは娘と居間に腰を下ろした。殺人事件の捜査と経緯を くわしく話した。頭の整理でもあった。死体の発見、アパートの臭い、 意味不明の走り書き、引き出しの奥から発見された写真、パソコンに 満載されたポルノ、墓石に刻まれた言葉、コルブリンと姉のエーリン、 ~もう一つのレイプの可能性~~エーデンデュルはできるかぎり 論理的にこれらを話した。~~」 次から次へと、事件は展開されて、あれよあれよで読んでしまいました。 全体を覆う雨、雨、雨・・・湿地という設定がくら~い感じもするけど意味があり ただひたすら面白かった。これも訳者あとがきによると、「アイスランドでは ファーストネームが正称で、姓のほうは一般に使われない」、ほんとに 変わった国だなぁとおもう。登場人物の名の一覧表が地図と共に記載されていたんで 助かりました。途中覚えられなくて困りましたので。そう。そう。印刷は変わってる。 ところどころ書体を変えたり、ゴシックにしたりして、これも読みやすさの ひとつなのかも。そうして「~どこかの国を知りたかったら、ミステリー小説を 読めばいい。一番的確な案内書~」イアン・ランキンのお言葉とか。確かにそうかも。 「湿地」って、ひょっとして映画になってるの?検索してみました。ありました。 エーレンデュル役にはイングヴァール・E・シーグルソン。詳しく知りたい「なで 検索するも、画像を少々何とか見れたかんじかな。よくわからず。 アイスランドにはアイスランド語(初めて知りました)があるものの「湿地」の訳は スウェーデン語から。とにかく訳は読みやすかったです。感謝。 次は「緑衣の女」へ。同じ訳者だからパツパッと読めるかな。期待でいっぱい。 | ||||
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レビューの表題は、主人公の捜査官エーレンデュエルの同僚の名。 アイスランドのミステリを初めて読んだが、登場する人名に面食らった。舌を噛みそうだし、誰が誰だがちょくちょく見失った。だが不思議なことに――アイスランドなど行ったこともないし興味もなかったが、間違いなく私の脳内には、暗く湿った彼の地の風景が見えてきた。アイスランドがここにあった。 日本のミステリだと、主人公の私生活の問題が、眼の前の事件と(やや安易に)リンクしたりするのだが、この小説では、内面の問題と事件が、〝心理(あるいは真理)〟の部分で絡み合う。 アーナルデュル・インドリダソン(またしても舌を噛みそうだが)、追いかけ続ける作家のひとりとなった。 | ||||
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