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灰色の虹
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灰色の虹の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 41~44 3/3ページ
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丁寧な文章が好きで最近欠かさず読んでいる貫井さんの新刊です。 今回の長編は、冤罪で人生の全てを失った男の復讐物語 強引に自白を迫る刑事、怜悧冷徹な検事、不誠実だった弁護士。 7年前、冤罪を作り出した者たちが次々に殺されて行く。 常日頃、私自身、この世の中で一番悔しい事は「冤罪」だと思っているので、 かなり興味を持って読めました。 日常の生活の中でさえ人から疑われたり、信じて貰えない事は悔しい事であるのに、 それが犯罪(殺人事件)での冤罪となれば、それ程悔しい事はないのではないでしょうか? 今回の主人公、江木雅史(えぎまさふみ)とその母の苦悩があまりにも辛くて可哀想で、 復讐自体は(殺人)は当然悪いことと思えても、肩入れしてしまう自分がいました。 人が人を裁く以上、刑事や検事、裁判官、そして目撃者は慎重に慎重を重ねて正義を持って その仕事を全うして貰いたいとつくづく感じました。 貫井さんのいつもながらの丁寧な文体、そして細やかな人物描写、見事な構成には圧巻です。 もし自分が冤罪になったら…と想像しながら感情移入して読めた一冊です。 | ||||
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慟哭でいたく感動しましたが、灰色の虹は 久々の貫井本でした。 この間に多々作品があるのは承知の上で 不遜なレビューとは思いますが… まず、取材が薄くないか??ってのが一番気になりました。 法廷もの、といってもいいくらい裁判シーンなり裁判関係・司法関係の 記述が多いのですが、いちいちチェックしてませんけど、 職業として弁護士をしている私の目には「え?????」と 思うようなところが頻出です。 小説だし、と思って読みましたが、リアリティ小説なんだから もっともっと取材して欲しかった。 (私としては、そういうところが目についてしまって、 テーマに肉薄できなかった面がありますが)テーマとしても 書き込みが物足りなかった感はあります。これは他の方も書いておられるところですが。 すごく未消化な感じがあったですし、逆にぐいぐいっと引っ張られる感じの欠如と いうのを感じて、慟哭という作品を懐かしんでしまいました。 ちょっとそれが悲しい。 | ||||
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貫井さんの本は大好きで、出たら必ず買ってるんですが…ここ最近のやつは、 悪い意味での「軽さ」が目立つような気がします。 主人公が有罪判決を下されるまでの流れが軽すぎて「リアリティの無い漫画」 みたいだし。 山名刑事の過去の話なんて、以前の貫井さんならこれでもか!ってくらい重く 書いたと思うんですが、あっさりと流しちゃってるし。 最後の、犯人の独白も「魂が震えるシーン」であるはずなのに、そこに 至るまでの軽さのせいで「ふーん、なるほど」くらいにしか思えなかった。 【乱反射】以降の貫井さんは、意図的に「一般受け狙いの軽さ」を 盛り込んでいるような気がします。 「重厚、人間のいや〜な悪意がこれでもかっ!、後味最悪。でも、なぜか途中で 読むのを止めたいとは全く思わない。最後まで一気読み」ってのが 貫井さんの魅力だと思うんで、変に一般ウケを狙って欲しくないな〜。 | ||||
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厚い、重い一冊。そしてそれに違わぬ読み応え。ただし読後感はよくない。 「悪人」と似てるかな? 特に最後の3ページ、このありふれた日常のしかし永遠に失われた輝かしさに 胸ふさがれ鈍い痛みにじわじわと涙がわいた。 この感じ、この、どうしようもないやるせなさ。 ただ、これだけ厚くても重くてもなお、もっと描写があっていい、膨らませてほしかったとも思う。 特に自らも過去を背負いながら江木の心に迫ろうとする山名、 そして逮捕された犯人の叫びには、もう少し厚みがほしかった。 | ||||
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