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二流小説家
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二流小説家の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全100件 81~100 5/5ページ
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主人公は自らを「凡庸だ」みたいなことをこの本のあちこちで言っておりますが、なかなかどうして、この本はかなりシャープに問題意識を読者に突き付けます。 ミステリーの領域(たとえば「虚無への供物」)でも、それ以外(たとえば平野啓一郎「決壊」) でも、こうして読者自身に揺さぶりをかけるだけの力をもった作品は稀有だと思います。エンタテインメントから一歩踏み出し得た傑作です。 | ||||
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気づいたら2011年このミス等総なめしてましたね。 そこまでか?といわれると少し首もかしげますが、 面白いのは確かです。 売れない連載小説家として、様々なジャンルの小説を書く主人公、 その劇中作の二流っぷり(もちろんいい意味で)がすばらしい。 その続きが見たくて、頁をめくってしまいます。 純粋なミステリとして、そのプロットや謎解きは 正直星3つかな?と思いますが、魅力的な登場人物や 主人公の生き様?が星4つです。 これから作風がこなれてくることを期待して! | ||||
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原題「serialist」(連載物作家)には、冠詞(a、the)が付いていないので、連載物作家「魂」と訳してもあながち訳し過ぎではないと思う。複数のペンネームを使い分けして小説をかき分けるほど主人公が発奮しているのだから。 むしろ、なぜ「連載物」を「二流小説」と訳したのか、主人公が自身の小説観を吐露しているこの小説の内容からして理解に苦しむ。売れない連載物=二流、とは自虐的過ぎないか。 それはともかく、ドラマCSI科学捜査班を見ているので、殺害現場からもっと容疑者の手がかり、痕跡が発見されてもいいのでは、と突っ込みたくなるが、この小説の眼目ではないのでまあいいか。 謎解きには若干不満の残る内容とはいえ、主人公を取り巻く人物の造形の見事さに加え、著者の小説観を主人公に語らせるその内容にも飽きさせるところがない。劇中小説も通俗的趣に満ち、それがかえって最後まで頁をめくらせる魅力となっている。 | ||||
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冴えないはずの主人公が何故か重大発見を繰り返し、しかも美女が何人も絡んでくれるなんて、ご都合主義もいいとこだ。 だが、主人公の駄目さ加減が実によく書けていて、最後の切ない終わり方もホロリとさせる。話の展開に冗長さがないので テンポよく進み読みやすい。なお、104頁あたりに出てくる地名の「スカーズデール」は、「スカースデール」が正しい発音です。 | ||||
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2011年の年末、日本国内の3つの年間ミステリ・ランキングでベスト1となった本書、その感想は…。 売れない小説家ハリー・ブロックの「ぼく」は、ペンネームを使い分け、ミステリやSFなど4つのジャンル小説を執筆するかたわら、家庭教師の稼ぎで糊口をしのいでいた。 そんな彼に死刑囚の連続殺人犯ダリアン・クレイから、ある条件のもと、犯行内容を告白するとの申し出があった。 告白本を書けばベストセラー間違いなしと、申し出を受け入れた彼だったが、取材途中で過去を彷彿とさせる殺人事件に遭遇する…。 本書は、「ぼく」が初めて本名で世に送り出す小説という体裁をとっており、一人称形式で綴られています。 私は、冒頭2ページのプロローグと言うべき部分に注目しました。 まず、第一文は、 1.【小説は冒頭の一文が何より肝心だ】 そのページ後半には、 2.【信頼できない語り手】 の記述があり、次ページ前半には、 3.【ぼくはひとを殺しちゃいない】 とあります。 1.〜3.の文言を見た私は、「これは、何かあるぞ」と大きな期待を抱きつつ、ページを繰っていきました。 でも−−正直なところ、冒頭2ページへの期待は未消化のまま終わってしまった観があります。 本作品は、「ミステリ」という枠に拘らずに読むと、楽しめるのではないかと思います。 まず、売れない小説家、という設定は、一種の「業界もの」として楽しめます。 また、途中、ハリーが別名義で書いた小説の一部が引用されていますが、「これがなかなか面白い」。 さらに、ハリーを取り巻く三人の女性も、いわゆる「キャラが立っている」。 そのほか、物語のところどころで展開する、作家論、読者論も、ユーモラスかつシニカルで、楽しむことができます。 総体として、この著者は「ミステリ」という「ジャンル小説」に拘らずに、独自の作品世界を構築できると、今後も読みごたえのある小説を発表できるのではないか、と感じました。 | ||||
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主人公のクイーンズへの偏愛とか、日本でいえば純文学みたいなものへの嫌悪と劣等感とか、愉快で切なくて愛おしい。私はこの前半の雰囲気が好きだった。 そんな気分に浸っていたら急展開して、話はいきなりスプラッター風になっちゃって加速する。読み逃したのか、私の理解が足りないのか、細部の未解決部分が多いまま終わるけど、全体に流れる空気はよく伝わってきた。クイーンズというところに行きたくなってくる。主人公は中年だけどちょっと泣けてくる青春ドラマでもある。読み終わるのがもったいなかったです。 | ||||
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最近の通勤のおとも。 主人公は、中年の小説家。 素晴らしい経歴なんだろうけれど、売れず。 生きていくためには、いろいろな筆名で、ポルノ、ヴァンパイア小説、推理小説、、 まで書いて、しまいには、家庭教師まで。彼女はさるし、家庭教師相手の女子高生からは小馬鹿にされる。 そんななかに、間もなく死刑となるはずの、猟期的連続殺人事件の、死刑囚から、条件付きの執筆の依頼。 うまくいけば、大ヒットになるはず。 ミステリーとしても、どんでん返しも十分にあるし、面白い。 決して、新しい技ではないのだけど、 読み返すと、いくつかのヒントはちりばめられていたのだけど、 最初は、犯人には、気がつかなかった、、。 上手に隠されてしまっていて。 普通の小説としても、事件解決後のほろ苦さとか、 人生感とかに非常に共鳴でき、 なんとも言えない余韻が残った、、。 よくできた小説だ。 でもねえ、、 小説の執筆の依頼があって、コアなファンサイトもあって、 それなりに、食えているのだから、、。 これで生きていく、、人の、意気込みというか、気力、運を感じる。 こういうのを、単純に二流っていうのかなあ。 | ||||
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意外にそういう場面がたくさん出てきます。また、人がたくさん死にます。 | ||||
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いくらなんでも軽すぎ! 主人公の行動、言動があまりにも稚拙、突飛。 初めの殺人現場に遭遇した後とか。 女子高生、ストリッパー、FBI捜査官(特に尾行してた人)ら脇役も同様。 が、しかし題名を見て気がつきました。(←読み終わってからかよ!) 私が読み方を間違えていました。 「二流小説家」が書いたパルプ・フィクション(≒バカミス)なのですね。 大変失礼致しました。 ポケミスから刊行されている、というのがトリックになっておりまして……。 ある意味“叙述”。(笑) | ||||
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主人公ハリーの書いたミステリやSFなどの作品が断片的に挿入されていたり、ハリーの文学観や小説作法なども書かれていたりするなど、なかなか凝った構成。ミステリ・ファンで、しかも小説家を夢見ていた私には非常に面白かった。 新聞や雑誌の書評でもかなり好意的に取り上げられており、いまさらの感もあるが、ミステリ・ファンなら絶対に面白いと思うはず。作者のデイヴィッド・ゴードンは本作がデビュー作だというが、マスコミ関係のキャリアを積んでいるだけあって構成力はさすが。長編ミステリの場合、前半に主要なエピソードが集中し、後半になるとスピーディになるのと引き替えに急激に濃度が下がることが多々ある。ところが、本作の場合は、新たな連続殺人が起こるのが序盤ではなく、中盤に入ってからで、最後の最後まで濃度が下がらない。ハリーを取り巻く人々も個性的で、ハリーのビジネス・パートナーでもあり、家庭教師としてしての教え子でもある女子高校生クレア、双子の姉をダリアンに殺されたストリッパーのダニエラ、ゲイの友人のモーリスなど、それぞれがそれぞれの立場から「二流小説家」のハリーを支える。 誤読してしまったのは事件の鍵を握るダリアンの弁護人、キャロル・フロスキーを途中まで男性だと思い込んでいたこと。名前は明らかに女性なのだが、最初に登場するのが口汚く電話の相手を罵る場面であり、「彼女」という表記が一切ないので勘違いしたのだ。事件の謎が解き明かされていく段階で気づいたのだが、この失態は大きい。もう一点気になったのはダリアンが殺したのは3人なのか、4人なのかという点。これが最後まで明確になっていなかったというのは無理があるような気がする。 | ||||
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犯人が誰かということを主眼に置いたミステリを探している人には薦められませんが、良く出来た物語を探している人には勧めることが出来るでしょう。 一見すると良くあるサイコスリラーに近いストーリーに見えますが、魅力的な登場人物が織り成す物語は、微笑ましいやり取りとおぞましい殺人を描く微妙なバランスを保ちつつ。普通小説に近い感触を読む人に与えるでしょう。 もちろん、コアにある殺人を巡るなぞが読者を引っ張り、その謎はラストまでに解決されますが、語り手自身に関する謎は最後まで残ります。 再読、再々読に耐える作品だと思います。 | ||||
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犯人が誰かということを主眼に置いたミステリを探している人には薦められませんが、良く出来た物語を探している人には勧めることが出来るでしょう。 一見すると良くあるサイコスリラーに近いストーリーに見えますが、魅力的な登場人物が織り成す物語は、微笑ましいやり取りとおぞましい殺人を描く微妙なバランスを保ちつつ。普通小説に近い感触を読む人に与えるでしょう。 もちろん、コアにある殺人を巡るなぞが読者を引っ張り、その謎はラストまでに解決されますが、語り手自身に関する謎は最後まで残ります。 再読、再々読に耐える作品だと思います。 | ||||
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根幹となる連続殺人鬼に纏わる話は、強力で魅力的。 中盤すぎと、最終盤にはデカイどんでん返しを配して面白い。 クレア、ダニエラ等脇を固める登場人物も、これまた魅力的。 読み終わって、こんな形=技巧に溺れた変化球小説にせずに、直球勝負してくれたら、 とんでもない<おもしろい>犯罪小説を読めたんじゃなかろうか、 読み逃したんじゃないのかと、地団駄踏んで悔しがりたい気分で憂鬱。 兎に角、私的には200Pぐらいまで、全く面白くなく、何度も読了放棄を考えたほど。 これはカール・ハイアセンの「迷惑なんだけど」以来の事。 エピローグもグタグタ何言ってるのか良くわからんし、読後感がスッキリしない。 やっぱり”溺れてる”?。 「惑星ゾークゾク?」の話が定期的に挿話されるのは、”溺れ”の一環か? (ただし、「惑星ゾーク」の物語自体は結構面白かったが...) これだけのプロットを構築出来るのだから、次回作は是非... | ||||
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根幹となる連続殺人鬼に纏わる話は、強力で魅力的。 中盤すぎと、最終盤にはデカイどんでん返しを配して面白い。 クレア、ダニエラ等脇を固める登場人物も、これまた魅力的。 読み終わって、こんな形=技巧に溺れた変化球小説にせずに、直球勝負してくれたら、 とんでもない<おもしろい>犯罪小説を読めたんじゃなかろうか、 読み逃したんじゃないのかと、地団駄踏んで悔しがりたい気分で憂鬱。 兎に角、私的には200Pぐらいまで、全く面白くなく、何度も読了放棄を考えたほど。 これはカール・ハイアセンの「迷惑なんだけど」以来の事。 エピローグもグタグタ何言ってるのか良くわからんし、読後感がスッキリしない。 やっぱり”溺れてる”?。 「惑星ゾークゾク?」の話が定期的に挿話されるのは、”溺れ”の一環か? (ただし、「惑星ゾーク」の物語自体は結構面白かったが...) これだけのプロットを構築出来るのだから、次回作は是非... | ||||
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ポルノ雑誌編集部に勤めていた頃の実体験をヒントにして書き上げたデビュー作の本書がアメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞にノミネートされ今全米ミステリー・ファンの熱い注目を浴びる新鋭ゴードンの期待の初紹介です。〈ポケミス新世代作家〉と銘打たれた企画の第1弾である本書を読んで私は新進気鋭の著者がいっぺんに好きになりました。それは本筋のミステリー以外の部分でも興味深いエピソードを積み重ねて読者を全く飽きさせずにテンポ良く頁を繰らせる著者の天性の才能を感じたからです。作中に挿入される「ヴァンパイア小説」「ハードボイルド小説」「SF小説」の3本はどれも面白く著者のサービス精神を感じましたし、売れない無名の作家で食べるだけで精一杯の生活の中、愛する恋人には去られ副業の家庭教師で教える女高生からも馬鹿にされる体たらくの惨めな主人公ですが、それでも自棄を起こさず生来の優しさを失わずに日々がんばっている姿にはある意味で尊敬の念と深い共感を覚えました。 ある日二流小説家ハリーに連続殺人鬼の死刑囚ダリアンからの手紙が届く。刑務所で面会したハリーはダリアンから自伝的告白本の執筆と引き換えにファンの女性を取材してポルノ小説を書く事を依頼され一度は屈辱を感じ断ろうとするが、その後名声を得る絶好のチャンスだからと気持ちを切り変えて新たな決意で前に踏み出して行く。 序盤のスローで穏やかな展開から中盤に至って雰囲気がガラリと一変し突如発生する残酷な殺人シーンに度肝を抜かれ俄然興奮が高まって盛り上がります。その後の展開についてはミステリー通の方ならば作家と死刑囚の対決という構図から大筋の仕掛けを予想し、早過ぎる段階での種明かしに「まだ他に何かあるな」と感づくでしょう。でも昔の本格推理の様な飛び切りのサプライズを狙わずに手堅くリアリティーを重視する著者の姿勢は現代作家に共通する傾向ですのでそれはそれで良いと思います。唯、頭部の隠し場所やもう一つの驚きはプロの警察やFBIであれば素人より先に突き止められるのではと思いますが。推理の方は小粒でも本書の一番の素晴らしさは、二流小説家ハリーが関係者の女性との衝動的な恋や有名なベストセラー作家になる夢の成就に近づきながら惜しくも叶わず、結局はやはり元の冴えない二流小説家のままで少しも変わらないという事実を残念に思う反面、逆に彼らしさを失くさずにいられた事を祝福してあげたい気持ちになるという彼の人間的な魅力の最良の部分を深く実感させてくれる人生の哀感漂う真摯な人間ドラマにあると思います。 最後にまだまだ先の話ではありますが日本では最初の一作が紹介されただけで後が続かない作家も多い中で著者にはコンスタントに話題作が翻訳され続ける常連作家に成長して欲しいと願っています。 | ||||
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ポルノ雑誌編集部に勤めていた頃の実体験をヒントにして書き上げたデビュー作の本書がアメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞にノミネートされ今全米ミステリー・ファンの熱い注目を浴びる新鋭ゴードンの期待の初紹介です。〈ポケミス新世代作家〉と銘打たれた企画の第1弾である本書を読んで私は新進気鋭の著者がいっぺんに好きになりました。それは本筋のミステリー以外の部分でも興味深いエピソードを積み重ねて読者を全く飽きさせずにテンポ良く頁を繰らせる著者の天性の才能を感じたからです。作中に挿入される「ヴァンパイア小説」「ハードボイルド小説」「SF小説」の3本はどれも面白く著者のサービス精神を感じましたし、売れない無名の作家で食べるだけで精一杯の生活の中、愛する恋人には去られ副業の家庭教師で教える女高生からも馬鹿にされる体たらくの惨めな主人公ですが、それでも自棄を起こさず生来の優しさを失わずに日々がんばっている姿にはある意味で尊敬の念と深い共感を覚えました。 ある日二流小説家ハリーに連続殺人鬼の死刑囚ダリアンからの手紙が届く。刑務所で面会したハリーはダリアンから自伝的告白本の執筆と引き換えにファンの女性を取材してポルノ小説を書く事を依頼され一度は屈辱を感じ断ろうとするが、その後名声を得る絶好のチャンスだからと気持ちを切り変えて新たな決意で前に踏み出して行く。 序盤のスローで穏やかな展開から中盤に至って雰囲気がガラリと一変し突如発生する残酷な殺人シーンに度肝を抜かれ俄然興奮が高まって盛り上がります。その後の展開についてはミステリー通の方ならば作家と死刑囚の対決という構図から大筋の仕掛けを予想し、早過ぎる段階での種明かしに「まだ他に何かあるな」と感づくでしょう。でも昔の本格推理の様な飛び切りのサプライズを狙わずに手堅くリアリティーを重視する著者の姿勢は現代作家に共通する傾向ですのでそれはそれで良いと思います。唯、頭部の隠し場所やもう一つの驚きはプロの警察やFBIであれば素人より先に突き止められるのではと思いますが。推理の方は小粒でも本書の一番の素晴らしさは、二流小説家ハリーが関係者の女性との衝動的な恋や有名なベストセラー作家になる夢の成就に近づきながら惜しくも叶わず、結局はやはり元の冴えない二流小説家のままで少しも変わらないという事実を残念に思う反面、逆に彼らしさを失くさずにいられた事を祝福してあげたい気持ちになるという彼の人間的な魅力の最良の部分を深く実感させてくれる人生の哀感漂う真摯な人間ドラマにあると思います。 最後にまだまだ先の話ではありますが日本では最初の一作が紹介されただけで後が続かない作家も多い中で著者にはコンスタントに話題作が翻訳され続ける常連作家に成長して欲しいと願っています。 | ||||
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内容は他の方が書かれた通りの展開ですが、特に前半が予測のつかない展開でページを繰るのが速くなります。が、後半に至って割とありがちな感が無きにしも非ずなので、新人でここまで書けたら凄いと思うけど、少し☆の数減点しました。そうゆう推理小説的な所を抜きにして読めば、人物造形など実に巧みで、とくにクレアという少女の存在感が際立っていて、この子と主人公でシリーズ化するのも可能なのではと思いました。二流作家が小説を書くとつまらないけど、二流作家をネタにすると面白い小説が書けるというアイロニー、著者が将来こういう風になるのではないかとの不安を自虐的にかいたのか、とか邪推するのも面白いかも。 「羊たちの沈黙」(名作)+「処刑のデッドライン」(問題作)+「ミスター・パーシー」(バカ作)÷3とかいうと暴論でしょうか? ともあれ、今後の活躍に期待します。 | ||||
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内容は他の方が書かれた通りの展開ですが、特に前半が予測のつかない展開でページを繰るのが速くなります。が、後半に至って割とありがちな感が無きにしも非ずなので、新人でここまで書けたら凄いと思うけど、少し☆の数減点しました。そうゆう推理小説的な所を抜きにして読めば、人物造形など実に巧みで、とくにクレアという少女の存在感が際立っていて、この子と主人公でシリーズ化するのも可能なのではと思いました。二流作家が小説を書くとつまらないけど、二流作家をネタにすると面白い小説が書けるというアイロニー、著者が将来こういう風になるのではないかとの不安を自虐的にかいたのか、とか邪推するのも面白いかも。 (「羊たちの沈黙」(名作)+「処刑のデッドライン」(問題作)+「ミスター・パーシー」(バカ作))÷3とかいうと暴論でしょうか? ともあれ、今後の活躍に期待します。 | ||||
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ニューヨーク生まれで、映画、出版、ファッション、ポルノ産業でキャリアを積んだデイビッド・ゴードンが’10年に発表した小説デビュー作。アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’11年度ベスト・ファースト・ノヴェル(最優秀新人賞)ノミネート作である。 ‘ぼく’ことハリー・ブロックはニューヨーク在住の売れない中年作家。ポルノ、SF、ミステリー、ヴァンパイアものと、それぞれ偽りの顔とも言うべきペンネームと著者近影では他人の顔を借りて糊口をしのいできた。そんな‘ぼく’が’09年の4・5月に出くわした事件を初めて実名で綴った手記という体裁が本書である。 きっかけは、12年前に4人の女性を惨殺した殺人鬼で、死刑執行を3ヵ月後にひかえたダリアン・グレイからの告白本の執筆依頼だった。ダリアンは‘ぼく’に真実を明かすことの条件として、なんと彼を熱烈に信奉するファンの女性たちをからめたポルノ小説を書けといってきた。いやいや女性たちを取材する‘ぼく’だったが、彼女たちが12年前のダリアンの手口そっくりに猟奇的に惨殺されるに及んで、事態はとんでもない展開を見せる。 過去と現在の残虐な連続殺人事件の謎解きがメインのプロットだが、読みどころは他にも満載だ。文中作として挿入される‘ぼく’の諸作品の抜粋。‘ぼく’が論じる文学論や作家論はゴードン自身の経歴のなせる技か。鮮やかに描き出されるニューヨークの街並みと生活。そして‘ぼく’の切ない恋愛模様。 本書は、全編にわたって‘ぼく’の破れかぶれのユーモアが横溢したキャラクター小説であり、いままで味わったことのないような独特の雰囲気を持つミステリーの快作である。 | ||||
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ニューヨーク生まれで、映画、出版、ファッション、ポルノ産業でキャリアを積んだデイヴィッド・ゴードンが’10年に発表した小説デビュー作。アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」の’11年度ベスト・ファースト・ノヴェル(最優秀新人賞)ノミネート作である。 ‘ぼく’ことハリー・ブロックはニューヨーク在住の売れない中年作家。ポルノ、SF、ミステリー、ヴァンパイアものと、それぞれ偽りの顔とも言うべきペンネームと著者近影では他人の顔を借りて糊口をしのいできた。そんな‘ぼく’が’09年の4・5月に出くわした事件を初めて実名で綴った手記という体裁が本書である。 きっかけは、12年前に4人の女性を惨殺した殺人鬼で、死刑執行を3ヵ月後にひかえたダリアン・グレイからの告白本の執筆依頼だった。ダリアンは‘ぼく’に真実を明かすことの条件として、なんと彼を熱烈に信奉するファンの女性たちをからめたポルノ小説を書けといってきた。いやいや女性たちを取材する‘ぼく’だったが、彼女たちが12年前のダリアンの手口そっくりに猟奇的に惨殺されるに及んで、事態はとんでもない展開を見せる。 過去と現在の残虐な連続殺人事件の謎解きがメインのプロットだが、読みどころは他にも満載だ。文中作として挿入される‘ぼく’の諸作品の抜粋。‘ぼく’が論じる文学論や作家論はゴードン自身の経歴のなせる技か。鮮やかに描き出されるニューヨークの街並みと生活。そして‘ぼく’の切ない恋愛模様。 本書は、全編にわたって‘ぼく’の破れかぶれのユーモアが横溢したキャラクター小説であり、いままで味わったことのないような独特の雰囲気を持つミステリーの快作である。 | ||||
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