記者魂
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取材源の秘匿と報道の力を信じること、この2点が私の考える新聞記者の核心部分です。 その意味で、このタイトルにはかなり違和感を覚えました。 原題の「ならず者の島」の方がしっくりと来る感じです。 連続放火の理由も、これしかなかろう、という陳腐なもので、謎解きの妙味はありませんでした。 取材対象はいまどき日本の村社会でもありえないほどの、知り合いだらけの人間関係だし・・・。 退屈はせずに楽しめましたし、脇役には魅力的な人物が多いので、ハズレとまでは言いませんが、続編を買うほどでもないかな。 | ||||
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40年以上のジャーナリスト経験をもつベテラン記者の処女作で、アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞を受賞した佳作。 ノリは軽めだが、記者が主人公のしっかりしたストーリーを持つハードボイルド。 独立13州のひとつであるロードアイランド州が舞台となっており、場所がらボストンが近いこともありレッドソックスの話題や松坂の記述もあり、にやりとさせられる場面もあった。 第二作がアメリカで出版されたようなので、翻訳の出版を期待して待ちたい。 | ||||
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長らく携わって来た41年間のジャーナリスト人生にピリオドを打ちミステリー作家に転進した遅咲きの新鋭ダシルヴァが上梓し栄えある本年度のアメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞を受賞した話題沸騰のデビュー作です。本書の冒頭で著者自身が紹介されているエド・マクベインからの手紙に端を発する本書成立の経緯は真にドラマチックに感じられ、私は特に十四年もの歳月の末に生まれた難産の一冊であるという部分に深い感慨を覚えました。本書の日本版タイトル「記者魂」は作品の根底に流れるテーマとして真面目な意味では相応しいと思いますが、けれども読後感はそれ程堅苦しく重い物ではなくシリアスさや湿っぽい部分よりもジョークをまじえた軽みの方がより強く印象に残っていますので、きっとその陽性で軽妙な部分が本国の読者に支持されたのだと思えます。 ロードアイランド州プロヴィデンス市で暮らす地方紙のベテラン新聞記者マリガンは最近街で頻繁に発生している連続放火事件を追い続けていた。次第に人命の喪失が相次ぐ中で変質者の犯行と推理するマリガンだったが、やがて5ヶ所で同時に火災が発生する事態になり、これは単純な放火魔の仕業ではないのでは?という疑念が沸き出す。そして遂に取材を続けるマリガンの身に予期せぬ危険が迫り来るのだった。 本書の魅力は本筋の放火犯を追求する物語を中心に描きながらもそれ一辺倒にしないで、同時に主人公のベテラン記者マリガンを巡る日々のドラマを追う事で彼のユニークな人間性を浮き彫りにして読者を全く飽きさせない巧みな構成のバランス感覚の良さにあると思います。上司からの執拗な取材の命令に連日逆らい続け漸く渋々調べ上げた ‘奇跡の犬事件’の愉快な顛末には大笑いしましたし、無能な警官コンビを‘ばかと大ばか’と名づけた記事で徹底的にこき下ろしたり、新聞社主の息子を‘七光’と失礼な名で呼んだりする権威を恐れずおもねらない態度が痛快で気持ち良いです。メジャーリーグのボストン・レッドソックスの熱狂的ファンで、調子が良かった頃のマツザカの開幕戦勝利が描かれる等野球ファンは大いに楽しめるでしょう。また女性に人気で一生不自由しなさそうなモテ男なのですが、離婚間近の嫉妬に狂った元妻ドーカスを含め上手く行くとは限らずどうやら女難の相がありそうで・・・・それにしてもドーカスとはこの先も腐れ縁で離れられずにズルズルと続きそうな感じですね。色々とあって出世とは無縁でも不況にあえぐ今の世の中でしぶとく生き残る運の強さを持っているのは大した物だと言えるでしょう。肝心のミステリーの部分は推理というより偶然の幸運で相手がボロを出す展開が些か甘く、社会派テーマのトリックにも大きな目新しさはありませんが、最後にハードボイルド的なグサリと来るナイフの様な苦いサプライズで鋭く心を抉ります。深く考えると最後がこういう解決で本当に良かったのだろうかという疑問が残りますが、まあ警察も頼りにならない中で個人の出来る事には限りがありますので現時点では致し方ないのでしょう。非情且つ残酷に思える部分は多くの無辜の人命が失われた事実に鑑みて(良心は騒ぎますが)許容せざるを得ないでしょう。 本書完成までに14年もの歳月を要している事から間違いなく寡作家の道を歩みそうに思える著者ですが、並み居る優秀な候補作を抑えて最優秀新人賞に輝いた強運は今風の表現で言う所の‘持っている’作家に違いありませんから、今後の更なる活躍を信じて要注目して行きたいと思います。 | ||||
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ベテラン記者がさまざま妨害に挫けることなく、連続放火事件の真相を追求するという直球勝負のハードボイルドなストーリーが展開されます。 主人公の頭痛の種となる元妻を含めて、実はピューリッツア賞受賞経験ありという主人公の設定など登場人物は予定調和的な性格付け、配役となっています。ストーリーだけ追えば苦い面もありますが、万人に受ける線を狙った話かと思います。 個人的には物語の決着のつけ方が、あまりにご都合主義で、こんなことが許されて良いのかという展開なので、あまり好みに合いませんでした。 それなりに面白く読めますので、とりあえず時間をつぶせる読み物を探しているという向きには、問題なくお薦めできます。もう少し凝った作品を読みたいという向きには、最近出たポケミスで出た中では「二流小説家」や「湖は凍えて煙る」といった書作のほうがお勧めです。 | ||||
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