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死が二人を別つまで
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死が二人を別つまでの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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ルース・レンデルのウェクスフォード主席警部シリーズは初めてである。と言っても本作にはこの警部はほとんど登場せず、話の中心になるのはアーチェリーという牧師だ。しかしこの牧師も、目覚ましいと言えるほどの活躍はしない。 というわけで、盛り上がりポイントがよくわからない物語である。決してつまらないわけではないのだが、最後はちょっとダラダラしている。そういう印象は、この著者の代表作『ロウフィールド館の惨劇』を読んだときにも抱いた。 P100~101に、プロテスタントの神父(ファーザー)という表現が出てくる。僕はカトリックが神父でプロテスタントは牧師だと思っていたので、ちょっと調べてみたのだが、結局よくわからなかった。ちなみにイングランド国外におけるイングランド国教会の姉妹教会「聖公会」では、司祭「を神父(ファーザー)」と呼ぶこともあるそうだが、本作の舞台となるのはロンドン郊外なのでイングランド国内である。 というように外国の宗教というのはややこしいのだけれど(国内もか)、ラストの謎解きのコアとなる部分に関しても、現代日本人には理解しにくいキリスト教の原理的な宗教観と、それに由来する倫理観が潜んでいる。 | ||||
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タイトルに惹かれて買って、うまうまと出版社の戦略に乗せられてしまった感じです。それでも面白けりゃ許せますけど…… 確かに若いカップルは出て来ますが、邦題のイメージからは全くかけ離れた二人です。 何より性格が自分中心なのがいただけないし、一見育ちが良くて利発な良い子達に見えるのが、余計悪い。苦労して息子や娘を一流大学に入れても、自分達のために懸命に奔走してくれる親を面と向かってバカ呼ばわりするような高慢ちきな人間に育つのでは、親はやりきれないでしょうし、読んでる方も気分悪い。 シリーズを通しての主役である筈のウェクスフォード警部が、今回ばかりは完全に傍観者役に徹しているのもむべなるかな、です。直接手を出せない事情がなくても、勝手にやってくれって気分になりますよ、これでは。 事件の結末もすっきりしないもので、こんな話をシリーズの中に入れた作者の意図もよく分かりません。わざわざウェクスフォード警部を引っ張り出す必要があったのでしょうか? | ||||
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レンデルの「ウェクスフォード警部」シリーズの長編。1967年作品。 邦訳文庫は東京創元社から1987年に出ているのだが、入手したのは2017年11月。2年の積読を経てようやく読了。レンデル作品は初読。 主席警部のウィクスフォードとその部下であるバーデン警部が、徹夜明けの仕事場(地方の警察署である)で手紙を吟味するところから物語は始まる。16年前に殺人の罪で絞首刑になった男が無実ではないかというのである。やがて現れた手紙の主たるアーチェリー牧師。二人の刑事から否定的な見解と情報を得るも、アーチェリー氏は素人ながら、過去の事件の結論をひっくり返すための調査を開始するのだが・・・、というストーリー。 田舎町ならではのややこしい人間関係の情報が大量に展開され、加えて面倒そうなロマンス話もからみ、読者としてはどれが手掛かりでどれがいわゆるレッドへリングなのか右往左往する。そして、牧師の調査が進むにつれ、くだんの男の無実を推定する材料はちゃくちゃくと減っていくのだ。いったいこの話をどこに落とすのか心配になってきたころ、あれ?という違和感が提示され、そしてその方向へ転がったストーリーは読者が予想だにしていなかった結末でもって幕を閉じる。(ええええぇ~~~~そんなんでいいの~~~?) なんというんですかね。英国ミステリの古典の中でも、個人的にだいぶ異色だと思うわけです。とはいっても、現実世界での謎解きとはこんなもの、といった達観も見え隠れしていて、時代的にクリスティ以降だとはいえちょっとした驚き。当時としてはだいぶ物議をかもしたんではないでしょうか。そのへんも込みで、都築道夫の解説が短めでそっけないのが微妙に残念だったりしました。先生もうちょっと解説してください(笑)。 | ||||
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原書の短縮版を読んだので不正確かもしれませんが、ミセスカーショウが事実を最初に打ち明けてたらこの小説そのものが成り立たないプロットだと思いました。 「最初からそれ言ってよ〜もう」みたいな。 | ||||
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息子の婚約者の実父は殺人犯?その真実を知るために死刑執行済みの過去の事件の解決に乗り出す牧師。 このような序盤の展開と紹介文から緊迫したサスペンスを予想していたのですが、メロドラマ的な展開に軸足を移しそちらがメインの作品になっていきます。予想して期待していた謎解きとは違いましたがこれはこれで楽しめました。風景や建物の描写の美しさには憧憬を感じられます。 | ||||
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作者もこの作品のことも全く知らなかったのですが、ふと本屋で目にして衝動買いしました。 東京創元社復刊フェア2017で復刊した本で、今までは入手し辛かったようです。 海外ミステリは有名所しか読んだことないですが、翻訳ものはどうしても読みづらく感じることが多いです。 しかし、この作品は訳がかなり上手いと思います。 すっきりしている文体で、日本語で書かれたと言われても違和感ないくらい。 訳が優れているのはもちろん、もともとの原書がかなり読みやすい文体なんだと予想します。 A New Lease of Death (Sins of the Fathers) というニュアンスが難しいタイトルを「死が二人を別つまで」という結婚式の誓いの言葉の抜粋にしたのも上手い。 この邦題からイメージしたのとはだいぶ違うストーリーでしたが、読み終わってみると納得のタイトルです。 本書は結婚、そしてそれにまつわる「後悔」が隠れたテーマになっています。 話のオチも意外で、大満足でした。 この小説ではちょい役だった刑事がいいとこ持ってってるのが不思議だったのですが、本来この刑事が主人公のシリーズらしいですね。 シリーズを読んでみようという気になりました。 | ||||
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ルース・レンデルのウェクスフォード警部シリーズの第二弾。 本作品は、警部が脇にまわり、息子のために東奔西走する、ある教区牧師を中心にストーリーは展開する。息子の恋人が死刑囚の娘であるため、結婚を許すことができない彼は、万が一の冤罪の可能性にかけて捜査を進めていく。 教区牧師と警部の対立構造が物語を引っ張っていくのだが、シリーズキャラクターを二作目にして敵役にするとは、当時ほやほやの新人レンデルのチャレンジ精神が垣間見えるようだ。 教区牧師の恋のよろめきを含めサイドストーリーが物語に厚みを出しており、地味ながら読んでいて飽きることはない。興味津々のオチは、意外ではありましたが、落としどころとして上手く収めたのだろう。 本作品で警部のキャラクターがかたまってきたようだ。 | ||||
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昔の話ですが、このタイトルを真面目に考えるのは、女性のようです。結婚の深層ではありませんが、理解できれば、青年期は卒業ですね。次のライフイベントに移りたいものです。 | ||||
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シリーズ第二作にして、シリーズ探偵であるウェクスフォード警部がいきなり脇役(というよりほとんど敵役)になるという人を食ったプロット。中身もプロットに負けず凝っていて、赤い鰊がうようよしています。地味な題材をここまでおいしく食べられるように料理してのけるレンデルの腕前に感嘆します。じっくり読みたい派の探偵小説ファン向け。 | ||||
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