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屍鬼
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屍鬼の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.98pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全245件 161~180 9/13ページ
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この手の小説にしては全5巻という読み応えのある量だったけど、読み流して最後までいきました。巨大な山火事のオープニング、それは村ひとつを忌まわしい事件ごと焼き尽くした炎だった。前半は閉鎖された山あいの中規模な村で、奇妙な疫病が広がっていく。致死率100%の原因不明な疾患に、村のトップである寺の住職とその幼なじみの医者が原因究明のために奔走する。同時に田舎の人間関係がくっきりと浮かび上がっていた。中盤からは疫病の正体が明らかにされていく。それは蘇った死者であり、命を長らえるために新たな犠牲者を求める。非常識な現実から目を背ける人々だったが、被害が己の身に降りかかって狩人に変じる。恐怖とおそらくは歯止めのきかなくなった集団心理で、関係ない犠牲者を出しつつも疫病ははらわれたかのように見えた。ホラー小説として恐怖を感じるのは、やはり身近な者がアンデッドの化け物となって襲ってくる所だろうか。しかしただのパニックホラーに終わらないのは、屍鬼となっても記憶や感情が残っているためだ。それでも生きるためなら他人を襲ってもかまわない。それはある意味弱肉強食の原理にのっとっている。身を守るためならそれらを虐殺しても構わない。これも同じ理屈だろう。炎でも浄化できないのは人の心と過去である。罪とは何だろうかと考えさせられた。 | ||||
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全5冊にのぼる長大な作品であるが、コワモテな題名のわりには存外ライトな読後感だ。一口で言えば吸血鬼物で、ホラー、スプラッター系の描写も多いが予想ほどどぎつくはなく、後味も悪いというほどではない。読者を物語りに引っ張り込み、一気に読ませてしまう力はなかなかのものだ。的確なイメージを結ばせる描写力、西洋渡来の吸血鬼テーマと日本ローカルの民俗性との結合、女性登場人物の造形の巧みさなど長所として挙げられる。半面主役陣が屍鬼の実在を認識するプロセスなどはやや唐突だし、現代の話なのにいくら僻村といっても異常事態をマスコミが全く嗅ぎつけないとか、同じようなエピソードが同じような表現で延々と繰り返される冗長さ、男性登場人物の性格がややステレオタイプ、といった短所もある。しかし一番物足りないことは、吸血鬼の造形にオリジナリティが打ち出されていない点だろう。もっと日本化された吸血鬼像を読みたかったね。傲慢な事をいえば、一冊あたりが同じ位の頁数で上中下三冊くらいにまとめればもっと引き締まったかもね。 | ||||
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長けりゃいいってもんじゃない悪い見本。売れっ子の作家ともなれば原稿1枚でなんぼ。単に水増ししただけじゃない?この程度のシロモノで印税稼げる日本の小説界に幻滅だ。それにしても展開の遅いこと。人物も多すぎな上、個性も乏しく異変に対する心の揺れ動きも似たりよったり。これならば人物を3分の1に削り、展開をスピィディーにした方がよほど読者のためでもある。作者の独りよがりは読み手に対してデリカシーを欠くぞ。セイラムズ・ロットに献辞を捧げているが、当のキングにとってみれば迷惑な話だ。 5冊読了後、速攻で売りに走った。 | ||||
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5巻という長さにもかかわらず、一気に読める作品です。確かに恐怖の正体は分かってみるとややがっかりですが、1巻でやや煩わしく感じる多数の登場人物の描写が、それぞれの人間性にふさわしい結末に導かれていて、また違った楽しみ方が出来るようになっています。ホラーとしてはやや漫画っぽい分かり易さがあり、人物描写については魅力に満ちた奥深さがあある、という感じです。奇抜なホラーを期待して読まなければ、十分楽しめる作品だと思います。 | ||||
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ハードカバー上下巻で、さすがに1日では無理でした。深夜、読むのをやめて、寝ようと思っても、こわいシーンがフラッシュバックしてしまいました。私にとってこわかったのは、簡単にヒトが変わってしまって、それがじわじわと広まっていくところ。 でも後半は、ドミノ倒しの逆回転を見てるようで、哀しかったです。私はこの作品からファンになりました。 | ||||
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文庫版で5分冊にもなっているこの長い小説を発行当時のハードカバー(上巻・下巻)で読んだ。 物語の面白さもさることながら、「屍鬼」たちが凶暴で恐ろしいバンパイアではなく、姿かたちはもとより内面もきわめて人間的な感情を持った普通の存在として描かれているところが単なる「ホラー小説」の域をはるかに超えていた。 文章自体も「吸血鬼もの」とは思えないほど淡々として穏やかな筆運びで、著者は「神」とか「秩序」とか観念的な「何か」を訴えたかったのではないかと思う。 それにしても上巻545ページ、下巻726ページ、合計1271ページ、読み終えるのに11日間、フー、疲れた。 | ||||
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はやまない。 怪異の正体はわかったが、それを村人に信じさせることができずに悩む敏夫。そして、過程を問わないやりかたが静信をさらに悩ませる。 ここにきて、小野不由美は屍鬼の側の事情も考慮して書くようになっていく。ますます目が離せなくなる、屍鬼、四巻。 | ||||
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明かされていく、村を襲う「もの」の正体。 今までの症状と合致するように根拠をあげながら屍鬼の正体を清信に説明するシーンは秀逸ですね。 全容が暴かれてからの加速度的な話の展開も上手い。真実に気づき始める人々、誰も信じてくれないくやしさ、死ぬとわかっていて何もできないもの、子供の孤独の戦い。 うーん、本当に目が離せない。 | ||||
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盛り上がりを見せる屍鬼、第二巻。 医者と坊主が必死で村に蔓延する異常事態を食い止めようと画策するが、それでも事態は拡がるばかり。 この巻にあって、主人公である清信と敏夫の関係がさらにわかり、また、裏に思う人間関係が露呈されていく。そういった意味で、この巻は登場人物のしっかりした顔見せ、という意味になるのだろうか。 | ||||
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街から隔絶された田舎の村。昔からの風習をいまだに引き摺っている。 小野不由美が送る、超大作。文庫版はベストセラーになっています。 全五巻の最初の一巻ということもあり、必然的に事件の起こる前兆になり、イマイチ迫力に欠け、さらには登場人物がめちゃくちゃ多く読みづらい面があるのも否定できない(っていうか、絶対しょうがない)が、それでもこれから発生する事件の壮大さを感じさせる筆力と、しょっぱなから人死にすぎです、という展開にはやっぱり期待してしまう。 | ||||
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小野不由美のファンタジーを一通り読んでから、もう一度これを読んだら、舞台は山村に、主人公たちは中年になっているが、根本的なテーマは同じだったのか、と思った。つまり、自分の居場所探し。自分と他人との距離。そして、その人なりに、気高く強く、深い愛情を持って生きてきたはずなのに、状況が変わったとたんに一瞬にして崩れる人間の心。自分で思っていた「自分」が壊れていく恐怖、というのが小野不由美は上手い。やっぱりホラーの主眼は怪物でなく「人の心」なのだ。 | ||||
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社会からは隔離されたとある村,閉鎖された空間の中でじわりじわりと人間社会を侵食していく屍鬼.生きるためには人を糧にしなければならない彼らは,決して人間と共存できる存在ではない.事態に気付きそうな者,自分たちに害になりそうな者を巧妙に排除し,規模を広げていった彼らだが,智恵と勇気を持った指導者により団結した村人たちの反撃にあう. 繰り広げられる地獄絵図,屍鬼以上の残虐性を見せる村人達,もはやそこに倫理観は存在しない.対立する二つの勢力.そのどちらにも言い分があり,絶対に譲ることは出来ない.正義は何処にあるのだろうか? | ||||
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キングのパクリだと得意気にほざいているレビュアーがいますが、これはキングの「呪われた町」へのオマージュ作品です。パクリとは全然違うんですよ?理解できます?これがパクリならキングもブラム・ストーカーのパクリじゃんれの。どうも日本には実力も無いのに口だけは達者な身の程知らずが多くて困る。「村は死によって包囲されている」棺桶や卒塔婆の原料となる樅の木に囲まれた村を形容すると同時にこの作品それ自体を一文で言い表したこのフレーズだけで「屍鬼」は既に傑作ですよ。絶対だよ~~。 | ||||
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山本 “屍鬼の子” KIDさんと同感です。あまりにもステロタイプの吸血鬼なので、こけました。違う物を期待していたので残念です。むしろ吸血鬼物と明示してあればよいのでは?最初からそのつもりで読んだ方が楽しめると思います。 | ||||
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題名がいかにも怖そうな感じだったので迷わず買ってみました。が、吸血鬼がおちで、しかもキングのパクリじゃんって感じ。期待してたのに残念でした。 | ||||
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~自己満足を満たすための長さは、いかにもライトノベルです。観念的で、冗長でもある。人間描写が、浅い!小説としては、完全ではないです。観念的な部分を削って、ストーリーをもっと書き込むこともできたと思うのです。しか~し、面白い。これは、これで良いのです。この作品は、この結果で満足です。これは、作家が、作家自身のある区切りのために~~書いた作品です。渾身の熱作ですもの。とばし読みでも良いから、必読です。・・・でも、解説はちょっと、違うと思うんだけども。キングはキングで、それも承知でそういう作品にしたのだと、思うのだけれども。~ | ||||
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今、第一巻のP490あたりですが・・・このまま読み進めるべきか迷っています。人物や情景の描写などはすばらしく、確かに読み応えのある作品ですが、この時点でネタがバレバレです。ちょっとホラーに詳しい人には伏線がわかりやすすぎます。ある超有名モンスターのお話としか思えませんが・・・(違ってたらすみません。)因習の残る山間部の村と聞いてラヴクラフト的な土俗的ホラーを期待していた僕にはちょっとまずい方向に進んでいます。乗りかかった船ですから、まあ最後まで読んでみましょうか・・・ | ||||
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何人かの方が書かれているように、上巻の前半は村の特殊なあり方形状が、延々書かれていてなかなか読むスピードがあがりませんが、上巻の後半部分から一気にテンポが速くなり、下巻後半部分では怒涛の展開、人間VS屍鬼との戦いはまさに圧巻でした。**若干ネタバレ***ハッピーエンドを期待してしまう私にとっては結末は少々ガッカリするものでしたが、それでもこれはお薦め作品です。前半のだらだら続いたように思われた村の描写も読み終わってみれば必要不可欠なものでした。この猛暑の夏にはピッタリ!?の作品です。 | ||||
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最後まで一気に読ませる筆力はさすがと言える。面白かった。ひとつの地域の中心にある人物が自らに所与のものとして与えられた役割をどう受け止めるのか、その心の過程を描いているという点では、筆者の代表作である『十二国記』と相似していると言える。2人が自己の内面を掘り下げていく様子と、延々と続く残虐な様子とが重なり合うはずであっただろうラストの印象が薄いのが、惜しいという気がした。 | ||||
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私達の周りにある「常識」をすべて覆されるような物語が綴ってあります。たった一つの小さな町が、その常識から抜け出すまでの恐ろしい状況。異常であることを認めた後の、恐ろしい状況がリアルに表現されている本です。実は知らない所で、こんな現実が存在するのかもと、本気で思わせてくれる作品です。ええ、必読の一冊!! | ||||
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