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慟哭



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【この小説が収録されている参考書籍】
慟哭 (黄金の13)
慟哭 (創元推理文庫)

慟哭の評価: 7.48/10点 レビュー 33件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.48pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全24件 1~20 1/2ページ
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No.24:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

あらゆる意味で新人離れしたデビュー作

1993年の鮎川哲也賞の候補になり落選しながらも刊行されることになった貫井徳郎氏デビュー作である本書はその年の『このミス』で12位にランクインするなど好評を以て迎えられた作品だ。

そんな期待値の高い中で読み進めた本書だったが、最後まで読み終わった感想は微妙というのが正直なところだ。

さて本書は北村薫氏をして「書きぶりは練達、世も終えてみれば仰天」と驚嘆させたと当時評判だったが、確かにその内容と筆致はとても新人の作品とは思えないほどどっしりとした重厚な読み応えを備えた作品だ。

本書は幼女連続誘拐殺人事件の捜査を進める警察の話と心に大きく空いた穴を埋めるために新興宗教へとのめり込む30代の男性の話が並行して語られる構成で進む。

まずメインの警視庁捜査一課のキャリア出身の佐伯課長が陣頭指揮を執る捜査の内容は新人とは思えないほどの抑えた筆致で、キャリアとノンキャリアの確執、もしくはキャリア同士の確執、さらには佐伯の微妙な生い立ちと現在の立ち位置など縦割り文化が顕著な警察組織の中で軋轢を上手く溶け込ませ、よくもデビュー前の素人がここまで書けたものだと感嘆した。

それは後者の新興宗教にのめり込む30代の男、松本の話も同様で、新興宗教の内情とそこに所属する人々の描写は実に迫真性に満ちている。この細やかな内容は経験しないと判らないほどリアリティに富んでいる。

街中で幸せを祈らせてほしいという修業に興味を持った松本が出くわす、マンションの1室で行われる講話、そしてひっきりなしの入会の勧誘、更に合宿と称した監禁状態での洗脳行為に暴利としてか思えない高額な参加費やテキスト料。

これらは作者自身が実際にその手の新興宗教の集会や講習、そして合宿に自腹を切って参加しないと書けないことばかりだ。もし彼が実際に入会したのであれば、新人賞の応募作品でここまで金を掛けて取材したことになり、その気合の入り方には驚かされる。

また新興宗教が実に“おいしい商売”であることも詳らかに書かれる。
本書が刊行された90年代初頭の時点で日本に存在する新興宗教の数は23万にも上っていたことや元手がかからず、出版物やグッズ、財施などでどんどんお金が入ってくること、宗教法人であることから税の優遇措置を受けており、さらに33種類に亘る収益事業を許されていること。
浴場業、料理飲食業、遊技業、遊覧所業、貸席業、理容業、美容業、興行業、不動産販売業、倉庫業、駐車場業、金銭貸付業とほとんどの業種が網羅されている。
これらは巨大な宗教団体が政治内部にも強いコネが古来からあることからこれらの優遇措置が認められてきた悪しき風習と云えるだろう。

ただこれほど読者の共感を得られない主人公も珍しい。
どうにもこの男に対して嫌悪感が先だって罵詈雑言が止まらない。

微妙な読後感の後に訪れたのは一人の身勝手で無能な男に対する大いなる憤りだった。

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Tetchy
WHOKS60S
No.23:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

シンプルに面白い

オチは分かりやすいのですがシンプルにシナリオが面白かったです

MEI
GD5UZMNE
No.22:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

叫びたくなる


 本庁キャリアの捜査一課長として世間を賑わす幼女連続誘拐事件に挑む佐伯。 事件解決への糸口は遠く世間に走る動揺、そして警察内に蟠る焦燥。  事件の停滞は確実に佐伯を追い込んでいく、冷徹ながら慧眼を持ち合わせた佐伯課長の行末は・・・。
 事件を仕掛ける松本なる人物。 男はある願いをかなえるために新興宗教に落ちてゆく、願いへの渇望はやがて実現への道を切り開くがそれは余りにも狂気的で・・・。 
 


二つのパートで構成され時間と共に奈落に落ちてゆくような、タイトルの「慟哭」へひたすら向かって行くようなストーリー展開。 二つの物語の驚愕の結末、代表作であり衝撃のデビュー作だ。
 

りーり
9EDFH0HC
No.21:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

慟哭の感想

たしかに途中で作者の意図に気づくのもわかる。
私は奥田英朗、伊坂幸太郎好きなので逆に騙された笑
面白かったです。
ただ、釘付けにするまでのページ数がやや多い印象。

マビノギオン
ETOPY8N1
No.20:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

慟哭の感想

僕がミステリーを読むようになって約5年。その頃読んでいたら衝撃も強かっただろう。
警察の捜査と、宗教に救いを求めてのめり込む松本。
いろいろ詮索しながら読み進め、ミスリードを誘おうとしている事に気付いてしまった。
前評判なしで読んだ方が良かった。


Hidezo
GX0TU62Y
No.19:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

読みやすく、完成度の高い作品ですね

連続幼女誘拐殺人事件を追う警察と
心に空いた穴を埋めるためにカルト宗教へとのめりこんでいく男
二つの物語が交互に進行し、それはどのように交わっていくのか……

警察小説があまり好きでないのと、子供が殺される話もあまり好きでないので、長い間敬遠していた作品ですが、いざ読み出すと特に苦は無くスムーズに読み進めることができました。
二つのストーリーが頻繁に、実に60回以上も入れ替わる構成で、人によってはそこが少し気になるかもしれません(私はむしろそのおかげで飽きが来ず、読みやすかった気がします)



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マリオネットK
UIU36MHZ
No.18:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

意外な結末でした

物語としてよくできてると思いました。とても丁寧でよみやすい描写で好感がもてました。

わたろう
0BCEGGR4
No.17:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

慟哭の感想

18年ぶりの再読なのかな?メインとなる仕掛けは未だに忘れられず、初読の驚きは得られなかったですが、再読上等の素晴らしい作品でした。連続誘拐殺人事件を捜査する刑事の視点と、新興宗教にのめり込んで行く男の視点が交互に描かれますが、双方共に、こうとしか生きられない、と言う背負った運命の哀しみに圧倒されました。普段は子供が被害者の作品は嫌悪感が先に立つのですが、本作は突き放した文体のせいか、作中の人物に取り込まれてしまったのか、乾いた気分で読めました。しかし本作がデビュー作であり、若干25歳で書かれたとは、凄い。

なおひろ
R1UV05YV
No.16:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

良くも悪くも裏切らない

一気に読みたくなる物語でした。読んでいるときは全く交わる予感のない2つの話がどうやって結び付くのか、とにかくそこが気になる!といった気持ちで溢れました。
多くの人が結末に気づいてしまったと言っているように、先が読めてしまうのが残念でした。最後まで引っ張らなくても…と思ってしまったのが本音です。謎を隠したいのか、読者に突き付けたいのか、その辺りのメリハリがもう少しハッキリしていると、より気持ちよく読めた気がしています。

ただ内容としては今まで読んだことのないような暗さと奇妙さを含んでいて、読んで良かった一冊です。

陰気な私は地球を回さない
L1K3MG03
No.15:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

同情


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アントンリブ
J9QWGWDO
No.14:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

慟哭の感想


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氣學師
S90TRJAH
No.13:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

慟哭の感想

これがデビュー作というのは素晴らしいですね。

Ralph
YYNH4PU8
No.12:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

慟哭の感想

とても良かった。
ラストは読んでて予想通りだったかな。

呑んだくれ
P3S7II56
No.11:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

慟哭の感想

わかりやすくきれいなどんでん返し。
しかしながらどんでん返しものや叙述トリックが大好きな方には、すぐに先が読めてしまいます。
何にも考えずにそのまま読めると、とっても面白い作品です。

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ぺこりん12
M5MH63SF
No.10:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

慟哭の感想


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ビッケ
K1LY4PU3
No.9:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

慟哭の感想

トリックは序盤で大体見当がついてしまいましたが(ミステリ読み初めの頃なら騙されていたのに)、警察内部の確執、新興宗教の実態など社会的テーマを見事に描き切っており最後まで飽きずに読めた。ラストの一行は切なすぎてやりきれない気持ちにさせられた。

ジャム
RXFFIEA1
No.8:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

慟哭の感想


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westower7
QY232D9L
No.7:
(7pt)

慟哭の感想

評価が良かっただけに期待しすぎたかなって感じ。確かに深いしう~んと感じる所もあり、最後までどんどん読み続けたくなり読破したが、読書後しばらくたって思い起こしてみても取り立てて何も感じなかった。

リュウセイ
72WNQ3Q2
No.6:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

まさに「慟哭」

警察官僚が主人公の話と、新興宗教にはまる男が主人公の話が交互に繰り広げられ、一見関係のなさそうな2つの話がどう関係してくるのか…これがこの小説の大きな流れです。2つの話の関係性を紐解くことが読者の楽しみになりますが、それ以上に主人公の警察官僚や、事件に巻き込まれる関係者、新興宗教にはまる男、これらの描写こそが、この小説の醍醐味です。
最後の展開はまさに胸打つものがありますし、タイトルの意味が本当に理解できます。

▼以下、ネタバレ感想

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こじたん
87SP5RC5
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

一気に読んだ!

やや先が読めてしまう点があり

でも描写の仕方で鳥肌がたった

永ちゃん
7WM38AKU

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