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ナイチンゲールの屍衣



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ナイチンゲールの屍衣の評価: 6.25/10点 レビュー 4件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.25pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(4pt)

面白くないです

ややこしい。

わたろう
0BCEGGR4
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

力作ではあるのだけど

ミステリーの展開が何となく読めてしまって・・・・。
ちょっと平凡すぎるかな。

それと途中ものすごく読みにくくて(理解しようとは思うのだけど、これはかなり頭の良い人でないと、無理なのかも)
ここまで重厚に?書かないといけないのかな?とか。
でも、重厚でないと、PDジェイムズじゃないっか!

ダルグリッシュがいつものダルグリッシュらしさがあまり無かった!と、感じたのは私だけかしら??

ももか
3UKDKR1P
No.2:
(7pt)

意欲作ではあるのだが。

CWA賞受賞でジェイムズ初期の代表作。本の厚みも1.5倍くらいになり、今のジェイムズの作風はここから本格的に形成されたと云える作品。

看護学校で起きた殺人事件をダルグリッシュ警視(実は『不自然な死体』で既に警視に昇格していた)が捜査に乗り出し、解き明かす。今まで名門の屋敷や休暇で訪れた村など、限定された場所ではありつつも、黄金期の本格をそのまま踏襲する実にオーソドックスな舞台設定であったが、本作以降、教会、出版社、原子力発電所など、舞台は色んな職場を舞台に、そこで働く、もしくは関係する人々の隠された軋轢を解き明かすという趣向に変わっていく。このような舞台設定を採用していくことで、それ以前の作品と違ってくるのは、物語が一種、業界内幕物となってくるところだろう。元々ジェイムズは確か病院の事務か経理をしていたという経歴の持ち主で、最初にこの看護学校を舞台に選んだのは自身が詳しい業界だったからというのは想像に難くない(その後調べてみたら、2作目の『ある殺意』で既に精神病院を舞台にしていた)。これはセイヤーズが自分がコピーライターとして勤めていた広告業界を舞台にした作品を書いたのと合致する、と『不自然な死体』に見られるジェイムズのセイヤーズ崇拝に拍車を掛ける理由付けとして書きたいところだが、概ね作家というのは自分の詳しい世界を舞台に作品を書く傾向があるのでこれはこじつけにすぎるというものだろう。

CWA賞受賞ということで、では何が変わったかというと特にそれほどの劇的な変化は見られず、従来から最たる特徴であったジェイムズの風景描写、人物描写、心理描写が登場人物がそれまでの作品と比べて増していることで、その分増えた結果、このようなページ数の増大に繋がったという傾向が強い。とはいえ、そこに介在する人間の悪意についてはさらに露骨に書かれ、実際その心情を登場人物がぶちまけるシーンもあり、実際に直面するとかなりドン引きだろうと思われる。
こういう誰もが殺人を犯す動機があるという作品は犯人当て趣向の作品では意外性を伴わない危険性があり、本作もそう。特に動機面についてはごく普通であり、CWA賞受賞作という前知識から期待感を持って読むと、ちょっと肩透かしを食らう感はある。実際私はそうで、それが上の☆評価に繋がっている。やはり『皮膚の下の頭蓋骨』のような、目から鱗が剥がれるような動機などあれば、もっと評価は上がるのだろうけど、初期の作品だからしょうがないか。
物語の閉じ方は降り積もった悪意が解き放たれる思いがする。知りたくない人もいるだろうから詳しくは書かないが、既にぎくしゃくして、いつ壊れてもおかしくない状態だった関係性を一旦清算し、新たなる出発を予感させる。これはその後、ジェイムズ作品で一貫して取り入れられている結末だ。

とまあ、『皮膚の下の頭蓋骨』、『罪なき血』と後の傑作を先に読んでしまったがためにその後に読んだダルグリッシュシリーズがこのような評価になってしまうのは残念なところ。原本の刊行順で読めばまた感想も変わったかもしれない。

Tetchy
WHOKS60S
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

辛辣な人間観察眼が秀逸!

アダム・ダルグリッシュ警視シリーズでは4作目にあたり、初めてシルバーダガー賞を受賞した、P.D.ジェイムズの出世作。閉鎖的な人間関係の中に潜む愛憎を冷徹に暴いていく、P.D.ジェイムズの真骨頂といえる作品だ。
ビクトリア朝時代の遺物のような外観の看護婦養成所・ナイチンゲールハウスで発生した、2件の看護学生変死事件。明確な動機は不明ながらどちらも殺人を疑われ、しかもナイチンゲールハウスに関係する誰もが事件に関与する機会を持っていた。ダルグリッシュ警視は緻密な聞き取りを重ねていくことで、濃密な人間関係の中に隠されていた醜悪な人間性を暴き出し、驚くべき事件の真相を解明する。
白衣の天使の裏側に邪悪な小悪魔が潜んでいるというのは、ありがちな話ではあるが、P.D.ジェイムズの非凡な観察眼は人間性の小さなヒダを克明に描き出し、登場人物ひとりひとりの個性を際だ立たせて、非常に厚みのある物語となっている。ダルグリッシュの捜査が進むほどに疑わしい人物が増えていき、謎解きの面白さはぐんぐん加速する。さらに、犯人と動機の解明部分では、それまでに張り巡らされていた伏線の巧みさに舌を巻くことになる。犯人が分かったあとの事件処理については、様々な異論があるだろうが、イギリス本格派ミステリーの王道を行く作品であることは間違いない。

iisan
927253Y1

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