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サンドリーヌ裁判



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【この小説が収録されている参考書籍】
サンドリーヌ裁判 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

サンドリーヌ裁判の評価: 6.50/10点 レビュー 2件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

インテリは社会病質者なのか?

トマス・H・クックの2013年の作品。法廷ミステリーの形式をとりながら、人が人生で成し遂げるべきは何かを問いかける重いテーマだが、前作「ジュリアン〜」より更にミステリー要素が濃くなって、最近の作品としてはかなり読みやすかった。
ALS(筋萎縮性側索硬化症)に悩んでいた大学教授・サンドリーヌが強力な鎮痛剤の過剰摂取で死亡したのは、自殺なのか、夫のサムによる殺人なのか? 無実を訴えるサムを被告とする裁判が始まると、明らかにされていくのはサムには不利な状況証拠ばかりだった。裁判の過程でサムは結婚生活を振り返り、サンドリーヌの隠された真意を探ろうとするのだが、確たるものは掴めなかった。そして、陪審団の評決は・・・。
主人公・サムの偉大な小説を書くという夢を果たせず、田舎の大学の英文学教授としての安定した生活に埋もれながら周りの人々の無知を軽蔑する、相当イヤミなインテリというキャラクター設定が秀逸。読者は、サムに感情移入したり反発したりしながら人生とは、結婚生活とは、家族とはを深く考えるようになるだろう。
裁判の開始から評決までを丁寧に追いながら、随所に回想を挟んで真相を解明していくという展開がなかなかスリリングで、最近のトマス・H・クック作品としてはエンターテイメント性を高く評価できる。

iisan
927253Y1

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