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サンドリーヌ裁判
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サンドリーヌ裁判の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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聡明で美しい大学教授サンドリーヌは、謎の言葉を夫に書き記して亡くなった。彼女は自ら死を選んだ? それとも殺害された? 同じく教授の夫が疑われるが、信じがたい夫婦の秘密が明らかに…… | ||||
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最後の1ページに尽きる。通常の意味とは異なるが、これもひとつの“finishing stroke”に違いない。張り巡らされた深謀遠慮がここに見事なまでに帰結する。不覚にも滂沱の涙を流してしまった。 ミステリとして見ると、やや構成に遺漏があるので評価はこの程度になったが、ラストのせいで読後感は良かった。 | ||||
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よかった。クックの作品はずっと追い掛けているが、初期の誰も幸せにならない、暗く、深いストーリーが好きだったが、これは、いい。こんな、深い愛の物語があるとは、おもいもよらなかった。 | ||||
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クックの作品にしては輪郭がぼんやりしている気がした。サンドリーヌの悲嘆とサムの変容もあまり伝わってこなかった。 | ||||
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さて。 「サンドリーヌの企み」は成功したのか失敗したのか。 いや、そもそもそんな企みがあったのかどうか。 すべては夫サミュエルの壮大な被害妄想でしかなかったのか。 ――心理の裏の裏をめくり、人間性の正と邪、光と影をうがつ話の運び方はさすが。 しかしこれはミステリーでも、サスペンスでも、ましてや法廷小説でもない。 ありきたりな表現になってしまうけれど、深い深い夫婦の絆の物語なのだ。 読み終わった深夜、思わずウィスキーの瓶に手が向かったのはこのためかもしれない。 | ||||
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5星ばっかりだから 何か レビューしたくなった 読みきったけど なんだか全くわからんかった 買取に出した | ||||
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ここまで、人間は果てしなく落ちていくのか、と深いため息をつきたくなるような小説世界ですが・・・。 アメリカの小さな町の冴えない大学。そこの史学教授のサンドリーヌと英文学教授のサミュエル。この二人の夫婦の話です。妻のサンドリーヌは美貌と知性とすばらしい家柄となによりも、やさしさがあります。夫のサミュエルは貧乏人の家柄で、容貌も冴えないし、頭はいいけれど、サンドリーヌほどの知性もない。ところが、信じられないことに、サンドリーヌは、若いころのサミュエルに「何か」を感じて彼にプロポ-ズしてしまいます。確かにひたむきで純粋な何かがあったのですが、年月とともに実にいやな男に変貌してしまうのです。そこからサンドリーヌの苦悩が始まります。悪いことにサンドリーヌは筋萎縮性側索硬化症にかかり、将来の見込みがない日々に打ちのめされます。妻は自殺したのか夫が殺したのか。そこが裁判で争われます。ですから、この小説はいきなり裁判で始まります。第一日から第十日で裁判は終わりますが、これが読みだすと止めることができないほどに面白いのです。むしろ自分の中にもある醜さや狡さや汚さ、いやらしさをこれでもか、これでもか、というほど思い知らされて、つらくなるのですが、ちゃんと人間の素晴らしさも救いも用意されています。 トマス・H・クックはわりと最近知った作家で、彼の小説はまだ4作しか読んでいません。「キャサリン・カーの終わりなき旅」「ローラ・フェイとの最後の会話」「ジュリアン・ウェルズの葬られた秘密」、そして「サンドリーヌ裁判」。これらの小説に共通するテーマは人間の心の奥底に隠された罪です。どれもこれも重たい。しかし、どの小説も丁寧に紡ぎ出された物語で、手放したくない、と思えるような読み応えがあります。 | ||||
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これほどまでに登場人物に感情移入させられたのは初めてかもしれません。 物語は主人公の大学教授のサム・マディソンを「わたし」として、一人称で進んでいきます。妻のサンドリーヌ、ひとり娘のアレクサンドリアとの家族関係は冷めきってしまいつつも、夫婦2人ともに同じ大学の教授として、安泰な日々を過ごしていました。主人公サムにとっての安泰は日々は、妻の突然の死によって打ち破られます。彼は、妻の死の容疑者として、殺人事件の被告として法廷に立たされることになります。 作品を通じて、主人公サムの心理描写は圧巻の一言です。 裁判の当初は、サムは被告人となったことの実感もさほど強くありません。妻の死があたかも主人公自身にとって、とばっちりであるかのような、冷淡ともいえる心境が描写されています。裁判が進んでいくにつれ、暖かい家庭を築くことが出来なかったサムの後悔、そして、妻を失ってようやく沸き起こってきた喪失感、この心境の変化が痛いほどに胸を打ちます。特に、美人で聡明なサンドリーヌが、なぜ、冴えない男の自分を選んでくれたのか、その当時の幸福感を思い起こす様は息苦しいまでの切なさを感じます。事件の真実や裁判の評決よりも、主人公サムの心情の変化が何よりもミステリアスに仕上がっていると思います。 そうは言いつつも、裁判の行方、つまり、サムがどのような評決を受けるか、非常にスリリングです。事件の真実、つまり、サムがサンドリーヌの死について、犯人かどうか、これ自体は読み手が容易に想定ができるよう展開されます。ただし、裁判となれば別物です。検察側、捜査側はサムが実行犯であると見立て、有罪に持ち込もうとします。また、裁判は、ほぼ終盤まで、検察側が巧みに仕立てた証人の証言により、サムにとってかなり不利に進みます。重罰への恐怖、不安は重たく伝わってきます。検察側、弁護側それぞれの丁々発止のやりとりは「法廷もの」としての緊迫感を高めていたと思います。 主人公サムの一人称で、ストーリーは、ある意味、めまぐるしい展開を見せます。被告として立たされる目前の法廷シーンや、妻の死に関して刑事に尋問を受ける捜査中の記憶、また、妻との馴れ初めから一人娘のアレクサンドリアとの家族模様などなど。この展開、ふと気付けばシーンが切り替わっているのですが、この切替の巧みさによって、ストーリー展開にどんどん引き込まれていきます 終盤からラストは、この作品の満足感をより高めてくれたと思います 特に、ラストの「落とし方」はまさに絶妙であり、本当にすばらしい作品であったと思います。 | ||||
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難病に罹った妻を殺したと疑われた夫が裁判にかけられ・・・というお話。 全編で被告の大学教授の一人称で話が進行しますが、この主人公の内面心理が多く語られるけれど、裁判の中心になっている妻殺しに関しては最初から最後までやったかどうか判らないまま進行し、この辺が最近のクックの作品に見られる、容易に人の心の内側は判らない、という主題と通底していて読ませます。 それと合わせて今回の作品は真のあるべき夫婦像とは何か、を主題にしているように思いましたが、うがちすぎでしょうか。 作品全体もクックにしては珍しくリーガル・サスペンス風に展開していき、私みたいにリーガル・サスペンスの好きな人間の琴線に触れていつも以上に楽しめました(まぁ毎回面白いですが)。 それにしてもこの人は常に律儀に一年に一篇は書いてくれるので毎年楽しめて感謝しております。今後もこのペースで書き続けて頂きたいです。是非ご一読を。 | ||||
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