蜘蛛の巣のなかへ
※タグの編集はログイン後行えます
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.00pt |
蜘蛛の巣のなかへの総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全1件 1~1 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
記憶シリーズを読破された方には物足りないかもしれません。 | ||||
| ||||
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
週刊文春 2005年 海外第10位。 寄宿学校の教員 ロイ・スレータは、父ジェシーの余命が残り少ないことから、20数年ぶりに帰郷した。故郷には、殺人事件を起こしたあげく自殺した弟アーチー、そして将来を約束しながら結ばれることのなかった恋人ライラとの苦い想い出がある。過去のしがらみから家族を持つことを嫌うロイ。しかし、ロイはライラと再会したことをきっかけに、徐々に過去に隠された真実と向き合うことになるのだった。 ・・・ 愛の無い結婚をし、いつも家族の前で不機嫌だった父。ロイは、幼い頃から父とそりがあわない。父が死を目前としながらも、ロイを認めていないことを思い知る。 そして、ライラは、結婚して故郷を出ることを約束しながら、突然、約束を反故にした理由をいまだに語ろうとしない。 帰郷したロイは、過去に囚われた人々を前に、閉塞感を味わっているようだ。ロイを取り巻く周囲からの拒絶。冒頭からじわじわと重苦しさがのしかかってくる。 アーチーの死に謎があることを知ったロイは、父に促されるまま、過去を紐解いていく。そこには、街を牛耳る元保安官ウォレス・ポーターフィールドの影が見え隠れしていた。アーチは本当に人を殺したのか。そして、アーチーは本当に自ら命をたったのか。 ロイが調査をすすめるうち、父の過去、ライラの過去が明らかになる。少しずつ謎が提示され、読者を引っ張っていくストーリ展開は、クックの真骨頂だ。人の暗い側面を緻密に描いていくので、作品全体がどんよりしているのもクック節。すれ違う思いが、多くの不幸をうんでいくパターン。この湿度の高さがたまらない。 だが、これまでのクック作品と決定的に違って、ラストに微かな希望の光が瞬いてしまう。私は、救いなし と徹底的にブルーにしてくれるクックがお気に入りではあるのだが。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
クックの作品の中では珍しくサスペンス小説の王道を行くスタイルの作品です。主人公の暗い過去、その過去と現在が複雑に交錯しながら進行する語り口などクック特有の世界が展開されてゆくのですが、他の作品と明らかに違うのは主人公の「健全さ」と、主題ともいえるごくまっとうな家族愛といったものがストレートに描かれているところでしょうか。それにしても読み手の予測を常に裏切りながら、意外な結末に向かって一気に盛り上げてゆく筆致は見事。また文章の美しさは並みのサスペンスライターとは比べ物になりません。後味のよい佳作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
こいつはゲイか?!と、軟弱で中途半端な主人公にイライラする前半。しかし古い炭鉱跡を訪れるあたりから俄然人が変わったみたいに面白くなってきて、怒涛の後半へなだれ込む。後書きにもあるように、救いのある結末である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
クックの作風が変わりましたね。 初期の作品は上品なアメリカンハードボイルドであり、クックの現代の名声を一躍世に知らしめた俗に言う「記憶四部作」は、絶妙な描写テクニックの数々で、ある評論家が確か言ってましたが、雪崩がスローモーションでおきるような、そんな心理、造詣、場面を活字におとすテクニックと文章力に唖然としました。 そして本作では、父と子の内面の葛藤、登場人物のセリフ、人物描写がより、人間の内部にえぐるような、まさに人間の心の闇を描いているような結構暗めの物語になっています。 ラストがハッピーエンドに終わりすこしは救われますが、以前のクックの作品と比べたら重い印象が強いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
父の死期が近づいていることを知った主人公は、戻ってくるつもりではなかった故郷の地を踏む。 出て行った頃と何も変わらないように見えるそこには、 いまもなお、思いなかばで分かれてしまった昔の恋人と、 忘れようとしても忘れられない過去のある出来事が横たわる。 「あきらめてしまった人々」が多く登場するクックの作品だが、 本作の鍵を握るのは、あきらめきれない気持ちだ。 それは事件のきっかけにもなり、解決への糸口にもなり、 同時にこの作品の魅力にもなっている。 少しずつ記憶の糸がほぐれていくにつれて、あらわになっていく真実にたちむかうとき、 主人公の横には、いつも大きな存在でいた人=父がいる。 父と息子、というこれもまたクックの作品のキーワードのひとつだが、 この作品を読んで救われる気持ちになったのは、この関係性のゴールのおかげかもしれない | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 7件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|