鹿の死んだ夜

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種別
長編
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あらすじ

1994年05月31日 鹿の死んだ夜 (文春文庫)

初老の殺人課刑事リアダンが指名を受けて担当することになったのは、動物園の鹿の惨殺事件。実業界の大立者が寄贈した鹿だけに、市警全体がピリピリする“取扱い注意”事件だ。穏便に一件落着としたい上層部の意向をよそに、刑事の直感は冴える、この事件は人間に及ぶ…と。クックの魅力が存分に発揮されたMWA賞候補の処女作。(「BOOK」データベースより)

評判

鹿の死んだ夜の評価:

7.00/10点 レビュー 1件。 C ランク

書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点7.00pt

鹿の死んだ夜の総合評価:

8.75/10点 レビュー 4件。

感想一覧

サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

全1件 1〜1 1/1ページ
No.1
(7pt)

ミステリーとしても一級品!

「だれも知らない女」や「過去を亡くした女」と違って
この「鹿の死んだ夜」は、現代に通じるミステリーでした。
クック氏の「どんよりとした暗いミステリー」の初期作品といってもいいのではないでしょうか。
通じるものがあります!

クック氏の小説で勿体ないな~と思うのが、タイトルと表紙です。
原題がどうしてこんなタイトルになるのか。
表紙ももう少し人目を惹く?魅力的なものにできないのか。
表紙とタイトルで売り上げが全然違ってくると思うのですが。
そこが残念ですね。

ももか
3UKDKR1P

Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.3
(5pt)

鹿の死んだ夜

初老の殺人課刑事リアダンが指名を受けて担当することになったのは、動物園の鹿の惨殺事件。実業界の大立者が寄贈した鹿だけに、市警全体がピリピリする“取扱い注意”事件だ。穏便に一件落着としたい上層部の意向をよそに、刑事の直感は冴える、この事件は人間に及ぶ…と。
鹿の死んだ夜 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿の死んだ夜 (文春文庫)より
4167309289
No.2
(5pt)

文句なしに面白い

担当してる事件は全部うっちゃって鹿を殺した犯人を捜せ。何だこりゃって思っていたら、非常にシリアスなミテリーでありまして、こちらを主人公のこころの中にぐいぐい引きずりこんでいきます。あるときは重苦しくあるときは悲しく。こんなことが許されていいのかって結末の喪失感はでかい。
鹿の死んだ夜 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿の死んだ夜 (文春文庫)より
4167309289
No.1
(4pt)

トマス・H・クックの処女作(1980年)

NY市警のリアダン刑事。初老、退職直前、妻をがんでなくしたばかりと
設定はいかにも暗い。動物園で大実業家が寄贈したシカが二頭惨殺されるという
事件がおこり、やがて殺人事件に繋がっていく。

 たまねぎの薄皮をむくように真実が少しずつあらわになる。緻密で繊細な話の
展開は、クックの作品のスタイルがすでに処女作で確立されていることを示している。
それにしても、暗い。暗いがなにか魅かれる。こわいものみたさというか。

 誰のなかにもある心の闇。86丁目でレキシントン・アベニュー特急に
乗ったリラダンが電車の窓から子供を虐待する父親を目撃するシーン。
簡潔だが恐ろしい描写である。リラダンの激昂と苦悩。不条理な
暴力に対する怒り。ドストエフスキーも「カラマーゾフの兄弟」の中で、
子供に対する虐待はどんな世の中になってもなくならないと言っていたな。

 人間の社会は強者(権力者=父親)が弱者を痛めつける不条理な世界。
どうしようもなくやりきれないストーリーであるが、リアダンの優しい真摯な
まなざしと真実を追求していく気迫だけが救いである。
鹿の死んだ夜 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿の死んだ夜 (文春文庫)より
4167309289
No.0
(4pt)

 トマス・H・クックの処女作(1980年)

NY市警のリアダン刑事。初老、退職直前、妻をがんでなくしたばかりと
設定はいかにも暗い。動物園で大実業家が寄贈したシカが二頭惨殺されるという
事件がおこり、やがて殺人事件に繋がっていく。

 たまねぎの薄皮をむくように真実が少しずつあらわになる。緻密で繊細な話の
展開は、クックの作品のスタイルがすでに処女作で確立されていることを示している。
それにしても、暗い。暗いがなにか魅かれる。こわいものみたさというか。

 誰のなかにもある心の闇。86丁目でレキシントン・アベニュー特急に
乗ったリラダンが電車の窓から子供を虐待する父親を目撃するシーン。
簡潔だが恐ろしい描写である。リラダンの激昂と苦悩。不条理な
暴力に対する怒り。ドストエフスキーも「カラマーゾフの兄弟」の中で、
子供に対する虐待はどんな世の中になってもなくならないと言っていたな。

 人間の社会は強者(権力者=父親)が弱者を痛めつける不条理な世界。
どうしようもなくやりきれないストーリーであるが、リアダンの優しい真摯な
まなざしと真実を追求していく気迫だけが救いである。
鹿の死んだ夜 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿の死んだ夜 (文春文庫)より
4167309289
No.-1
(5pt)

これが処女作だなんて

完成されている、と思いました。本は書店で最初の数十ページをざっと読み、語り口が良いものを買う、というのが私流なんですが、この一冊は初めから惹かれると感じ、読中読後と進むにつれますます引き込まれた数少ない作品でした。キング、T.ハリス、S.スミス、そしてこのクックが、いま邦訳されているミステリ作家群のベスト4だと、私は位置づけています。たまたま出会ったこれが処女作で、その後の作品はすべてフォローしていますが、どれにも共通するこの作家のエッセンスがやはり本作に凝縮されています。猟奇的な、あるいは凄惨な、大きな暴力の犠牲になってしまう無垢なものへの哀惜と慈しみ。痛みに耐えつつ内へ内へと向かう主人公(つまりは作者)自身の傷に対する洞察。謎解きに終始する「推理もの」とこれが同じミステリというジャンルに分類される事にすら抵抗を覚えるくらい、優れた小説です。
鹿の死んだ夜 (文春文庫) Amazon書評・レビュー: 鹿の死んだ夜 (文春文庫)より
4167309289

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