鹿の死んだ夜
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鹿の死んだ夜の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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「だれも知らない女」や「過去を亡くした女」と違って | ||||
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担当してる事件は全部うっちゃって鹿を殺した犯人を捜せ。何だこりゃって思っていたら、非常にシリアスなミテリーでありまして、こちらを主人公のこころの中にぐいぐい引きずりこんでいきます。あるときは重苦しくあるときは悲しく。こんなことが許されていいのかって結末の喪失感はでかい。 | ||||
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NY市警のリアダン刑事。初老、退職直前、妻をがんでなくしたばかりと 設定はいかにも暗い。動物園で大実業家が寄贈したシカが二頭惨殺されるという 事件がおこり、やがて殺人事件に繋がっていく。 たまねぎの薄皮をむくように真実が少しずつあらわになる。緻密で繊細な話の 展開は、クックの作品のスタイルがすでに処女作で確立されていることを示している。 それにしても、暗い。暗いがなにか魅かれる。こわいものみたさというか。 誰のなかにもある心の闇。86丁目でレキシントン・アベニュー特急に 乗ったリラダンが電車の窓から子供を虐待する父親を目撃するシーン。 簡潔だが恐ろしい描写である。リラダンの激昂と苦悩。不条理な 暴力に対する怒り。ドストエフスキーも「カラマーゾフの兄弟」の中で、 子供に対する虐待はどんな世の中になってもなくならないと言っていたな。 人間の社会は強者(権力者=父親)が弱者を痛めつける不条理な世界。 どうしようもなくやりきれないストーリーであるが、リアダンの優しい真摯な まなざしと真実を追求していく気迫だけが救いである。 | ||||
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完成されている、と思いました。本は書店で最初の数十ページをざっと読み、語り口が良いものを買う、というのが私流なんですが、この一冊は初めから惹かれると感じ、読中読後と進むにつれますます引き込まれた数少ない作品でした。キング、T.ハリス、S.スミス、そしてこのクックが、いま邦訳されているミステリ作家群のベスト4だと、私は位置づけています。たまたま出会ったこれが処女作で、その後の作品はすべてフォローしていますが、どれにも共通するこの作家のエッセンスがやはり本作に凝縮されています。猟奇的な、あるいは凄惨な、大きな暴力の犠牲になってしまう無垢なものへの哀惜と慈しみ。痛みに耐えつつ内へ内へと向かう主人公(つまりは作者)自身の傷に対する洞察。謎解きに終始する「推理もの」とこれが同じミステリというジャンルに分類される事にすら抵抗を覚えるくらい、優れた小説です。 | ||||
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