だれも知らない女
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だれも知らない女の総合評価:
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全2件 1~2 1/1ページ
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クック氏の「記憶シリーズ」が大好きで初期の作品も読みたいとずっと思っていました。 | ||||
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アメリカの探偵小説にありがちな酒好きのカッコつけ屋ではなく、情報を細かくメモしながら一歩一歩事件の真相に近づいていく。そんな警官フランクが好きです。最後のシーンで救われました。 | ||||
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妊娠して死んだ絶世の美女の人となりを誰も知らない。姉ですらも。学校の同級生ですら喋ったことがない。しかし妊娠はひとりじゃできない。とここからレンガを積み重ねるがごとき地道な捜査が始まります。美しい姉に恋ごころを抱きながら。捜査を進めるごとに深まる孤独と恋ごころ。盛り上げもしないし驚かせもしない。その淡々とした筆致が堪りません。 | ||||
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トマス・クックは「夏草の記憶」が初読でとてもよかったので、戻って初期の作品から読んでみようと思いました。第1、第2作あたりはアマゾンのレビューもイマイチだったので、第5作目のこの作品がMWA(アメリカ推理作家協会賞)にノミネートされ、クックの名を不動のものにしたと聞き、まずこの本を手に取りました。アトランタ市警殺人課のフランク・クレモンズ・シリーズの最初の作品でもあります。1988年の作だそうで、かなり前の作品なのでどうかなと思ったのですが「夏草の記憶」と同じように独特のクック節はすでに健在でした。 アメリカ南部アトランタのうだるような夏。低所得世帯の住む荒廃した地域と緑が多くて涼やかな高級住宅街の対比、猥雑で雑多な繁華街など、けだるい町の独特の雰囲気がよく出ています。主人公のフランク・クレモンズは、1人娘が原因もわからず自殺してしまい、妻とは離婚という心の傷をかかえて警察の仕事をこなす毎日。どこか諦念に満ちた彼の静けさが魅力的です。相棒の刑事で定年前のケーレブもいい味を出しています。そして、何よりも殺された美少女の謎めいた人物造形にとても惹きつけられます。誰もが振り返るような光輝く美女だったアンジェリカは、貧困層の住む危ない地域で無残に捨てられていました。避妊のためと思われる毒物を7回も子宮に注射されて。そのうちに彼女が実は富裕層の娘で莫大な財産を相続したばかりだったことがわかります。けれど、実際彼女がどんな人物だったのかは調べれば調べるほどわからなくなってきます。両親はすでに亡く、たった1人の姉も彼女のことがよくわからない、学校でも彼女は人と打ち解けず、誰も彼女のことをよく知らない、彼女の部屋を訪れてみれば、11歳の少女の頃そのままに、まるで成長が止まってしまったかのように幼い現実感のない部屋・・・。フランクは淡々と捜査を進めていきます。 恵まれて育ったはずの少女の心の闇、自殺してしまったフランクの娘も同様で、捜査は同時に心に巣食うものを追求してゆくことでもありました。クックの小説はまだ3冊読んだだけですが、殺人事件の解決やトリックよりも、登場人物の過去や内面を深く掘り下げて、謎を明らかにしていく過程が魅力的です。そういう意味ではミステリであると同時に、純文学のような香りが感じられます。このあたりで純粋なミステリ・ファンには評価が分かれるかもしれません。 フランクの孤独と、それに呼応する殺された少女の姉カレンの孤独にもひきつけられるものがあります。最後にニューヨークへ行ってしまうカレンを追って、その場で何もかも捨てる決心をしたフランクはとてもドラマチックでした。実は待ちきれなくてそのまま続けて次作「過去を失くした女」に読み進んでしまいました。合計10時間以上、ぶっ続けで読んでいたかも・・・(汗)。トマス・クック作品は、すべてこのような静謐で哀愁に満ちた作風なのでしょうか。止まらなくなくなります。やばいです・・・。 | ||||
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