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深い疵



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【この小説が収録されている参考書籍】
深い疵 (創元推理文庫)

深い疵の評価: 7.20/10点 レビュー 5件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.20pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

深い疵の感想

邦訳の本としてはまだこれ一冊と言う本作。こちらのサイトでの高評価なレビューを見て手にとってみました。その高評価を裏切らない、非常に読み応えのある警察小説でした。
アウシュビッツを生き抜いたユダヤ人であり60年もアメリカの大統領顧問として活躍してきた著名人が頭を撃ち抜かれて殺される事件が起こり、司法解剖の結果被害者はナチだった事が判明するのですが、政治的な圧力がかかり捜査することを強引に止められてしまいます。
しかし第2、第3の殺人が続いて起こり、主役のオリヴァーはじめ殺人捜査課のメンバーが事の真相を追っていくのですが、捜査の過程や人物描写も素晴らしく、内容も深く重く読みかけると最後までやめることができませんでした。

ただ、シリーズの3作目だと言う事で、物語は独立していて面白いものの主役を含めた捜査陣の背景などが1作目からだともっと感情移入しやすかったかもしれません。

それにしても戦後の対応の違いをまざまざと見せ付けられた気がしました。同じ軍国主義に走り敗戦国となったにもかかわらず、ドイツと日本ではあまりにもその後が違いますね。
昨今の状況を見る限り、ただ臭いものに蓋をしてきただけの日本は、本当の意味で戦後の責任や反省をしてきたとは思えません。あんな時代にまた逆戻りするのではないかと、読み終わったときに思わず感じてしまいました。

登場人物も多く名前もなじみにくいので敬遠する方もいるでしょうが、ぜひ多くの方に読んでもらいたいと思いました。

たこやき
VQDQXTP1

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