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ムーンライト・マイル



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【この小説が収録されている参考書籍】
ムーンライト・マイル (角川文庫)

ムーンライト・マイルの評価: 8.00/10点 レビュー 1件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

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(8pt)

パトリック&アンジーの最終章

12年ぶりに発表されたパトリック&アンジー・シリーズの第6作は、第4作「愛しき者はすべて去りゆく」の後日談であり、最終作でもある。
アンジーと結婚し4歳の娘を育てているパトリックは、アンジーとの共同の探偵事務所をたたみ、今は超上流階級を顧客に持つボストンの老舗調査事務所から仕事を貰いながら、健康保険、保育費などを心配する日々を過ごしていた。折からアメリカ社会はリーマン・ショックの後遺症で不況にあえいでおり、パトリックは調査事務所の正社員として雇われることを願っていたが、ストリート育ちの正義感から生まれる上流社会の鼻持ちならない人々への反感は隠しようもなく、正社員への道は閉ざされたままだった。
そんな折、パトリックとアンジーが12年前に誘拐犯から救け出したアマンダという少女の叔母から、16歳になっているアマンダがまた姿を消したので探してほしいという依頼を受ける。気乗りしないパトリックだったが、アマンダの救出にまつわる苦い思い出と、依頼の直後に「アマンダに手を出すな」と脅迫されたことがあいまって、再びアマンダを探すことにする。中年期に差し掛かって気力、体力が衰えてきたことを自覚し、守るべき家族もかかえるパトリックはかつて自分が過ごした暴力の世界からは身を引くつもりだったのだが、捜索の過程でいやおうなくその世界へと引きずり込まれていく。
シリーズの終わりにふさわしい、感傷的で穏やかなラストシーンが印象的だった。

iisan
927253Y1

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