ええ、はい。あの事件のことでしょ?―幸せを絵に描いたような家族に、突如として訪れた悲劇。

連続する幼女誘拐事件の捜査は行きづまり、捜査一課長は世論と警察内部の批判をうけて懊悩する。

もう耐えられない―画家の矢沢辰生は、異常なほど嫉妬深い妻の暴力に苦悩していた。ときには死の恐怖すら感じるほどだった。

幼い命の死。報われぬ悲しみ。

大和大学助教授の稲木は、バーのマダム啓子との情事の帰途、入試問題草案を紛失した。

あの強固な呪縛から、いつか解き放たれたかった。

昭和初期の小倉。私鉄職員の“わたし”三輪は、陶器会社に勤める仲間、秋島、久間とともに詩を愛好していた。

早朝の鳥取砂丘に突き出た“足”。マネキンかと思われたその足は女性のものだった。

埼玉県と長野県の境近く、かつては個人の別荘であった寮「リラ荘」を、日本芸術大学の学生七名が訪れた。

カスミは、タケルとホウを父・藤堂の知人が運営する薬物依存症患者の更生施設に連れてきた。

黄色いアサガオだけは追いかけるな―。この世に存在しないはずの花をめぐり、驚愕の真相が明らかになる長編ミステリ。

家族を何者かに惨殺された過去を持つタケルは、クチナワと名乗る車椅子の刑事からあるチームに誘われ、組織の謀略渦巻くイベントに潜入する。

特殊能力を活かし、裏のコンサルタントとして生きる女・水原は、旧知の湯浅に堂上という男の調査を依頼される。

井の頭公園に隣接する植物園で、音響機器のエンジニアとバレリーナの惨殺死体が発見された。

最愛の妻はすでに亡く、たったひとりの娘も独立し海外で暮らしていた。大学教授・葉山英介は平穏な人生の冬を送るはずだった。

労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。

中原道正・小夜子夫妻は一人娘を殺害した犯人に死刑判決が出た後、離婚した。

落水周吉と茨城辰二は、掘り出し物の中古品も商うレコード店を共同経営している。

西暦2023年、東京。犯罪組織は多国籍化し、凶悪を極めていた。

東京・目黒の喫茶店で中年セールスマンが毒殺された。

失業中の元銀行員・大原次郎は、再就職活動中に金融絡みの難題について相談を受けた。

銀行には金と秘密と謎がある。

湯田真壁という珍しい名前の男が熱海の旅館で殺された。

都市銀行の中でも「負け組」といわれる東京第一銀行の副支店長・蓮沼鶏二は、締め付けを図る本部と、不況に苦しむ取引先や現場行員との板挟みに遭っていた。

豪邸の庭に埋められていた白骨死体は誰なのか?犯人が黙秘を貫く中、警察は押収した手記をもとに、被害者の特定を試みるが…。

福岡市の香椎海岸で発見された男女の死体。汚職事件渦中の某省課長補佐と愛人の心中と誰もが思ったが…。

オレはガンではないか。―経営者としてわずか2年半、夢と志を賭けた事業なかばにして倒れた男の無念の生涯。

「これは貸しだからな」。謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。

東京・蒲田駅の操車場で男の扼殺死体が発見された。

遠く離れた2つの温泉地で硫化水素による死亡事故が起きた。

幹部行員の裏金工作を追及した恋窪商太郎は、謂れなき罪を着せられメガバンクを辞職。

通称“座敷牢”。関東シティ銀行・人事部付、黒部一石の現在の職場だ。

衆人監視の白木の箱の中から突如消えた“人形の首”。

深夜の交差点で衝突事故が発生。信号を無視したのはどちらの車か。

前任地での仕事の引継ぎに行って来るといったまま新婚一週間で失踪した夫、鵜原憲一のゆくえを求めて北陸の灰色の空の下を尋ね歩く禎子。

パーティ・コンパニオン小田香子は恐怖のあまり声も出なかった。

「姦通」していた男女が熊に殺された—。

浜松市に本拠をおく植田発動機のマリーナ課長・遠藤悟郎の新妻・恵梨子が新婚旅行先から失踪した。

獣医の手島伯朗のもとにかかってきた、弟の妻・矢神楓からの電話。

奥州衣川で非業の死を遂げた源義経。モンゴル帝国を築いたジンギスカン。

犯罪小説家として売り出し中の私のもとへ、むかし抱いた星村美智から電話がかかってきたのは深夜だった。

警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。

眉目秀麗、頭脳明晰、白面の貴公子。輝かしい形容に彩られた名探偵、神津恭介。

野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。

花城佐紀子の姉・由記子が、遺言を残し恋人の本多昭一と失踪した。

悲劇なんかじゃない。これが私の人生。

松本清張原作の傑作映画と、解説本を組み合わせたシリーズの第7巻。

満席で飛び立ったジェット機内から、一人の女が消えた!?新聞記者の冬木悟郎は、人妻・朝岡美那子失踪の謎を追って、彼女の郷里・福岡へ。

長打を放った四番打者が三塁ベースの手前で突然倒れ、死亡する。たまたまスタンドからその光景を見ていた一人の検事。

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。

殺人事件の時効成立目前。

大手銀行から出向し、三百億円もの累積赤字にまみれていた老舗の専門商社をたった二人で再建した敏腕社長、滝本。

心を病んで入退院を繰り返し、妻に去られた大間木琢磨。父の遺品を手にすると、生まれる前・昭和三十年代の光景が脳内に蘇った。